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ゲノム編集改変どこまで?
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「有馬先生、将生くん、安達クリニックで胚盤胞のゲノム編集改変、どこまでしてるか、ご存知ないですか?」
ハーバードメディカルスクールの同級生だから、将生くんの研究内容を詳しく知ってるはずと有馬先生に尋ねてみた。
「患者本人の胚盤胞の染色体を入れ替えるだけで、染色体内の遺伝子のゲノム編集改変はしてないはず」
「胚盤胞の入れ替えだけで、子供の容姿や能力を好きなように設計できないと思いますが……」
ヒトのゲノムの塩基対は 約30億対 となり、この30億塩基対の中には 約22000個 もの遺伝子が存在するといわれている。
ポリジェニックスコア検査はその約22000個の配列を統計的にデータをとり分析し、編み出したもの。
将生くんは人の最善な遺伝子配列を研究し、全て把握していると思われる。
チンパンジーのゲノム編集で12番と13番を融合して、人の2番と同じ遺伝子配列に改変して人化チンパンジーを造ったのも、全てをわかっての事だったと思う。
「倫理に反してると言われない範囲でやってるよ。逮捕されたらアウトだからさ」
周産期遺伝外来とIVF外来を担当していたけど、超超未熟児の帝王切開で呼び出され外来に全く出られてない事から、10月からは外され、緊急帝王切開担当医として、新生児科の医局で待機してる。
「……デザイナーベービーは世界的に作られてる。大富豪や政治家が裏ビジネスで不妊治療と見せかけて、大金積んで優秀な子孫を残そうとしてる。臓器移植もそう。家族を守るために内臓を捧げて死んで大金を得る人もいる。世の中、そんなもん。きれいごとばかりではない」
ハーバードメディカルスクールに通っていた有馬先生。
ビジネス医学を目の当たりにした事があるのかもしれない。
「俺は……胚盤胞ゲノム編集改変でデザイナーベービーを作るのは嫌だ。染色体異常による障害は重度なら12週未満で化学流産する。それ以降で胎内に留まるなら、生きる力があるってこと。そうなら、俺は医学の力で助けたいと思う。きれいごとだがな」
有馬先生はママと一輝おじさんと同じ考え方をしていた。
「ポリジェニックスコア数値、俺、かなり悪いけどな。健康体だが染色体の構造異常をいくつか保因してる。調べたところ、そういうやつは大勢いる。だから、気にしない事にした」
進化の過程で世代が増える事に疾患遺伝子が発生し、それが受け継がれていく。
累代交配で遺伝子的に弱くなるのは疾患遺伝子が濃くでるからで、血縁の濃さによる弊害で不妊症体質になったりと、人類の歴史が長い事が理由での疾患も増えている。
「疾患遺伝子を排除できた方がいいとは思う。だけど、それは自然淘汰で自然妊娠でも化学流産という形で行われてる。だから、俺は、自然妊娠派かな。まっ、子供を持つなら大切なパートナーと一連の行為で授かりたいっていう思いが1番強い。安達とはそこだけは分かり合えなかった」
有馬先生が頬を赤め、言葉を選んで私に伝えてくる。
専攻医の時に、不妊外来で『タイミングをこの日にとって下さい』と患者さんに伝える事が最初、恥ずかしくて堪らなかった事を思い出す。
「愛花先生が俺を選んでくれたら、全身全霊で愛するし、産まれてきた子に障害あっても受け入れ、治療できるなら治療する。どうしても遺伝子疾患が怖いなら胚盤胞ゲノム編集改変も仕方がないが、普通に夫婦の営みは持ちたい」
有馬先生も将生くんみたいに、そういう行為に興味がないと思っていた。
「……愛花さん、いい加減、俺を受け入れてくれない?それか、脈がないなら、思いっきり振って」
オペの時は罵声ばかり浴びせてくる鬼畜なのに、今、目の前にいる有馬先生はシャイな好青年に思える。
「……よろしくお願いします。恋愛経験ないから、お手柔らかにお願いします」
有馬先生の事が好きかと言われたらわからないけど、嫌いではない。
有馬先生とお付き合いする事にした。
ハーバードメディカルスクールの同級生だから、将生くんの研究内容を詳しく知ってるはずと有馬先生に尋ねてみた。
「患者本人の胚盤胞の染色体を入れ替えるだけで、染色体内の遺伝子のゲノム編集改変はしてないはず」
「胚盤胞の入れ替えだけで、子供の容姿や能力を好きなように設計できないと思いますが……」
ヒトのゲノムの塩基対は 約30億対 となり、この30億塩基対の中には 約22000個 もの遺伝子が存在するといわれている。
ポリジェニックスコア検査はその約22000個の配列を統計的にデータをとり分析し、編み出したもの。
将生くんは人の最善な遺伝子配列を研究し、全て把握していると思われる。
チンパンジーのゲノム編集で12番と13番を融合して、人の2番と同じ遺伝子配列に改変して人化チンパンジーを造ったのも、全てをわかっての事だったと思う。
「倫理に反してると言われない範囲でやってるよ。逮捕されたらアウトだからさ」
周産期遺伝外来とIVF外来を担当していたけど、超超未熟児の帝王切開で呼び出され外来に全く出られてない事から、10月からは外され、緊急帝王切開担当医として、新生児科の医局で待機してる。
「……デザイナーベービーは世界的に作られてる。大富豪や政治家が裏ビジネスで不妊治療と見せかけて、大金積んで優秀な子孫を残そうとしてる。臓器移植もそう。家族を守るために内臓を捧げて死んで大金を得る人もいる。世の中、そんなもん。きれいごとばかりではない」
ハーバードメディカルスクールに通っていた有馬先生。
ビジネス医学を目の当たりにした事があるのかもしれない。
「俺は……胚盤胞ゲノム編集改変でデザイナーベービーを作るのは嫌だ。染色体異常による障害は重度なら12週未満で化学流産する。それ以降で胎内に留まるなら、生きる力があるってこと。そうなら、俺は医学の力で助けたいと思う。きれいごとだがな」
有馬先生はママと一輝おじさんと同じ考え方をしていた。
「ポリジェニックスコア数値、俺、かなり悪いけどな。健康体だが染色体の構造異常をいくつか保因してる。調べたところ、そういうやつは大勢いる。だから、気にしない事にした」
進化の過程で世代が増える事に疾患遺伝子が発生し、それが受け継がれていく。
累代交配で遺伝子的に弱くなるのは疾患遺伝子が濃くでるからで、血縁の濃さによる弊害で不妊症体質になったりと、人類の歴史が長い事が理由での疾患も増えている。
「疾患遺伝子を排除できた方がいいとは思う。だけど、それは自然淘汰で自然妊娠でも化学流産という形で行われてる。だから、俺は、自然妊娠派かな。まっ、子供を持つなら大切なパートナーと一連の行為で授かりたいっていう思いが1番強い。安達とはそこだけは分かり合えなかった」
有馬先生が頬を赤め、言葉を選んで私に伝えてくる。
専攻医の時に、不妊外来で『タイミングをこの日にとって下さい』と患者さんに伝える事が最初、恥ずかしくて堪らなかった事を思い出す。
「愛花先生が俺を選んでくれたら、全身全霊で愛するし、産まれてきた子に障害あっても受け入れ、治療できるなら治療する。どうしても遺伝子疾患が怖いなら胚盤胞ゲノム編集改変も仕方がないが、普通に夫婦の営みは持ちたい」
有馬先生も将生くんみたいに、そういう行為に興味がないと思っていた。
「……愛花さん、いい加減、俺を受け入れてくれない?それか、脈がないなら、思いっきり振って」
オペの時は罵声ばかり浴びせてくる鬼畜なのに、今、目の前にいる有馬先生はシャイな好青年に思える。
「……よろしくお願いします。恋愛経験ないから、お手柔らかにお願いします」
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有馬先生とお付き合いする事にした。
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