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精霊の加護057 口説いていいよね
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精霊の加護
Zu-Y
№57 口説いていいよね
定期馬車が南府に着いた。
そのままリシッチャ亭に直行する。もちろんお姉様方は修業に行っているので、リシッチャ亭にはいないはずだ。いるのはマルコさんとジューリアさんだけだろう。
「こんにちはー。」
「おお、ゲオルクじゃねぇか。」マルコさんから威勢のいい返事が返って来た。
「マルコさん、お久しぶり。」
「あら、ゲオルクさん。いらっしゃい。」
「ジューリアさん、またお世話になります。」
「まだ皆は帰って来てないのよ。」
「でしょうね。まだ昼過ぎだし。部屋は前のとこでいいですか?」
「おう、それでいいぜ。
おや?水の精霊様、だよな?」
マルコさんはワラの救出を手伝ってくれただけあって、早速、ワラの形態進化に気付いた。まぁ、ワラはすっと俺の後ろに隠れたが。笑
「はい。王都で第二形態に進化しました。」
『ゲオルクー、温泉!』『温泉?』ツリの催促に、メタが反応した。そうか、メタはここの温泉は初めてだものな。
早速、旅の垢を落としに温泉に入る。リシッチャ亭の温泉は海の成分をたっぷり含んだ食塩泉で保温効果が高い。水浴びの大好きな精霊たちは、当然温泉も大好きである。
リシッチャ亭の大浴場にゆったり浸かると、旅の疲れも吹っ飛ぶ。精霊たちも気持ちよさそうだ。
温泉ですっかりリフレッシュして部屋のベッドにゴロンと横になると、そのまま寝入ってしまったのだった。
眼が覚めると外は日が落ちてすっかり暗い。
下からはリシッチャ亭の賑わいが聞こえて来る。リシッチャ亭は、マルコさんの島料理と、ジューリアさんの本土料理で評判のレストランだ。もともとは宿屋だったが、レストランが評判になってからと言うもの、レストランをメインにやっている。
レストランに下りて行くと、なんと驚いたことにお姉様方が皆、レストランで働いているではないか。
「ゲオっち、お帰りー。座ってー。」
「皆、どうしたの?」
「僕がお店を手伝ってたら、皆もやるって。今じゃ皆も、リシッチャ亭の看板娘だよ。」
「ゲオルク、お帰り。」「ゲオルクさん、お帰りなさい。」「ゲオルクどの、よく戻られた。」「ゲオルク君、お帰り。」
お姉様方が俺の所に集まって来ると、客から嫉妬の視線がグサグサと飛んで来た。苦笑
「ゲオルク、随分ぐっすり眠ってたじゃないか。」
「いろいろ気疲れすることがあってね。後で話すよ。」
「まぁ!それは余程のことですのね。わたくしたちの目覚めのキスでも起きないんですもの。」
「何それ?」
「ゲオルクどのがあまりに熟睡してるのでな、誰のキスで起きるかと言うことになってな。」
「皆がそれぞれ心を込めてキスをしたのに、ゲオルク君ったらまったく起きないんだもの。」
「ぜひもう1回ずつ!」
「後でね。」さらりと躱された。笑
閉店後、店の一画を借りて、改めて近況報告会。
俺はまず、メタを皆に紹介し、チルとワラが第二形態に進化したことを知らせた。まぁ見れば分かるけどね。
そしてお姉様方ひとりひとりから、それぞれの修行の成果を聞く。
「私は上級攻撃魔法の火・風・冷属性までを身に付けたわ。中級以下は全部よ。」
「わたくしは上級回復魔法のHP回復系全般を身に付けましたの。もちろん中級はすべてですわよ。」
「あたしゃ上級支援魔法は、速度上昇と速度低下だね。それと中級以下すべてだ。」
「私は上級盾スキルの物理防御と魔法防御を身に付けたぞ。中級は槍と盾のすべてだ。」
「僕は上級刀術スキルの斬撃と刺突。それに中級は刀術と体術の全部だよ。それとね、ナイトの念話が分かるようになったよ。」
「皆、この短期間でよくそこまで身に付けたね。凄いじゃないか!」
「体内の魔力の巡りがいいせいなのよ。ゲオルク君のお陰かしらね。」
「そうですわね。これからも時々魔力を補給して頂きませんと。」
「え?補給って…。」
「ゲオっち、もう、そこを深く聞いちゃだめだぞっ。」
「はい。すみません。」
「ところで俺からも皆に報告があってさ、実は、成り行きでさ、王家付精霊魔術師と、王太子殿下の側近と、騎士爵のスピリタス卿になっちゃった。」
「「「「「えーっ!」」」」」
「でも今まで通りでいいんだってさ。」
「成り行きって…なんか軽いねー。」
「王家付の精霊魔術師とな?」
「殿下の側近ですの?」
「騎士爵のスピリタス卿って、まさか貴族様かい?」
「何がどうなったら、そうなるのよ?」
俺は、メタと契約したことを報告するために王宮へ行ったら、あれよあれよという間にそうされてしまった経緯を語った。
「なるほどな。ゲオルクどの、それは行きの段階の、東部公から殿下に推挙があった時点で、その方向に動き出していたと見るべきだな。」
「そうなの?」
「うむ。ひょっとすると姫殿下の降嫁もあるかもしれんな。」
「まさか…。」
「あくまでも推測だがな…、陛下の横に並んで歩いて、普通に直接言葉を交わしたのであろう?もはや身内扱いではないか。」
「でも、会ったのは国王陛下と王太子殿下だけだよ。姫殿下とは会ってもいないし…、そうだ、それに姫殿下は、政略結婚とかでもう嫁ぎ先が決まっているんじゃないの?」
「確かに上のおふたりは決まっておられたはずだな。しかし末の姫殿下の三の姫様はまだだぞ。幼いからな。なるほど、それでまだ降嫁のことを言い出さぬのか。」
「幼いっていくつよ?」
「8歳であらせられる。」
「そりゃ無理だ。子供じゃん。」
ベスさんの話に緊張していた他の4人がホッとしている。それ見て俺はなんだが妙に嬉しくなった♪
「あ、そうだ!それともうひとつ報告があったんだ。」
俺は冒険者カードを取り出した。Bランクのシルバーカードに『Aランク相当』金字で刻印されている。
「え?Aランク相当?」
「これは…、実質上のAランクですわね。」
「とんとん拍子じゃないか。」
元受付嬢の3人がすぐに食い付いた。
「北府からカデフィに行く途中で、街道が雪崩で通行止めになってたのを、精霊たちに直してもらってさ、カデフィからの帰りに商隊に紛れ込んできた野盗と、その野盗の仲間で、行商馬車を待ち伏せしてた本隊を、精霊たちと迎撃して一網打尽にしただけなんだけどね。」
「詳しく話してみな。」
「雪崩の規模ってどのくらいですの?」
「野党は全部で何人いたのかしら?」
俺は聞かれるままに詳しく状況を語ると、お姉様たちは、呆れ顔に変わって行った。
頃合いを見計らって本題に入ることにする。俺はお姉様たちをゆっくり見渡して聞いた。
「まだAランクじゃないけどさ、Aランク確約のAランク相当になった訳だから、これで正式に皆を口説かせてもらってもいいかな。もちろん当面は今のままで、皆と冒険を続けるつもりだけどね。」
「ふむ、私たちと婚約か。確かに三の姫様の降嫁の話を抑えるにはいいかもしれぬな。」
「え?降嫁の話って、可能性としてマジでありなの?」
「もちろんだ。」
「じゃぁ、やっぱり口説かせて。皆、俺と婚約してください。」
お姉様たちが頷いたのを見届けて、購入したダイヤの指輪を次々と並べた。
「もちろんただの婚約指輪じゃないよ。能力上昇補正もしっかり付けてるからね。」
「まぁ。」「ふむ。」「随分用意がいいのね。」「すごいじゃん!」「抜け目ないねぇ。」ダイヤにお姉様たちの眼が輝く。
「リーゼさん。」「はい。」左手の薬指に攻魔の指輪をはめた。
「ジュヌさん。」「はい。」左手の薬指に回復の指輪をはめた。
「カルメンさん。」「はい。」左手の薬指に支援の指輪をはめた。
「ベスさん。」「はい。」左手の薬指に防御の指輪をはめた。
「ビーチェさん。」「はい。」左手の薬指に疾風の指輪をはめた。
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その後、部屋に戻って俺たちだけで再度乾杯。
「5人の婚約者がいる俺に姫殿下の降嫁はなしだよね。向こうから言い出される前に早々に婚約報告しなきゃな。」
「ふむ。そうだな。私も実家に報告せねば。それと北府の兄上か。」
「僕は明日、実家の道場で直接話して来るよ。」
「あたしゃ手紙だね。」
「ゲオルクさん、この後どうしますの?」
「王都に戻って婚約の報告をして、それから東府かな。ルードビッヒ教授との約束もあるからね。」
「それではわたくしは王都で両親に報告しますわ。」
「私は東府に帰ってから報告かしらね。」
「俺も皆を故郷の両親と弟に会わせたいかな。」
話はどんどん盛り上がって、いける口のお姉様方の杯も進む。皆、いい塩梅に酔いが回って来た。
「ねぇ、ゲオっち。僕は王都で婚約発表の披露宴をしたいなー。」
「え?皆、そう言うの、パスかと思ってた。」
「「「「「そんな訳ない!」」」」」全員に否定されました。すみません。
「マジか?ウエディングドレスとか着たいの?」
全員がぶんぶんと頷く。
「そっかー、じゃぁ婚約の披露宴をやるか。あ、婚約発表だからウエディングドレスとは言わないのかな?
だったらさ、いっそのこと結婚しちゃわない?大々的に結婚披露宴をやれば、降嫁の話とかも立ち消えるよな。よし、派手にやろう!」
婚約報告のはずがいつの間にか、一気に結婚披露宴の話になっていた。これも酔っ払って気が大きくなったせいだが、まぁいい。
このひと言で皆が抱き付いて来た。それから目覚めのキスの再現となり、結婚記念のぱふぱふとなり、俺と5人はどんどん気持ちが昂って行く。
そして、その夜、俺は5人と久しぶりに最後まで行った。途中でへばったマイドラゴンを、ジュヌさんの回復魔法とカルメンさんの体力上昇の支援魔法で叩き起こして5人と2回戦ずつをこなしたのだった。
この回数は新記録だ。最後にはマイドラゴンへの変身を解いたマイサンは、うんともすんとも言わなくなっちまった。苦笑
翌朝、最初に目覚めた俺は、横で寝ている5人に再びムラムラしてしまい、順々に襲ってしまった。だってみんな裸なんだもの。それにまた、冒険者の活動を再開すれば、当分お預けだもんな。
結構遅い時間に朝餉を摂りにレストランへ行くと、マルコさんが寄って来て、
「ゲオルク、お前、見掛けによらずタフだな。見直したぜ。」と、ウインクしながら囁いて行った。
おっと、筒抜けなのね。まぁ、5人ともいい声出してたしなぁ。苦笑
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
設定を更新しました。R4/5/1
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
https://kakuyomu.jp/works/16816927859461365664
カクヨム様、小説家になろう様にも投稿します。
Zu-Y
№57 口説いていいよね
定期馬車が南府に着いた。
そのままリシッチャ亭に直行する。もちろんお姉様方は修業に行っているので、リシッチャ亭にはいないはずだ。いるのはマルコさんとジューリアさんだけだろう。
「こんにちはー。」
「おお、ゲオルクじゃねぇか。」マルコさんから威勢のいい返事が返って来た。
「マルコさん、お久しぶり。」
「あら、ゲオルクさん。いらっしゃい。」
「ジューリアさん、またお世話になります。」
「まだ皆は帰って来てないのよ。」
「でしょうね。まだ昼過ぎだし。部屋は前のとこでいいですか?」
「おう、それでいいぜ。
おや?水の精霊様、だよな?」
マルコさんはワラの救出を手伝ってくれただけあって、早速、ワラの形態進化に気付いた。まぁ、ワラはすっと俺の後ろに隠れたが。笑
「はい。王都で第二形態に進化しました。」
『ゲオルクー、温泉!』『温泉?』ツリの催促に、メタが反応した。そうか、メタはここの温泉は初めてだものな。
早速、旅の垢を落としに温泉に入る。リシッチャ亭の温泉は海の成分をたっぷり含んだ食塩泉で保温効果が高い。水浴びの大好きな精霊たちは、当然温泉も大好きである。
リシッチャ亭の大浴場にゆったり浸かると、旅の疲れも吹っ飛ぶ。精霊たちも気持ちよさそうだ。
温泉ですっかりリフレッシュして部屋のベッドにゴロンと横になると、そのまま寝入ってしまったのだった。
眼が覚めると外は日が落ちてすっかり暗い。
下からはリシッチャ亭の賑わいが聞こえて来る。リシッチャ亭は、マルコさんの島料理と、ジューリアさんの本土料理で評判のレストランだ。もともとは宿屋だったが、レストランが評判になってからと言うもの、レストランをメインにやっている。
レストランに下りて行くと、なんと驚いたことにお姉様方が皆、レストランで働いているではないか。
「ゲオっち、お帰りー。座ってー。」
「皆、どうしたの?」
「僕がお店を手伝ってたら、皆もやるって。今じゃ皆も、リシッチャ亭の看板娘だよ。」
「ゲオルク、お帰り。」「ゲオルクさん、お帰りなさい。」「ゲオルクどの、よく戻られた。」「ゲオルク君、お帰り。」
お姉様方が俺の所に集まって来ると、客から嫉妬の視線がグサグサと飛んで来た。苦笑
「ゲオルク、随分ぐっすり眠ってたじゃないか。」
「いろいろ気疲れすることがあってね。後で話すよ。」
「まぁ!それは余程のことですのね。わたくしたちの目覚めのキスでも起きないんですもの。」
「何それ?」
「ゲオルクどのがあまりに熟睡してるのでな、誰のキスで起きるかと言うことになってな。」
「皆がそれぞれ心を込めてキスをしたのに、ゲオルク君ったらまったく起きないんだもの。」
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閉店後、店の一画を借りて、改めて近況報告会。
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そしてお姉様方ひとりひとりから、それぞれの修行の成果を聞く。
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「わたくしは上級回復魔法のHP回復系全般を身に付けましたの。もちろん中級はすべてですわよ。」
「あたしゃ上級支援魔法は、速度上昇と速度低下だね。それと中級以下すべてだ。」
「私は上級盾スキルの物理防御と魔法防御を身に付けたぞ。中級は槍と盾のすべてだ。」
「僕は上級刀術スキルの斬撃と刺突。それに中級は刀術と体術の全部だよ。それとね、ナイトの念話が分かるようになったよ。」
「皆、この短期間でよくそこまで身に付けたね。凄いじゃないか!」
「体内の魔力の巡りがいいせいなのよ。ゲオルク君のお陰かしらね。」
「そうですわね。これからも時々魔力を補給して頂きませんと。」
「え?補給って…。」
「ゲオっち、もう、そこを深く聞いちゃだめだぞっ。」
「はい。すみません。」
「ところで俺からも皆に報告があってさ、実は、成り行きでさ、王家付精霊魔術師と、王太子殿下の側近と、騎士爵のスピリタス卿になっちゃった。」
「「「「「えーっ!」」」」」
「でも今まで通りでいいんだってさ。」
「成り行きって…なんか軽いねー。」
「王家付の精霊魔術師とな?」
「殿下の側近ですの?」
「騎士爵のスピリタス卿って、まさか貴族様かい?」
「何がどうなったら、そうなるのよ?」
俺は、メタと契約したことを報告するために王宮へ行ったら、あれよあれよという間にそうされてしまった経緯を語った。
「なるほどな。ゲオルクどの、それは行きの段階の、東部公から殿下に推挙があった時点で、その方向に動き出していたと見るべきだな。」
「そうなの?」
「うむ。ひょっとすると姫殿下の降嫁もあるかもしれんな。」
「まさか…。」
「あくまでも推測だがな…、陛下の横に並んで歩いて、普通に直接言葉を交わしたのであろう?もはや身内扱いではないか。」
「でも、会ったのは国王陛下と王太子殿下だけだよ。姫殿下とは会ってもいないし…、そうだ、それに姫殿下は、政略結婚とかでもう嫁ぎ先が決まっているんじゃないの?」
「確かに上のおふたりは決まっておられたはずだな。しかし末の姫殿下の三の姫様はまだだぞ。幼いからな。なるほど、それでまだ降嫁のことを言い出さぬのか。」
「幼いっていくつよ?」
「8歳であらせられる。」
「そりゃ無理だ。子供じゃん。」
ベスさんの話に緊張していた他の4人がホッとしている。それ見て俺はなんだが妙に嬉しくなった♪
「あ、そうだ!それともうひとつ報告があったんだ。」
俺は冒険者カードを取り出した。Bランクのシルバーカードに『Aランク相当』金字で刻印されている。
「え?Aランク相当?」
「これは…、実質上のAランクですわね。」
「とんとん拍子じゃないか。」
元受付嬢の3人がすぐに食い付いた。
「北府からカデフィに行く途中で、街道が雪崩で通行止めになってたのを、精霊たちに直してもらってさ、カデフィからの帰りに商隊に紛れ込んできた野盗と、その野盗の仲間で、行商馬車を待ち伏せしてた本隊を、精霊たちと迎撃して一網打尽にしただけなんだけどね。」
「詳しく話してみな。」
「雪崩の規模ってどのくらいですの?」
「野党は全部で何人いたのかしら?」
俺は聞かれるままに詳しく状況を語ると、お姉様たちは、呆れ顔に変わって行った。
頃合いを見計らって本題に入ることにする。俺はお姉様たちをゆっくり見渡して聞いた。
「まだAランクじゃないけどさ、Aランク確約のAランク相当になった訳だから、これで正式に皆を口説かせてもらってもいいかな。もちろん当面は今のままで、皆と冒険を続けるつもりだけどね。」
「ふむ、私たちと婚約か。確かに三の姫様の降嫁の話を抑えるにはいいかもしれぬな。」
「え?降嫁の話って、可能性としてマジでありなの?」
「もちろんだ。」
「じゃぁ、やっぱり口説かせて。皆、俺と婚約してください。」
お姉様たちが頷いたのを見届けて、購入したダイヤの指輪を次々と並べた。
「もちろんただの婚約指輪じゃないよ。能力上昇補正もしっかり付けてるからね。」
「まぁ。」「ふむ。」「随分用意がいいのね。」「すごいじゃん!」「抜け目ないねぇ。」ダイヤにお姉様たちの眼が輝く。
「リーゼさん。」「はい。」左手の薬指に攻魔の指輪をはめた。
「ジュヌさん。」「はい。」左手の薬指に回復の指輪をはめた。
「カルメンさん。」「はい。」左手の薬指に支援の指輪をはめた。
「ベスさん。」「はい。」左手の薬指に防御の指輪をはめた。
「ビーチェさん。」「はい。」左手の薬指に疾風の指輪をはめた。
「で、俺のはこれ。」左手の薬指にはめた集中の指輪を皆に見せる。
5人が抱き付いてキスの嵐だ。全員OKでよかった。
「目出度ぇな。乾杯しようや。」「おめでとう、皆。そしてビーチェ。」
マルコさんとジューリアさんも祝ってくれた。それからマルコさんとジューリアさんを含めて8人でワイワイと呑んだ。
その後、部屋に戻って俺たちだけで再度乾杯。
「5人の婚約者がいる俺に姫殿下の降嫁はなしだよね。向こうから言い出される前に早々に婚約報告しなきゃな。」
「ふむ。そうだな。私も実家に報告せねば。それと北府の兄上か。」
「僕は明日、実家の道場で直接話して来るよ。」
「あたしゃ手紙だね。」
「ゲオルクさん、この後どうしますの?」
「王都に戻って婚約の報告をして、それから東府かな。ルードビッヒ教授との約束もあるからね。」
「それではわたくしは王都で両親に報告しますわ。」
「私は東府に帰ってから報告かしらね。」
「俺も皆を故郷の両親と弟に会わせたいかな。」
話はどんどん盛り上がって、いける口のお姉様方の杯も進む。皆、いい塩梅に酔いが回って来た。
「ねぇ、ゲオっち。僕は王都で婚約発表の披露宴をしたいなー。」
「え?皆、そう言うの、パスかと思ってた。」
「「「「「そんな訳ない!」」」」」全員に否定されました。すみません。
「マジか?ウエディングドレスとか着たいの?」
全員がぶんぶんと頷く。
「そっかー、じゃぁ婚約の披露宴をやるか。あ、婚約発表だからウエディングドレスとは言わないのかな?
だったらさ、いっそのこと結婚しちゃわない?大々的に結婚披露宴をやれば、降嫁の話とかも立ち消えるよな。よし、派手にやろう!」
婚約報告のはずがいつの間にか、一気に結婚披露宴の話になっていた。これも酔っ払って気が大きくなったせいだが、まぁいい。
このひと言で皆が抱き付いて来た。それから目覚めのキスの再現となり、結婚記念のぱふぱふとなり、俺と5人はどんどん気持ちが昂って行く。
そして、その夜、俺は5人と久しぶりに最後まで行った。途中でへばったマイドラゴンを、ジュヌさんの回復魔法とカルメンさんの体力上昇の支援魔法で叩き起こして5人と2回戦ずつをこなしたのだった。
この回数は新記録だ。最後にはマイドラゴンへの変身を解いたマイサンは、うんともすんとも言わなくなっちまった。苦笑
翌朝、最初に目覚めた俺は、横で寝ている5人に再びムラムラしてしまい、順々に襲ってしまった。だってみんな裸なんだもの。それにまた、冒険者の活動を再開すれば、当分お預けだもんな。
結構遅い時間に朝餉を摂りにレストランへ行くと、マルコさんが寄って来て、
「ゲオルク、お前、見掛けによらずタフだな。見直したぜ。」と、ウインクしながら囁いて行った。
おっと、筒抜けなのね。まぁ、5人ともいい声出してたしなぁ。苦笑
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設定を更新しました。R4/5/1
更新は火木土の週3日ペースを予定しています。
2作品同時発表です。
「射手の統領」も、合わせてよろしくお願いします。
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