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犬猿の仲のあいつと交際
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ゼミの飲み会があった次の日。
昼前に目を覚まし、チェックアウトの時間になるから慌ててシャワーを浴びて出て服を着替える。
客室には誰もいなかった。
酔いもありいつの間にか眠ってしまってたわたし。
ツインの隣のベッドに誰かが眠った形跡はある。
チェックアウトまで30分しかなく、洗面室でメイクをする。
「咲香、起きたか?」
ドアが開き、結城が入ってきた。
しかもいつもわたしの事を名字で呼ぶのに下の名前で呼ばれて戸惑う。
スマホを手にして洗面室に篭る。
“なんで結城と同じ部屋にいるの”
と結花にLINEメッセージを送ったら直ぐに既録になり
“咲香ちゃんが結城くんの手を握りしめて離さないから、結城くんと部屋のチェンジをしたの”
と返信が返ってきた。
昨日の事は夢ではなかった。
洗面室から出ると結城がベッドに腰をかけてスマホゲームをしてた。
「出るか。昼はここの1階にある創作和食屋に入ろう」
わたしのボストンバッグを持ってくれて一緒に部屋を出る。
結城と付き合い始めた事に胸が踊る
「……咲香、あのさ、俺、今まで誰とも付き合った事がないんだ。中高一貫男子校出身で大学に入ってからも彼女を作らなかったから」
「わたしも中高一貫女子校出身で大学に入ってからも恋人できなかったから同じ……」
ランチを食べながら結城こと創真とお互いの事や明日からの連休をどう過ごすかを話した。
一緒に過ごす事は決定事項らしく、日帰りで車でどこか観光してからどちらかの部屋で過ごす事にした。
9年間、常に側にいた学友と同僚だったのもあり、付き合い始めて2日目だったけど、結城と1つになった。
「そっか、咲香ちゃんと結城くん、付き合い始めたんだ」
ハイブリッド仕様のビッツのエンジンシステム開発が本格的化し、時速40km以下の時はモーターだけで走行させるため、走行動作試験を行いながらエンジンECUシステム開発を進める事になり、週に2回、結花がトミタにくることになった。
お盆明けに結花がトミタにきた日、結城と付き合い始めた事を報告した。
一緒にいるのが心地よく、仕事もプライベートも常に結城といる。
結花が火曜日と木曜日にトミタでエンジンECUシステムの開発に携わるようになり、いつもなら桐谷部長が顔を出しにくるのに来なくて、不思議に思った。
「桐谷部長、今、多忙なの?」
「さぁ……」
早めに休憩に入り、社員食堂で日替わりランチを口に運ぶ。
モーターモードのシステムを導入するに当たり、エンジンが止まってしまう現象が起きてしまい、結花も創真もお手上げ状態。
桐谷部長がきてくれてなんとかしてくれないかなっと思ってしまうわたしやトミタのプロジェクトチームのメンバー達。
でも桐谷部長は現れずで途方に暮れてる。
「モーターだけで車を走らせるのが無理なのかな」
「それはないと思う。モーターには問題ないから」
他の自動車メーカーで同じハイブリッド方式でモーターモードシステムは実現していて、そのエンジン制御ECUのシステムを結花は手がけてる。
「ユニットをコンパクトにまとめてバッテリーを後部席下に配置にしたりして室内空間を確保を優先にさせてるから無理があるんだと思う」
オムライスをスプーンですくいながら結花は難しい顔をして言った。
「確かにここまでやってダメだからシステムでなんとかできる話では無さそうだよな。でも、配置に関してはいじれない……。桐谷部長が来てくれたらな」
創真も結花と同じで配置に問題があってシステムをいじってもどうしようもないと思っているようだった。
わたしはハードに関しては全くわからず話についていけない。
「……実は、今、理人さんと別居してるの。わたしがいけないんだけどね、それで気まずくて来てくれないのかもしれない。ごめんね」
結花が深妙な表情を浮かべながら言った。
結花に別居に陥った理由を聞けなかった。
昼休憩が終わり、やりようがないけれどシステムをあれこれかきかえ走行動作試験を繰り返す。
14時過ぎ、堂々巡りのシステム開発に救世主が現れた。
桐谷部長が実験工場に駆けつけてくれた。
桐谷部長がバッテリーを交換し、その他もあれこれいじり、制御ECUのシステムを変更して走行動作試験をしたら問題なく動いた。
燃料噴射量を増やし、余分なエネルギーはバッテリーに蓄積されるようプログラムした。
不安そうな結花ちゃんを優しく見つめる桐谷部長。
終業後、結花ちゃんが桐谷部長に話しかけたら優しく頭をに手を置き、 2人の関係は問題ないそうで安心した。
1ヶ月以上システム開発が進まなくて滞っていたけれど、桐谷部長のおかげでなんとか量産に進めた。
ビッツのシステム開発の仕事が終わり、3月の終わりに12月の終わりに高級車クラウドのハイブリッド仕様の開発が発表され、創真と2人で任され、また結花ちゃんと一緒に仕事ができたらと思ってたら、
「咲香ちゃん、わたし、赤ちゃんできてパートタイムに切り替えたの」
と言われた。11月22日に籍だけ入れて、結婚式は3月の初めの日曜日に挙げるために準備を進めてるらしい。
「桐谷部長がデンタの次期社長で3月いっぱいでデンタを退職するの!!」
結花ちゃんの結婚と妊娠以上に驚いたのが、桐谷部長がトミタを退職する事。
「咲香ちゃんと結城くんならどんな問題も解決できるよ」
お先真っ暗に思ってしまったけど、エンジン制御ECUシステム開発に感じで結花が産休の間は桐谷部長が対応するらしく、結花にトミタの担当は桐谷部長にしてと懇願したが聞き入れられなかった。
結花ちゃんが担当を離れてからはわたしが結花ちゃんの代わりをし、創真とシステム開発に携わった。
結花ちゃんの仕事ぶりをみていたからそれなりになんとか立ち振る舞いができてる。
昼前に目を覚まし、チェックアウトの時間になるから慌ててシャワーを浴びて出て服を着替える。
客室には誰もいなかった。
酔いもありいつの間にか眠ってしまってたわたし。
ツインの隣のベッドに誰かが眠った形跡はある。
チェックアウトまで30分しかなく、洗面室でメイクをする。
「咲香、起きたか?」
ドアが開き、結城が入ってきた。
しかもいつもわたしの事を名字で呼ぶのに下の名前で呼ばれて戸惑う。
スマホを手にして洗面室に篭る。
“なんで結城と同じ部屋にいるの”
と結花にLINEメッセージを送ったら直ぐに既録になり
“咲香ちゃんが結城くんの手を握りしめて離さないから、結城くんと部屋のチェンジをしたの”
と返信が返ってきた。
昨日の事は夢ではなかった。
洗面室から出ると結城がベッドに腰をかけてスマホゲームをしてた。
「出るか。昼はここの1階にある創作和食屋に入ろう」
わたしのボストンバッグを持ってくれて一緒に部屋を出る。
結城と付き合い始めた事に胸が踊る
「……咲香、あのさ、俺、今まで誰とも付き合った事がないんだ。中高一貫男子校出身で大学に入ってからも彼女を作らなかったから」
「わたしも中高一貫女子校出身で大学に入ってからも恋人できなかったから同じ……」
ランチを食べながら結城こと創真とお互いの事や明日からの連休をどう過ごすかを話した。
一緒に過ごす事は決定事項らしく、日帰りで車でどこか観光してからどちらかの部屋で過ごす事にした。
9年間、常に側にいた学友と同僚だったのもあり、付き合い始めて2日目だったけど、結城と1つになった。
「そっか、咲香ちゃんと結城くん、付き合い始めたんだ」
ハイブリッド仕様のビッツのエンジンシステム開発が本格的化し、時速40km以下の時はモーターだけで走行させるため、走行動作試験を行いながらエンジンECUシステム開発を進める事になり、週に2回、結花がトミタにくることになった。
お盆明けに結花がトミタにきた日、結城と付き合い始めた事を報告した。
一緒にいるのが心地よく、仕事もプライベートも常に結城といる。
結花が火曜日と木曜日にトミタでエンジンECUシステムの開発に携わるようになり、いつもなら桐谷部長が顔を出しにくるのに来なくて、不思議に思った。
「桐谷部長、今、多忙なの?」
「さぁ……」
早めに休憩に入り、社員食堂で日替わりランチを口に運ぶ。
モーターモードのシステムを導入するに当たり、エンジンが止まってしまう現象が起きてしまい、結花も創真もお手上げ状態。
桐谷部長がきてくれてなんとかしてくれないかなっと思ってしまうわたしやトミタのプロジェクトチームのメンバー達。
でも桐谷部長は現れずで途方に暮れてる。
「モーターだけで車を走らせるのが無理なのかな」
「それはないと思う。モーターには問題ないから」
他の自動車メーカーで同じハイブリッド方式でモーターモードシステムは実現していて、そのエンジン制御ECUのシステムを結花は手がけてる。
「ユニットをコンパクトにまとめてバッテリーを後部席下に配置にしたりして室内空間を確保を優先にさせてるから無理があるんだと思う」
オムライスをスプーンですくいながら結花は難しい顔をして言った。
「確かにここまでやってダメだからシステムでなんとかできる話では無さそうだよな。でも、配置に関してはいじれない……。桐谷部長が来てくれたらな」
創真も結花と同じで配置に問題があってシステムをいじってもどうしようもないと思っているようだった。
わたしはハードに関しては全くわからず話についていけない。
「……実は、今、理人さんと別居してるの。わたしがいけないんだけどね、それで気まずくて来てくれないのかもしれない。ごめんね」
結花が深妙な表情を浮かべながら言った。
結花に別居に陥った理由を聞けなかった。
昼休憩が終わり、やりようがないけれどシステムをあれこれかきかえ走行動作試験を繰り返す。
14時過ぎ、堂々巡りのシステム開発に救世主が現れた。
桐谷部長が実験工場に駆けつけてくれた。
桐谷部長がバッテリーを交換し、その他もあれこれいじり、制御ECUのシステムを変更して走行動作試験をしたら問題なく動いた。
燃料噴射量を増やし、余分なエネルギーはバッテリーに蓄積されるようプログラムした。
不安そうな結花ちゃんを優しく見つめる桐谷部長。
終業後、結花ちゃんが桐谷部長に話しかけたら優しく頭をに手を置き、 2人の関係は問題ないそうで安心した。
1ヶ月以上システム開発が進まなくて滞っていたけれど、桐谷部長のおかげでなんとか量産に進めた。
ビッツのシステム開発の仕事が終わり、3月の終わりに12月の終わりに高級車クラウドのハイブリッド仕様の開発が発表され、創真と2人で任され、また結花ちゃんと一緒に仕事ができたらと思ってたら、
「咲香ちゃん、わたし、赤ちゃんできてパートタイムに切り替えたの」
と言われた。11月22日に籍だけ入れて、結婚式は3月の初めの日曜日に挙げるために準備を進めてるらしい。
「桐谷部長がデンタの次期社長で3月いっぱいでデンタを退職するの!!」
結花ちゃんの結婚と妊娠以上に驚いたのが、桐谷部長がトミタを退職する事。
「咲香ちゃんと結城くんならどんな問題も解決できるよ」
お先真っ暗に思ってしまったけど、エンジン制御ECUシステム開発に感じで結花が産休の間は桐谷部長が対応するらしく、結花にトミタの担当は桐谷部長にしてと懇願したが聞き入れられなかった。
結花ちゃんが担当を離れてからはわたしが結花ちゃんの代わりをし、創真とシステム開発に携わった。
結花ちゃんの仕事ぶりをみていたからそれなりになんとか立ち振る舞いができてる。
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