ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第1章 悪童編

森の前で…

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数時間後。

 役場を後にしたローグは、ノースレイの森のすぐ手前にいる。その目的は行方不明扱いされているレント・ゲーン、ゲテ・モウノ、ケリー・イパツの3人を見つけ出すことだ。そして復讐する。ついでに他の行方不明者も探してみる。
 役場の受付にはこの件には関わらないと言ったが、実際は依頼として引き受けるのではなく、私情で探して解決することにしたのだ。黙って解決することで、後で目を付けられないようにするためだ。あまり、目立たないようにすることがローグの方針なのだから。

「さて、どの辺にいるかな? レントは【解析魔法】を持ってるから、ゆっくり近づいたら気付かれる。ゲテの【恐怖魔法】は陰湿すぎる。ケリーの【脚力魔法】は蹴りが要注意だな。……ちっ、嫌な思い出がよみがえるぜ」

 【解析魔法】は、対象にした相手を解析して魔法・魔力等を見分けることができる魔法だ。更に、一度この魔法で解析した相手が近づいてきたらすぐに気付くことができる。【恐怖魔法】は、精神攻撃魔法だ。相手の恐れるものを幻覚として見せることができる。【脚力魔法】は、脚力向上に特化した身体強化魔法だ。使い方次第ではかなり攻撃的な魔法になる。
 この3種類の魔法を持つ3人組は『ロー・ライト』のことも知っている。つまり、ローグが彼らに近づいていったらすぐにレントに感知され、ゲテの【恐怖魔法】で怯んだところをケリーの強力な蹴りを浴びせられてしまうだろう。『ロー・ライトむかし』の場合はそうなるが、今の『ローグ・ナイト』はそうならない。

「この位置でも特定されてるかもしれないな。ならこっちも特定してやるか、【外道魔法・傲慢】『呪い探し』」

 ローグは地面に手を付けて森全体に微弱な魔力を流し始めた。『呪い探し』とは、特定の対象となる人物を探す【外道魔法】である。森の広さから時間はかかるが、魔力の多いローグなら数時間で見つけられると考えたのだ。

「……ふん、少し遠いがいいか。【外道魔法・嫉妬】『偽変身』」

 ローグは自分自身に向けて魔法を使った。すると、ローグの姿が『ロー・ライト』になった、いや戻ったのだ。『偽変身』は姿を変える効果を持つが、ローグなりに元の姿に戻ったのは意味があることだった。

(向こうには【解析魔法】があるから俺が何者かはバレるはずだ、どんな姿でもな。それなら、ローグとしての姿を知られるより『ロー・ライト』の姿で復讐に行く方がいい。目立たなくて済むしな。なによりも……)
「この姿で仕返しされると、あいつらは悔しがるだろうからなあ。あははは!」

 『ロー・ライト』の顔が悪意に満ちながら、そのまま思ったことを口に出す。

「作戦はもう決まった。後は実行するだけだ!」

 ローグは【昇華魔法】を発動して森の中に入った。
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