転生したら魔王の息子だった。しかも出来損ないの方の…

月乃

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リエルがずっとそばに居るのを当たり前と感じるようになった。勇者襲来から一か月経った訳だから、慣れっていうやつだ。

「カイト兄上、準備はいい?」

今日は国中でお祝いモード。そりゃそうだろう、魔王である父上が完治したのだ。俺もめっちゃ嬉しい。毎日お見舞いに行っていた訳だが、やっぱり元気な姿を見れるのは嬉しい。

「あぁ、大丈夫だ」

今日はおめかしモードで、俺が普段着ないようなキラキラした服を着せられて、髪を整えられた。普通に、家族でお祝いパーティーするならこんなことはしない。だけど、今日は大切なお仕事があるのだ。

バルコニーから国民に対して、無事であることを報告するのだ。と言っても、俺は手を振るだけなんだけど。

しばらく歩いていると目的のバルコニーの前に到着した。そこにはもう父上が到着していた。

「2人ともあまり緊張してないみたいだな?」

いいえ?とても緊張していますよ。
めっちゃ足がプルプルしてますもん。ただ、前よりも緊張していることを隠すことが上手くなっただけだ。

「私は今回特に役目がないので…」

俺は役目なくても絶対に緊張してるだろうな。コイツのこういうところは、元からの素質なのか、俺よりも場数を踏んでるからか。…いや、両方かな。

「意外と緊張してないですね」

はい、俺格好つけたー!めっちゃ緊張してるのにね。ほら、隣でリエルが声を抑えて笑ってるじゃないか。

「それなら良かった。では、行くぞ」

「「はい!」」

父上が先頭に立ち、後ろの両サイドに俺とリエルが立つ。
扉が開けられると、地響きのような歓声が響き渡った。このバルコニーはこういった国民に報告する為に城壁ギリギリのところにある。だから、すぐ近くにいる国民の熱気も感じることが出来た。

『魔王様ー!!』
『リエル様ー!!』

といった歓声と一緒に、

『カイト様ー!!』

という俺への歓声も聞こえてきた。驚いたが、凄く嬉しいし、感動してしまった。

そんな歓声も父上が手をあげるとピタッとなくなった。

「皆、心配させてすまなかった。私は今日で完治した。しかし、私がここに立っているのは奇跡である。ワコール様がカイトの声に答えて、力を与えてくれたからだ。今回の1番の貢献者であるカイトに拍手を…」

地震が起きたのかと思うくらい、国民の拍手が響き渡った。
というか、1番の貢献者は勇者を倒した父上だと思うのだが?
納得いかないが、期待に応える為に手を振っておく。一応笑顔を添えておい…『うぉぉぉぉぉっ!!』…わぁっ、ビックリした!なになに?急にみんな雄叫びを上げて…周りを見回しても何もない。なんだったんだ?

「そして、この場に私が立ったのはもう一つ報告したいことがあったからだ」

えっ?俺は聞いてないんですけど?
リエルの方を見ても首を振っているから、リエルにも知らされてないのだろう。

…なんだろうか?想像がつかない。
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