転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃

文字の大きさ
13 / 42

11

しおりを挟む
今日は記念すべき執務1日目だ。

とはいえ、何をするのか全く分かっていない。心配なことばかりなせいか、いつになく緊張で心臓がバクバクしている。



「いらっしゃい、カイト兄上」

嬉しそうな笑顔で大量の書類に囲まれて迎えてくれたのは、リエルだ。
1人じゃないという安心感があって凄く嬉しいのだが…

その大量の書類は、昨日休んだせいじゃないだろうな?そうだとしたら申し訳ないのだが…

「大丈夫だよ、カイト様。この書類は通常通りの量だからね!」

リエルとは違う方から声が聞こえて来た。てか、俺もしかして声に出していたのか?
それにしても凄い量だな。

「そうなのか、通常通りでこれなのか…えっと、確か…」

うーん、名前なんだったけな。確かベルみたいな感じだった気がするけど、思い出せないな。だいぶ昔に聞いたことある気がするんだけどな。

「こらっ、ベルン!勝手に心の中を覗くなと言っているだろう。何度言えば分かるんだ!しかも、相手はカイト様だぞ。敬語を使え!」

そうそう、ベルン!銀髪で、右目が髪で隠れてる方。隠れてない方が赤い目をしている。

昔、迷子になったのかサファイア宮殿に迷いこんで来たことがあった。その時、遊んだの楽しかったな。ただ、従者が気づいて急いで連れてってしまったけど。

「覚えててくれたの!?すっごく、嬉しい!楽しかったよね、あれから行くなって怒られて行けなかったけど。また会えて嬉しい」

俺も凄く嬉しいのだが、そろそろ俺の心と会話するのやめろ。

「はーい!」

分かってくれたならよし。

「ベルンッ!お前は話を聞け!」

そして、さっきからベルンに怒っているのはバラン。コイツもベルンと一緒に迷いこんで来た1人だ。
銀髪というのはベルンと同じだが、左目が髪で隠れている。隠れていない目は青色だ。

実はこの2人は双子である。そしてさっきからベルンが俺の心を覗いているから分かると思うのだが、異能者だ。
2人は一緒にいるとき、心を覗きたい人を意識して聞くと心の声が聞こえてくるのだ。

こういう異能者はたまに生まれてくるらしい。確か、前回の異能者は100年前だったかな?そのくらい貴重な存在だ。




「…ベルン?お前は今誰の心を覗いたって?他の奴らはどうでも良かったが、一番覗いては行けない人のを覗いてしまったな」


「ひぇっ」

こっわっっっ!一気にこの部屋が氷点下まで下がってしまった。しかも威圧している。リエルを次期魔王と再認識させられたわ。
それをまともに受けているベルンはというと…

「ごめんなさい、ごめんなさい、カイト様ごめんなさい。もう二度と覗きません。許してください、ごめんなさい」

あぁ、ごめんなさいbotになってる。顔がめっちゃ青ざめてるよ。

「カイト様、私の弟をきちんと躾けられなくて申し訳ございません。もう二度とこのようなことはないようにします。
(久しぶりに、リエル様の本気怒りモード見たな)
申し遅れました、バランと申します。また、こうやって再会出来たことを嬉しく思います」

バランよ、お前が謝ることではないと思うぞ。だけど、そうだよな…
これが俺だったから良かったけど、他の人だったら謝るどころでは済まないかもだしね。
大変だろうけど、躾け頑張ってほしい。

「別に嫌ではなかったから、構わない。だが、俺は声が出ない訳ではないから会話して欲しい。
また、2人と再会出来て凄く嬉しい。これから、よろしく頼む。あと、話したいように話してくれ」

俺は別に心を覗かれるのに、嫌悪感はない。これは、2人に敵意を向けられてないという安心感があるからな気がする。

「よろしくっ、カイト様!」

「よろしくお願い致します」

これから、もっと楽しくなっていく気がする。

「…私とも会話してね?」

リエル…顔が怖い。お前とは結構会話してるつもりだぞ。なんなら、ここ最近の会話の8割がお前だ。

「あぁ、もちろんだ」

まぁ、心の中に比べたらだいぶ会話出来てないかもな。


「嫉妬深い男は嫌われますよ~」

「何か言ったかな、ベルン?」

「ナンデモナイデス」

ふふっ、仲良いな。なんかこのやりとり慣れてる感あるよな。楽しそうで何よりだ。




「…そういえば、もう1人リエルの従者いなかったか?」

「「「………」」」

リエルをたまに見かけた時、従者は3人いた気がしたんだが…
えっ?急にみんな真顔になったんだけど。俺もしかして良くないこと言ったか…

「アイツは…」

おう、リエルが答えてくれるのか。




「アイツは使えなかったから捨てた…」


そんな笑顔で言うことじゃない!
おい、ちょっと待って。
それは俺捨てられる奴だよな!

「大丈夫だよ、カイト兄上を捨てる時なんて来ないから」

それはお前は使える奴だよな?って、圧をかけてるんですね!


うっ、胃が痛い。大丈夫かな、俺…

しおりを挟む
感想 9

あなたにおすすめの小説

悪辣と花煙り――悪役令嬢の従者が大嫌いな騎士様に喰われる話――

BL
「ずっと前から、おまえが好きなんだ」 と、俺を容赦なく犯している男は、互いに互いを嫌い合っている(筈の)騎士様で――――。 「悪役令嬢」に仕えている性悪で悪辣な従者が、「没落エンド」とやらを回避しようと、裏で暗躍していたら、大嫌いな騎士様に見つかってしまった。双方の利益のために手を組んだものの、嫌いなことに変わりはないので、うっかり煽ってやったら、何故かがっつり喰われてしまった話。 ※ムーンライトノベルズでも公開しています(https://novel18.syosetu.com/n4448gl/)

弟がガチ勢すぎて愛が重い~魔王の座をささげられたんだけど、どうしたらいい?~

マツヲ。
BL
久しぶりに会った弟は、現魔王の長兄への謀反を企てた張本人だった。 王家を恨む弟の気持ちを知る主人公は死を覚悟するものの、なぜかその弟は王の座を捧げてきて……。 というヤンデレ弟×良識派の兄の話が読みたくて書いたものです。 この先はきっと弟にめっちゃ執着されて、おいしく食われるにちがいない。

俺は勇者のお友だち

むぎごはん
BL
俺は王都の隅にある宿屋でバイトをして暮らしている。たまに訪ねてきてくれる騎士のイゼルさんに会えることが、唯一の心の支えとなっている。 2年前、突然この世界に転移してきてしまった主人公が、頑張って生きていくお話。

記憶喪失になったら弟の恋人になった

天霧 ロウ
BL
ギウリは種違いの弟であるトラドのことが性的に好きだ。そして酔ったフリの勢いでトラドにキスをしてしまった。とっさにごまかしたものの気まずい雰囲気になり、それ以来、ギウリはトラドを避けるような生活をしていた。 そんなある日、酒を飲んだ帰りに路地裏で老婆から「忘れたい記憶を消せる薬を売るよ」と言われる。半信半疑で買ったギウリは家に帰るとその薬を飲み干し意識を失った。 そして目覚めたときには自分の名前以外なにも覚えていなかった。 見覚えのない場所に戸惑っていれば、トラドが訪れた末に「俺たちは兄弟だけど、恋人なの忘れたのか?」と寂しそうに告げてきたのだった。 トラド×ギウリ (ファンタジー/弟×兄/魔物×半魔/ブラコン×鈍感/両片思い/溺愛/人外/記憶喪失/カントボーイ/ハッピーエンド/お人好し受/甘々/腹黒攻/美形×地味)

【完結済み】準ヒロインに転生したビッチだけど出番終わったから好きにします。

mamaマリナ
BL
【完結済み、番外編投稿予定】  別れ話の途中で転生したこと思い出した。でも、シナリオの最後のシーンだからこれから好きにしていいよね。ビッチの本領発揮します。

雪解けに愛を囁く

ノルねこ
BL
平民のアルベルトに試験で負け続けて伯爵家を廃嫡になったルイス。 しかしその試験結果は歪められたものだった。 実はアルベルトは自分の配偶者と配下を探すため、身分を偽って学園に通っていたこの国の第三王子。自分のせいでルイスが廃嫡になってしまったと後悔するアルベルトは、同級生だったニコラスと共にルイスを探しはじめる。 好きな態度を隠さない王子様×元伯爵令息(現在は酒場の店員) 前・中・後プラスイチャイチャ回の、全4話で終了です。 別作品(俺様BL声優)の登場人物と名前は同じですが別人です! 紛らわしくてすみません。 小説家になろうでも公開中。

悪い兄は弟の命令通りに身をくねらせる

五月雨時雨
BL
ブログに掲載した短編です。

救世の神子として異世界に召喚されたと思ったら呪い解除の回復アイテムだった上にイケメン竜騎士のツガイにされてしまいました。

篠崎笙
BL
剣崎勝利の家は古武道で名を馳せていた。ある日突然異世界に召喚される。勇者としてではなく、竜騎士たちの呪いを解く道具として。竜騎士ゲオルギオスは、勝利をツガイにして、その体液で呪いを解いた。勝利と竜騎士たちは悪神討伐の旅へ向かったが……。 

処理中です...