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「私が相手では不満かね?」
「いえ、そうではありません。ただ、1つ条件を飲んで頂けると助かるのですが。」
僕は下手に出て、マルコスとの対決を避ける道を探っている。
「条件か?言って見ろ。」
「僕が剣聖と模擬戦をしたら、勝っても負けても、今後一切『迅雷の牙』は僕に関りを持たないと約束して下さい。もちろん、マルコスさんもですよ。個人的とか言っても駄目ですからね。」
「良いだろう。その条件、飲んでやる。」
剣聖の約束は取り付けた。だが、マルコスが割って入る。
「駄目だ、その条件は飲めない。」
やはり、そう来たか。
「では、この模擬戦は成立しませんね。残念ですが、僕は失礼します。」
そう言って帰ろうとするとマルコスが動いた。僕の行く先を遮り帰さないつもりだ。
「そんな勝手が通るか。ただで帰れると思うなよ。」
お?本性が丸見えですよ。
さて、どうするか?ここで暴れても僕にメリットは無い。転移はあまり見せたくないのだが、実力を見せるのはもっと不味いかな?
マルコスが剣に手をかける、室内で戦うつもりなのか?それとも脅しかな?
「俺と戦え。それならさっきの条件受けてやる。」
一人称が変わってますよ?って言うか、あんたと戦いたくないから色々苦労してるんだけどね。
「悪いけど、それは出来ない相談だ。」
そう言って転移で伯爵邸に逃げる。
だんだんと、見境が無くなって来ているぞ、大丈夫か?マジで白昼襲って来る勢いだ。ギルマスにお願いされたが、襲われたら反撃はしますよ。
しかし、なんでそこまでして、僕と戦いたいのかイマイチ理解出来ないのだが、こうなったら、ギルマスにお願いして、公式に模擬戦でもした方が後腐れが無いのでは無いかと思う。
明日、ギルドに行ってギルマスに相談してみるかな。
翌日、僕にとっては翌々日なのだが、早朝からギルドに行って見る。相変わらずの混みようだ。
適当な列に並んで順番を待つ。
15分程待っていたら、知らないギルド職員の女性に声を掛けられた。どうやらギルマスからの呼び出しらしい。手間が省けたな。
2階に上がりギルマスの部屋をノックすると。入れと言う声が聞こえた。
指示通り中に入ると、マルコスが居た。どう言う状況だ?
「来たか。まあ、座れ。」
僕はマルコスと反対側のソファに座る。
「えーと、状況が判らないのですが、僕は何で呼ばれたのでしょうか?」
「マルコスから正式な試合の申し込みがあった。ギルド公認の模擬戦になるな。」
「あー、僕はAランクなのですが、Sランクのマルコスさんと正式に模擬戦をする意味も理由も分かりません。出来れば、その辺を詳しく知りたいのですが?」
どう考えても、おかしいよね?僕が申し込むのなら意味はあると思うが、上位が下位に申し込む理由が判らん。
「意味はあるぞ、この試合に勝てば、お前はSランクに昇級出来る。」
ほう?それは美味しいな。
「で、理由の方は?」
そう聞いたら、マルコスがニヤリと笑って、ギルマスを制して話し出す。
「それは私から答えよう。実は君にはある嫌疑が掛かっているのだよ。君は、魔族なのではないか?」
危ない、ソファじゃ無かったら転げ落ちてたぞ。
「あの?魔族って見た事無いんですが実在するんですか?」
ギルマスの方を見て聞いてみる。
「俺も、良く解らんな。実際に魔族を見た者は俺の知る限り居ない。だが、存在自体は昔から本に記されている。」
「マルコスさんは、僕が、そんな要るか居ないかさえハッキリ判らない存在だと疑っているんですか?」
「ああ、私は半ば確信しているのだよ。昨日見せた魔法。あれは伝説の転移魔法では無いのか?」
あれ?選択を間違ったか?あそこは戦わずに逃げるのが正解だと思ったのだが。
「で、それと模擬戦とどう関係するんですか?」
「君を公に葬り去る証拠が欲しいのだよ。自分が死にそうになれば本性を現すだろう?」
駄目だ、こいつ完全にイカレてる。
「僕の記憶では魔族と言うのは亜人ですよね?この国では亜人は抹殺対象何ですか?」
「ふむ、言われてみれば、この大陸に亜人は存在しない。よって亜人に対する法律も存在しない。もし亜人が現れたら、生殺与奪の判断は皇帝がするんじゃないかな?」
ギルマスが丁寧に説明してくれた。あれ?じゃあなんでマルコスは魔族を殺そうとしてるんだ?
「と言う事は、僕が魔族だったとしても、マルコスさんとは何の関係も無いって事ですよね?」
「君がただの魔族なら、確かに私には何の関係も無い。だが、君の力は明らかに大きすぎる。僕は君が魔王では無いかとも疑っているのだよ。」
「つまり、僕がただの魔族か、魔王なのか模擬戦で暴きたいと言う事ですか?」
「察しが良いな。魔王を倒せば勇者の称号が手に入る。私の狙いはそこにある。」
こいつ、自分が負ける事を全然考慮してないな。
「ところで、魔族か魔王かどっちでも良いですが、普通の人間との見分け方ってあるんですか?」
「解らん。だが戦ってみれば何かが判るはずだ。」
いい加減だなぁ~。
「あの、自分が負けたから魔王だとか言うのは無しですよ。僕はSランク昇級が掛かっているので勝ちに行きますし。勝つためには戦略も考えます。」
「それは模擬戦を受けると言う解釈で良いのか?」
「ギルマス公認なら仕方ないでしょう。断るって言う選択肢もあるんですか?」
僕がギルマスの方を向くと、潰すなよと言う無言の圧力が掛かって来る。
「そうだ、審判はギルマスにお願いしますね。それで、こいつが適当な言いがかりをつけて来たらちゃんと公正に判断して下さい。」
僕がそう言うと、一瞬考えてからギルマスが答える。
「解った。俺がやらないと後で面倒になりそうだから、引き受けよう。で、試合は何時やるんだ?」
「「今から!」」
と言う事で急遽、模擬戦をする事となる。場所はギルドの裏手だ。3人でぞろぞろとギルドを出て裏に回る。当然周囲の者の注目を集める事となる。
何事かと付いて来る者まで現れる。
ギルドの裏手には試験用の武舞台とは別に練習用の武舞台がある。現在、試験用の方は使われている様だ。
流石に朝の稼ぎ時に練習をする者は居ない。練習用の武舞台が空いていた。
僕とマルコス、ギルマスの3人が武舞台に上がる。周囲には見物人が十数名も居る。おいおい狩りに行かなくて良いのか?
「さて、模擬戦のルールは知ってるな?攻撃魔法は禁止だ。補助魔法は使っても構わない。相手が戦闘不能になるか、降参を認めれば勝ちだ。」
ギルマスの言葉に僕とマルコスが頷く。ギルマスが2本の木刀を1本ずつ手渡す。
木刀を受け取った僕たちは5メートル程間をとって対峙する。
「よし、準備は良いな?始めるぞ。」
ギルマスの言葉に2人が頷くと、始め!の声が掛かる。さて、最初は様子見だな。
マルコスは事実上Sランク最強らしい。剣聖より強いとも言われている。どんな剣を使うのか興味はある。
中段に構えるマルコスの剣を受ける為僕は右手に木刀を持ちぶらりと下げる。一見隙だらけに見えるが、受けるだけならこの方が相手の動きが良く見える。
マルコスが5メートルの間を一気に詰め、攻撃して来る。最初は素直に横薙ぎ、躱すと、そこから変化する。剣の返しが早い。だが、僕は慌てずに木刀で受け流す。
「悪くは無いが、遅いな。魔法が嫌いと言いながら身体強化は使っているし、いい加減な奴だな。」
「私を怒らせて太刀筋を乱そうと言う魂胆か?甘いな、剣を持った私は、何時もより冷静になるのだよ。」
魔族よりお前の方が怖いよ。
その後もマルコスは様々な剣技で僕を翻弄しようとするが、如何せんスピードが遅い。5分も戦っていると癖も見えて来るし、本当に最強なのか疑問に思えて来る。
「どうした、逃げてばかりでは勝てんぞ?」
「遅いと言ったろう?勝とうと思えば何時でも勝てる。問題は勝っても僕が魔族だと言う疑いは晴れないんだろう?」
「強ければ強い程、魔族である疑惑は深まる。」
そいつは困った。
「どうすれば、疑いが晴れるんだ?」
「簡単だ、君が死ねば終わる。」
駄目だな、こう言うのを狂人と言うのかな?
少しばかりスピードを上げてマルコスの意識を刈り取った。
「勝者、エイジ!」
ギルマスの声に歓声が上がった。なんか見物人が増えてるし。
「おい、誰か救護室へマルコスを運んでくれ。それからエイジは俺の部屋に来い。話がある。」
えっと、潰す様な事はしてないよね?
「いえ、そうではありません。ただ、1つ条件を飲んで頂けると助かるのですが。」
僕は下手に出て、マルコスとの対決を避ける道を探っている。
「条件か?言って見ろ。」
「僕が剣聖と模擬戦をしたら、勝っても負けても、今後一切『迅雷の牙』は僕に関りを持たないと約束して下さい。もちろん、マルコスさんもですよ。個人的とか言っても駄目ですからね。」
「良いだろう。その条件、飲んでやる。」
剣聖の約束は取り付けた。だが、マルコスが割って入る。
「駄目だ、その条件は飲めない。」
やはり、そう来たか。
「では、この模擬戦は成立しませんね。残念ですが、僕は失礼します。」
そう言って帰ろうとするとマルコスが動いた。僕の行く先を遮り帰さないつもりだ。
「そんな勝手が通るか。ただで帰れると思うなよ。」
お?本性が丸見えですよ。
さて、どうするか?ここで暴れても僕にメリットは無い。転移はあまり見せたくないのだが、実力を見せるのはもっと不味いかな?
マルコスが剣に手をかける、室内で戦うつもりなのか?それとも脅しかな?
「俺と戦え。それならさっきの条件受けてやる。」
一人称が変わってますよ?って言うか、あんたと戦いたくないから色々苦労してるんだけどね。
「悪いけど、それは出来ない相談だ。」
そう言って転移で伯爵邸に逃げる。
だんだんと、見境が無くなって来ているぞ、大丈夫か?マジで白昼襲って来る勢いだ。ギルマスにお願いされたが、襲われたら反撃はしますよ。
しかし、なんでそこまでして、僕と戦いたいのかイマイチ理解出来ないのだが、こうなったら、ギルマスにお願いして、公式に模擬戦でもした方が後腐れが無いのでは無いかと思う。
明日、ギルドに行ってギルマスに相談してみるかな。
翌日、僕にとっては翌々日なのだが、早朝からギルドに行って見る。相変わらずの混みようだ。
適当な列に並んで順番を待つ。
15分程待っていたら、知らないギルド職員の女性に声を掛けられた。どうやらギルマスからの呼び出しらしい。手間が省けたな。
2階に上がりギルマスの部屋をノックすると。入れと言う声が聞こえた。
指示通り中に入ると、マルコスが居た。どう言う状況だ?
「来たか。まあ、座れ。」
僕はマルコスと反対側のソファに座る。
「えーと、状況が判らないのですが、僕は何で呼ばれたのでしょうか?」
「マルコスから正式な試合の申し込みがあった。ギルド公認の模擬戦になるな。」
「あー、僕はAランクなのですが、Sランクのマルコスさんと正式に模擬戦をする意味も理由も分かりません。出来れば、その辺を詳しく知りたいのですが?」
どう考えても、おかしいよね?僕が申し込むのなら意味はあると思うが、上位が下位に申し込む理由が判らん。
「意味はあるぞ、この試合に勝てば、お前はSランクに昇級出来る。」
ほう?それは美味しいな。
「で、理由の方は?」
そう聞いたら、マルコスがニヤリと笑って、ギルマスを制して話し出す。
「それは私から答えよう。実は君にはある嫌疑が掛かっているのだよ。君は、魔族なのではないか?」
危ない、ソファじゃ無かったら転げ落ちてたぞ。
「あの?魔族って見た事無いんですが実在するんですか?」
ギルマスの方を見て聞いてみる。
「俺も、良く解らんな。実際に魔族を見た者は俺の知る限り居ない。だが、存在自体は昔から本に記されている。」
「マルコスさんは、僕が、そんな要るか居ないかさえハッキリ判らない存在だと疑っているんですか?」
「ああ、私は半ば確信しているのだよ。昨日見せた魔法。あれは伝説の転移魔法では無いのか?」
あれ?選択を間違ったか?あそこは戦わずに逃げるのが正解だと思ったのだが。
「で、それと模擬戦とどう関係するんですか?」
「君を公に葬り去る証拠が欲しいのだよ。自分が死にそうになれば本性を現すだろう?」
駄目だ、こいつ完全にイカレてる。
「僕の記憶では魔族と言うのは亜人ですよね?この国では亜人は抹殺対象何ですか?」
「ふむ、言われてみれば、この大陸に亜人は存在しない。よって亜人に対する法律も存在しない。もし亜人が現れたら、生殺与奪の判断は皇帝がするんじゃないかな?」
ギルマスが丁寧に説明してくれた。あれ?じゃあなんでマルコスは魔族を殺そうとしてるんだ?
「と言う事は、僕が魔族だったとしても、マルコスさんとは何の関係も無いって事ですよね?」
「君がただの魔族なら、確かに私には何の関係も無い。だが、君の力は明らかに大きすぎる。僕は君が魔王では無いかとも疑っているのだよ。」
「つまり、僕がただの魔族か、魔王なのか模擬戦で暴きたいと言う事ですか?」
「察しが良いな。魔王を倒せば勇者の称号が手に入る。私の狙いはそこにある。」
こいつ、自分が負ける事を全然考慮してないな。
「ところで、魔族か魔王かどっちでも良いですが、普通の人間との見分け方ってあるんですか?」
「解らん。だが戦ってみれば何かが判るはずだ。」
いい加減だなぁ~。
「あの、自分が負けたから魔王だとか言うのは無しですよ。僕はSランク昇級が掛かっているので勝ちに行きますし。勝つためには戦略も考えます。」
「それは模擬戦を受けると言う解釈で良いのか?」
「ギルマス公認なら仕方ないでしょう。断るって言う選択肢もあるんですか?」
僕がギルマスの方を向くと、潰すなよと言う無言の圧力が掛かって来る。
「そうだ、審判はギルマスにお願いしますね。それで、こいつが適当な言いがかりをつけて来たらちゃんと公正に判断して下さい。」
僕がそう言うと、一瞬考えてからギルマスが答える。
「解った。俺がやらないと後で面倒になりそうだから、引き受けよう。で、試合は何時やるんだ?」
「「今から!」」
と言う事で急遽、模擬戦をする事となる。場所はギルドの裏手だ。3人でぞろぞろとギルドを出て裏に回る。当然周囲の者の注目を集める事となる。
何事かと付いて来る者まで現れる。
ギルドの裏手には試験用の武舞台とは別に練習用の武舞台がある。現在、試験用の方は使われている様だ。
流石に朝の稼ぎ時に練習をする者は居ない。練習用の武舞台が空いていた。
僕とマルコス、ギルマスの3人が武舞台に上がる。周囲には見物人が十数名も居る。おいおい狩りに行かなくて良いのか?
「さて、模擬戦のルールは知ってるな?攻撃魔法は禁止だ。補助魔法は使っても構わない。相手が戦闘不能になるか、降参を認めれば勝ちだ。」
ギルマスの言葉に僕とマルコスが頷く。ギルマスが2本の木刀を1本ずつ手渡す。
木刀を受け取った僕たちは5メートル程間をとって対峙する。
「よし、準備は良いな?始めるぞ。」
ギルマスの言葉に2人が頷くと、始め!の声が掛かる。さて、最初は様子見だな。
マルコスは事実上Sランク最強らしい。剣聖より強いとも言われている。どんな剣を使うのか興味はある。
中段に構えるマルコスの剣を受ける為僕は右手に木刀を持ちぶらりと下げる。一見隙だらけに見えるが、受けるだけならこの方が相手の動きが良く見える。
マルコスが5メートルの間を一気に詰め、攻撃して来る。最初は素直に横薙ぎ、躱すと、そこから変化する。剣の返しが早い。だが、僕は慌てずに木刀で受け流す。
「悪くは無いが、遅いな。魔法が嫌いと言いながら身体強化は使っているし、いい加減な奴だな。」
「私を怒らせて太刀筋を乱そうと言う魂胆か?甘いな、剣を持った私は、何時もより冷静になるのだよ。」
魔族よりお前の方が怖いよ。
その後もマルコスは様々な剣技で僕を翻弄しようとするが、如何せんスピードが遅い。5分も戦っていると癖も見えて来るし、本当に最強なのか疑問に思えて来る。
「どうした、逃げてばかりでは勝てんぞ?」
「遅いと言ったろう?勝とうと思えば何時でも勝てる。問題は勝っても僕が魔族だと言う疑いは晴れないんだろう?」
「強ければ強い程、魔族である疑惑は深まる。」
そいつは困った。
「どうすれば、疑いが晴れるんだ?」
「簡単だ、君が死ねば終わる。」
駄目だな、こう言うのを狂人と言うのかな?
少しばかりスピードを上げてマルコスの意識を刈り取った。
「勝者、エイジ!」
ギルマスの声に歓声が上がった。なんか見物人が増えてるし。
「おい、誰か救護室へマルコスを運んでくれ。それからエイジは俺の部屋に来い。話がある。」
えっと、潰す様な事はしてないよね?
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