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「そうですね。参謀を探しています。子爵の目から見て有望そうな人材が居たら紹介をお願いします。条件は特にありませんが、出来れば若い人が良いですね。」
「参謀ですか?戦争の無いこの国で参謀を志す若い者が居るとお思いですか?」
確かにこの大陸にはこの王国しか無いので戦争は無い。小さな紛争は過去に何度か起こった事があるが、ここ100年位は平和が続いていたので、参謀と言う職業は無い。
「ああ、便宜上参謀と言う言葉を使っただけで、そう言った才能がある者なら構いませんよ。」
「なるほど、公爵ともなると裏工作とか表に出せない仕事とかを引き受ける人材が必要って事ですか?」
「いやいや、そう言う事ではありません。純粋な知将が欲しいのです。そう言った用件なら子爵に頼みますよ。」
裏の仕事ならレンツェル子爵の様な老練で知恵が回る人物の方が向いている。
「知将ですか、それは公爵の代わりに公爵家を回せるような人材と言う意味合いで宜しいでしょうか?」
「まあ、クラ―ネルが独り立ちしたので代わりに僕の右腕になる人材と言う感じで探しています。僕が居ない時に僕の代わりに判断を下せる人物だとありがたいですね。」
「ふむ、確かにクラ―ネル君は若いがその判断力には目を見張るものがありますね。その代りになる人材ですか、難しいですね。」
「今すぐに使えなくても良いですよ。才能があれば育てますので。」
「そう言う事であれば、ライゼン男爵の次女が面白いですよ。」
次女?女性はどうなんだ?セリーにまた怒られないかな?
「そのライゼン男爵の次女と言うのはどう言う方なのですか?」
「ライゼン男爵には男児が2人女児が2人居るのですが、この次女がマリーカと貴族学院で同級生だったのです。で、この次女、非常に頭が良いのですが、何故か学院では劣等生でした。」
「ほう?才能を隠して学院に通っていたのですか?」
「ええ、ライゼン男爵家は貧乏ではありませんが、決して裕福な家ではありません。そんな家の子が貴族学院で優等生になったらどうなると思いますか?」
「なるほど、それを理解していて劣等生を演じていたわけですね。でも、何で頭が良いと解ったのですか?」
「それはマリーカが同じ事をして居たからです。彼女とは気の合う友達らしいですよ。」
ほう?マリーカ嬢が利発なのはクラ―ネルの件で解って居る。そのマリーカ嬢が頭が良いと言うなら、確かに面白いな。
「面白いのは解ったが、公爵家で使用人として使うのに問題は無いか?」
「男爵家の次女です。学院を卒業したら結婚するか働くかして家を出なければなりません。基本平民になるのが決まっている様な物です。公爵家で働けるのなら喜んで来ると思いますよ。」
「解った。文官として雇いたいと伝えてくれ。面接をして合格なら住み込みで働いて貰う。」
「畏まりました。」
レンツェル子爵は2日後に面接をセッティングしてくれるそうだ。
その晩セリーに、新しく若い子を一人雇うかもしれないと伝えて置いた。後で怒られたら怖いからね。
「あなたの周りには何故が女性が集まりますね。そう言う星の下に生まれたので得しょうか?」
半ば呆れた様な口調でそう言われた。
「んー、僕が意図して選んだわけじゃ無いんだけどね。って言うか、そう言うセリーも強引に陛下に押し付けられたんだけどね。」
「あら?私を嫁に貰ったのは間違いだったと?」
「いや、今ではセリーで良かったと思っているよ。」
「そう言う事にして置いてあげます。」
ああ、何で僕はセリーに勝てないんだろう?
さて、2日後レンツェル子爵に連れられてライゼン男爵の次女が我が家に訪れた。応接室でとりあえずお茶でもしながら雑談をして、流れで面接をと考えていたのだが、私が居ては困るでしょうと言って子爵が帰ってしまった。
ライゼン男爵の次女は緊張で固まっている。そりゃあ、公爵と2人切りじゃ緊張しない方がおかしいよね。
「とりあえず名前を教えて貰えるかな?」
「ビアンカです。ビアンカ・フォン・ライゼン。ライゼン男爵家の次女になります。」
「ビアンカさんか、流石にこの状況じゃ緊張するよね?」
ビアンカは黒髪に赤毛が混じった、現代日本なら不良に間違われそうな髪の色をしている。瞳の色は綺麗な緑だ。
「済みません。」
「謝る事は無いよ。まあ、僕は普段冒険者をやってるので敬語とか気にしなくて良いよ。」
「いえ、そう言う事ではありません。クラ―ネルさんの師匠なんですよね?私、クラ―ネルさんの事を尊敬しているので、その師匠って言ったら凄い人なんだろうなって思うと余計に緊張しちゃって。」
なるほど、クラ―ネルと面識があるのか、それは連携が取り易いな。
「凄いかどうかは解らないが、クラ―ネルみたいになりたいとは思わないのかい?」
「え?私がクラ―ネルさんみたいにですか?」
「そもそも、クラ―ネルの何処を尊敬しているんだい?」
「そうですね。文武両道で、それなのに驕らない所ですかね。」
まあ、彼女に武は無理だろうな。そこに憧れていると言われたら困る所だ。
「武は無理でも文ならクラ―ネルに勝てるかもしれないと言ったら?」
ビアンカが緑色の目を大きく見開いた。
「そう言えば文官として雇ってくれると聞きました。私に何を期待しているのでしょうか?」
「文官と言うよりは参謀だな。」
「参謀ですか?この平和な時代に?」
「今の王都が本当に平和だと思うか?」
「確かに物騒な事件は起きていますが、参謀が必要な事態なんですか?」
お?ビアンカの緊張がだいぶほぐれて来たみたいだな。
「その質問に答える前に一つテストをしよう。合格したら、君には参謀として公爵家で働いて貰う。」
「テストですか?」
「ああ、簡単なテストだ。君が参謀に向いているかどうかを確認したい。」
「それだけで良いのですか?公爵様は私の事を何も知りませんよね?」
「君が優秀だと言う事はマリーカ嬢から聞いている。それにクラ―ネルを尊敬していると言う言葉で十分だ。あいつを見た目でなく本質で見られる人間なら信用できる。」
「なるほど、私の事を全く知らない訳では無いのですね?」
「そう言う所にすぐ気が付く点も評価している。」
僕の言葉にビアンカは得心が行った様だ。
「解りました。そのテスト受けさせてください。」
「そう身構えるな、簡単なテストだと言っただろう?」
僕はテーブルの上に3つのグラスを置いた。
「架空の地図を想像してくれ。3つの国が敵対している。それぞれの国の兵力は同じと仮定して、現状は3竦みだ。君はその3つの国の中の1つの国の参謀だとする。君はどう動く?」
ビアンカはほんの少しだけ考えてすぐに答えを出した。
「私なら動きませんね。この状態でバランスが取れているのであれば、バランスを崩すのは愚策です。他の2国が戦って疲弊するのを待ちます。」
「悪く無い答えだ。」
「ちなみにこの問題に答えはあるのですか?」
「無いな。君の答えと僕の答えが近いかどうかのテストだ。全然考えの違う人間とは一緒に行動出来ないだろう?」
「それでは、テストの結果は?」
「合格だ。まず、質問してから答えるまでの時間が短いのが良い。それから、状況分析能力にも優れている。ただ、僕の答えとは若干の違いがある。だがそれは君と僕の置かれてる立場による誤差の範囲だ。と言う事で、住み込みで働いて貰う事になるが問題は無いか?」
「大丈夫です。問題はありません。」
「解った。では時間を1週間と金貨を10枚渡す。なるべく早く引っ越し作業をしてくれ。」
ビアンカは金貨10枚と言う所で驚いている。
「金貨10枚って、私は買われるのですか?」
「いや、それは支度金だ。引っ越しにもお金は掛かるだろう?部屋も準備してあるし、ちゃんと給料も払うので安心してくれ。」
「支度金って、そんなに掛かりませんよ?」
え?そうなの?僕も金銭感覚狂ってるからなぁ。まあ、あげるって言った手前引っ込めるわけには行かないよね?って言うか、金貨10枚って多いか?
「参謀ですか?戦争の無いこの国で参謀を志す若い者が居るとお思いですか?」
確かにこの大陸にはこの王国しか無いので戦争は無い。小さな紛争は過去に何度か起こった事があるが、ここ100年位は平和が続いていたので、参謀と言う職業は無い。
「ああ、便宜上参謀と言う言葉を使っただけで、そう言った才能がある者なら構いませんよ。」
「なるほど、公爵ともなると裏工作とか表に出せない仕事とかを引き受ける人材が必要って事ですか?」
「いやいや、そう言う事ではありません。純粋な知将が欲しいのです。そう言った用件なら子爵に頼みますよ。」
裏の仕事ならレンツェル子爵の様な老練で知恵が回る人物の方が向いている。
「知将ですか、それは公爵の代わりに公爵家を回せるような人材と言う意味合いで宜しいでしょうか?」
「まあ、クラ―ネルが独り立ちしたので代わりに僕の右腕になる人材と言う感じで探しています。僕が居ない時に僕の代わりに判断を下せる人物だとありがたいですね。」
「ふむ、確かにクラ―ネル君は若いがその判断力には目を見張るものがありますね。その代りになる人材ですか、難しいですね。」
「今すぐに使えなくても良いですよ。才能があれば育てますので。」
「そう言う事であれば、ライゼン男爵の次女が面白いですよ。」
次女?女性はどうなんだ?セリーにまた怒られないかな?
「そのライゼン男爵の次女と言うのはどう言う方なのですか?」
「ライゼン男爵には男児が2人女児が2人居るのですが、この次女がマリーカと貴族学院で同級生だったのです。で、この次女、非常に頭が良いのですが、何故か学院では劣等生でした。」
「ほう?才能を隠して学院に通っていたのですか?」
「ええ、ライゼン男爵家は貧乏ではありませんが、決して裕福な家ではありません。そんな家の子が貴族学院で優等生になったらどうなると思いますか?」
「なるほど、それを理解していて劣等生を演じていたわけですね。でも、何で頭が良いと解ったのですか?」
「それはマリーカが同じ事をして居たからです。彼女とは気の合う友達らしいですよ。」
ほう?マリーカ嬢が利発なのはクラ―ネルの件で解って居る。そのマリーカ嬢が頭が良いと言うなら、確かに面白いな。
「面白いのは解ったが、公爵家で使用人として使うのに問題は無いか?」
「男爵家の次女です。学院を卒業したら結婚するか働くかして家を出なければなりません。基本平民になるのが決まっている様な物です。公爵家で働けるのなら喜んで来ると思いますよ。」
「解った。文官として雇いたいと伝えてくれ。面接をして合格なら住み込みで働いて貰う。」
「畏まりました。」
レンツェル子爵は2日後に面接をセッティングしてくれるそうだ。
その晩セリーに、新しく若い子を一人雇うかもしれないと伝えて置いた。後で怒られたら怖いからね。
「あなたの周りには何故が女性が集まりますね。そう言う星の下に生まれたので得しょうか?」
半ば呆れた様な口調でそう言われた。
「んー、僕が意図して選んだわけじゃ無いんだけどね。って言うか、そう言うセリーも強引に陛下に押し付けられたんだけどね。」
「あら?私を嫁に貰ったのは間違いだったと?」
「いや、今ではセリーで良かったと思っているよ。」
「そう言う事にして置いてあげます。」
ああ、何で僕はセリーに勝てないんだろう?
さて、2日後レンツェル子爵に連れられてライゼン男爵の次女が我が家に訪れた。応接室でとりあえずお茶でもしながら雑談をして、流れで面接をと考えていたのだが、私が居ては困るでしょうと言って子爵が帰ってしまった。
ライゼン男爵の次女は緊張で固まっている。そりゃあ、公爵と2人切りじゃ緊張しない方がおかしいよね。
「とりあえず名前を教えて貰えるかな?」
「ビアンカです。ビアンカ・フォン・ライゼン。ライゼン男爵家の次女になります。」
「ビアンカさんか、流石にこの状況じゃ緊張するよね?」
ビアンカは黒髪に赤毛が混じった、現代日本なら不良に間違われそうな髪の色をしている。瞳の色は綺麗な緑だ。
「済みません。」
「謝る事は無いよ。まあ、僕は普段冒険者をやってるので敬語とか気にしなくて良いよ。」
「いえ、そう言う事ではありません。クラ―ネルさんの師匠なんですよね?私、クラ―ネルさんの事を尊敬しているので、その師匠って言ったら凄い人なんだろうなって思うと余計に緊張しちゃって。」
なるほど、クラ―ネルと面識があるのか、それは連携が取り易いな。
「凄いかどうかは解らないが、クラ―ネルみたいになりたいとは思わないのかい?」
「え?私がクラ―ネルさんみたいにですか?」
「そもそも、クラ―ネルの何処を尊敬しているんだい?」
「そうですね。文武両道で、それなのに驕らない所ですかね。」
まあ、彼女に武は無理だろうな。そこに憧れていると言われたら困る所だ。
「武は無理でも文ならクラ―ネルに勝てるかもしれないと言ったら?」
ビアンカが緑色の目を大きく見開いた。
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「参謀ですか?この平和な時代に?」
「今の王都が本当に平和だと思うか?」
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お?ビアンカの緊張がだいぶほぐれて来たみたいだな。
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「テストですか?」
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「君が優秀だと言う事はマリーカ嬢から聞いている。それにクラ―ネルを尊敬していると言う言葉で十分だ。あいつを見た目でなく本質で見られる人間なら信用できる。」
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「悪く無い答えだ。」
「ちなみにこの問題に答えはあるのですか?」
「無いな。君の答えと僕の答えが近いかどうかのテストだ。全然考えの違う人間とは一緒に行動出来ないだろう?」
「それでは、テストの結果は?」
「合格だ。まず、質問してから答えるまでの時間が短いのが良い。それから、状況分析能力にも優れている。ただ、僕の答えとは若干の違いがある。だがそれは君と僕の置かれてる立場による誤差の範囲だ。と言う事で、住み込みで働いて貰う事になるが問題は無いか?」
「大丈夫です。問題はありません。」
「解った。では時間を1週間と金貨を10枚渡す。なるべく早く引っ越し作業をしてくれ。」
ビアンカは金貨10枚と言う所で驚いている。
「金貨10枚って、私は買われるのですか?」
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