2 / 70
2
しおりを挟む
前世、小説が大好きで暇さえあれば読み漁っていた。
ミステリー・冒険・SF・恋愛など色々なジャンルを読んでいたが、その中でも、私を虜にしたのは異世界を舞台とした小説だった。
初めて読んだ時は、斬新なストーリーに心が震えたのを覚えている。
当時28歳。仕事に追われ、彼氏なし。
そんな私には、乙女の夢を詰め込んだキラキラとして素敵な作品に
心を揺さぶられたのを覚えている。
それと、どうしても思い出せないのが、どうやって人生を締めくくったのかだ。
過労死なのか病死なのかは定かではないが、親より先に逝ってしまった
事は間違いがないので、悔いても悔やみきれない。
思わずポツリと声が出ていた。
「親不孝者でごめんなさい——」
そうして意識はまどろみの中へと消えて行ったのである。
「うーん、頭痛い」
伸びをしながら目を覚ますと見慣れた天蓋が目に入った。
いつの間にか寝ちゃったみたいだが、ちゃんと家に帰れて一安心である。
・・・あれ?なんだか頬がパリパリするな。
身体をお越し、サイドテーブルの引き出しから手鏡を取って見てみると、涙の乾いた後が付いていた。
前世を思い出していたのは途中まで覚えている。
だが、いつの間に泣いたのだろうか・・・。
手鏡が入っていた引き出しからハンカチーフを取り出し涙の後を拭った。
そして頭に触れてみると、やはりタンコブが出来ている。
派手に転んだ割には軽傷だった様ね。
まぁ、吐き気もないし、多分大丈夫でしょ。
そう思い、ジッと鏡を見ながら今世の自分を考える。
前世とは違い、途轍もない美少女が今の私だ。
私、フェアリエル・クリーヴランドは8歳の公爵令嬢だ。
シルバーブロンドの髪にピンクダイヤモンドの瞳を持っている。
自分で言うのも何だけど、本当に将来が楽しみな顔よね。
私は手鏡をそっと引き出しに戻し、また寝ころんだ。
天井に掘られている花やツタをモチーフにした柄をぼんやりと眺める。
そう言えば前世の時、密かに思っていた事があるのだ。
もし生まれ変われるのなら、今みたいに時間に追われる生活じゃなく、ゆったり、のんびり、自分の為に時間を使える自由な田舎生活がしたい!と。
そう、今世なら叶うのではないか。と思ってしまったのだ。
公爵家はお金持ちだから働かなくても大丈夫だし、できれば結婚もしたくない。
父は甘々だから、ずっと家に居たいと言えばいけそうだけど、母は手強いからなぁ・・・そこは今度考えよう。
・・・・・・。
・・・いや。ちょっと待って!?
婚約者がいた事を忘れてるじゃない!!
・・・参った。今日は色々あり過ぎて抜けてしまったわ。
その時ドアをノックする音が聞こえたのだ。
ミステリー・冒険・SF・恋愛など色々なジャンルを読んでいたが、その中でも、私を虜にしたのは異世界を舞台とした小説だった。
初めて読んだ時は、斬新なストーリーに心が震えたのを覚えている。
当時28歳。仕事に追われ、彼氏なし。
そんな私には、乙女の夢を詰め込んだキラキラとして素敵な作品に
心を揺さぶられたのを覚えている。
それと、どうしても思い出せないのが、どうやって人生を締めくくったのかだ。
過労死なのか病死なのかは定かではないが、親より先に逝ってしまった
事は間違いがないので、悔いても悔やみきれない。
思わずポツリと声が出ていた。
「親不孝者でごめんなさい——」
そうして意識はまどろみの中へと消えて行ったのである。
「うーん、頭痛い」
伸びをしながら目を覚ますと見慣れた天蓋が目に入った。
いつの間にか寝ちゃったみたいだが、ちゃんと家に帰れて一安心である。
・・・あれ?なんだか頬がパリパリするな。
身体をお越し、サイドテーブルの引き出しから手鏡を取って見てみると、涙の乾いた後が付いていた。
前世を思い出していたのは途中まで覚えている。
だが、いつの間に泣いたのだろうか・・・。
手鏡が入っていた引き出しからハンカチーフを取り出し涙の後を拭った。
そして頭に触れてみると、やはりタンコブが出来ている。
派手に転んだ割には軽傷だった様ね。
まぁ、吐き気もないし、多分大丈夫でしょ。
そう思い、ジッと鏡を見ながら今世の自分を考える。
前世とは違い、途轍もない美少女が今の私だ。
私、フェアリエル・クリーヴランドは8歳の公爵令嬢だ。
シルバーブロンドの髪にピンクダイヤモンドの瞳を持っている。
自分で言うのも何だけど、本当に将来が楽しみな顔よね。
私は手鏡をそっと引き出しに戻し、また寝ころんだ。
天井に掘られている花やツタをモチーフにした柄をぼんやりと眺める。
そう言えば前世の時、密かに思っていた事があるのだ。
もし生まれ変われるのなら、今みたいに時間に追われる生活じゃなく、ゆったり、のんびり、自分の為に時間を使える自由な田舎生活がしたい!と。
そう、今世なら叶うのではないか。と思ってしまったのだ。
公爵家はお金持ちだから働かなくても大丈夫だし、できれば結婚もしたくない。
父は甘々だから、ずっと家に居たいと言えばいけそうだけど、母は手強いからなぁ・・・そこは今度考えよう。
・・・・・・。
・・・いや。ちょっと待って!?
婚約者がいた事を忘れてるじゃない!!
・・・参った。今日は色々あり過ぎて抜けてしまったわ。
その時ドアをノックする音が聞こえたのだ。
52
あなたにおすすめの小説
捨てられた地味な王宮修復師(実は有能)、強面辺境伯の栄養管理で溺愛され、辺境を改革する ~王都の貴重な物が失われても知りませんよ?~
水上
恋愛
「カビ臭い地味女」と王太子に婚約破棄された王宮修復師のリディア。
彼女の芸術に関する知識と修復師としての技術は、誰からも必要性を理解されていなかった。
失意の中、嫁がされたのは皆から恐れられる強面辺境伯ジェラルドだった!
しかし恐ろしい噂とは裏腹に、彼はリディアの不健康を見逃せない超・過保護で!?
絶品手料理と徹底的な体調管理で、リディアは心身ともに美しく再生していく。
一方、彼女を追放した王都では、貴重な物が失われたり、贋作騒動が起きたりとパニックになり始めて……。
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
煤かぶり姫は光の貴公子の溺愛が罰ゲームだと知っている。
朝霧心惺
恋愛
「ベルティア・ローレル。僕の恋人になってくれないかい?」
煌めく猫っ毛の金髪に太陽の瞳、光の貴公子の名を欲しいがままにするエドワード・ルードバーグ公爵令息の告白。
普通の令嬢ならば、嬉しさのあまり失神してしまうかもしれない状況に、告白された令嬢、ベルティア・ローレルは無表情のままぴくりとも頬を動かさない。
何故なら———、
(罰ゲームで告白なんて、最低の極みね)
黄金の髪こそが美しいという貴族の価値観の中で、煤を被ったような漆黒の髪を持つベルティアには、『煤かぶり姫』という蔑称がある。
そして、それは罰ゲーム結果の恋人に選ばれるほどに、貴族にとっては酷い見た目であるらしい。
3年間にも及ぶ学園生活も終盤に迫ったこの日告白されたベルティア、実家は伯爵家といえども辺境であり、長年の凶作続きにより没落寸前。
もちろん、実家は公爵家に反抗できるほどの力など持ち合わせていない。
目立つ事が大嫌いでありながらも渋々受け入れた恋人生活、けれど、彼の罰ゲームはただ付き合うだけでは終わらず、加速していく溺愛、溺愛、溺愛………!!
甘すぎる苦しみが、ベルティアを苦しめる。
「どうして僕の愛を疑うんだっ!!」
(疑うも何も、そもそもこの恋人ごっこはあなたへの罰ゲームでしょ!?)
枯渇聖女は婚約破棄され結婚絶対無理ランキング1位の辺境伯に言い寄られる
はなまる
恋愛
らすじ
フレイシアは10歳の頃母と一緒に魔物に遭遇。その時母はかなりの傷を負い亡くなりショックで喋れなくなtったがその時月の精霊の加護を受けて微力ながらも魔法が使えるようになった。
このニルス国では魔力を持っている人間はほとんどいなくて魔物討伐でけがを負った第二王子のジェリク殿下の怪我をほんの少し治せた事からジェリク殿下から聖女として王都に来るように誘われる。
フレイシアは戸惑いながらも淡い恋心を抱きジェリク殿下の申し出を受ける。
そして王都の聖教会で聖女として働くことになりジェリク殿下からも頼られ婚約者にもなってこの6年フレイシアはジェリク殿下の期待に応えようと必死だった。
だが、最近になってジェリクは治癒魔法が使えるカトリーナ公爵令嬢に気持ちを移してしまう。
その前からジェリク殿下の態度に不信感を抱いていたフレイシアは魔力をだんだん失くしていて、ついにジェリクから枯渇聖女と言われ婚約を破棄されおまけに群れ衣を着せられて王都から辺境に追放される事になった。
追放が決まり牢に入れられている間に月の精霊が現れフレイシアの魔力は回復し、翌日、辺境に向かう騎士3名と一緒に荷馬車に乗ってその途中で魔物に遭遇。フレイシアは想像を超える魔力を発揮する。
そんな力を持って辺境に‥
明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。少し間が開いてしまいましたがよろしくです。
まったくの空想の異世界のお話。誤字脱字などご不快な点は平にご容赦お願いします。最後までお付き合いいただけると嬉しいです。他のサイトにも投稿しています。
(本編完結)無表情の美形王子に婚約解消され、自由の身になりました! なのに、なんで、近づいてくるんですか?
水無月あん
恋愛
本編は完結してます。8/6より、番外編はじめました。よろしくお願いいたします。
私は、公爵令嬢のアリス。ピンク頭の女性を腕にぶら下げたルイス殿下に、婚約解消を告げられました。美形だけれど、無表情の婚約者が苦手だったので、婚約解消はありがたい! はれて自由の身になれて、うれしい! なのに、なぜ、近づいてくるんですか? 私に興味なかったですよね? 無表情すぎる、美形王子の本心は? こじらせ、ヤンデレ、執着っぽいものをつめた、ゆるゆるっとした設定です。お気軽に楽しんでいただければ、嬉しいです。
働かないつもりでしたのに、気づけば全部うまくいっていました ――自由に生きる貴族夫人と溺愛旦那様』
鷹 綾
恋愛
前世では、仕事に追われるだけの人生を送り、恋も自由も知らないまま終わった私。
だからこそ転生後に誓った――
「今度こそ、働かずに優雅に生きる!」 と。
気づけば貴族夫人、しかも結婚相手は冷静沈着な名門貴族リチャード様。
「君は何もしなくていい。自由に過ごしてくれ」
――理想的すぎる条件に、これは勝ち確人生だと思ったのに。
なぜか気づけば、
・屋敷の管理を改善して使用人の待遇が激変
・夫の仕事を手伝ったら経理改革が大成功
・興味本位で教えた簿記と珠算が商業界に革命を起こす
・商人ギルドの顧問にまで祭り上げられる始末
「あれ? 私、働かない予定でしたよね???」
自分から出世街道を爆走するつもりはなかったはずなのに、
“やりたいことをやっていただけ”で、世界のほうが勝手に変わっていく。
一方、そんな彼女を静かに見守り続けていた夫・リチャードは、
実は昔から彼女を想い続けていた溺愛系旦那様で――。
「君が選ぶなら、私はずっとそばにいる」
働かないつもりだった貴族夫人が、
自由・仕事・愛情のすべてを“自分で選ぶ”人生に辿り着く物語。
これは、
何もしないはずだったのに、幸せだけは全部手に入れてしまった女性の物語。
『婚約なんて予定にないんですが!? 転生モブの私に公爵様が迫ってくる』
ヤオサカ
恋愛
この物語は完結しました。
現代で過労死した原田あかりは、愛読していた恋愛小説の世界に転生し、主人公の美しい姉を引き立てる“妹モブ”ティナ・ミルフォードとして生まれ変わる。今度こそ静かに暮らそうと決めた彼女だったが、絵の才能が公爵家嫡男ジークハルトの目に留まり、婚約を申し込まれてしまう。のんびり人生を望むティナと、穏やかに心を寄せるジーク――絵と愛が織りなす、やがて幸せな結婚へとつながる転生ラブストーリー。
婚活をがんばる枯葉令嬢は薔薇狼の執着にきづかない~なんで溺愛されてるの!?~
白井
恋愛
「我が伯爵家に貴様は相応しくない! 婚約は解消させてもらう」
枯葉のような地味な容姿が原因で家族から疎まれ、婚約者を姉に奪われたステラ。
土下座を強要され自分が悪いと納得しようとしたその時、謎の美形が跪いて手に口づけをする。
「美しき我が光……。やっと、お会いできましたね」
あなた誰!?
やたら綺麗な怪しい男から逃げようとするが、彼の執着は枯葉令嬢ステラの想像以上だった!
虐げられていた令嬢が男の正体を知り、幸せになる話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる