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第3章 王都防衛編
第92話 攻勢2・紫ゾンビ戦
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緑と黄色ゾンビを倒して残りは紫と虹色の二体になった。
俺は畳み掛けるべく鎧兵を率いて毒霧を吐いている紫ゾンビの元へ向かう。
紫ゾンビはヘドロの体液を垂らしながら、折れて積み重なった大木の上からエアコンみたいに毒の気体を吐き続けている。
「チッ、ムカつく顔しやがって」
電気屋の扇風機みたいにヒラヒラのテープでも付けといてくれれば可愛げがあるのにな!
俺は難癖をつけながら、クロスボウで遠距離攻撃を仕掛けてみるも、あえなく矢が風で押し戻された。
「だったら!」
巨大樹の上に忍ばせておいた鎧兵を頭へ向けて跳ばせた。空中で構えたクロスボウの射程圏内にゾンビの頭部が入る。
取れる! と、思った瞬間。
「グガァァ!」
敵の全身から毒霧が噴出した。鎧兵が吹き飛ばされ、さらに紫色のヘドロにより溶かされていく。
「クッ、そう簡単には行かないか……うん? あれは……!」
敵の胸の辺りにわずかに見える“紫色の宝玉”。
コイツ、セフィラを取り込んでいるのか!?
セフィラとは巨獣が取り込むことで突然変異して強個体になる謎の多い宝玉のことだ。ミノタウロス、スフィンクス、サラマンダーも体内に取り込んでいた。
想定外だな……! だけどやる事は変わらない。強個体だろうと倒すだけだ。
すぐに気持ちを切り替え、紫ゾンビを観察する。依然として敵の周囲に嵐のような突風が吹き荒れており近づけない。
こうなったら一度きりの戦術を使うしかないか。対ゾンビ用に考えていた秘策のひとつ。
そして敵の毒霧の勢いが弱まった瞬間。
「今だ!」
俺は潜伏させておいた鎧兵を動かし、紫ゾンビではなく、“虹色ゾンビ”に向けて、ゴブリンの目から作られた“閃光弾”を投げつけた。
すると、無数の目がある虹色ゾンビは眩しそうに目をすがめた。
連動するように遠くにいた“紫ゾンビ”の方も目を細める。
やはりな。コイツらゾンビは“感覚を共有”している。
以前、ゾンビ化したリザードマンと戦った時に、なぜか神樹周りの罠を回避していた。さらに今回の群れも同じく罠の場所が分かっているように動いていた。
それを見てゾンビ達は視覚や知識を共有しているのではと考えたのだ。加えて先ほど戦った赤青橙ゾンビも連携が取れすぎていたのも説を後押しした。
「グガァ!?」
虚をつかれた紫ゾンビは素っ頓狂な声を発した。
その隙を逃さず大量の鎧コウモリを口の中に叩き込む。
直後、腹が吹き飛び、体が半分に分かれた。アメジスト色の宝玉セフィラが地面に転がる。
「トドメだ!」
ゾンビは頭を潰さないと完全に倒せないので、すぐに鎧兵を上半身へ向かわせた。
「グガ……!」
敵は最後の悪あがきに毒霧を吐いてくるも、勢いはなく鎧兵の脅威ではなかった。
そうして頭部にたどり着き、あらゆる武器で攻撃し続けると、やがて敵は動かなくなった。
セフィラを取り込んでいたとはいえ所詮は支援型だし割と余裕だったな。
毒霧が薄まり、最後の一体である虹色ゾンビの姿が露わになった。
これでラストだ。
俺は気を引き締め、鎧兵を敵に向けて進軍させた。
俺は畳み掛けるべく鎧兵を率いて毒霧を吐いている紫ゾンビの元へ向かう。
紫ゾンビはヘドロの体液を垂らしながら、折れて積み重なった大木の上からエアコンみたいに毒の気体を吐き続けている。
「チッ、ムカつく顔しやがって」
電気屋の扇風機みたいにヒラヒラのテープでも付けといてくれれば可愛げがあるのにな!
俺は難癖をつけながら、クロスボウで遠距離攻撃を仕掛けてみるも、あえなく矢が風で押し戻された。
「だったら!」
巨大樹の上に忍ばせておいた鎧兵を頭へ向けて跳ばせた。空中で構えたクロスボウの射程圏内にゾンビの頭部が入る。
取れる! と、思った瞬間。
「グガァァ!」
敵の全身から毒霧が噴出した。鎧兵が吹き飛ばされ、さらに紫色のヘドロにより溶かされていく。
「クッ、そう簡単には行かないか……うん? あれは……!」
敵の胸の辺りにわずかに見える“紫色の宝玉”。
コイツ、セフィラを取り込んでいるのか!?
セフィラとは巨獣が取り込むことで突然変異して強個体になる謎の多い宝玉のことだ。ミノタウロス、スフィンクス、サラマンダーも体内に取り込んでいた。
想定外だな……! だけどやる事は変わらない。強個体だろうと倒すだけだ。
すぐに気持ちを切り替え、紫ゾンビを観察する。依然として敵の周囲に嵐のような突風が吹き荒れており近づけない。
こうなったら一度きりの戦術を使うしかないか。対ゾンビ用に考えていた秘策のひとつ。
そして敵の毒霧の勢いが弱まった瞬間。
「今だ!」
俺は潜伏させておいた鎧兵を動かし、紫ゾンビではなく、“虹色ゾンビ”に向けて、ゴブリンの目から作られた“閃光弾”を投げつけた。
すると、無数の目がある虹色ゾンビは眩しそうに目をすがめた。
連動するように遠くにいた“紫ゾンビ”の方も目を細める。
やはりな。コイツらゾンビは“感覚を共有”している。
以前、ゾンビ化したリザードマンと戦った時に、なぜか神樹周りの罠を回避していた。さらに今回の群れも同じく罠の場所が分かっているように動いていた。
それを見てゾンビ達は視覚や知識を共有しているのではと考えたのだ。加えて先ほど戦った赤青橙ゾンビも連携が取れすぎていたのも説を後押しした。
「グガァ!?」
虚をつかれた紫ゾンビは素っ頓狂な声を発した。
その隙を逃さず大量の鎧コウモリを口の中に叩き込む。
直後、腹が吹き飛び、体が半分に分かれた。アメジスト色の宝玉セフィラが地面に転がる。
「トドメだ!」
ゾンビは頭を潰さないと完全に倒せないので、すぐに鎧兵を上半身へ向かわせた。
「グガ……!」
敵は最後の悪あがきに毒霧を吐いてくるも、勢いはなく鎧兵の脅威ではなかった。
そうして頭部にたどり着き、あらゆる武器で攻撃し続けると、やがて敵は動かなくなった。
セフィラを取り込んでいたとはいえ所詮は支援型だし割と余裕だったな。
毒霧が薄まり、最後の一体である虹色ゾンビの姿が露わになった。
これでラストだ。
俺は気を引き締め、鎧兵を敵に向けて進軍させた。
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