4 / 42
4
しおりを挟む
俺は今とても緊張してる。
「ふふっ、カイト兄上身体震えてる。緊張しすぎだよ。私もついてるんだから」
お前がついていようが緊張するものはするんだよ!
「そうは言ってもな」
やべぇ、緊張で腹痛い。トイレ行ってきていいかな。というか、ずっとトイレに篭っていたい。
「そんな緊張しなくても…だって家族で食事するだけだよ?」
だーかーら!緊張してんだよ!!
あまりにもリエルが父上と1度話せと煩いから昨日お願いしてみた。そうして返ってきた返事が『明日の昼食を共にしよう』とのことだった。
1人じゃ真面に会話出来ないからリエルに頼んで一緒に来てもらうことにした。
そうしたら、リエルなんて言ったと思う。
『カイト兄上が私と食事するのは当たり前だよ?』
確かにベットから出る許可出てから一緒に食事してきたがまさかそんなこと言ってくれるなんて!
嬉しすぎる!!!
「…そうだよな。」
「うんっ、そうだよ!そろそろ約束の時間だから行くか」
「あぁ、分かった」
もうそんな時間か。父上に会うのも緊張するが、王宮に行くのも緊張する原因だ。
あそこには何年行ってないんだろうというくらい行っていない。
リエルみたいに執務を任されてないから行く必要がなかったというのもあるが、あそこはカイトにとって凄く嫌な場所だ。
歩いてるとあちこちから嫌な視線が飛んできてコソコソと陰口を言われた。酷い人だと直接言ってきた。まあ、全部ガン無視してきたけど。
無視するな!と殴りかかってきた奴もいたな。魔法使って逃げたけど。
殴りかかってきた奴はいつの間にか消えてしまったという噂が流れてからはそんな奴居なくなったけど。
居なくなったのは良かったけど、それによりさらに人に嫌われるようになった。俺のせいじゃないと思うけどな!
なんて、過去の回想をしてたらあっという間についてしまった。
よしっ、覚悟決めて行くぞ!
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
うおっ、入ってきた。相変わらず威圧感会って近寄りがたいわ。
「お久しぶりです、父上。本日は忙しい中時間をとっていただきありがとうございます」
言えた俺えらい!噛まずに言えたのは凄いわ。父上が入ってくるまでぶつぶつ唱えてた甲斐あるな。
たとえ、リエルに心配されても、周りの人に不審な目で見られても…
「さっきぶりですね、父上」
そうだった。リエルはさっきまで父上と一緒に執務をしてたんだったわ。
それにしてもリエルの笑顔も威圧感あるな…さすが次期魔王。今初めて気づいたけど。
「どうしたの?カイト兄上」
おっと、じーっとリエルの顔を見過ぎてしまったみたいだ。
「いや、何もない。ただ、綺麗な顔してるなと思っただけだ」
これはいつも思ってることだ。父上に似た顔をしてるが、なんか父上より甘い顔してるなっと思う。さすが王子様だって感じの顔。
「う"っ…カイト兄上!」
だぁ!くっつくなよ。今まで距離が離れすぎていたせいかリエルは距離が近い。隙あらば抱きつこうとしてくる……身長差的に抱きしめようとが正しいんだけどな。
くっ、身長縮める魔法はないのか!あったらリエルに掛けてやるのに。
「おい、父上の御前だぞ!」
ほんとに失礼だろう!
リエルにとって父上は毎日会って会話してるのもあって『父』という存在なんだろう。だけど、今まで遠くから見てきた俺にとって父上は『魔王様』という存在なんだ。
「ふっ、くくっ、気にするな。兄弟で仲の良いというのはよいことだ」
ち、父上が笑った!いつも険しい表情を見てきた俺にとって凄く新鮮な顔だ。これが父と息子の距離なのか?!とドキドキしていると…
「では、遠慮なく」
いや、遠慮しろよリエル!と思っていると俺の身体がふわっと浮いて移動させられた。
ふっかふかの椅子の上から硬い椅子へ。正しくはリエルの膝の上へ。
全力で元の場所に戻ろうとしているのにガッチリ腕でガードされてる為行けない。諦めて大人しくしておくことにした。
でも、リエルの膝の上にいるとさっきまで緊張で強張っていた身体の力が抜けていく。まさか…それを狙って?!気の利く奴だ。(※彼は自分のしたいことをしてるだけです)
「そうか、そんなに仲良くなったのか…あの、そのだな、カイト…」
改まった言い方をするので、俺も姿勢を正した…リエルの膝の上で。
「はい、なんでしょう」
「いや、やっぱ明日にしよう」
「父上?」
おい、リエル。父上相手に威圧するなよ!
「そうだよな…カイトにはしっかりと言っておかないといけないことがあった」
父上が俺に言っておかないといけないこと?全然思いつかない。
「まず、俺はとても不器用だ。愛を伝えるのがとても下手なのだ。特にカイトお前には罪悪感で近寄ることができなかった」
罪悪感というのはこの髪と目で産んだからだろうか。
「カイトにはたくさん苦労させてきた。私は辛そうなお前を見ていられず目を背けてきた。
だけど、カイトが倒れた日にリエルに言われたんだ『カイト兄上は何故そこまで酷い目にあってると思いますか?それは父上に見放されてると思われてるからですよ』と、カイトすまなかった。私はカイトを家族の一員だとしっかり思っているのだ」
ほんとに父上は不器用な人なんだろうな。だけど俺は家族の一員として見てもらえていたという言葉がすごく嬉しい。
「今までのことはもういいんです。俺は今とても幸せな気持ちです。父と弟と一緒に食事ができて、美味しい食事がとれて、宮殿は綺麗に保たれ、罵倒の言葉は飛んでこない。これから、ずっとこの幸せな気持ちで過ごしたいんです。
父上協力してくれますか?」
「あぁ、もちろんだ」
俺はずるい奴だ。罪悪感を持つ父に断ることができないと知っていてこんなことを言う。
だけど、俺はそうまでしてこの幸せを続けたいのだ。だから、
「ありがとうございます!父上、これからよろしくお願いします」
よろしくお願いしますね?父上…
「ふふっ、カイト兄上身体震えてる。緊張しすぎだよ。私もついてるんだから」
お前がついていようが緊張するものはするんだよ!
「そうは言ってもな」
やべぇ、緊張で腹痛い。トイレ行ってきていいかな。というか、ずっとトイレに篭っていたい。
「そんな緊張しなくても…だって家族で食事するだけだよ?」
だーかーら!緊張してんだよ!!
あまりにもリエルが父上と1度話せと煩いから昨日お願いしてみた。そうして返ってきた返事が『明日の昼食を共にしよう』とのことだった。
1人じゃ真面に会話出来ないからリエルに頼んで一緒に来てもらうことにした。
そうしたら、リエルなんて言ったと思う。
『カイト兄上が私と食事するのは当たり前だよ?』
確かにベットから出る許可出てから一緒に食事してきたがまさかそんなこと言ってくれるなんて!
嬉しすぎる!!!
「…そうだよな。」
「うんっ、そうだよ!そろそろ約束の時間だから行くか」
「あぁ、分かった」
もうそんな時間か。父上に会うのも緊張するが、王宮に行くのも緊張する原因だ。
あそこには何年行ってないんだろうというくらい行っていない。
リエルみたいに執務を任されてないから行く必要がなかったというのもあるが、あそこはカイトにとって凄く嫌な場所だ。
歩いてるとあちこちから嫌な視線が飛んできてコソコソと陰口を言われた。酷い人だと直接言ってきた。まあ、全部ガン無視してきたけど。
無視するな!と殴りかかってきた奴もいたな。魔法使って逃げたけど。
殴りかかってきた奴はいつの間にか消えてしまったという噂が流れてからはそんな奴居なくなったけど。
居なくなったのは良かったけど、それによりさらに人に嫌われるようになった。俺のせいじゃないと思うけどな!
なんて、過去の回想をしてたらあっという間についてしまった。
よしっ、覚悟決めて行くぞ!
➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖ー➖
うおっ、入ってきた。相変わらず威圧感会って近寄りがたいわ。
「お久しぶりです、父上。本日は忙しい中時間をとっていただきありがとうございます」
言えた俺えらい!噛まずに言えたのは凄いわ。父上が入ってくるまでぶつぶつ唱えてた甲斐あるな。
たとえ、リエルに心配されても、周りの人に不審な目で見られても…
「さっきぶりですね、父上」
そうだった。リエルはさっきまで父上と一緒に執務をしてたんだったわ。
それにしてもリエルの笑顔も威圧感あるな…さすが次期魔王。今初めて気づいたけど。
「どうしたの?カイト兄上」
おっと、じーっとリエルの顔を見過ぎてしまったみたいだ。
「いや、何もない。ただ、綺麗な顔してるなと思っただけだ」
これはいつも思ってることだ。父上に似た顔をしてるが、なんか父上より甘い顔してるなっと思う。さすが王子様だって感じの顔。
「う"っ…カイト兄上!」
だぁ!くっつくなよ。今まで距離が離れすぎていたせいかリエルは距離が近い。隙あらば抱きつこうとしてくる……身長差的に抱きしめようとが正しいんだけどな。
くっ、身長縮める魔法はないのか!あったらリエルに掛けてやるのに。
「おい、父上の御前だぞ!」
ほんとに失礼だろう!
リエルにとって父上は毎日会って会話してるのもあって『父』という存在なんだろう。だけど、今まで遠くから見てきた俺にとって父上は『魔王様』という存在なんだ。
「ふっ、くくっ、気にするな。兄弟で仲の良いというのはよいことだ」
ち、父上が笑った!いつも険しい表情を見てきた俺にとって凄く新鮮な顔だ。これが父と息子の距離なのか?!とドキドキしていると…
「では、遠慮なく」
いや、遠慮しろよリエル!と思っていると俺の身体がふわっと浮いて移動させられた。
ふっかふかの椅子の上から硬い椅子へ。正しくはリエルの膝の上へ。
全力で元の場所に戻ろうとしているのにガッチリ腕でガードされてる為行けない。諦めて大人しくしておくことにした。
でも、リエルの膝の上にいるとさっきまで緊張で強張っていた身体の力が抜けていく。まさか…それを狙って?!気の利く奴だ。(※彼は自分のしたいことをしてるだけです)
「そうか、そんなに仲良くなったのか…あの、そのだな、カイト…」
改まった言い方をするので、俺も姿勢を正した…リエルの膝の上で。
「はい、なんでしょう」
「いや、やっぱ明日にしよう」
「父上?」
おい、リエル。父上相手に威圧するなよ!
「そうだよな…カイトにはしっかりと言っておかないといけないことがあった」
父上が俺に言っておかないといけないこと?全然思いつかない。
「まず、俺はとても不器用だ。愛を伝えるのがとても下手なのだ。特にカイトお前には罪悪感で近寄ることができなかった」
罪悪感というのはこの髪と目で産んだからだろうか。
「カイトにはたくさん苦労させてきた。私は辛そうなお前を見ていられず目を背けてきた。
だけど、カイトが倒れた日にリエルに言われたんだ『カイト兄上は何故そこまで酷い目にあってると思いますか?それは父上に見放されてると思われてるからですよ』と、カイトすまなかった。私はカイトを家族の一員だとしっかり思っているのだ」
ほんとに父上は不器用な人なんだろうな。だけど俺は家族の一員として見てもらえていたという言葉がすごく嬉しい。
「今までのことはもういいんです。俺は今とても幸せな気持ちです。父と弟と一緒に食事ができて、美味しい食事がとれて、宮殿は綺麗に保たれ、罵倒の言葉は飛んでこない。これから、ずっとこの幸せな気持ちで過ごしたいんです。
父上協力してくれますか?」
「あぁ、もちろんだ」
俺はずるい奴だ。罪悪感を持つ父に断ることができないと知っていてこんなことを言う。
だけど、俺はそうまでしてこの幸せを続けたいのだ。だから、
「ありがとうございます!父上、これからよろしくお願いします」
よろしくお願いしますね?父上…
47
あなたにおすすめの小説
悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――
ロ
BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」
と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。
「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。
※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)
弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~
マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。
王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。
というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。
この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。
俺は勇者のお友だち
むぎごはん
BL
俺は王都の隅にある宿屋でバイトをして暮らしている。たまに訪ねてきてくれる騎士のイゼルさんに会えることが、唯一の心の支えとなっている。
2年前、突然この世界に転移してきてしまった主人公が、頑張って生きていくお話。
記憶喪失になったら弟の恋人になった
天霧 ロウ
BL
ギウリは種違いの弟であるトラドのことが性的に好きだ。そして酔ったフリの勢いでトラドにキスをしてしまった。とっさにごまかしたものの気まずい雰囲気になり、それ以来、ギウリはトラドを避けるような生活をしていた。
そんなある日、酒を飲んだ帰りに路地裏で老婆から「忘れたい記憶を消せる薬を売るよ」と言われる。半信半疑で買ったギウリは家に帰るとその薬を飲み干し意識を失った。
そして目覚めたときには自分の名前以外なにも覚えていなかった。
見覚えのない場所に戸惑っていれば、トラドが訪れた末に「俺たちは兄弟だけど、恋人なの忘れたのか?」と寂しそうに告げてきたのだった。
トラド×ギウリ
(ファンタジー/弟×兄/魔物×半魔/ブラコン×鈍感/両片思い/溺愛/人外/記憶喪失/カントボーイ/ハッピーエンド/お人好し受/甘々/腹黒攻/美形×地味)
【完結済み】準ヒロインに転生したビッチだけど出番終わったから好きにします。
mamaマリナ
BL
【完結済み、番外編投稿予定】
別れ話の途中で転生したこと思い出した。でも、シナリオの最後のシーンだからこれから好きにしていいよね。ビッチの本領発揮します。
雪解けに愛を囁く
ノルねこ
BL
平民のアルベルトに試験で負け続けて伯爵家を廃嫡になったルイス。
しかしその試験結果は歪められたものだった。
実はアルベルトは自分の配偶者と配下を探すため、身分を偽って学園に通っていたこの国の第三王子。自分のせいでルイスが廃嫡になってしまったと後悔するアルベルトは、同級生だったニコラスと共にルイスを探しはじめる。
好きな態度を隠さない王子様×元伯爵令息(現在は酒場の店員)
前・中・後プラスイチャイチャ回の、全4話で終了です。
別作品(俺様BL声優)の登場人物と名前は同じですが別人です! 紛らわしくてすみません。
小説家になろうでも公開中。
救世の神子として異世界に召喚されたと思ったら呪い解除の回復アイテムだった上にイケメン竜騎士のツガイにされてしまいました。
篠崎笙
BL
剣崎勝利の家は古武道で名を馳せていた。ある日突然異世界に召喚される。勇者としてではなく、竜騎士たちの呪いを解く道具として。竜騎士ゲオルギオスは、勝利をツガイにして、その体液で呪いを解いた。勝利と竜騎士たちは悪神討伐の旅へ向かったが……。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる