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第0章 豹変編
幕間・村の変化
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数日後。
ローが去ってから、村は変わった。誰もが暗い雰囲気になったのだ。例えば、村で最初の犠牲になった門番は、
「……今日も何もありませんように……魔物とかが来ませんように……」
「くそ……魔法さえ使えれば魔物なんざ怖くねえのに……」
村に近づく魔物に怯えるようになった。門番の仕事は、村に魔物が寄ってこないように見はったり、退治したりすることだが、魔法が使えなくなった彼らでは困難になった。退屈だった毎日が恐怖に変わったのだ。
村の商店にも変化があった。こちらは商売に悪い影響があった。それは、
「これだけしか売るものが無いのかい?」
「……ああ。店を壊されて商品のほとんどをダメにされたからな……」
壊された店の前で、布を敷いてその上で商売をしている商人と客の女性が話している。この女性はローに家を壊された女性で、商人と同じく暗い顔をしている。
「そんな……。冒険者から買い取ったりは……」
「無理だな。……あいつらもも魔法が使えなくなって、魔物を狩るのが難しくなってる。そこから物資を得ることはできないだろうな……」
「……そう……」
女性は暗い顔のまま、何も買わずに立ち去った。商人も暗い顔で自分の売るものを見つめていた。村の冒険者の仕事は、村を守り、村の利益のために魔物を狩ることだったが、商人の言った通り、それが難しくなっているのだ。つまり、村の防衛も利益を得ることもできなくなったのだ。
村の外側の森の方では、親方とその部下たちがにらみ合っている。部下たちは何故か仕事のスコップを武器のように構えている。その原因はローとの戦いにあった。
「お、お前ら、何だその目は……どういうつもりだ?」
「親方、あの時の俺は薄れそうな意識の中で聞いちまったんだよ。あんたが俺達がやられるのを黙って見てたってことをよ」
「な!? そ、それは……」
口を開いたのはローの攻撃に一度目は耐えた男だった。そして、二度目の攻撃で倒れたはずだった。だが倒れた後、意識をすぐに失わず、直前にローと親方の話を聞き、自分たちが捨て駒にされたことを知ったのだ。
「俺達が捨て駒だと? そんな風の扱われるとはな。あんたにとって俺達もローも同じだったってことか」
「ま、待て、落ち着けよ……それは違うぞ。ローを確実に倒すために仕方なく……」
「ふっざけんな! 結局あんたもやられたじゃねえか!」
「くっ……それは……」
親方は言い訳をしようとしたがすぐに否定されてしまった。他の者達も怒りをぶつける。
「何が元帝国の軍人だ! 大したことねえじゃねえか!」
「もともとあんたがローを雇ったせいだ!」
「そうだ! もとはと言えばあんたが悪い!」
「おかげで俺達は魔法なしと同じになっちまった!」
「許さねえ! 今度はあんたがストレス発散させるんだ!」
部下たちは遂に親方に集団で襲い掛かってきた。親方も逃げられないと判断して受けて立つことにした。
「くそ、やむを得ん! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
これは、親方が戦いに詳しくても分が悪かった。この後、村で仕事が一つなくなった。
村長の家では、数人の村人が集まっていた。何をしているのかというと、
「村長! 出てこい!」
「中にいるんでしょ! 出てきなさいよ!」
「村はこれからどうなるんだよ! 何とかしてくれよ! 村長だろ!?」
「もとはと言えばあんたのせいなんだぞ!」
彼らはこの状況を村長のせいにして、詰め寄ってきたのだ。確かに村長がローをいじめの対象にするように誘導していたのだが、村長だけの責任ではない。そもそも、村長のせいにしたところでどうにもならないはずだ。それが分からない時点で彼らの頭はよくなさそうだ。もっとも、村長はそれ以上のようだった。
「く、くそ……ワシのせいではないじゃないか……お前らだって……それどころか……お前らの方が……」
この村長は、自分でローの苛めを誘導しておきながら、自分のせいではないと思い込んでいた。自業自得なのがそれが分からない、救いようがないほど愚かだったのだ。地下室に隠れる身であるにも関わらずだ。
(ワシは悪くない……悪いのはいつまでたっても魔法が使えなかったローだ……それに、ローが実は魔法を持ってることを知っていた『あいつ』が黙っていたのも悪い……そう、『あいつ』が悪いんだ……馬鹿正直にワシの言いつけを守り続けた『あいつ』が……)
ガッシャーン!
「ひっ! なんだ!?」
「村長! 早く出てこないと家をぶっ壊すぞ!」
「何だと!?」
窓を割るような音が聞こえた後、そんな声が響いてきた。村長は地下室のさらに奥に隠れようとするとあるものが頭に降ってきた。
「うっ、なんだ、畜生……こ、これは!? 壊れていない通信用の……」
それは、数日前に村中で探していたものだった。
ローが去ってから、村は変わった。誰もが暗い雰囲気になったのだ。例えば、村で最初の犠牲になった門番は、
「……今日も何もありませんように……魔物とかが来ませんように……」
「くそ……魔法さえ使えれば魔物なんざ怖くねえのに……」
村に近づく魔物に怯えるようになった。門番の仕事は、村に魔物が寄ってこないように見はったり、退治したりすることだが、魔法が使えなくなった彼らでは困難になった。退屈だった毎日が恐怖に変わったのだ。
村の商店にも変化があった。こちらは商売に悪い影響があった。それは、
「これだけしか売るものが無いのかい?」
「……ああ。店を壊されて商品のほとんどをダメにされたからな……」
壊された店の前で、布を敷いてその上で商売をしている商人と客の女性が話している。この女性はローに家を壊された女性で、商人と同じく暗い顔をしている。
「そんな……。冒険者から買い取ったりは……」
「無理だな。……あいつらもも魔法が使えなくなって、魔物を狩るのが難しくなってる。そこから物資を得ることはできないだろうな……」
「……そう……」
女性は暗い顔のまま、何も買わずに立ち去った。商人も暗い顔で自分の売るものを見つめていた。村の冒険者の仕事は、村を守り、村の利益のために魔物を狩ることだったが、商人の言った通り、それが難しくなっているのだ。つまり、村の防衛も利益を得ることもできなくなったのだ。
村の外側の森の方では、親方とその部下たちがにらみ合っている。部下たちは何故か仕事のスコップを武器のように構えている。その原因はローとの戦いにあった。
「お、お前ら、何だその目は……どういうつもりだ?」
「親方、あの時の俺は薄れそうな意識の中で聞いちまったんだよ。あんたが俺達がやられるのを黙って見てたってことをよ」
「な!? そ、それは……」
口を開いたのはローの攻撃に一度目は耐えた男だった。そして、二度目の攻撃で倒れたはずだった。だが倒れた後、意識をすぐに失わず、直前にローと親方の話を聞き、自分たちが捨て駒にされたことを知ったのだ。
「俺達が捨て駒だと? そんな風の扱われるとはな。あんたにとって俺達もローも同じだったってことか」
「ま、待て、落ち着けよ……それは違うぞ。ローを確実に倒すために仕方なく……」
「ふっざけんな! 結局あんたもやられたじゃねえか!」
「くっ……それは……」
親方は言い訳をしようとしたがすぐに否定されてしまった。他の者達も怒りをぶつける。
「何が元帝国の軍人だ! 大したことねえじゃねえか!」
「もともとあんたがローを雇ったせいだ!」
「そうだ! もとはと言えばあんたが悪い!」
「おかげで俺達は魔法なしと同じになっちまった!」
「許さねえ! 今度はあんたがストレス発散させるんだ!」
部下たちは遂に親方に集団で襲い掛かってきた。親方も逃げられないと判断して受けて立つことにした。
「くそ、やむを得ん! うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」
これは、親方が戦いに詳しくても分が悪かった。この後、村で仕事が一つなくなった。
村長の家では、数人の村人が集まっていた。何をしているのかというと、
「村長! 出てこい!」
「中にいるんでしょ! 出てきなさいよ!」
「村はこれからどうなるんだよ! 何とかしてくれよ! 村長だろ!?」
「もとはと言えばあんたのせいなんだぞ!」
彼らはこの状況を村長のせいにして、詰め寄ってきたのだ。確かに村長がローをいじめの対象にするように誘導していたのだが、村長だけの責任ではない。そもそも、村長のせいにしたところでどうにもならないはずだ。それが分からない時点で彼らの頭はよくなさそうだ。もっとも、村長はそれ以上のようだった。
「く、くそ……ワシのせいではないじゃないか……お前らだって……それどころか……お前らの方が……」
この村長は、自分でローの苛めを誘導しておきながら、自分のせいではないと思い込んでいた。自業自得なのがそれが分からない、救いようがないほど愚かだったのだ。地下室に隠れる身であるにも関わらずだ。
(ワシは悪くない……悪いのはいつまでたっても魔法が使えなかったローだ……それに、ローが実は魔法を持ってることを知っていた『あいつ』が黙っていたのも悪い……そう、『あいつ』が悪いんだ……馬鹿正直にワシの言いつけを守り続けた『あいつ』が……)
ガッシャーン!
「ひっ! なんだ!?」
「村長! 早く出てこないと家をぶっ壊すぞ!」
「何だと!?」
窓を割るような音が聞こえた後、そんな声が響いてきた。村長は地下室のさらに奥に隠れようとするとあるものが頭に降ってきた。
「うっ、なんだ、畜生……こ、これは!? 壊れていない通信用の……」
それは、数日前に村中で探していたものだった。
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