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犬猿の仲のあいつに恋して
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ビッツのハイブリッド仕様のエンジン制御システムの仕様書を作成する中で、かなり複雑なプログラミングを入れ込まないと返信いけなくて悩む。
車に乗る人の総重量を300kgと仮定時速50kmにし、時速40kmからエンジンに切り替わるようにしたりとあれこれ試行錯誤をする。
斎藤課長からシステムは走行動作試験の後に訂正できるからと言われ、結花に相談して無難な数値で仕様書を作成し、試作でエンジン制御ECUを作成し、走行動作試験をトミタで行う事にした。
モーターだけで走るモードを備えたシステムはトミタでは初の試みで、上手く機能するか不安だった。
やはりエンジンが止まるエラーが発生して戸惑う。
「……モーターの力だけだと弱いね。40kmを切り替え速度にしよう」
結花が走行動作試験に立ち会い、データを見ながらシステムを変更していく。
「モーターの回転数が少ない気がする。ハード的に問題があるのかも」
結城がエンジンルームを開き、ハード面をチェックしていく。
「また部品のサイズがあってなくて不具合が出てる気がする」
試験を止め、モーターとバッテリーの部品を確認し、一部噛み合ってない部品を小さいサイズに変えていった。
「初瀬、燃料噴射量の数値をあげて、余分エネルギーがバッテリーにいくようにしたから」
ハードに関しては大学で浅く学んだだけなのに結城がそう指示し、疑心暗鬼にいわれた通りにする。
バッテリーの充電量が多くなり、そのおかげでエンジンが止まらなくなった。
「結城くん、流石だね!!」
午後14時から行われた走行動作試験は18時になんとか無事に終えた。
桐谷部長は今日は社外に出ていていなくて、結城のおかげでなんとか問題を解決できた。
「桐谷部長がどう判断するかわからないけど」
結花がこの日は名鉄でトミタまで来ていたから、走行動作試験の後にタクシーで10分先の土橋駅側の居酒屋で、結花と結城と飲み会をする事にした。
7月の終わりで紺のフォーマルな身体のラインが目立つワンピースを身にまとってる結花。
居酒屋 楽々で焼き鳥の盛り合わせやお刺身の盛り合わせ、枝豆、唐揚げなどありきたりのメニューを注文し、ビールを飲みながら仕事に感じる話題で盛り上がる。
結花はビールが苦手で1杯目からレモンサワーを頼む。
「うちの部署のやつら、全員が担当は初瀬がいいっていってる。要求仕様に応えるだけでなく最善な方法を考えて寄り添う初瀬に感謝してる」
ビールをジョッキ3杯目を飲み、気持ちが高騰してる結城が結花に言った。
「当たり前の事をしてるだけだよ。結城くん、おだてても何もでないよ」
1杯目のレモンサワーを残し、グレープフルーツジュースを飲んでる結花。
結城はいまだに結花に恋心を抱いてる。
結花には桐谷部長という恋人がいて、高嶺の花で手が届かない存在。
でも、結花の美しさとスペックの高さに結城は惹かれてるようで、結花の方をじっと見つめながらビールを飲みながら料理に手をつけてた。
大学時代も結城は結花に恋心を抱いてた。
2人が上手くいったらいいなと思いながらも奥手な結城が行動に移さず6年が過ぎ、就職して半年後に上司の桐谷部長に結花をとられた。
就職してから常に結城と一緒にいるわたし。
仕事に関してわたしよりできる結城に嫉妬して喧嘩をしながらも常に隣にいて、そのせいか結城が結花に恋してる視線を向けているのが嫌に感じた。
桐谷部長が21時に過ぎに結花を迎えにきたからそれでお開きになったけど、結花と桐谷部長の2ショット見て、結城は切なそうだった。
お盆連休が始まり、毎年恒例の大学のゼミの飲み会に教授が参加するとかで実家で彼氏がいないわたしは暇だからせっかくだから参加をしようと決めたわたし。
結花にLINEしたら実家にいる愛犬が最近死にかけたから今年のお盆連休は実家の神戸で過ごす事にしたらしい。
だから飲み会の日に早めに落ち合いスタバでお茶して、飲み会の後は一緒にホテルのツインルーム泊まろうと計画を立てた。
お盆連休は9日もあるのに恋人の桐谷部長を放置して実家に帰る結花。
桐谷部長がボストンに旅行するらしく、実家でのんびりしようと思ったのかもしれない。
飲み会会場に着くと、結花の周りに人が集まる。
ホンマと日創とタナカとマスタのエンジン制御システムの仕事を手がけて先輩や後輩が結花に話しかけてきて、1人1人に丁寧に対応する結花の隣の席で、わたしは寂しくビールをひたすら飲んだ。
結花はトミタ以外の自動車メーカーでもエンジン制御ECUシステム開発の仕事をし慕われてる。
45分ぐらい経って教授が到着し、結花に話しかけてたメンバーが席を移動した。
「結花はいいよね。仕事ができて、可愛いしスタイルいいし、桐谷部長が彼氏だし……」
ビールをジョッキで3杯飲み干してたわたし。
結花に酷い言葉をかけてしまった。
仕事に関しては結花は努力をしてる。
結花は優しいからわたしの酷い言葉を聞き流してくれて飲み会の間ずっと隣にいてくれた。
結花に当たってしまった自分に嫌気をさし、ついつい飲み過ぎてしまい、2次会のカラオケで意識をもうろうとさせてしまった。
【酒は飲むとも飲まるるな】
普段ここまで飲み過ぎることは無いのに、わたしはやらかしてしまった。
結花に当たってしまったのは、結花が見た目だけでなく仕事もできてスパダリな桐谷部長が彼氏だからというのが理由じゃない。
わたしが結城の事が好きになってしまい、それで結城がいまだに結花の事を好きだから、結花に嫉妬してしまってる。
カラオケチェーン店で完全に酔い潰れ動けなくなったわたしを結花が揺すって起こそうとする。
でも、身体が思うように動かない。
「……天沢、酔い過ぎだろ」
結城の声が聞こえた。
「プリンセスホテルをとってんだっけ?」
「うん」
「俺もプリンセスホテルをとってるからコイツ連れて行くわ」
結花が困ってるから来てくれたんだと思う。
結城がわたしを背負い、結花と3人で居酒屋チェーン店から出た。
結城の背中の温もりと結城の香りに包まれ夢のような時間
プリンセスホテルの結花と泊まるツインの客室へ入り、結城はわたしをベッドの上に降ろした。
結城がわたしから離れるのが嫌で、酔って身体が思うように動かなかったのに、
「……結城、好き」
わたしは背を向けて離れようとしてる結城に抱きついてしまった。
結城が振り向き、わたしの両腕を外す。
でも結城が着ているシャツを握り締めた。
「結城くん、わたしと部屋交換してくれる?すぐに結城くんの荷物をとってくるから、始めるのはもう少し待ってて」
結花がそういうと結城のルームキーを取り、ボストンバッグを持って出て行き、5分後に結城のリュックサックとここのルームキーを入り口に置いて、「おやすみなさい」と言って出て行った。
わたしがシャツを掴んでるから身動きできない結城はベッドに腰掛けてため息をついた。
「天沢、起きてるんだろ」
「……」
狸寝入りしてるのがばれてたらしく、でも身体が怠くて起き上がるのは辛い。
でもなんとか上半身起き上がり、結城と顔を見合わせた。
「天沢……ありがとう」
わたしに優しく笑いかけてくれた結城
至近距離でハンサムな結城の顔があり、恥ずかしいから目をそらしたいけどじっと見つめ見惚れてしまう。
「俺も……天沢の事が気になってた」
「結城は結花の事が好きなんじゃ」
「……確かに大学の時から最近までは確かに初瀬の事が好きだった。でも、それは好きというより憧れに近かった。側にいるとかいまだに緊張するし、天沢とはなんでも言い合えて一緒にいて和む。天沢、俺と付き合おうか」
酔ってるから夢の中にいるんじゃないかと思ってしまう。
わたしのおでこにキスをし、「シャワー浴びてくる」と結城はバスルームへ行った。
戻ってきた結城は隣のベッドの中に入った。
結城と付き合う事になり興奮して中々眠りにつけなかった。
車に乗る人の総重量を300kgと仮定時速50kmにし、時速40kmからエンジンに切り替わるようにしたりとあれこれ試行錯誤をする。
斎藤課長からシステムは走行動作試験の後に訂正できるからと言われ、結花に相談して無難な数値で仕様書を作成し、試作でエンジン制御ECUを作成し、走行動作試験をトミタで行う事にした。
モーターだけで走るモードを備えたシステムはトミタでは初の試みで、上手く機能するか不安だった。
やはりエンジンが止まるエラーが発生して戸惑う。
「……モーターの力だけだと弱いね。40kmを切り替え速度にしよう」
結花が走行動作試験に立ち会い、データを見ながらシステムを変更していく。
「モーターの回転数が少ない気がする。ハード的に問題があるのかも」
結城がエンジンルームを開き、ハード面をチェックしていく。
「また部品のサイズがあってなくて不具合が出てる気がする」
試験を止め、モーターとバッテリーの部品を確認し、一部噛み合ってない部品を小さいサイズに変えていった。
「初瀬、燃料噴射量の数値をあげて、余分エネルギーがバッテリーにいくようにしたから」
ハードに関しては大学で浅く学んだだけなのに結城がそう指示し、疑心暗鬼にいわれた通りにする。
バッテリーの充電量が多くなり、そのおかげでエンジンが止まらなくなった。
「結城くん、流石だね!!」
午後14時から行われた走行動作試験は18時になんとか無事に終えた。
桐谷部長は今日は社外に出ていていなくて、結城のおかげでなんとか問題を解決できた。
「桐谷部長がどう判断するかわからないけど」
結花がこの日は名鉄でトミタまで来ていたから、走行動作試験の後にタクシーで10分先の土橋駅側の居酒屋で、結花と結城と飲み会をする事にした。
7月の終わりで紺のフォーマルな身体のラインが目立つワンピースを身にまとってる結花。
居酒屋 楽々で焼き鳥の盛り合わせやお刺身の盛り合わせ、枝豆、唐揚げなどありきたりのメニューを注文し、ビールを飲みながら仕事に感じる話題で盛り上がる。
結花はビールが苦手で1杯目からレモンサワーを頼む。
「うちの部署のやつら、全員が担当は初瀬がいいっていってる。要求仕様に応えるだけでなく最善な方法を考えて寄り添う初瀬に感謝してる」
ビールをジョッキ3杯目を飲み、気持ちが高騰してる結城が結花に言った。
「当たり前の事をしてるだけだよ。結城くん、おだてても何もでないよ」
1杯目のレモンサワーを残し、グレープフルーツジュースを飲んでる結花。
結城はいまだに結花に恋心を抱いてる。
結花には桐谷部長という恋人がいて、高嶺の花で手が届かない存在。
でも、結花の美しさとスペックの高さに結城は惹かれてるようで、結花の方をじっと見つめながらビールを飲みながら料理に手をつけてた。
大学時代も結城は結花に恋心を抱いてた。
2人が上手くいったらいいなと思いながらも奥手な結城が行動に移さず6年が過ぎ、就職して半年後に上司の桐谷部長に結花をとられた。
就職してから常に結城と一緒にいるわたし。
仕事に関してわたしよりできる結城に嫉妬して喧嘩をしながらも常に隣にいて、そのせいか結城が結花に恋してる視線を向けているのが嫌に感じた。
桐谷部長が21時に過ぎに結花を迎えにきたからそれでお開きになったけど、結花と桐谷部長の2ショット見て、結城は切なそうだった。
お盆連休が始まり、毎年恒例の大学のゼミの飲み会に教授が参加するとかで実家で彼氏がいないわたしは暇だからせっかくだから参加をしようと決めたわたし。
結花にLINEしたら実家にいる愛犬が最近死にかけたから今年のお盆連休は実家の神戸で過ごす事にしたらしい。
だから飲み会の日に早めに落ち合いスタバでお茶して、飲み会の後は一緒にホテルのツインルーム泊まろうと計画を立てた。
お盆連休は9日もあるのに恋人の桐谷部長を放置して実家に帰る結花。
桐谷部長がボストンに旅行するらしく、実家でのんびりしようと思ったのかもしれない。
飲み会会場に着くと、結花の周りに人が集まる。
ホンマと日創とタナカとマスタのエンジン制御システムの仕事を手がけて先輩や後輩が結花に話しかけてきて、1人1人に丁寧に対応する結花の隣の席で、わたしは寂しくビールをひたすら飲んだ。
結花はトミタ以外の自動車メーカーでもエンジン制御ECUシステム開発の仕事をし慕われてる。
45分ぐらい経って教授が到着し、結花に話しかけてたメンバーが席を移動した。
「結花はいいよね。仕事ができて、可愛いしスタイルいいし、桐谷部長が彼氏だし……」
ビールをジョッキで3杯飲み干してたわたし。
結花に酷い言葉をかけてしまった。
仕事に関しては結花は努力をしてる。
結花は優しいからわたしの酷い言葉を聞き流してくれて飲み会の間ずっと隣にいてくれた。
結花に当たってしまった自分に嫌気をさし、ついつい飲み過ぎてしまい、2次会のカラオケで意識をもうろうとさせてしまった。
【酒は飲むとも飲まるるな】
普段ここまで飲み過ぎることは無いのに、わたしはやらかしてしまった。
結花に当たってしまったのは、結花が見た目だけでなく仕事もできてスパダリな桐谷部長が彼氏だからというのが理由じゃない。
わたしが結城の事が好きになってしまい、それで結城がいまだに結花の事を好きだから、結花に嫉妬してしまってる。
カラオケチェーン店で完全に酔い潰れ動けなくなったわたしを結花が揺すって起こそうとする。
でも、身体が思うように動かない。
「……天沢、酔い過ぎだろ」
結城の声が聞こえた。
「プリンセスホテルをとってんだっけ?」
「うん」
「俺もプリンセスホテルをとってるからコイツ連れて行くわ」
結花が困ってるから来てくれたんだと思う。
結城がわたしを背負い、結花と3人で居酒屋チェーン店から出た。
結城の背中の温もりと結城の香りに包まれ夢のような時間
プリンセスホテルの結花と泊まるツインの客室へ入り、結城はわたしをベッドの上に降ろした。
結城がわたしから離れるのが嫌で、酔って身体が思うように動かなかったのに、
「……結城、好き」
わたしは背を向けて離れようとしてる結城に抱きついてしまった。
結城が振り向き、わたしの両腕を外す。
でも結城が着ているシャツを握り締めた。
「結城くん、わたしと部屋交換してくれる?すぐに結城くんの荷物をとってくるから、始めるのはもう少し待ってて」
結花がそういうと結城のルームキーを取り、ボストンバッグを持って出て行き、5分後に結城のリュックサックとここのルームキーを入り口に置いて、「おやすみなさい」と言って出て行った。
わたしがシャツを掴んでるから身動きできない結城はベッドに腰掛けてため息をついた。
「天沢、起きてるんだろ」
「……」
狸寝入りしてるのがばれてたらしく、でも身体が怠くて起き上がるのは辛い。
でもなんとか上半身起き上がり、結城と顔を見合わせた。
「天沢……ありがとう」
わたしに優しく笑いかけてくれた結城
至近距離でハンサムな結城の顔があり、恥ずかしいから目をそらしたいけどじっと見つめ見惚れてしまう。
「俺も……天沢の事が気になってた」
「結城は結花の事が好きなんじゃ」
「……確かに大学の時から最近までは確かに初瀬の事が好きだった。でも、それは好きというより憧れに近かった。側にいるとかいまだに緊張するし、天沢とはなんでも言い合えて一緒にいて和む。天沢、俺と付き合おうか」
酔ってるから夢の中にいるんじゃないかと思ってしまう。
わたしのおでこにキスをし、「シャワー浴びてくる」と結城はバスルームへ行った。
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