手のかかる社長から狂愛されちゃいました

執着心が強いストーカー男

「……犯人、相馬社長じゃない？」

オリジナルコミック制作会議で運営女性メンバーと人気恋愛小説家がオフィス内の作業室兼会議室に集まり、私をネタにして話を弾ませる。

「これネタでオリジナルコミック新連載したら受けるかな？」

美魔女な七瀬ちとせ先生が面白がって２週間で“ストーカーは我が社の社長でした”を15万字の小説にしたて、オリジナルコミックとして連載した。

部屋の内を物色する描写が生々しく、当事者側としては読んでいて吐き気がもようしてしまった。

漫画家さんから送られてくる原稿データを電子書籍に編集する作業をしていて気づく。

私の部屋に不法侵入したストーカー男は、私の部屋に盗聴器や監視カメラを取り付けてるのではないかと。

リビングダイニングと寝室の照明や掛け時計などを埃取りするふりして調べたら、2cmぐらいの真四角な超小型カメラが10個も出てきた。

充電式だから3日で電池が切れるはずなのに電源が付いていた事から、ストーカー男は今も私の部屋に不法侵入しているという事実に気がついた。

お風呂とトイレ、洗面室に小型カメラが仕掛けられてない事にほっとする。

寝室で着替える際にナイトブラからブラジャーに着替えるから胸は見られてる。

「……小型カメラが10個も出てきた」

小型カメラは全て取り外し、オフィスビルに持って行き、出社してる運営メンバーに渡した。

「ストーカー男、相当、鈴原さんに執着してるね。カードキー新しくしたのにもうスペアを手に入れて家に不法侵入してる」

犯人はカードキーを入手できる人しかいない。
マンションのコンシェルジュが犯人かもしれないと頭によぎるも、それは絶対にないと思い直す。
このマンションには女子アナや女優さんも住んでいて、私よりも若くて綺麗な女性は沢山いる。

「鈴原さん、ちょっといいかしら」

オリジナルコミック制作会議でオフィスに来ていた七瀬ちとせ先生が、私を連れて外に出た。

会社スマホとプライベートスマホにお財布をオフィスに置いたままで、15分ほど歩いた先にあるスタバに入り、七瀬ちとせ先生にマンゴーフラペチーノをご馳走になった。

「ストーカー男は相馬社長だよ。たぶん、会社とプライベート用のスマホに盗聴器とGPS仕掛けられていて、遠隔操作でネット検索履歴とメールとラインを全て盗み見してると思うよ」

運営スタッフ女性陣と人気恋愛小説家達は相馬社長がストーカー男だと疑っていた。