47 / 208
歪な愛
しおりを挟む
ロザリーの誕生日会からの帰り道で今巷で噂となっている魔人に遭遇したスズネたち。
そして、魔人の行いを目の当たりにし怒りを覚えたスズネたちは一戦交えることに。
しかし何をやっても再生を繰り返す魔人。
その再生能力に手を焼きながらも奮闘するスズネたちであったが、その戦闘の最中に突然涙を流し始めた魔人の姿に困惑してしまう。
その時、突如として発せられた男性の声により怯え出した魔人は、逃げるようにその場から去っていった。
魔人を取り逃し打つ手が無くなったかと思われたが、ラーニャが戦闘中に付けた魔法感知用の印を頼りにスズネたちは魔人を追いかけることにしたのだった。
「ラーニャちゃん、魔人は何処に向かってるの?」
「場所までは分からんが、どんどん街の外へと向かっておるようじゃ」
「はぁ…はぁ…戦闘直後の追跡はキツいっす~」
「つべこべ言わずに走りなさい。それより、セスリー上からは見えないの?」
街中を走るスズネたちとは別でセスリーだけはその身軽さを活かして建物の屋根から屋根へと飛び移りながら魔人を追っていた。
「ダ…ダメですね。街中で反応が多過ぎるのと遮蔽物の多さで捉えきれません」
そんなやり取りをしながら走り続けたスズネたちは、とうとうモアの街を囲う防壁へと辿り着いたのだった。
「ちょっと、壁まで来ちゃったじゃない」
「ラーニャちゃん、魔人は ───── 」
「外じゃ。このデカい壁を越えて外に逃げたようじゃ」
「ここまで来たんですから追いかけましょう」
マクスウェルの一言に反応し、スズネたちはモアの外へ出て魔人を追う。
そうして行き着いたのは、モアの街から少し外れた名も無き小さな森の中にある寂れ果てた廃墟であった。
「うわぁ~なんすか、この明らかに不気味な建物は」
「本当だね!今にもオバケとか出そう」
「ヒィッ!?へ…変なこと言わないでよ…スズネ」
「あはははは。ミリアはオバケとか苦手なんだよね」
他のメンバーたちから少し離れた後方で怯えた様子を見せるミリア。
いつもの勝気な印象からは想像し難い姿を呆然と眺めるしかないメンバーたち。
しかし、ミリアを見つめるスズネたちの目にはもう一つの人物の姿がしっかりと映っていた。
「あれ?そんなところで何してるんすか?ラーニャ」
「べ…別に、廃墟の全体像を見ておっただけじゃ。オ…オバケが怖いとか、そういうことでは決してないぞ」
明らかな動揺を見せるラーニャ。
そこにはいつもの自信に満ち溢れた彼女の姿はなく、ただでさえ大きな三角帽子を深々と被り目元まで隠していたのだった。
そして、ちゃっかりとミリアの背後に隠れようとしていた。
「ちょっとラーニャ、アンタ何アタシの後ろに隠れようとしてんのよ」
「うるさい。わっちは後方支援でミリアは前衛じゃろ、わっちの前を歩くのじゃ」
「アンタふざけたこと言ってんじゃないわよ」
オバケに対する恐怖心は何処へやら、どちらが前を歩くかで揉め始める二人。
その緊張感のない小競り合いを呆れながら見つめる他のメンバーたちなのであった。
「二人とも~ぐずぐずしてたら置いて行くよ~」
「ちょっと、待ちなさいよ」
「わ…わっちを置いて行くでない」
こうして一悶着あったスズネたちであったが、いよいよ廃墟の中へ入ることに。
そして恐る恐る足を踏み入れてみるがそこに魔人の姿はなく、崩れた屋根の隙間から月明かりが差し込んではいても廃墟の中は薄暗い闇が広がっているだけなのであった。
「うわぁ~薄暗くて気味悪いっすね」
「でも~…魔人の姿が見当たらないね」
「い…いつ襲って来るかも分からないので、注意はした方がいいと思います」
「セスリーの言う通りです。十分に警戒していきましょう」
廃墟の中に入り周囲を見回しつつ警戒を強める四人とは違い、二人で抱き合いながらゆっくりと後を追うミリアとラーニャ。
そして、先行する四人による魔人の姿が見当たらないという会話を聞いたラーニャが強く否定する。
「間違いなく魔人はココにおる。今もこの建物内に反応が出ておるから絶対じゃ」
別にラーニャの言葉や魔法を疑っているわけではない。
むしろパーティメンバー全員がいつでも真っ直ぐなラーニャのことを信頼している。
そのラーニャが“絶対だ”と言い切ったということは、確実に魔人がこの廃墟にいるということだ。
しかし、肝心の魔人の姿が見つけられない。
どうしたものかと困りながらスズネたちが話し合いをしていると、それまで廃墟の中をキョロキョロと見ていたクロノが口を開いた。
「下だ」
「「「「「「 えっ!? 」」」」」」
「だから、お前らが追っている木偶の坊は地下にいるって言ってんだよ」
「アンタ、なんでそんなことが分かるのよ」
「はぁ?この廃墟をグルッと見て何処にもいないからな。そして上にもいないとなると ───── 残るは下だろ」
「クロノさん、地下とは言ってもどうやって行くんすか?」
確かにシャムロムの言う通り何処を見ても地下へ繋がる階段のようなものは見当たらない。
本当にクロノの言う通り地下があるのであれば、下に降りるための何かしらの手段があるはず。
しかし、スズネたちが廃墟に入って中を見回ったが、そんなものは誰一人として見掛けなかった。
「安心しろ。あの木偶の坊の残滓を辿ればいいだけのことだ。仕方ねぇ~から案内してやるよ」
「ありがとう!!クロノ」
廃墟内に残された魔人の残滓を追って行けば隠された地下への道が開かれるというクロノに先導され後をついていくスズネたち。
そして、クロノが行き着いた先の壁に取り付けてあった鷲の頭の形をした石像を押すと、壁の一部が動き出し地下へと繋がる階段が姿を現した。
「凄い!!本当にあった。さすがはクロノだね」
「馬鹿かお前は。本番はこれからだぞ」
クロノの言葉を聞き改めて気を引き締めるスズネたち。
そして、階段を降りていき地下に到着すると奥からシクシクと啜り泣く声が聞こえたのだった。
スズネたちが無き後へのする方へ向かうとそこには膝を抱えて泣く少年の姿が ───── 。
「えっ!?ザザ君?」
なんと廃墟の地下で泣いていたのは、以前アーサーに呼ばれて行った王城で一緒に遊んだ少年ザザであった。
驚きと共にザザの元へと駆け寄ろうとしたスズネをラーニャが大きな声を上げて止める。
「待つのじゃ!!」
!?
突然発せられた大声にびっくりし、歩む足を止めてラーニャへと視線を向けるスズネ。
「ど…どうしたの?ラーニャちゃん」
「そいつじゃ・・・」
「え?」
「その少年が・・・魔人の正体じゃ」
!? !? !? !? !? !?
「グスッ、グスッ、グスッ。ごめんなさい、ごめんなさい」
衝撃の事実に驚きを隠せないスズネたちに対して涙ながらに謝り続けるザザ。
そうこうしていると暗闇の中からメイニエルが姿を現したのだった。
「これはこれは、みなさんお揃いで。こんな夜更けにこのような場所に何のご用でしょうか?」
「メイニエルさん、ザザ君が魔人だというのは本当なんですか?」
スズネの問い掛けに対し不敵な笑みを見せたメイニエル。
「フハハハハ。その通りです。私の研究の成果 ───── 楽しんで頂けましたでしょうか」
「自分の息子になんてことを ───── 」
一切悪びれる様子もなく高笑いをして見せるメイニエル。
その姿に溢れる怒りを抑えることが出来ず、歯を食いしばり、力の限り拳を握り締めるマクスウェル。
「メイニエルさん、どうしてこんな酷いことを」
この一言によってメイニエルの顔付きが変わる。
以前会った時に見せた優しい父親の顔でも、先程まで見せていた余裕のある顔でもなく、どこか陰のあるような静かな怒りが滲み出た表情を見せたのだった。
「酷い…だと?何も知らないガキの分際で私たちのことを知った風に語るんじゃない!!」
声を荒げて感情を全面に出すメイニエルはここに至るまでの経緯を語り出した。
「私には何よりも大事な人がいた。共に研究に励み、力を合わせ、数多くの成果も上げてきた。そして、私たちは結ばれ新たな命を授かった ─── それがザザだ。しかし、私が愛した最愛の妻は、この子を産むと同時に亡くなってしまった・・・。そして、生まれてきたこの子も身体が弱く、そのままにしておけば一年と保たず絶命する病気を患っていたのだ」
「えっ?でも…ザザ君は生きてるっすよ」
再びメイニエルが不敵に笑う。
「ああそうだ、ザザは生きている。最愛の妻を殺してまで生まれておいて、何ひとつ成すことなく死ぬなど到底許すことは出来ない。そこで私は考えた・・・どうせ死ぬようならば、せめて私たち夫婦が目指した究極の生物を創り出すための研究に協力するべきだとな ───── そして、幸運にもザザにはその適性があったのだ」
ここでメイニエルの狂気にも似た一面が顔を出す。
そして、この瞬間にスズネたちは全てを理解した。
メイニエルにとってザザは、“この世でたった一人の大事な息子”ではなく、“この世でたった一体の大事な実験体”なのだと ───── 。
「クックックックックッ。ザザは私に身体を提供し、私はザザに死なない肉体を提供する。そうすることによって妻が命を賭してザザを産んだ意味もあるというものだ」
「なんて身勝手な」
「話を聞いてるだけでこっちまで頭がおかしくなりそうっす」
「ザザ君が・・・可哀想です」
メイニエルが語る自分よがりな言葉の数々に怒りと嫌悪感を抱くスズネたち。
そんなスズネたちのことなどお構いなしに自分の考えを語り続けるメイニエル。
「そして、あのノイマンでさえ成し遂げられなかったこの研究を成功させれば、やつではなくこの私こそが世界最高の頭脳だという証明になるのだ。これは、私と妻とザザによる人生を賭けた研究であり、私たち家族三人による“究極の愛”なのだ!!」
そして、魔人の行いを目の当たりにし怒りを覚えたスズネたちは一戦交えることに。
しかし何をやっても再生を繰り返す魔人。
その再生能力に手を焼きながらも奮闘するスズネたちであったが、その戦闘の最中に突然涙を流し始めた魔人の姿に困惑してしまう。
その時、突如として発せられた男性の声により怯え出した魔人は、逃げるようにその場から去っていった。
魔人を取り逃し打つ手が無くなったかと思われたが、ラーニャが戦闘中に付けた魔法感知用の印を頼りにスズネたちは魔人を追いかけることにしたのだった。
「ラーニャちゃん、魔人は何処に向かってるの?」
「場所までは分からんが、どんどん街の外へと向かっておるようじゃ」
「はぁ…はぁ…戦闘直後の追跡はキツいっす~」
「つべこべ言わずに走りなさい。それより、セスリー上からは見えないの?」
街中を走るスズネたちとは別でセスリーだけはその身軽さを活かして建物の屋根から屋根へと飛び移りながら魔人を追っていた。
「ダ…ダメですね。街中で反応が多過ぎるのと遮蔽物の多さで捉えきれません」
そんなやり取りをしながら走り続けたスズネたちは、とうとうモアの街を囲う防壁へと辿り着いたのだった。
「ちょっと、壁まで来ちゃったじゃない」
「ラーニャちゃん、魔人は ───── 」
「外じゃ。このデカい壁を越えて外に逃げたようじゃ」
「ここまで来たんですから追いかけましょう」
マクスウェルの一言に反応し、スズネたちはモアの外へ出て魔人を追う。
そうして行き着いたのは、モアの街から少し外れた名も無き小さな森の中にある寂れ果てた廃墟であった。
「うわぁ~なんすか、この明らかに不気味な建物は」
「本当だね!今にもオバケとか出そう」
「ヒィッ!?へ…変なこと言わないでよ…スズネ」
「あはははは。ミリアはオバケとか苦手なんだよね」
他のメンバーたちから少し離れた後方で怯えた様子を見せるミリア。
いつもの勝気な印象からは想像し難い姿を呆然と眺めるしかないメンバーたち。
しかし、ミリアを見つめるスズネたちの目にはもう一つの人物の姿がしっかりと映っていた。
「あれ?そんなところで何してるんすか?ラーニャ」
「べ…別に、廃墟の全体像を見ておっただけじゃ。オ…オバケが怖いとか、そういうことでは決してないぞ」
明らかな動揺を見せるラーニャ。
そこにはいつもの自信に満ち溢れた彼女の姿はなく、ただでさえ大きな三角帽子を深々と被り目元まで隠していたのだった。
そして、ちゃっかりとミリアの背後に隠れようとしていた。
「ちょっとラーニャ、アンタ何アタシの後ろに隠れようとしてんのよ」
「うるさい。わっちは後方支援でミリアは前衛じゃろ、わっちの前を歩くのじゃ」
「アンタふざけたこと言ってんじゃないわよ」
オバケに対する恐怖心は何処へやら、どちらが前を歩くかで揉め始める二人。
その緊張感のない小競り合いを呆れながら見つめる他のメンバーたちなのであった。
「二人とも~ぐずぐずしてたら置いて行くよ~」
「ちょっと、待ちなさいよ」
「わ…わっちを置いて行くでない」
こうして一悶着あったスズネたちであったが、いよいよ廃墟の中へ入ることに。
そして恐る恐る足を踏み入れてみるがそこに魔人の姿はなく、崩れた屋根の隙間から月明かりが差し込んではいても廃墟の中は薄暗い闇が広がっているだけなのであった。
「うわぁ~薄暗くて気味悪いっすね」
「でも~…魔人の姿が見当たらないね」
「い…いつ襲って来るかも分からないので、注意はした方がいいと思います」
「セスリーの言う通りです。十分に警戒していきましょう」
廃墟の中に入り周囲を見回しつつ警戒を強める四人とは違い、二人で抱き合いながらゆっくりと後を追うミリアとラーニャ。
そして、先行する四人による魔人の姿が見当たらないという会話を聞いたラーニャが強く否定する。
「間違いなく魔人はココにおる。今もこの建物内に反応が出ておるから絶対じゃ」
別にラーニャの言葉や魔法を疑っているわけではない。
むしろパーティメンバー全員がいつでも真っ直ぐなラーニャのことを信頼している。
そのラーニャが“絶対だ”と言い切ったということは、確実に魔人がこの廃墟にいるということだ。
しかし、肝心の魔人の姿が見つけられない。
どうしたものかと困りながらスズネたちが話し合いをしていると、それまで廃墟の中をキョロキョロと見ていたクロノが口を開いた。
「下だ」
「「「「「「 えっ!? 」」」」」」
「だから、お前らが追っている木偶の坊は地下にいるって言ってんだよ」
「アンタ、なんでそんなことが分かるのよ」
「はぁ?この廃墟をグルッと見て何処にもいないからな。そして上にもいないとなると ───── 残るは下だろ」
「クロノさん、地下とは言ってもどうやって行くんすか?」
確かにシャムロムの言う通り何処を見ても地下へ繋がる階段のようなものは見当たらない。
本当にクロノの言う通り地下があるのであれば、下に降りるための何かしらの手段があるはず。
しかし、スズネたちが廃墟に入って中を見回ったが、そんなものは誰一人として見掛けなかった。
「安心しろ。あの木偶の坊の残滓を辿ればいいだけのことだ。仕方ねぇ~から案内してやるよ」
「ありがとう!!クロノ」
廃墟内に残された魔人の残滓を追って行けば隠された地下への道が開かれるというクロノに先導され後をついていくスズネたち。
そして、クロノが行き着いた先の壁に取り付けてあった鷲の頭の形をした石像を押すと、壁の一部が動き出し地下へと繋がる階段が姿を現した。
「凄い!!本当にあった。さすがはクロノだね」
「馬鹿かお前は。本番はこれからだぞ」
クロノの言葉を聞き改めて気を引き締めるスズネたち。
そして、階段を降りていき地下に到着すると奥からシクシクと啜り泣く声が聞こえたのだった。
スズネたちが無き後へのする方へ向かうとそこには膝を抱えて泣く少年の姿が ───── 。
「えっ!?ザザ君?」
なんと廃墟の地下で泣いていたのは、以前アーサーに呼ばれて行った王城で一緒に遊んだ少年ザザであった。
驚きと共にザザの元へと駆け寄ろうとしたスズネをラーニャが大きな声を上げて止める。
「待つのじゃ!!」
!?
突然発せられた大声にびっくりし、歩む足を止めてラーニャへと視線を向けるスズネ。
「ど…どうしたの?ラーニャちゃん」
「そいつじゃ・・・」
「え?」
「その少年が・・・魔人の正体じゃ」
!? !? !? !? !? !?
「グスッ、グスッ、グスッ。ごめんなさい、ごめんなさい」
衝撃の事実に驚きを隠せないスズネたちに対して涙ながらに謝り続けるザザ。
そうこうしていると暗闇の中からメイニエルが姿を現したのだった。
「これはこれは、みなさんお揃いで。こんな夜更けにこのような場所に何のご用でしょうか?」
「メイニエルさん、ザザ君が魔人だというのは本当なんですか?」
スズネの問い掛けに対し不敵な笑みを見せたメイニエル。
「フハハハハ。その通りです。私の研究の成果 ───── 楽しんで頂けましたでしょうか」
「自分の息子になんてことを ───── 」
一切悪びれる様子もなく高笑いをして見せるメイニエル。
その姿に溢れる怒りを抑えることが出来ず、歯を食いしばり、力の限り拳を握り締めるマクスウェル。
「メイニエルさん、どうしてこんな酷いことを」
この一言によってメイニエルの顔付きが変わる。
以前会った時に見せた優しい父親の顔でも、先程まで見せていた余裕のある顔でもなく、どこか陰のあるような静かな怒りが滲み出た表情を見せたのだった。
「酷い…だと?何も知らないガキの分際で私たちのことを知った風に語るんじゃない!!」
声を荒げて感情を全面に出すメイニエルはここに至るまでの経緯を語り出した。
「私には何よりも大事な人がいた。共に研究に励み、力を合わせ、数多くの成果も上げてきた。そして、私たちは結ばれ新たな命を授かった ─── それがザザだ。しかし、私が愛した最愛の妻は、この子を産むと同時に亡くなってしまった・・・。そして、生まれてきたこの子も身体が弱く、そのままにしておけば一年と保たず絶命する病気を患っていたのだ」
「えっ?でも…ザザ君は生きてるっすよ」
再びメイニエルが不敵に笑う。
「ああそうだ、ザザは生きている。最愛の妻を殺してまで生まれておいて、何ひとつ成すことなく死ぬなど到底許すことは出来ない。そこで私は考えた・・・どうせ死ぬようならば、せめて私たち夫婦が目指した究極の生物を創り出すための研究に協力するべきだとな ───── そして、幸運にもザザにはその適性があったのだ」
ここでメイニエルの狂気にも似た一面が顔を出す。
そして、この瞬間にスズネたちは全てを理解した。
メイニエルにとってザザは、“この世でたった一人の大事な息子”ではなく、“この世でたった一体の大事な実験体”なのだと ───── 。
「クックックックックッ。ザザは私に身体を提供し、私はザザに死なない肉体を提供する。そうすることによって妻が命を賭してザザを産んだ意味もあるというものだ」
「なんて身勝手な」
「話を聞いてるだけでこっちまで頭がおかしくなりそうっす」
「ザザ君が・・・可哀想です」
メイニエルが語る自分よがりな言葉の数々に怒りと嫌悪感を抱くスズネたち。
そんなスズネたちのことなどお構いなしに自分の考えを語り続けるメイニエル。
「そして、あのノイマンでさえ成し遂げられなかったこの研究を成功させれば、やつではなくこの私こそが世界最高の頭脳だという証明になるのだ。これは、私と妻とザザによる人生を賭けた研究であり、私たち家族三人による“究極の愛”なのだ!!」
0
あなたにおすすめの小説
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
断罪まであと10分、私は処刑台の上で「ライブ配信」を開始した〜前世インフルエンサーの悪役令嬢、支持率100%でクズ王子を逆処刑する〜
深渡 ケイ
ファンタジー
断罪まで、あと10分。
処刑台の上で跪く悪役令嬢スカーレットは、笑っていた。
なぜなら彼女は――
前世で“トップインフルエンサー”だったから。
処刑の瞬間、彼女が起動したのは禁忌の精霊石。
空に展開された巨大モニターが、全世界同時ライブ配信を開始する。
タイトルは――
『断罪なう』。
王子の不貞、聖女の偽善、王家の腐敗。
すべてを“証拠付き・リアルタイム”で暴露する配信に、
国民の「いいね(=精霊力)」が集まり始める。
そして宣言される、前代未聞のルール。
支持率が上がるほど、処刑は不可能になる。
処刑台は舞台へ。
断罪はエンタメへ。
悪役令嬢は、世界をひっくり返す配信者となった。
これは、
処刑されるはずだった悪役令嬢が、
“ライブ配信”で王子と王国を公開処刑する物語。
支持率100%の先に待つのは、復讐か、革命か、
それとも――自由か。
職業ガチャで外れ職引いたけど、ダンジョン主に拾われて成り上がります
チャビューヘ
ファンタジー
いいね、ブックマークで応援いつもありがとうございます!
ある日突然、クラス全員が異世界に召喚された。
この世界では「職業ガチャ」で与えられた職業がすべてを決める。勇者、魔法使い、騎士――次々と強職を引き当てるクラスメイトたち。だが俺、蒼井拓海が引いたのは「情報分析官」。幼馴染の白石美咲は「清掃員」。
戦闘力ゼロ。
「お前らは足手まといだ」「誰もお荷物を抱えたくない」
親友にすら見捨てられ、パーティ編成から弾かれた俺たちは、たった二人で最低難易度ダンジョンに挑むしかなかった。案の定、モンスターに追われ、逃げ惑い――挙句、偶然遭遇したクラスメイトには囮として利用された。
「感謝するぜ、囮として」
嘲笑と共に去っていく彼ら。絶望の中、俺たちは偶然ダンジョンの最深部へ転落する。
そこで出会ったのは、銀髪の美少女ダンジョン主・リリア。
「あなたたち……私のダンジョンで働かない?」
情報分析でダンジョン構造を最適化し、清掃で魔力循環を改善する。気づけば生産効率は30%向上し、俺たちは魔王軍の特別顧問にまで成り上がっていた。
かつて俺たちを見下したクラスメイトたちは、ダンジョン攻略で消耗し、苦しんでいる。
見ろ、これが「外れ職」の本当の力だ――逆転と成り上がり、そして痛快なざまぁ劇が、今始まる。
魔道具は歌う~パーティ追放後に最高ランクになった俺を幼馴染は信じない。後で気づいてももう遅い、今まで支えてくれた人達がいるから~
喰寝丸太
ファンタジー
異世界転生者シナグルのスキルは傾聴。
音が良く聞こえるだけの取り柄のないものだった、
幼馴染と加入したパーティを追放され、魔道具に出会うまでは。
魔道具の秘密を解き明かしたシナグルは、魔道具職人と冒険者でSSSランクに登り詰めるのだった。
そして再び出会う幼馴染。
彼女は俺がSSSランクだとは信じなかった。
もういい。
密かにやってた支援も打ち切る。
俺以外にも魔道具職人はいるさ。
落ちぶれて行く追放したパーティ。
俺は客とほのぼのとした良い関係を築きながら、成長していくのだった。
解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る
早見羽流@3/19書籍発売!
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」
解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。
そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。
彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。
(1話2500字程度、1章まで完結保証です)
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる