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45 神官
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ノアにおびえながらも、次は正当な査定額を出したタンクは、手早く買取を済ませて帰っていった。
呆れ顔で見送るノアに、兵士が頭を下げる。
「申し訳なかった。付き合いが長いからと言って、あいつの言うことをだけを信じて、無礼なことを言った。商人ギルドにもきちんと伝えておく。」
「ありがとうございます。でも逆恨みされるのはごめんなので、厳重注意で済む程度でお願いします。」
「……わかった。それにしても、鑑定とは珍しいスキルだな。引く手あまただろうに、のんびり旅をしていていいのか?」
「ふふ、縛られるのは苦手なんです。」
息を吐くように嘘をつくノアを末恐ろしく感じていると、女性神官が歩み寄ってきた。
真っ白な服装に身を包んだ彼女は、華奢な体つきには似合わない、大きな錫杖を手にしている。
「そろそろ浄化に入らせていただいてもよろしいですか?」
タンクとのひと悶着で、ずいぶん彼女を待たせてしまった。
仏頂面の神官に申し訳なく思いながら「お願いします。」と頭を下げる。
神官は何やら呪文を唱えていたが、独自の言語なのだろう、何を言っているのかはさっぱりわからなかった。
呪文が進むにつれ、錫杖の周りに白い光が集まる。
そしてその光はやがて、俺たちに降り注いだ。
「これで浄化は終了です。」
そう告げる神官に、ノアが銀貨4枚を渡す。
身分証の発行は3人分で問題ないらしいが、浄化は従魔であるコトラにも必要なのだそうだ。
金額を確認した神官は、懐に銀貨をしまう。
その後、ふっと口角をあげ、先程とは打って変わり、親しみやすそうな笑みを浮かべた。
「さっきはスカッとしたわ。そこの兵士さんは知らなかったみたいだけど、さっきの商人、あんまり評判良くなかったのよ。あいつに騙されたっていう被害者が、教会に駆け込んできたこともあったわ。」
「そうなんですか?」
「一応、見回りの兵士にも報告したんだけどね、ちゃんと取り合ってくれなくて。……これで反省して、日ごろの行いも改めてくれることを願うわ。これも、神の思し召しかもしれないわね。」
はじめの冷たそうな印象とは違い、ずいぶんと親しみやすい。
怯えた顔をしていた妻も、すっかり表情を和らげている。
「私の名前はリサ。この街の教会で神官をしているわ。……ところで、あなたたちもう宿は取ってあるの?」
「いえ、これから取ろうかと。」
「あちゃー、やっぱり!昨日から街ではお祭りをやっているから、飛び込みで宿を取るのは難しいんじゃないかしら?」
リサの話によると、この街では年に1度の収穫祭が行われているらしい。
街を挙げての一大行事で、ほかの都市から参加する者も多いという。
宿がとれないとなると、野宿を強いられることになるが、祭りの期間中は街の警備体制も厳重になる。
よそ者が野宿をしていると、怪しさ満点だろう。
どうしようか、とノアに問いかけると、何やら含みのある笑みを浮かべていた。
どうやら彼にとっては、この状況はイレギュラーではないようだ。
「よかったら、教会へこない?善行を行ったあなたたちなら、お祭りの期間だけなら教会への滞在も許可されるはずよ。私が話を通してあげる。今は空いている部屋もあるしね。……ただし、滞在するならある程度お手伝いをしてもらうことになるけど、大丈夫かしら?」
「もちろんです。お言葉に甘えさせていただきます。」
迷いなく、ノアが返答する。
満面の笑みから察するに、この流れまで予想して、タンクを言い負かしたのかもしれない。
「お前ら良かったな。」
兵士がにかっと笑う。
そして「俺はアレク。困ったことがあれば、いつでも相談に来い。今回の詫びもかねて、できる限り力になるぜ。」と言って、俺たちの頭を乱暴に撫でた。
こうして頭を撫でられるなんていつ以来だろうと考えながらも、悪い気はしなかった。
呆れ顔で見送るノアに、兵士が頭を下げる。
「申し訳なかった。付き合いが長いからと言って、あいつの言うことをだけを信じて、無礼なことを言った。商人ギルドにもきちんと伝えておく。」
「ありがとうございます。でも逆恨みされるのはごめんなので、厳重注意で済む程度でお願いします。」
「……わかった。それにしても、鑑定とは珍しいスキルだな。引く手あまただろうに、のんびり旅をしていていいのか?」
「ふふ、縛られるのは苦手なんです。」
息を吐くように嘘をつくノアを末恐ろしく感じていると、女性神官が歩み寄ってきた。
真っ白な服装に身を包んだ彼女は、華奢な体つきには似合わない、大きな錫杖を手にしている。
「そろそろ浄化に入らせていただいてもよろしいですか?」
タンクとのひと悶着で、ずいぶん彼女を待たせてしまった。
仏頂面の神官に申し訳なく思いながら「お願いします。」と頭を下げる。
神官は何やら呪文を唱えていたが、独自の言語なのだろう、何を言っているのかはさっぱりわからなかった。
呪文が進むにつれ、錫杖の周りに白い光が集まる。
そしてその光はやがて、俺たちに降り注いだ。
「これで浄化は終了です。」
そう告げる神官に、ノアが銀貨4枚を渡す。
身分証の発行は3人分で問題ないらしいが、浄化は従魔であるコトラにも必要なのだそうだ。
金額を確認した神官は、懐に銀貨をしまう。
その後、ふっと口角をあげ、先程とは打って変わり、親しみやすそうな笑みを浮かべた。
「さっきはスカッとしたわ。そこの兵士さんは知らなかったみたいだけど、さっきの商人、あんまり評判良くなかったのよ。あいつに騙されたっていう被害者が、教会に駆け込んできたこともあったわ。」
「そうなんですか?」
「一応、見回りの兵士にも報告したんだけどね、ちゃんと取り合ってくれなくて。……これで反省して、日ごろの行いも改めてくれることを願うわ。これも、神の思し召しかもしれないわね。」
はじめの冷たそうな印象とは違い、ずいぶんと親しみやすい。
怯えた顔をしていた妻も、すっかり表情を和らげている。
「私の名前はリサ。この街の教会で神官をしているわ。……ところで、あなたたちもう宿は取ってあるの?」
「いえ、これから取ろうかと。」
「あちゃー、やっぱり!昨日から街ではお祭りをやっているから、飛び込みで宿を取るのは難しいんじゃないかしら?」
リサの話によると、この街では年に1度の収穫祭が行われているらしい。
街を挙げての一大行事で、ほかの都市から参加する者も多いという。
宿がとれないとなると、野宿を強いられることになるが、祭りの期間中は街の警備体制も厳重になる。
よそ者が野宿をしていると、怪しさ満点だろう。
どうしようか、とノアに問いかけると、何やら含みのある笑みを浮かべていた。
どうやら彼にとっては、この状況はイレギュラーではないようだ。
「よかったら、教会へこない?善行を行ったあなたたちなら、お祭りの期間だけなら教会への滞在も許可されるはずよ。私が話を通してあげる。今は空いている部屋もあるしね。……ただし、滞在するならある程度お手伝いをしてもらうことになるけど、大丈夫かしら?」
「もちろんです。お言葉に甘えさせていただきます。」
迷いなく、ノアが返答する。
満面の笑みから察するに、この流れまで予想して、タンクを言い負かしたのかもしれない。
「お前ら良かったな。」
兵士がにかっと笑う。
そして「俺はアレク。困ったことがあれば、いつでも相談に来い。今回の詫びもかねて、できる限り力になるぜ。」と言って、俺たちの頭を乱暴に撫でた。
こうして頭を撫でられるなんていつ以来だろうと考えながらも、悪い気はしなかった。
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