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2話
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「ああ……君のいう通りだ。この国にルーザはふさわしくはない。時期、王がこんなでは国が破綻してしまうだろうな……すまないな。私の力不足でもある。もっと厳しく誠実に育てるべきだった」
「いいえ。皇帝陛下は十分以上に教育されていたではありませんか、それでも気を改めなかった彼の責任でしょう」
「ハハハ……そうだな。だが、君のような優秀な人格者がいてくれたおかげで国が滅ぶことはなさそうだ。本当に良かった」
「お父様……どうしてこちらに!? 一体、いつから……」
「最初から全部、見ておった。貴様の醜い所業をすべてな」
まるで我が子であるルーザ王子を見離すように、皇帝陛下は言う。
それも当然だろう。それだけ彼はいい加減なのだ。
「はあ……メリッサ、君との婚約を破棄して正解だったよ。まさか、こんな残忍な詐欺師だったとは……! お父様、そして、我に忠誠を誓った三人の兵士たちよ! どうか、目を覚ましてほしい! あなた方は、この大嘘つきの女に利用されているだけに過ぎない。騙されている! どう考えてもおかしいではありませんか! 私を蹴落として自らの地位を上げるための策略です。どうか、平然を取り戻してください」
「何を言う! それは、貴様のことだろう。国民に稚拙な嘘をつき続け、気に入らない者には存在しない罪を被せては、他国に奴隷として売り飛ばし、賄賂まで貰っていただけでなく、メリッサという立派な婚約者がいながら毎晩のように浮気に明け暮れて、さらには彼女を小馬鹿にし、良からぬ噂を広めたりと、他にも数々の羞恥を知っておる。ワシの目はまだ黒い。貴様の悪行くらい、存じておるわ!」
「そ、そんな! どうしてだ……嘘だそんなの!」
ルーザ王子は腰の剣を抜くと、堂々と構えた。
「だったら、もういい。私が全員倒して、力づくでも国を継ぐ!」
「血迷ったかルーザ。飛んだ戯言を。お前は自分の立場を一寸たりとも理解していないようだな。本当にドルリアス家の者なのか……信じたくもないわ」
「ルーザ王子、残念ながらもう手遅れです。あなたの代わりに国を継いでくれる人も見つかりましたので」
「うるさあああああああああい! 黙れえええええええええええええええええええええ!」
絶叫しながら、私に飛びかかろうとした彼を一人の男が軽快な動きで壁際に蹴り飛ばす。
「グハッ」といううめき声が聞こえた瞬時に、『ゴンッ』という鈍い音が空間に響いた。
「ルーザ王子、あなたの悪行にはこれ以上はもうつ付き合えません」
甲冑を外すと、長い髪をなびかせてそう言ったのは、彼の付き人の兵士であったマルコス。
「紹介します、こちらのマルコス様が時期国王です」
「いいえ。皇帝陛下は十分以上に教育されていたではありませんか、それでも気を改めなかった彼の責任でしょう」
「ハハハ……そうだな。だが、君のような優秀な人格者がいてくれたおかげで国が滅ぶことはなさそうだ。本当に良かった」
「お父様……どうしてこちらに!? 一体、いつから……」
「最初から全部、見ておった。貴様の醜い所業をすべてな」
まるで我が子であるルーザ王子を見離すように、皇帝陛下は言う。
それも当然だろう。それだけ彼はいい加減なのだ。
「はあ……メリッサ、君との婚約を破棄して正解だったよ。まさか、こんな残忍な詐欺師だったとは……! お父様、そして、我に忠誠を誓った三人の兵士たちよ! どうか、目を覚ましてほしい! あなた方は、この大嘘つきの女に利用されているだけに過ぎない。騙されている! どう考えてもおかしいではありませんか! 私を蹴落として自らの地位を上げるための策略です。どうか、平然を取り戻してください」
「何を言う! それは、貴様のことだろう。国民に稚拙な嘘をつき続け、気に入らない者には存在しない罪を被せては、他国に奴隷として売り飛ばし、賄賂まで貰っていただけでなく、メリッサという立派な婚約者がいながら毎晩のように浮気に明け暮れて、さらには彼女を小馬鹿にし、良からぬ噂を広めたりと、他にも数々の羞恥を知っておる。ワシの目はまだ黒い。貴様の悪行くらい、存じておるわ!」
「そ、そんな! どうしてだ……嘘だそんなの!」
ルーザ王子は腰の剣を抜くと、堂々と構えた。
「だったら、もういい。私が全員倒して、力づくでも国を継ぐ!」
「血迷ったかルーザ。飛んだ戯言を。お前は自分の立場を一寸たりとも理解していないようだな。本当にドルリアス家の者なのか……信じたくもないわ」
「ルーザ王子、残念ながらもう手遅れです。あなたの代わりに国を継いでくれる人も見つかりましたので」
「うるさあああああああああい! 黙れえええええええええええええええええええええ!」
絶叫しながら、私に飛びかかろうとした彼を一人の男が軽快な動きで壁際に蹴り飛ばす。
「グハッ」といううめき声が聞こえた瞬時に、『ゴンッ』という鈍い音が空間に響いた。
「ルーザ王子、あなたの悪行にはこれ以上はもうつ付き合えません」
甲冑を外すと、長い髪をなびかせてそう言ったのは、彼の付き人の兵士であったマルコス。
「紹介します、こちらのマルコス様が時期国王です」
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