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ゾンビパウダー事件の捜査は依然として進まない。何か見落としがあるのだろうか?
まあ、それにばかり構って居られないので、仕事をする。仕事と言っても、もはや生活の一部になっているので、空き時間に捜査をしていると言った方が正しいのかもしれない。
今日は領地視察でプレイースに来ている。以前はここを大きく発展させる事を考えていたが、今は、維持する事に注力している。出る杭は打たれると言う。あまり発展しすぎても、他の領地との格差が大きくなり過ぎて、他の貴族からの面倒な頼まれごとが増えるだけだ。
僕としては侯爵家を維持して行けるだけのお金が手に入れば良い。現状プレイースは発展しすぎた感がある。なので現状維持だ。
視察が終わると今度は王都に戻り、公爵と会談する。公爵家の仕事が上手く回っているので現在の僕は目立たなくて済んでいる。なので、公爵には頑張って貰わないと困る。
お茶を飲みながら今後のビジネスの話をして、セリーの子供の様子などを聞かせる。
「そう言えば公爵は、ゾンビパウダーの噂を知って居ますか?」
「ああ、村が消えたと言う事件だろう?一応聞いては居るが。冒険者ギルドからはそれ以上の情報が上がって来ないので王城は動けないでいるみたいだな。」
「公爵はゾンビパウダーなる物を知っていましたか?」
「いや、知らんな。ただ、そんな物が出回ると変な事を考える輩が現れそうだな。どこぞの侯爵とかな。」
ん?それは考えなかったな。この事件がデモンストレーションだとすれば、ゾンビパウダーを誰かが購入すると言った事も考えられる。
また、革命騒ぎが起きなければ良いのだが。
「現状、ゾンビパウダーは市場に出回って居ません。ですが、裏で出回っている可能性はありますね。」
「ふむ、裏で手に入れた者は何に使うのだろうな?」
「気に入らない者をまとめて抹殺するとか。」
「それは私や君も含まれているのかね?」
「可能性は十分あります。ところで、この王都に裏組織と言うのは存在するのですか?」
「まあ、裏組織が存在しない都市と言うのは無いだろうな。」
「なるほど、では、その線でちょっと追ってみますね。」
昔は裏組織と言えば教会だったのだが、教会を潰した今、どんな裏組織が暗躍しているのだろうか?
冒険者ギルドに行って情報収集をするが、昔の教会に匹敵するような大きな組織は現在は無いそうだ。あれ?そうなると、本当に3侯爵の誰かかな?
小さな組織は無数に存在するらしいが、ゾンビパウダーをまとめて買う資金力のある組織はないだろうと言うのがギルドの見解だ。
だとすれば、狙いは地方の貴族か?
どうも、何かがかみ合ってない感じがする。まだ、情報が足りないのかな?
そう言えば、魔道具屋のお婆さんはゾンビパウダーを増やす方法を発見した者が居ると言って居た。だが、実際に増やしたとは言っていない。
今回の事件、背後に居るのは本当に人間なのだろうか?
こんな事をしているうちに犠牲者が増えるかもしれない。だが、先回りしようにも相手の事が全く分かっていない。なんで、こんなに後手後手に回っているのだろう?
また、事件が起きるのを黙って待っているしか方法が無いのだろうか?
そして、第三の事件が起きた。
今度は100体近い、魔物のゾンビが現れた。幸い強い魔物ではなかったので、冒険者達に退治されたが、幾つかの村が襲われ、死傷者が少なからず出た。
どうやら、ゾンビパウダーは魔物にも効くらしい。しかも、今回は初めて、実際にゾンビパウダーを使ったと思われるゾンビが確認されている。
これで、事件は進展するだろう。そう思っていたのだが、この事件を担当した冒険者ギルドは、何も掴めなかった。
おかしい。何もかもがおかしい。今回の事件は明らかに意図的な物だ、人間かどうかは解らないが、糸を引いている者が居るはずだ。なのに何も掴めなかったと言うのはどう言う事だ?
王都のギルドは、この事態を重く見て、調査隊の数を増やした。
なんだろう?何か一つピースを失くしたパズルの様だ。肝心な所が抜けている。
魔物のゾンビ化は明らかにゾンビパウダーが存在する事を示している。しかも通常なら一体をゾンビ化するのが精一杯のゾンビパウダーが100体分使われたと言うことになる。
裏に潜む何者かは一体何人分のゾンビパウダーを持っているのだろうか?これが王都全土を覆う程の数だとやっかいだぞ。それに、僕がレジスト出来ない場所で使われたら助けられる者も助けられない。
根本的な対処法の見直しが必要かもしれない。
そして、事件は最悪の形で王都を襲った。
王城には常に5000人の騎士隊が詰めている。そこにゾンビパウダーが撒かれたのだ。ゾンビ化した騎士の数およそ2000人、残りの3000人と壮絶な殺し合いが始まった。
ゾンビと言うのはアンデットだ。つまりゾンビ化した時点で死んでいる。ゾンビ化を解く方法があったとしても、残るのは死体だけだ。
騎士隊3000人は同僚を2000人、数で圧倒して退治した。
事は収まったように思えるが、考え方を変えれば、これは2000人にも及ぶ大量殺人に他ならない。
誰が、何のためにこんなことをしたのだろうか?
ゾンビと言うのはコントロールが効かない。通常なら使いづらい魔物だ、だが、人間を襲うと言う習性がある。
魔物や人間をゾンビ化して10万も集めれば、王都位なら落とせるかもしれない。敵は、一人で王国に戦争を仕掛けるつもりなのだろうか?
ゾンビパウダーを武器として使うなら幾らでも対処方法がある。だが、今回の様に見えない所で使われたら防ぐのが難しい。
更に魔物にまで効くとなると、警戒範囲が広すぎて、僕一人ではどうしようも出来ない。
冒険者ギルドや王城に応援を頼んでもミイラ取りがミイラになるだけだ。
こいつはかなり厄介な事になった。
やはり犯人を特定して捕縛する必要がある。だが、今の所犯人は尻尾を出さない。
もしこれが犯人の思惑通りだとしたら。犯人は非常に頭が良いと言わざるを得ない。
地上最強だと自惚れていた自分が恥ずかしい。魔法や武力では勝てない敵に遭遇するとは思って居なかった。
しかし、だからこそ、この敵だけは僕の手で倒したい。失くしたピースは何なのか、なりふり構わず探すつもりだ。
まず、ゾンビパウダーの出所だが、間違いなくダンジョンだろう。だが、相手はゾンビパウダーを増産する能力を持っている。ならばダンジョンで1人分手に入れれば後は増やして行くだけで良い。つまりダンジョンで冒険者が持って帰った物を購入しても可能と言う事だ。
結論としてダンジョンからは犯人の手掛かりは得られない。
もう一つ気になる事がある。ブレイルの近くで村人が消えてから、次の王都近郊の村人が消えるまでの時間が短い。ブレイルから王都までは通常1か月かかる。しかし、村人消失事件は2週間程度の期間で起こっている。もしかしたら犯人は一人では無くグループかもしれない。
あくまでも予想だが、頭と手足が居る事になる。
また、目的が曖昧だ。もしかしたらまだ実験途中なのかもしれない。実験が済んだら、何をするつもりなんだろう?
ある意味魔神や邪竜の方が力で押してくるので対処が楽だ。知能犯程相性が悪い敵は居ないだろう。
この世界は文明が遅れているから、人々の頭も悪いと勘違いしていた。文明が遅れていても天才は居るんだよな。
僕は、この世界の住人より知識はあるが、頭が良いとは言い切れない。さて、天才と戦うにはどうしたら良いのだろう?
こう言う時にブラスマイヤーが居れば助かるのだが。居ない者を当てにしてもしょうがない。
正直、アンデットの10万匹位なら瞬殺出来る自信はある。だが、自分の家族や知人が、その標的にされ、知らない内にゾンビになるのは耐え切れない。
そう言った最悪の事態になる前に、犯人を見つけなければ。
まあ、それにばかり構って居られないので、仕事をする。仕事と言っても、もはや生活の一部になっているので、空き時間に捜査をしていると言った方が正しいのかもしれない。
今日は領地視察でプレイースに来ている。以前はここを大きく発展させる事を考えていたが、今は、維持する事に注力している。出る杭は打たれると言う。あまり発展しすぎても、他の領地との格差が大きくなり過ぎて、他の貴族からの面倒な頼まれごとが増えるだけだ。
僕としては侯爵家を維持して行けるだけのお金が手に入れば良い。現状プレイースは発展しすぎた感がある。なので現状維持だ。
視察が終わると今度は王都に戻り、公爵と会談する。公爵家の仕事が上手く回っているので現在の僕は目立たなくて済んでいる。なので、公爵には頑張って貰わないと困る。
お茶を飲みながら今後のビジネスの話をして、セリーの子供の様子などを聞かせる。
「そう言えば公爵は、ゾンビパウダーの噂を知って居ますか?」
「ああ、村が消えたと言う事件だろう?一応聞いては居るが。冒険者ギルドからはそれ以上の情報が上がって来ないので王城は動けないでいるみたいだな。」
「公爵はゾンビパウダーなる物を知っていましたか?」
「いや、知らんな。ただ、そんな物が出回ると変な事を考える輩が現れそうだな。どこぞの侯爵とかな。」
ん?それは考えなかったな。この事件がデモンストレーションだとすれば、ゾンビパウダーを誰かが購入すると言った事も考えられる。
また、革命騒ぎが起きなければ良いのだが。
「現状、ゾンビパウダーは市場に出回って居ません。ですが、裏で出回っている可能性はありますね。」
「ふむ、裏で手に入れた者は何に使うのだろうな?」
「気に入らない者をまとめて抹殺するとか。」
「それは私や君も含まれているのかね?」
「可能性は十分あります。ところで、この王都に裏組織と言うのは存在するのですか?」
「まあ、裏組織が存在しない都市と言うのは無いだろうな。」
「なるほど、では、その線でちょっと追ってみますね。」
昔は裏組織と言えば教会だったのだが、教会を潰した今、どんな裏組織が暗躍しているのだろうか?
冒険者ギルドに行って情報収集をするが、昔の教会に匹敵するような大きな組織は現在は無いそうだ。あれ?そうなると、本当に3侯爵の誰かかな?
小さな組織は無数に存在するらしいが、ゾンビパウダーをまとめて買う資金力のある組織はないだろうと言うのがギルドの見解だ。
だとすれば、狙いは地方の貴族か?
どうも、何かがかみ合ってない感じがする。まだ、情報が足りないのかな?
そう言えば、魔道具屋のお婆さんはゾンビパウダーを増やす方法を発見した者が居ると言って居た。だが、実際に増やしたとは言っていない。
今回の事件、背後に居るのは本当に人間なのだろうか?
こんな事をしているうちに犠牲者が増えるかもしれない。だが、先回りしようにも相手の事が全く分かっていない。なんで、こんなに後手後手に回っているのだろう?
また、事件が起きるのを黙って待っているしか方法が無いのだろうか?
そして、第三の事件が起きた。
今度は100体近い、魔物のゾンビが現れた。幸い強い魔物ではなかったので、冒険者達に退治されたが、幾つかの村が襲われ、死傷者が少なからず出た。
どうやら、ゾンビパウダーは魔物にも効くらしい。しかも、今回は初めて、実際にゾンビパウダーを使ったと思われるゾンビが確認されている。
これで、事件は進展するだろう。そう思っていたのだが、この事件を担当した冒険者ギルドは、何も掴めなかった。
おかしい。何もかもがおかしい。今回の事件は明らかに意図的な物だ、人間かどうかは解らないが、糸を引いている者が居るはずだ。なのに何も掴めなかったと言うのはどう言う事だ?
王都のギルドは、この事態を重く見て、調査隊の数を増やした。
なんだろう?何か一つピースを失くしたパズルの様だ。肝心な所が抜けている。
魔物のゾンビ化は明らかにゾンビパウダーが存在する事を示している。しかも通常なら一体をゾンビ化するのが精一杯のゾンビパウダーが100体分使われたと言うことになる。
裏に潜む何者かは一体何人分のゾンビパウダーを持っているのだろうか?これが王都全土を覆う程の数だとやっかいだぞ。それに、僕がレジスト出来ない場所で使われたら助けられる者も助けられない。
根本的な対処法の見直しが必要かもしれない。
そして、事件は最悪の形で王都を襲った。
王城には常に5000人の騎士隊が詰めている。そこにゾンビパウダーが撒かれたのだ。ゾンビ化した騎士の数およそ2000人、残りの3000人と壮絶な殺し合いが始まった。
ゾンビと言うのはアンデットだ。つまりゾンビ化した時点で死んでいる。ゾンビ化を解く方法があったとしても、残るのは死体だけだ。
騎士隊3000人は同僚を2000人、数で圧倒して退治した。
事は収まったように思えるが、考え方を変えれば、これは2000人にも及ぶ大量殺人に他ならない。
誰が、何のためにこんなことをしたのだろうか?
ゾンビと言うのはコントロールが効かない。通常なら使いづらい魔物だ、だが、人間を襲うと言う習性がある。
魔物や人間をゾンビ化して10万も集めれば、王都位なら落とせるかもしれない。敵は、一人で王国に戦争を仕掛けるつもりなのだろうか?
ゾンビパウダーを武器として使うなら幾らでも対処方法がある。だが、今回の様に見えない所で使われたら防ぐのが難しい。
更に魔物にまで効くとなると、警戒範囲が広すぎて、僕一人ではどうしようも出来ない。
冒険者ギルドや王城に応援を頼んでもミイラ取りがミイラになるだけだ。
こいつはかなり厄介な事になった。
やはり犯人を特定して捕縛する必要がある。だが、今の所犯人は尻尾を出さない。
もしこれが犯人の思惑通りだとしたら。犯人は非常に頭が良いと言わざるを得ない。
地上最強だと自惚れていた自分が恥ずかしい。魔法や武力では勝てない敵に遭遇するとは思って居なかった。
しかし、だからこそ、この敵だけは僕の手で倒したい。失くしたピースは何なのか、なりふり構わず探すつもりだ。
まず、ゾンビパウダーの出所だが、間違いなくダンジョンだろう。だが、相手はゾンビパウダーを増産する能力を持っている。ならばダンジョンで1人分手に入れれば後は増やして行くだけで良い。つまりダンジョンで冒険者が持って帰った物を購入しても可能と言う事だ。
結論としてダンジョンからは犯人の手掛かりは得られない。
もう一つ気になる事がある。ブレイルの近くで村人が消えてから、次の王都近郊の村人が消えるまでの時間が短い。ブレイルから王都までは通常1か月かかる。しかし、村人消失事件は2週間程度の期間で起こっている。もしかしたら犯人は一人では無くグループかもしれない。
あくまでも予想だが、頭と手足が居る事になる。
また、目的が曖昧だ。もしかしたらまだ実験途中なのかもしれない。実験が済んだら、何をするつもりなんだろう?
ある意味魔神や邪竜の方が力で押してくるので対処が楽だ。知能犯程相性が悪い敵は居ないだろう。
この世界は文明が遅れているから、人々の頭も悪いと勘違いしていた。文明が遅れていても天才は居るんだよな。
僕は、この世界の住人より知識はあるが、頭が良いとは言い切れない。さて、天才と戦うにはどうしたら良いのだろう?
こう言う時にブラスマイヤーが居れば助かるのだが。居ない者を当てにしてもしょうがない。
正直、アンデットの10万匹位なら瞬殺出来る自信はある。だが、自分の家族や知人が、その標的にされ、知らない内にゾンビになるのは耐え切れない。
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