転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

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 翌日もギルド前で待ち合わせて、小会議室を借りた。

「アイテムボックスの方はどうだ?」

「それが、一応は成功したのですが。」

「ん?一応ってなんだ?」

「あー、見て貰った方が良いですね。」

 そう言うとクラ―ネルが、魔法を発動する。胸の前に両手の掌を差し出す感じのポーズをとるとその3センチ位上に20センチ×10センチ位の四角い空間の穴の様な物が出来る。

 クラ―ネルはそこから焼き立てのパンを取り出した。

「こんな感じなんです。」

 焼き立てのパンが出て来たって事は時間が停止しているって事だよね?それってアイテムボックスとして成功してるんじゃないの?

「ちゃんと出来ていると思うが、何処かおかしいのか?」

「え?でもエイジさんは何もない空間から物をポンポンと出すじゃ無いですか?僕のは出入り口をちゃんと作らないと駄目なんですよ。」

 僕のはストレージだからな、アイテムボックスとは別物なんだよね。そう言えば、ちゃんとしたアイテムボックスって見た事無いけど、クラ―ネルの使ってるので合ってるよね?

「魔法のイメージと言うのは人それぞれだ、僕のイメージとクラ―ネルのイメージが違うのは当たり前だ。その結果、魔法の形が若干違うと言うのは良くある事だ。」

「そう言う物なんですか?」

「実際にクラ―ネルのアイテムボックスは有用なのだろう?ならば何も問題無いと思わないか?大きさはどの位あるんだ?」

「今の所4メートル立方位の大きさですね。」

「小さいな、最低でも10メートル立方は欲しい所だ。まあ、時間のある時に徐々に大きくしていくと良いだろう。」

「解りました。」

「じゃあ、今日は他の付与魔法に着いて教えよう。」

 付与魔法は魔道具作成とほぼイコールだ。なので僕が作った様々な魔道具を見せて、丁寧に解説して行く。

 更にクラ―ネルは魔法陣も使えるので魔法陣を使った付与魔法も教えて行く。

 基本的に付与魔法は原理さえ覚えてしまえば、後は自分の持っている魔法全てを付与する事が可能だ。だが、必要とされない魔道具に価値は無い。

 いかに価値のある魔道具を作成するかが、付与魔法の神髄になる。

 付与魔法はイメージよりアイデアが重要だ。柔軟な発想と、手持ちの魔法の数が重要になるのだ。

 これを1日で覚える事は不可能なのは解って居る。要は理解すれば良いだけの話だ。理解したなら、後は地道に魔道具を作り続けていれば、上手くなる。

 理論派のクラ―ネルには向いていると僕は思っている。

 一通り理論とサンプルを見せ、その日は終わりにした。

「どうだ?付与魔法はクラ―ネル向きの魔法だと思うのだが、魔道具作りにはあまり興味は無いか?」

「いえ、面白いです。これでお金儲けが出来るなら、冒険者を引退後も安心ですね。」

 帰り道にそんな話をしながら歩いている。

「だが、魔道具と言うのは売る場所が重要だ。自分で店を構えるのは結構大変だぞ、僕としては、あのお婆さんに頼る事をお勧めする。」

「僕が冒険者を引退する時まで、あのお婆さんはお店をやってるでしょうか?」

「大丈夫じゃ無いかな。あのお婆さんは見た目通りの年齢では無いぞ。」

「え?それって?」

「若返りの秘薬って知ってるか?」

「確か、ドラゴンの素材を使う薬ですよね?」

「お婆さんは若返りの薬を販売している。本人が使って無いと思うか?」

「なるほど、確かに理論的にはそうなりますね。」

「だろう?」

「僕も一度で良いからドラゴンの素材を使った魔道具を作ってみたいですね。」

 いや、君にはこれから何度もその機会があるから。

「ちなみに何を作ってみたいんだ?」

「そうですね。ドラゴンソードとか作ったら、僕の剣の腕も少しは上がるでしょうか?」

 ほう?クラ―ネルが剣に興味を持つとは珍しい。ドラゴンソードと言うと牙だよな?

「じゃあ、これをやるから研究してみろ。」

 そう言って、ブルードラゴンの牙を1本プレゼントした。

「これって、まさか?」

「ブルードラゴンの牙だな。属性は水だ。牙だけで剣を作っても良いが、周りに金属を使用すると切れ味が良くなるぞ。更に付与魔法で耐久性を上げたり、切れ味を良くしたり、軽くしたりも出来る。研究材料としては面白いと思う。」

「って言うか、何でドラゴンの牙を持ってるんですか?」

「そりゃあ、狩ったからだろう?」

「ドラゴンって、騎士団が出動する案件だと思うのですが?しかもブルードラゴンと言ったら災害級じゃないですか?」

 あれ?なんかクラ―ネルが興奮してるぞ?

「正直、現在のクラ―ネルの実力なら、グリーンドラゴン位なら1人で倒せるぞ。」

「え?えー?」

 そんなに驚く事なのか?

「まあ、良い。明日からはまた狩りをするぞ。だが、狩りの前に1時間だけ、体術の訓練をする。」

「体術ですか?」

「ああ、武術とも言うな。冒険者になんで体術が必要なんだ?と言う疑問の顔になってるぞ。」

「あはは、良く、解り易いと言われます。」

「魔物との戦いってのは、人間との戦いと違って、予測不能な動きをする事があるんだ、弱い魔物なら強引に力でねじ伏せる事も可能だが、強い魔物なら、こちらが怪我をする事になる。そんな時に体術が役に立つ。まあ騙されたと思って暫く練習してみろ。攻撃の幅も出るぞ。」

「そう言う物なんですね?」

 クラ―ネルは理解したのかしてないのか、微妙な顔をした。

「ところで、クラ―ネルは、今度の公爵家のパーティーに出てみる気は無いか?」

「僕が、公爵家のパーティーにですか?」

「別に貴族として出ろと言って居る訳では無い。僕の弟子として出てみてはどうかと思ってね。美味しい物が食べれるし、貴族の雰囲気も味わえるぞ。貴族のパーティーに出た事無いんだろう?」

「良いんですか?エイジさんの弟子って公式に認められてしまうんじゃ無いですか?」

「別にパーティーに出たからと言って公式とは言えないよ。だから気楽に出てみると良いと思うよ。」

 これは、クラ―ネルをリドリル男爵家と引き離す作戦だ。僕が抱え込んでいると判れば他の者は手出しをしないだろう。

「あと、アースドラゴンだが、ドラゴンの肉料理を出す予定だ。」

「え?ドラゴンって食べられるんですか?」

「あれ?知らないのか?ドラゴンは美味いぞ。博識なクラ―ネルなら知ってると思ったのだが。」

「いやいや、ドラゴンって普通に生きていたら縁がありませんから。って言うか、ブルードラゴンだけじゃ無くてアースドラゴンも狩ってるんですね?」

 あれ?ドラゴンの話題を出したら喰いつくと思ったんだが、不味ったか?

「あのお婆さんの魔道具店にはドラゴンが素材の魔道具が沢山あったろう?見せて貰って無いのか?」

「ドラゴンの血って言うのは見た事があります。小瓶に入っていて、ドラゴンの血も赤いんだなって思った事はありますが、それ以外には見せて貰ってませんね。」
 
 ドラゴンの血って恐らく僕が売った物じゃ無いかな?

「そうか、じゃあ、もう少し強くなったらドラゴンを狩りに行って見るか?」

「それって10年20年先の話ですよね?」

 いや、クラ―ネルの実力なら、明日にでも行けそうだぞ。僕が居るしね。一度ドラゴンを経験すれば伸びるかもしれないな。これは本気で検討してみよう。

「まあ、体術を学んでからだな。一度ドラゴンと対峙してみれば、自分の実力ってのが良く解るぞ。」

「僕はエイジさんと対峙すると、自分の力の無さを感じますけど?」

 おいおい、僕とドラゴンを一緒にしないでくれ。

 翌日は、西門で待ち合わせをした。何時もの草原で、体術の稽古だ。この世界では武器が手軽に買えるので、あまり体術に力を入れる者は居ない。武術家や武闘家と言った職業も無い。

 だが、下手に剣術に特化すると癖が付いてしまい、武器を失くした時に戦えなくなると言う事は良くある事だ。

 なので、クラ―ネルには体術を先に身に着けた上での戦い方を覚えて貰いたい。
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