転生したら神だった。どうすんの?

埼玉ポテチ

文字の大きさ
281 / 308

281

しおりを挟む
「そうですね。参謀を探しています。子爵の目から見て有望そうな人材が居たら紹介をお願いします。条件は特にありませんが、出来れば若い人が良いですね。」

「参謀ですか?戦争の無いこの国で参謀を志す若い者が居るとお思いですか?」

 確かにこの大陸にはこの王国しか無いので戦争は無い。小さな紛争は過去に何度か起こった事があるが、ここ100年位は平和が続いていたので、参謀と言う職業は無い。

「ああ、便宜上参謀と言う言葉を使っただけで、そう言った才能がある者なら構いませんよ。」

「なるほど、公爵ともなると裏工作とか表に出せない仕事とかを引き受ける人材が必要って事ですか?」

「いやいや、そう言う事ではありません。純粋な知将が欲しいのです。そう言った用件なら子爵に頼みますよ。」

 裏の仕事ならレンツェル子爵の様な老練で知恵が回る人物の方が向いている。

「知将ですか、それは公爵の代わりに公爵家を回せるような人材と言う意味合いで宜しいでしょうか?」

「まあ、クラ―ネルが独り立ちしたので代わりに僕の右腕になる人材と言う感じで探しています。僕が居ない時に僕の代わりに判断を下せる人物だとありがたいですね。」

「ふむ、確かにクラ―ネル君は若いがその判断力には目を見張るものがありますね。その代りになる人材ですか、難しいですね。」

「今すぐに使えなくても良いですよ。才能があれば育てますので。」

「そう言う事であれば、ライゼン男爵の次女が面白いですよ。」

 次女?女性はどうなんだ?セリーにまた怒られないかな?

「そのライゼン男爵の次女と言うのはどう言う方なのですか?」

「ライゼン男爵には男児が2人女児が2人居るのですが、この次女がマリーカと貴族学院で同級生だったのです。で、この次女、非常に頭が良いのですが、何故か学院では劣等生でした。」

「ほう?才能を隠して学院に通っていたのですか?」

「ええ、ライゼン男爵家は貧乏ではありませんが、決して裕福な家ではありません。そんな家の子が貴族学院で優等生になったらどうなると思いますか?」

「なるほど、それを理解していて劣等生を演じていたわけですね。でも、何で頭が良いと解ったのですか?」

「それはマリーカが同じ事をして居たからです。彼女とは気の合う友達らしいですよ。」

 ほう?マリーカ嬢が利発なのはクラ―ネルの件で解って居る。そのマリーカ嬢が頭が良いと言うなら、確かに面白いな。

「面白いのは解ったが、公爵家で使用人として使うのに問題は無いか?」

「男爵家の次女です。学院を卒業したら結婚するか働くかして家を出なければなりません。基本平民になるのが決まっている様な物です。公爵家で働けるのなら喜んで来ると思いますよ。」

「解った。文官として雇いたいと伝えてくれ。面接をして合格なら住み込みで働いて貰う。」

「畏まりました。」

 レンツェル子爵は2日後に面接をセッティングしてくれるそうだ。

 その晩セリーに、新しく若い子を一人雇うかもしれないと伝えて置いた。後で怒られたら怖いからね。

「あなたの周りには何故が女性が集まりますね。そう言う星の下に生まれたので得しょうか?」

 半ば呆れた様な口調でそう言われた。

「んー、僕が意図して選んだわけじゃ無いんだけどね。って言うか、そう言うセリーも強引に陛下に押し付けられたんだけどね。」

「あら?私を嫁に貰ったのは間違いだったと?」

「いや、今ではセリーで良かったと思っているよ。」

「そう言う事にして置いてあげます。」

 ああ、何で僕はセリーに勝てないんだろう?

 さて、2日後レンツェル子爵に連れられてライゼン男爵の次女が我が家に訪れた。応接室でとりあえずお茶でもしながら雑談をして、流れで面接をと考えていたのだが、私が居ては困るでしょうと言って子爵が帰ってしまった。

 ライゼン男爵の次女は緊張で固まっている。そりゃあ、公爵と2人切りじゃ緊張しない方がおかしいよね。

「とりあえず名前を教えて貰えるかな?」

「ビアンカです。ビアンカ・フォン・ライゼン。ライゼン男爵家の次女になります。」

「ビアンカさんか、流石にこの状況じゃ緊張するよね?」

 ビアンカは黒髪に赤毛が混じった、現代日本なら不良に間違われそうな髪の色をしている。瞳の色は綺麗な緑だ。

「済みません。」

「謝る事は無いよ。まあ、僕は普段冒険者をやってるので敬語とか気にしなくて良いよ。」

「いえ、そう言う事ではありません。クラ―ネルさんの師匠なんですよね?私、クラ―ネルさんの事を尊敬しているので、その師匠って言ったら凄い人なんだろうなって思うと余計に緊張しちゃって。」

 なるほど、クラ―ネルと面識があるのか、それは連携が取り易いな。

「凄いかどうかは解らないが、クラ―ネルみたいになりたいとは思わないのかい?」

「え?私がクラ―ネルさんみたいにですか?」

「そもそも、クラ―ネルの何処を尊敬しているんだい?」

「そうですね。文武両道で、それなのに驕らない所ですかね。」

 まあ、彼女に武は無理だろうな。そこに憧れていると言われたら困る所だ。

「武は無理でも文ならクラ―ネルに勝てるかもしれないと言ったら?」

 ビアンカが緑色の目を大きく見開いた。

「そう言えば文官として雇ってくれると聞きました。私に何を期待しているのでしょうか?」

「文官と言うよりは参謀だな。」

「参謀ですか?この平和な時代に?」

「今の王都が本当に平和だと思うか?」

「確かに物騒な事件は起きていますが、参謀が必要な事態なんですか?」

 お?ビアンカの緊張がだいぶほぐれて来たみたいだな。

「その質問に答える前に一つテストをしよう。合格したら、君には参謀として公爵家で働いて貰う。」

「テストですか?」

「ああ、簡単なテストだ。君が参謀に向いているかどうかを確認したい。」

「それだけで良いのですか?公爵様は私の事を何も知りませんよね?」

「君が優秀だと言う事はマリーカ嬢から聞いている。それにクラ―ネルを尊敬していると言う言葉で十分だ。あいつを見た目でなく本質で見られる人間なら信用できる。」

「なるほど、私の事を全く知らない訳では無いのですね?」

「そう言う所にすぐ気が付く点も評価している。」

 僕の言葉にビアンカは得心が行った様だ。

「解りました。そのテスト受けさせてください。」

「そう身構えるな、簡単なテストだと言っただろう?」

 僕はテーブルの上に3つのグラスを置いた。

「架空の地図を想像してくれ。3つの国が敵対している。それぞれの国の兵力は同じと仮定して、現状は3竦みだ。君はその3つの国の中の1つの国の参謀だとする。君はどう動く?」

 ビアンカはほんの少しだけ考えてすぐに答えを出した。

「私なら動きませんね。この状態でバランスが取れているのであれば、バランスを崩すのは愚策です。他の2国が戦って疲弊するのを待ちます。」

「悪く無い答えだ。」

「ちなみにこの問題に答えはあるのですか?」

「無いな。君の答えと僕の答えが近いかどうかのテストだ。全然考えの違う人間とは一緒に行動出来ないだろう?」

「それでは、テストの結果は?」

「合格だ。まず、質問してから答えるまでの時間が短いのが良い。それから、状況分析能力にも優れている。ただ、僕の答えとは若干の違いがある。だがそれは君と僕の置かれてる立場による誤差の範囲だ。と言う事で、住み込みで働いて貰う事になるが問題は無いか?」

「大丈夫です。問題はありません。」

「解った。では時間を1週間と金貨を10枚渡す。なるべく早く引っ越し作業をしてくれ。」

 ビアンカは金貨10枚と言う所で驚いている。

「金貨10枚って、私は買われるのですか?」

「いや、それは支度金だ。引っ越しにもお金は掛かるだろう?部屋も準備してあるし、ちゃんと給料も払うので安心してくれ。」

「支度金って、そんなに掛かりませんよ?」

 え?そうなの?僕も金銭感覚狂ってるからなぁ。まあ、あげるって言った手前引っ込めるわけには行かないよね?って言うか、金貨10枚って多いか?
しおりを挟む
感想 299

あなたにおすすめの小説

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?

よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ! こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ! これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・ どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。 周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ? 俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ? それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ! よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・ え?俺様チート持ちだって?チートって何だ? @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

公爵家三男に転生しましたが・・・

キルア犬
ファンタジー
前世は27歳の社会人でそこそこ恋愛なども経験済みの水嶋海が主人公ですが… 色々と本当に色々とありまして・・・ 転生しました。 前世は女性でしたが異世界では男! 記憶持ち葛藤をご覧下さい。 作者は初投稿で理系人間ですので誤字脱字には寛容頂きたいとお願いします。

異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します

桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

異世界転生~チート魔法でスローライフ

玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。 43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。 その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」 大型連休を利用して、 穴場スポットへやってきた! テントを建て、BBQコンロに テーブル等用意して……。 近くの川まで散歩しに来たら、 何やら動物か?の気配が…… 木の影からこっそり覗くとそこには…… キラキラと光注ぐように発光した 「え!オオカミ!」 3メートルはありそうな巨大なオオカミが!! 急いでテントまで戻ってくると 「え!ここどこだ??」 都会の生活に疲れた主人公が、 異世界へ転生して 冒険者になって 魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。 恋愛は多分ありません。 基本スローライフを目指してます(笑) ※挿絵有りますが、自作です。 無断転載はしてません。 イラストは、あくまで私のイメージです ※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが 少し趣向を変えて、 若干ですが恋愛有りになります。 ※カクヨム、なろうでも公開しています

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

剣ぺろ伝説〜悪役貴族に転生してしまったが別にどうでもいい〜

みっちゃん
ファンタジー
俺こと「天城剣介」は22歳の日に交通事故で死んでしまった。 …しかし目を覚ますと、俺は知らない女性に抱っこされていた! 「元気に育ってねぇクロウ」 (…クロウ…ってまさか!?) そうここは自分がやっていた恋愛RPGゲーム 「ラグナロク•オリジン」と言う学園と世界を舞台にした超大型シナリオゲームだ そんな世界に転生して真っ先に気がついたのは"クロウ"と言う名前、そう彼こそ主人公の攻略対象の女性を付け狙う、ゲーム史上最も嫌われている悪役貴族、それが 「クロウ•チューリア」だ ありとあらゆる人々のヘイトを貯める行動をして最後には全てに裏切られてザマァをされ、辺境に捨てられて惨めな日々を送る羽目になる、そう言う運命なのだが、彼は思う 運命を変えて仕舞えば物語は大きく変わる "バタフライ効果"と言う事を思い出し彼は誓う 「ザマァされた後にのんびりスローライフを送ろう!」と! その為に彼がまず行うのはこのゲーム唯一の「バグ技」…"剣ぺろ"だ 剣ぺろと言う「バグ技」は "剣を舐めるとステータスのどれかが1上がるバグ"だ この物語は 剣ぺろバグを使い優雅なスローライフを目指そうと奮闘する悪役貴族の物語 (自分は学園編のみ登場してそこからは全く登場しない、ならそれ以降はのんびりと暮らせば良いんだ!) しかしこれがフラグになる事を彼はまだ知らない

処理中です...