ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第4章 因縁編

カマキリ再び

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 まず、最初に見えたのは大きなサソリの尻尾だった。その尻尾が、扉を叩いたために乱暴に開かれたように見えたのだろう。その後、開ききった扉の先に見えたのは……。

ギチギチギチギチッ

「「「「「「「んなっ!?」」」」」」」

「な……何よ、あれ……?」
「魔物だと!? こんなところに!?」
「…………っ!」

「「「「「うっ、うわああああああ! 魔物だー!」」」」」

 巨大なカマキリの姿をした魔物だった。それも、さっき見えたサソリの尻尾が生えている。しかも、右手の鎌で人の手を挟んでいた。顔が血に濡れている様子から、食事をしていたのだろう。その姿を見た誰もが、驚きと恐怖を感じ叫び声が上がった。その中で、声に出さなかったがローグが一番驚いていた。

(そんな馬鹿な!? あいつは、あの形状は合成生物! つまり、迷宮にしかいない魔物じゃないか! 何故、魔法協会から出てくるんだ!?)

 この世界で、魔物は2種類に分けられる。地上で暮らすタイプと迷宮にしかいないタイプが存在する。地上で暮らすタイプは、旧世界に生息していた大型から小型までの動物の子孫のことで、肉食でない限りは大人しい。迷宮で暮らすタイプは、旧世界の生物実験で作られた合成生物の子孫で、ほとんどが肉食・草食に限らず人間には攻撃的だ。

「まっ、魔物だ! 魔物が出てきたー!」
「うわああああああ!」
「きゃああああああ!」
「ヤバいぞ! 逃げろおおおおおお!」
「あいつら、あんなもんにまで手を出してたのかよ!」

 そんな迷宮の魔物が何故、魔法協会から現れるのだろうか。ローグの頭は疑問でいっぱいになり、様々な可能性を考えた。

(魔法協会が捕獲した? だが、あのカマキリ型は大きすぎるから違う? 幼体か卵を手に入れた? でも、どうやって? 俺が潜った迷宮か? しかし、王都から遠すぎる。そそそも、何故、捕獲する必要がある? 魔法だけが研究対象じゃなかったのか? 魔物の、魔物が生きる迷宮も対象だったのか? もしや……)

「おい! 坊主!」
「ロー!」
「はっ!?」

 ローグが考えている最中に、ミーラとルドガーが声を掛けてきた。

「ロ、ロー! じゃなかった……ローグ! 魔法協会から虫みたいな魔物が出てきたんだけど!?」
「何を考えてたか知らねえが、あれは野放しには出来ねえぞ! 流石にあれは、ヤバすぎるぞ! どうするつもりだ!?」
「ああ、それは……」

「わああああああ! 来るなああああああ!」
「ひっ! うぇあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」

「「「っ!?」」」

 ローグ達が対応を話し合おうとする時に、大人二人分の悲鳴が上がった。レシオン・ザールとトーレンの叫び声だ。

「ほっ、【炎魔法】『炎弾』!」
「ギギイィ」

ボンッ! ボンッ! ボンッ! 

 レシオン・ザールは、【炎魔法】をぶつけて攻撃するが、カマキリの魔物は鎌でうまくガードするため無傷だ。魔物はゆっくり二人に近づいていく。レシオン・ザールは、【炎魔法】で抵抗を続ける。

「ほっ、【炎魔法】『火炎放射』!」

ブボオオオオオオッ!

「【炎魔法】『火柱』!」

ボオオオオオオッ!

「ギイ……ギイイィ」

 だが、カマキリの魔物は鎌でガードしながら、止まることなく進んでいく。遂には左手の鎌を大きく振り上げた。そして……。

「ひっ、くそ! 【炎魔法】『火……」

ザシュッ!

「…………」

「「「「「…………っ!?」」」」」

ボトッ

 魔物が鎌を振った直後だった。レシオン・ザールの首は胴体と切り離された。
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