ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第1章 悪童編

恐れられる復讐者

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数時間前。

 カティアとノエルは、ローグの提案に乗ることにした。カティアとしては、兄と友人の仇を自分の手で討ちたいと思っていたが、殺人に手を染めること自体は怖かったのだ。ノエルも同じ気持ちだったため、殺さずに苦しめる形で復讐することに賛成した。

 方針が決まった後、ローグはケリー達の魔法が使えなくするための台座を準備し、カティアとノエルはケリーの足をきつく縛った。ケリーの足まで縛ったのは、足が自慢のケリーがその足を使えない状況に苦しんでほしいからだというローグの要望だった。

 次に、周りの冒険者の遺体を全て木の上に配置した。この森に多く生息するブラッディウルフのエサをケリー達だけにするためだ。

 最後に魔術でケリー達の魔法を使えなくして復讐の準備は整った。後は勝手にブラッディウルフが集まってくるのを待つだけだ。多くの人々を殺し、金や装備を奪い続けた者達が、人を食い物にしてきた者達が、魔物のエサになる。ローグは、自業自得にして最大の報いだと考えている。

そして現在。

 カティアとノエルは魔法を使えなくするなど半信半疑だったが、ブラッディウルフに魔法で抵抗できない様子のケリー達を見て驚いた。それと同時に、初めてローグに恐怖を覚えた。

(こんなことが……できるなんて……)
(もしかして……私達……)
((とんでもない男と手を組んだんじゃ……))

 二人が恐怖を感じていることは顔を見ればわかる。ローグは二人の恐怖の対象が、ブラッディウルフではなく自分に向けられていることを自覚した。そうなると、二人が『約束』を破ってしまう可能性がある。

(この二人は俺のことを役場に報告するだろうな、遅かれ早かれ。俺自身がまともな人間じゃないって自覚あるし、何を言われても仕方ない。まあ、『ロー・ライト』としての姿だけしか知らないから『約束』を守ってもらわなくても問題ないか)

ボトッ

「ぎゃああああああああああああ! ああっ!? 俺の足がああああああ!」
「ひいいいいいいいい!」
「あああああああああああああ!」

 ローグが二人のことを考えていると、ケリーの絶叫が響いた。どうやら、ケリーは遂に足を食いちぎられてしまったようだ。その様子を見たローグは笑っていたが、カティアとノエルは顔が真っ青になってしまった。あの3人に対して、冷たい目で眺めていたはずだったが、さすがにおぞましい光景を見て怖くなったようだ。ローグのことも、自分たちが何をしているのかもだ。

「ふむ、もうそろそろ頃合いかな」

 ローグは最後の仕上げに取り掛かる。そのための新たな指示を出す。

「カティア、ノエル。もう十分だ。こいつらを突き出そう。ただし、『約束』は守ってもらうぞ」
「………………」
「まずは、狼たちにはもう退場してもらうか。狼に恨みはないしな」

 ローグは手から魔法を放った。狼たちを逃がすために……。
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