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最近対人戦をやった記憶と言えば、オークキングの時にギルマスに騙されてSランクのハンターとやった模擬戦だ。あの時のSランカーがジャスト―ルさんかな?
やっぱりあの試合は勝ってはいけない奴だったみたいだ。
「ジャスト―ルさんがどなたか解りませんが、Sランクの剣士がわざわざ下位の魔法使いと模擬戦をする必要も理由も無いと思うのですが?」
「君は戦った相手の名前も覚えて無いのか?君には理由が無いかもしれないが私にはある。」
マルコスは呆れた様な顔でそう言った。
「しかし、上位のハンターが下位のハンターに仕掛けると言うのはどうなんでしょう?一種のいじめではありませんか?最悪ハンターカードの剥奪もありますよ?」
「ふむ、それも一理あるな、ではこうしよう。君に稽古を付けてあげると言うのはどうだい?」
それで、フルボッコにしようって考えか?
「剣聖の弟子が魔法使いに稽古ですか?」
「でも、ジャスト―ルとの模擬戦では剣を使ったと聞いている。剣も少しは使うんだろう?」
「まあ、ソロですからね。魔法だけじゃ戦えない相手も居ますから。」
「なら、稽古を付けてもおかしくは無いだろう?」
「いやいや、そんな恐れ多い。剣はこちらのおっさんに習って居ますので、間に合って居ます。」
横で2人のやりとりを傍観しているおっさんに振ってみる。
「お、お前。俺にSランクの相手を押し付ける気か?」
「ほう?彼の剣の師匠ですか?興味がありますね。」
「いや、俺はただのBランクハンターだ、Aランクに上がるつもりもない。お前らみたいなバケモノと一緒にしないでくれ。」
おっさん、慌て過ぎだぞ。顔は怖いのに。
「なるほど、『お前ら』って事は彼もバケモノなんですね?」
あ、おっさんの馬鹿。何口を滑らせてんだよ。
「いやいや、おっさんはSランクの事をバケモノと言っただけで僕は含まれてませんよ。」
って言うか周りに人が集まり出しているんだけど、どうすんの?目立つの困るんだけど。
「まあ、戦ってみれば判る。ギルドの裏の練習場に行こうか?」
「悪いが、これから用事があるんだ。それにあなたと戦う理由が無いので、これで失礼します。」
「逃げるのか?」
「そりゃあ、Sランクは怖いですしね。」
そう言って僕はその場から去った。幸い後を付けて来る気配は無い。
厄介なのに目を付けられたな。倒すのは簡単だが、倒したら倒したで面倒な事になりそうだ。
まあ、優等生らしいから、闇討ちとか卑怯な手は使って来ないだろう。無視していればその内諦めると信じよう。
暫くはハンターとしてやって行くつもりなので、なるべく目立ちたくないし、トラブルは困る。
こうして、2重生活をしながら、更にハンターギルドではこそこそしなければイケないとは人生とはままならないものだと感じる。
伯爵家での生活もだいぶ慣れて来た。フローネル嬢の意見を取り入れながら、少しずつ帝国流の上級貴族生活に移行し満喫している。リアンは元々王国の侯爵家しか知らないので、抵抗なく受け入れている様だ。
1週間位は何事も無くそんな生活が続いた。ハンターの仕事も順調だ。ギルド内でマルコスに会う事も無かった。
僕は1日に白金貨1~2枚を目安にハンターをやっている。正直もっと稼ぐことは可能なのだが、これ以上はAランクハンターと言えどもソロで狩れる限界を超えてしまう。要は目立ってしまうのだ。
緋色の風と一緒に狩りをしていた頃はそう言う事を知らなかった為、稼ぎ過ぎてしまい、緋色の風は一時期かなり特殊な存在となってしまっていたと後で知った。現在は、僕が抜けたので、緋色の風は実力相当の稼ぎに収まっている。
ギルドに限らず、噂と言うのは怖い。どうやら僕がSランクハンターを倒したと言うのも一時期かなりの噂になったらしい。ただ、僕がその間ギルドに顔をあまり出さなかったのが幸いしたのか、僕自身に何かが起こる事は無かった。
今は噂は収まっているが、マルコスの様な者を呼び寄せたのも噂が原因だ。暫くはAランクハンターとして無難に行動して行くつもりだ。そうすれば、マルコスも諦めてくれるだろう。
そう考えて居たのだが、どうやら甘かった様だ。
マルコスが、僕がAランク昇級試験の時にやらかした事を例のギルド職員から聞き出したらしい。嗅ぎまわるのが好きなのか、暇なのか解らないが執念深い奴だ。
僕はその事を受付嬢から聞き、2日ばかりギルドに行くのを止めた。ギルドに行かなくても狩りには出かけて居たけどね。
3日目に時間をずらして、買取カウンターへ行った。白金貨2枚分だけ換金し帰る。なんで、僕はこんなにコソコソしないとイケないのだろう?
いっその事地方のギルドに移籍しようかな?
そんな事を考えながら歩いていると、何やらつけられている気配。マルコスか?それともマルコスの息のかかった者かな?
伯爵邸を知られるのは不味い。僕は手近な店に入り、軽い食事と酒を頼む。入り口が見える場所に座った。入ってくれば、正体が判る。だが、入って来る気配は無かった。
小一時間程時間を潰して外へ出る。歩き出すとまた、気配がする。困ったなぁ。
適当な角を曲がり転移で相手の背後に回る。今度は僕が相手をつける番だ。どうやらマルコス本人では無さそうだ。パーティーのメンバーかな?動きから察するに斥候だろう。
僕を見失った斥候はキョロキョロと辺りを見回している。というか、Sランクパーティーの斥候が気配遮断の魔法も使えないのか?僕は気配遮断を使い、後をつける。
諦めたのか、引き返す斥候。どうする?放っておいても良いのだが、相手の拠点を知って置くのも悪く無いかもしれない。拠点が判れば逃げやすい。
暫く斥候の後をつけて行くと、一軒の家に入って行った。あそこが奴らの拠点なのか?
そう思った瞬間後ろから肩を叩かれた。
振り向くとそこにマルコスが居た。あれ?僕が罠にかけられたの?
「奇遇だな。こんな所で会うとは思わなかったよ。」
「あ、マルコスさん。そっちこそ、なんでこんな所に?」
「うちのパーティーの拠点がこの近くでな。帰る所だったんだ。」
「そうなんですか?僕は、商店街に買い物へ行く途中なんです。」
「折角だから、うちのリーダーに会って行かないか?」
リーダーって剣聖ですよね?
「いえいえ、剣聖に会うなんて恐れ多い。」
「気に入られればうちのパーティーに入れるぞ?」
あれ?魔法使いは嫌いなんじゃなかったっけ?
「僕ごときではSランクパーティーは無理ですよ。」
「そうか?それにしては見事に気配を消してたじゃ無いか?」
あら?やっぱり気が付いてましたか。
そのままなし崩しに拠点まで連れて行かれた。まあ逃げるのは何時でも出来るけどね。
どうやら拠点は剣聖の家らしい。
中に入ると先程の斥候が何やら弁明している現場に出くわす。
弁明している相手は貫禄のあるおっさんだ。おそらく剣聖だろう。
斥候は僕の顔を見ると『あっ』と声を上げすぐに口を押えた。おいおい、この斥候大丈夫か?
「リーダー、こちらが噂のエイジ君ですよ。」
マルコスが紹介してくれる。噂って何かな?
「ほう?若いな。私はこの『迅雷の牙』のリーダーでルトガーと言う。」
へぇ、『迅雷の牙』って言うパーティーなのか、それにしても剣聖と言うのはもっと年配の人を予想していたが意外に若いな。
「ご丁寧にどうも、エイジと言います。若輩者ですが、お目に掛かれて光栄です。」
「うちの斥候が失礼をした様だな。済まない。」
「いや、別に被害もありませんし、お気になさらずに。」
「ところで、うちに入りたいならテストを受けて貰うが、腕に覚えはあるのか?」
「いえ、マルコスさんに無理やり連れて来られただけで、Sランクパーティーに入る程の腕はありませんよ。それに僕は魔法使いですので。」
「ほう?若いのに高ランクの魔法使いとは珍しいな。」
あれ?そうなの?高ランクの魔法使いって少ないのか?
「それにSランクのジャスト―ルを剣で倒す程の魔法使いです。」
マルコスが余計な事を言う。
「魔法だけでなく剣も使うのか?ますます珍しいな。」
「いえいえ、ソロなので剣はあくまでも補助ですよ。」
「どうだ?軽く腕試しでもして行かないか?幸いこの家には道場が付いている。」
これは、断った方が良いのかな?それとも受けて負けた方が効果があるかな?
「剣聖自らがお相手をして頂けるのですか?」
やっぱりあの試合は勝ってはいけない奴だったみたいだ。
「ジャスト―ルさんがどなたか解りませんが、Sランクの剣士がわざわざ下位の魔法使いと模擬戦をする必要も理由も無いと思うのですが?」
「君は戦った相手の名前も覚えて無いのか?君には理由が無いかもしれないが私にはある。」
マルコスは呆れた様な顔でそう言った。
「しかし、上位のハンターが下位のハンターに仕掛けると言うのはどうなんでしょう?一種のいじめではありませんか?最悪ハンターカードの剥奪もありますよ?」
「ふむ、それも一理あるな、ではこうしよう。君に稽古を付けてあげると言うのはどうだい?」
それで、フルボッコにしようって考えか?
「剣聖の弟子が魔法使いに稽古ですか?」
「でも、ジャスト―ルとの模擬戦では剣を使ったと聞いている。剣も少しは使うんだろう?」
「まあ、ソロですからね。魔法だけじゃ戦えない相手も居ますから。」
「なら、稽古を付けてもおかしくは無いだろう?」
「いやいや、そんな恐れ多い。剣はこちらのおっさんに習って居ますので、間に合って居ます。」
横で2人のやりとりを傍観しているおっさんに振ってみる。
「お、お前。俺にSランクの相手を押し付ける気か?」
「ほう?彼の剣の師匠ですか?興味がありますね。」
「いや、俺はただのBランクハンターだ、Aランクに上がるつもりもない。お前らみたいなバケモノと一緒にしないでくれ。」
おっさん、慌て過ぎだぞ。顔は怖いのに。
「なるほど、『お前ら』って事は彼もバケモノなんですね?」
あ、おっさんの馬鹿。何口を滑らせてんだよ。
「いやいや、おっさんはSランクの事をバケモノと言っただけで僕は含まれてませんよ。」
って言うか周りに人が集まり出しているんだけど、どうすんの?目立つの困るんだけど。
「まあ、戦ってみれば判る。ギルドの裏の練習場に行こうか?」
「悪いが、これから用事があるんだ。それにあなたと戦う理由が無いので、これで失礼します。」
「逃げるのか?」
「そりゃあ、Sランクは怖いですしね。」
そう言って僕はその場から去った。幸い後を付けて来る気配は無い。
厄介なのに目を付けられたな。倒すのは簡単だが、倒したら倒したで面倒な事になりそうだ。
まあ、優等生らしいから、闇討ちとか卑怯な手は使って来ないだろう。無視していればその内諦めると信じよう。
暫くはハンターとしてやって行くつもりなので、なるべく目立ちたくないし、トラブルは困る。
こうして、2重生活をしながら、更にハンターギルドではこそこそしなければイケないとは人生とはままならないものだと感じる。
伯爵家での生活もだいぶ慣れて来た。フローネル嬢の意見を取り入れながら、少しずつ帝国流の上級貴族生活に移行し満喫している。リアンは元々王国の侯爵家しか知らないので、抵抗なく受け入れている様だ。
1週間位は何事も無くそんな生活が続いた。ハンターの仕事も順調だ。ギルド内でマルコスに会う事も無かった。
僕は1日に白金貨1~2枚を目安にハンターをやっている。正直もっと稼ぐことは可能なのだが、これ以上はAランクハンターと言えどもソロで狩れる限界を超えてしまう。要は目立ってしまうのだ。
緋色の風と一緒に狩りをしていた頃はそう言う事を知らなかった為、稼ぎ過ぎてしまい、緋色の風は一時期かなり特殊な存在となってしまっていたと後で知った。現在は、僕が抜けたので、緋色の風は実力相当の稼ぎに収まっている。
ギルドに限らず、噂と言うのは怖い。どうやら僕がSランクハンターを倒したと言うのも一時期かなりの噂になったらしい。ただ、僕がその間ギルドに顔をあまり出さなかったのが幸いしたのか、僕自身に何かが起こる事は無かった。
今は噂は収まっているが、マルコスの様な者を呼び寄せたのも噂が原因だ。暫くはAランクハンターとして無難に行動して行くつもりだ。そうすれば、マルコスも諦めてくれるだろう。
そう考えて居たのだが、どうやら甘かった様だ。
マルコスが、僕がAランク昇級試験の時にやらかした事を例のギルド職員から聞き出したらしい。嗅ぎまわるのが好きなのか、暇なのか解らないが執念深い奴だ。
僕はその事を受付嬢から聞き、2日ばかりギルドに行くのを止めた。ギルドに行かなくても狩りには出かけて居たけどね。
3日目に時間をずらして、買取カウンターへ行った。白金貨2枚分だけ換金し帰る。なんで、僕はこんなにコソコソしないとイケないのだろう?
いっその事地方のギルドに移籍しようかな?
そんな事を考えながら歩いていると、何やらつけられている気配。マルコスか?それともマルコスの息のかかった者かな?
伯爵邸を知られるのは不味い。僕は手近な店に入り、軽い食事と酒を頼む。入り口が見える場所に座った。入ってくれば、正体が判る。だが、入って来る気配は無かった。
小一時間程時間を潰して外へ出る。歩き出すとまた、気配がする。困ったなぁ。
適当な角を曲がり転移で相手の背後に回る。今度は僕が相手をつける番だ。どうやらマルコス本人では無さそうだ。パーティーのメンバーかな?動きから察するに斥候だろう。
僕を見失った斥候はキョロキョロと辺りを見回している。というか、Sランクパーティーの斥候が気配遮断の魔法も使えないのか?僕は気配遮断を使い、後をつける。
諦めたのか、引き返す斥候。どうする?放っておいても良いのだが、相手の拠点を知って置くのも悪く無いかもしれない。拠点が判れば逃げやすい。
暫く斥候の後をつけて行くと、一軒の家に入って行った。あそこが奴らの拠点なのか?
そう思った瞬間後ろから肩を叩かれた。
振り向くとそこにマルコスが居た。あれ?僕が罠にかけられたの?
「奇遇だな。こんな所で会うとは思わなかったよ。」
「あ、マルコスさん。そっちこそ、なんでこんな所に?」
「うちのパーティーの拠点がこの近くでな。帰る所だったんだ。」
「そうなんですか?僕は、商店街に買い物へ行く途中なんです。」
「折角だから、うちのリーダーに会って行かないか?」
リーダーって剣聖ですよね?
「いえいえ、剣聖に会うなんて恐れ多い。」
「気に入られればうちのパーティーに入れるぞ?」
あれ?魔法使いは嫌いなんじゃなかったっけ?
「僕ごときではSランクパーティーは無理ですよ。」
「そうか?それにしては見事に気配を消してたじゃ無いか?」
あら?やっぱり気が付いてましたか。
そのままなし崩しに拠点まで連れて行かれた。まあ逃げるのは何時でも出来るけどね。
どうやら拠点は剣聖の家らしい。
中に入ると先程の斥候が何やら弁明している現場に出くわす。
弁明している相手は貫禄のあるおっさんだ。おそらく剣聖だろう。
斥候は僕の顔を見ると『あっ』と声を上げすぐに口を押えた。おいおい、この斥候大丈夫か?
「リーダー、こちらが噂のエイジ君ですよ。」
マルコスが紹介してくれる。噂って何かな?
「ほう?若いな。私はこの『迅雷の牙』のリーダーでルトガーと言う。」
へぇ、『迅雷の牙』って言うパーティーなのか、それにしても剣聖と言うのはもっと年配の人を予想していたが意外に若いな。
「ご丁寧にどうも、エイジと言います。若輩者ですが、お目に掛かれて光栄です。」
「うちの斥候が失礼をした様だな。済まない。」
「いや、別に被害もありませんし、お気になさらずに。」
「ところで、うちに入りたいならテストを受けて貰うが、腕に覚えはあるのか?」
「いえ、マルコスさんに無理やり連れて来られただけで、Sランクパーティーに入る程の腕はありませんよ。それに僕は魔法使いですので。」
「ほう?若いのに高ランクの魔法使いとは珍しいな。」
あれ?そうなの?高ランクの魔法使いって少ないのか?
「それにSランクのジャスト―ルを剣で倒す程の魔法使いです。」
マルコスが余計な事を言う。
「魔法だけでなく剣も使うのか?ますます珍しいな。」
「いえいえ、ソロなので剣はあくまでも補助ですよ。」
「どうだ?軽く腕試しでもして行かないか?幸いこの家には道場が付いている。」
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