ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第4章 因縁編

暴動勃発

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 王国。そこは約9割の人間が魔法という奇跡を起こす力を持ち、その魔法は神が与えたものだと信じられてきた国だ。その魔法に関して、王国は研究機関として魔法協会を設立し、長い間、自国の発展に貢献させてきた。たとえ、あらゆる不祥事を起こし、驚くべき真実にたどり着いても、目をつぶって存続させてきた。すべては王国の利益のために。

 だが、それが大きく変わる出来事がある少年によって起こされた。


魔法協会門前。

 現在、多くの民衆が魔法協会に対して暴動を起こしている。何故なら、王都に住むすべての人々に魔法協会の不祥事が知れ渡ったからだ。騎士団や国そのものが隠蔽してきた事実と、魔法の力が神ではなく人の手で作られたという事実とともに。

 魔法協会側は、全ての魔術が停止しているため、数人の構成員が民衆の侵入を防ぐために魔法で結界を張ることしかできない。だが、それもいつまでもつか分からないだろう。この国の人間の9割が魔法持ちなのだから。はっきり言って、破られるのも時間の問題だ。

「魔法協会を許すな!」
「非道な実験なんかしやがって!」
「人でなしどもめ!」
「責任者を出しなさい!」
「前へ出て詫びろ!」

 暴動を起こす民衆たちは、魔法協会に対して怒りと軽蔑を込めた言葉を叫びながら、結界を壊そうと躍起になっている。

「「「「「家族を返せ!」」」」」

 その中には、こんな声も聞こえる。

「俺の弟は事故死じゃなかったんだろ! お前らが殺したんだろ!」
「あんたたちのせいで、私の娘は!」
「連絡のつかないワシしの息子はどうなったんだ!?」

 魔法協会に関わって、行方不明になった者や死者の遺族のようだ。彼らもこれを機に暴動に参加したのだろう。そんな様子を遠くから眺める少年がいた。

「……思ったより早く事が起きたもんだな。尤も、以前から確信に近い疑いをもたれてたから当然の行動だろうな」

 この少年は『ローグ・ナイト』。この暴動の首謀者だ。本来の彼の目的は、幼馴染への復讐と旧世界崩壊の謎を解くことだ。だが、復讐のほうに横やりを入れられたことをきっかけに、非道な行いを繰り返す魔法協会を潰すことにしたのだ。そこまで可能にしたのは、彼に『ナイトウ・ログ』という魔法学者の前世の記憶があったからだ。そんなローグに声がかけられた。少女と壮年の男性だ。

「……すごいことになったね、ロー」
「全くだ。ここまでの騒ぎを起こすとはな」

 少女は『ミーラ・リラ』。ローグの復讐の対象の一人だったが、今はローグに従う奴隷のような存在だ。ローグに心酔すらしている純真な子(馬鹿な子)だ。
 初老の男性は『ルドガー・バーグ』。かつて、騎士団から魔法協会に移籍し、その魔法協会を裏切って最終的にローグの計画に加担した『共犯者』だ。

 魔法協会を潰すという計画は、この二人の協力…というよりも、この二人を含め、魔法協会を恨み憎む多くの者たちの協力によって成功させたのだ。この二人以外の大勢の協力者たちは、魔法協会の戦力を十分削いだ後で隠し通路から脱出していた。その後は、ほとんどの者が身なりを整えて暴動に参加した(身なりを整えたのは怪しまれないため)。彼らは皆、戦った後で疲れているはずなのだが、魔法協会への憎しみがそこまでさせた。ローグとしては、身なりを整えたのなら王都にそのまま暮らせばいいと思っていたのだが、そこは計算外だった。

「二人以外の連中は、向こうに交じってるのか?」

 ローグが魔法協会を指さして問う。

「ああ、そうだな。もともと、恨みがあったから暴動が起こったことを知ったら、すぐに向かっていったぞ」
「私も行こうかなと思ったんだけど、ルドガーさんに止められちゃった……」
「……こっちに合流しろと言ったはずだが」
「うう……ごめんなさい」
(……ルドガーがいてよかった)

 ミーラの馬鹿さ加減と思慮の浅さに呆れるローグは、ルドガーに心の中で深く感謝した。その直後、魔法協会側が意外な行動に出た。それは……。
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