ローグ・ナイト ~復讐者の研究記録~

mimiaizu

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第4章 因縁編

次はどうしようか?

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 話し合いが終わった後、ルドガーは町に戻り、小屋にはまた、ローグとミーラが残された。ミーラが夕食の準備にとりかかてる間にローグは布団の上に寝転がって考え事を始める。

(次はどうしようかな。復讐のことを考えると『あいつ』のいる騎士団とは戦いは避けられないが、それは今の俺の戦力でできることじゃないな)

 最後の復讐対象者のレオン・ビリーは騎士団にいる。騎士団とは、魔法の力だけでなく優れた身体能力と武器の腕前を持った集団だ。そんな者たちを相手にするとなるとローグだけでは相手にならないだろう。ミーラとルドガーを入れても厳しい。1対1なら別だが、そんな状況に持ち込むのも難しい。

(今の戦力を増強するには、王国に不満を持つものを集って反乱を起こす。それが手っ取り早いな。今の王国はそうなってもおかしくない状況だしな)

 ローグが考えたのは内戦だった。まず王国そのものに反旗を翻し、国そのものを二つに分ける。王国と反乱組織。この二つが争っている状況を利用して、多くの戦力を操って騎士団とレオン・ビリーを切り離した隙に1対1に持ち込みか、騎士団そのものを潰してしまうという作戦だ。今の王国は魔法の真実のことで混乱している。そこに付け込んで内戦を勃発させるのだ。

(王国の暴徒の騒ぎが制圧されるのは時間の問題だが……それでも、真相を知った者たちは王都に大勢いる)

 真相。それは魔法協会が噂通りに多くの犠牲者を出していたこと、国の上層部はそれを見て見ぬふりをしていたこと、更に魔法は寿命を犠牲にして得られるものだったこと、そういったものだ。内戦の火種としては十分すぎる。

 ただ、ローグ達が率先して起こすわけにはいかなかった。率先して行ったりすればリーダーに祭り上げられて目立ってしまう。そうなれば、ローグ自身がレオン・ビリーの前に立てる機会を失いかねない。復讐とは、自らの手で下すものだというのがローグの美学なのだ。それにルドガーが離れて行ってしまう可能性もあった。ルドガーは正義感が強い。そんな彼が内戦を起こす立場につくとは考えにくい。下手をすれば止める側になるだろう。

(……内戦は勝手に起これば利用する程度でいいか。起こらなければ起こらないで別の作戦でいけばいいしな)

 ローグにはもう一つの作戦があった。それは他国の介入だ。王国は他国との仲は良くない。魔法の力があるからか、他国を見下す傾向があった。そんな王国が混乱状態なら攻め込む隙だとして介入してきてもおかしくない。王国に恨みを抱く国同士で手を組んで争いを始めてくれたら、王国の疲弊はすさまじいものになるだろう。

 特に隣国の帝国がちょうどいいとローグは思う。今、内戦が起こっているというが魔法なしのほうが多いというなら、ローグの力と知識をうまく活用すれば、まとめられそうな気もしないではなかった。ローグが陰で操る立場になるかもしれない。

(前世で読んだ異世界関連のラノベの物語みたいに乗っ取る……わけにはいかないがな。俺にはもう一つの目的があるし……)

 ローグのもう一つの目的。旧世界の崩壊の真相の究明。その手掛かりを手に入れるためには自由に動き回れるほうが都合がいいのだ。国を指揮したりする立場に落ち着くわけにはいかない。それに手掛かりは王国内で見つけているのだ。

(カマキリとトリニティウルフ。あいつらは、決して外から持ち込んだわけじゃない。あいつらの出所は魔法協会そのものだ。つまり……)

 あれほど強力な魔物の存在は、魔法協会にもう一つの秘密があることを意味する。それは、







(魔法協会の『迷宮』が存在する。それは間違いないだろう。そして、そこに王国が魔法を持った秘密もある)


 

 それはローグの推測に過ぎないが、可能性は非常に高い。更に、王国が魔法を発現させる手段もそこにあるなら手掛かりとしては十分だった。

(もう一度、魔法協会を探る必要がある。旧世界の秘密を解き明かすために!)

「ローグ~。ご飯できたよ~」

 ローグの思考はミーラの呼ぶ声と夕食の匂いによって中断された。夕食の後に思考は再開されるだろう。
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