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第5章 籠の中の鳥
第36話 魔女ディルの狙い
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今回の女子寮事件で、ある意味最大の被害者かもしれないガードン子爵家。
その貴重な魔導書の数々を拝見しに……じゃなかった。
師匠である魔女ディルがしでかした無礼への謝罪に、私はリョウと共に訪れていた。
(ヴィレッタはテレサさんの手伝いで王宮だし、ベレニスたちはまだぐっすり寝ているだろうな。フィーリアは双子の魔女の件で王宮に残ると言っていたし、クリスも一緒。シャルロッテとルリアのことも心配だが……今はまず、ディルの件をはっきりさせないと)
そんなことを考えながら通された書斎で、私は愕然としてしまった。
本来なら壁一面を埋め尽くしているはずの書棚の一部が、ぽっかりと空になっている。
「……魔導書が、かなり盗まれた、ということですか?」
隣に立つリョウも絶句する中、私は力なく椅子に座り込み、しょぼくれてメソメソと涙ぐんでいる白髪白髭に白眉の老人、ガードン子爵に声をかけた。
「やられたわい……儂に化けたのは、どうやらついでじゃったようじゃのう。長年かけて集めた貴重な本がごっそりと……踏んだり蹴ったりとは、まさにこのことじゃ……うう……」
すり切れた紋章入りのローブを身につけたガードン子爵は、古びた肖像画から抜け出てきたかのような儚げな印象で、その落胆ぶりは見ていて本当に申し訳なくなる。
おにょれあのクソババア! 私がいつか読もうと思っていた貴重な魔導書まで奪い取るとは、絶対に許すまじ!
……じゃなくて! 一体、何を考えているんだ、あの師匠は!
「魔女ディルの行方については手配しておりますが、姿を変えられるとなると特定は困難でしょう。恐らく、もうファインダ国内にはいない可能性もあります。ローゼ様、貴女の師である魔女ディルとは、どのような御方で、何を目的に動いていると推測されますか?」
書斎には盗難届を受けて近衛隊長のアレックス・シオーレンさんら多くの兵士が訪れ、現場の調査を行っていた。
そのアレックスさんが、困惑した表情で私に尋ねてくる。
「ガードンよ、何を盗まれたかの目録は、後で儂にも提出せい」
いつの間にかダリムのクソジジイ宰相までいる。
この人、私のことをローゼマリーと気軽に呼ぶが、兵士の方々もいるんだから、少しは配慮してほしいぞ。
ああもう! 今日は久しぶりにリョウと2人きりで、ガードン子爵の書庫で読書三昧できるかもって、ちょっとだけ期待していたのに!
「えっと、ディルは……私を10年間、魔女として鍛え上げてくれた師匠です。その点には感謝しています。……ただ、性格は……その、魔力は底なしですけど、すごく意地悪で、寝ている私を魔獣の群れに放り込んで放置したり、私の魔法の失敗を見て大笑いしたりするような……まあ、最悪なババアでした。でも、今の私があるのは、間違いなくディルのおかげだとも思っています」
喋りながら、当時の記憶が蘇ってきて、やっぱりムカムカしてきたぞ。
よし、やっぱり私の人生の目標リストに『魔女ディルをギャフンと言わせる』も追加しておこう。
「目的については……正直、全くわかりません。ただ、知識欲は旺盛で、書物は好きでした。よくどこからか古い書物を持ち帰ってきては、読み耽っていました。私もそれをこっそり読ませてもらったりして」
スノッサの森での修行時代を思い出す。魔法の訓練と読書漬けの日々。
単調に思えたが、今思えばあれはあれで充実していたのかもしれない。
「……ふむ。単純に、魔導書の収集が趣味という可能性もございますか。となりますと、金銭目的ではないため追跡はより困難ですね。闇市場などに流れることも期待できません」
アレックスさんが腕を組んで唸る。
「魔女なんて、そういう気まぐれなもんじゃわい。ガードンもアレックスも、過ぎた事をいつまでも気にするでない。それより、魔女ディルが他に狙いそうな書物のある場所……例えば王宮書庫や大神殿の古文書庫などを警戒した方がよかろうて。まあ、今までファインダでこのような大規模な魔導書盗難が起きた記録はない。念のために関係各所へ通達は出すが、過度な期待はするでないぞ」
アレックスさんが落ち込んでいると、それを気にも留めない様子でダリム宰相の豪快な声が書斎に響き渡った。
魔女なんてって、完全に魔女差別だぞ、この竜ジジイ!
後でこっそり、その立派な髭をちょっとだけ燃やしてやろうか?
「ふむう……そういえば、盗まれたのは魔導書だけではなかった。儂が『大発見じゃ』と色めき立った、あの千年近く前の古い伝承書も一冊、無くなっておりましたわい。あれ自体には特に魔術的な価値はないはずなのじゃが……あの魔女どもにとっては、そこに記された名前にこそ、何か特別な意味があったということか。……くそっ、まんまと奪われてしもうたわ……」
「伝承書、ですか? どのような内容だったのですか?」
白髭を撫でながら、ため息混じりで呟くガードン子爵へ、私は興味を抱いて尋ねた。
魔導書ならともかく、ただの古い伝承をディルが持ち去る理由がわからない。
「ガーデリア地方の伝承ですじゃ。かつて深刻な干ばつに苦しむその地方に、3人の美しい魔女が現れ恵みの雨を降らせ、大地を救った……という、まあ、よくある救世主譚ですな」
気候変動を操る魔法か。たしかに膨大な魔力が必要だが、理論上は不可能じゃない。
古い伝承には、そういった魔女の話は各地に残っている。特に驚くような内容ではない。
千年近く前なら、ディルという名前の魔女が他にもいたのかもしれない。
でも……引っかかる。
「その3人の魔女の名前……ディル以外の名前も覚えていらっしゃいますか?」
「ふむう……金髪ウェーブヘアのディル、赤髪巻き毛のチャービル、黒髪ショートボブヘアのマツバ……じゃった。容姿まで細かく書かれておりましたわ」
チャービル、マツバ。
邪教『真実の眼』を統括する六賢魔の名前。
そして、ディルが双子の魔女リリとロロに、わざわざ伝言を頼んだ相手も『マツバ』。
これを単なる偶然と片付けるには、あまりにも不自然すぎる。
「千年前というと……魔王が活動していた時代、ということですか?」
リョウが核心に触れる質問をすると、ガードン子爵は白眉に隠れた目を遠い過去に向けるように答えた。
「いや、魔王が封印されてから、およそ100年後の時代の話ですなあ。大陸がようやく復興の兆しを見せ始めた頃じゃ」
……ガーデリア地方。今はファインダ王国の北部、広大な平原地帯だ。
「リョウ、そのガーデリア地方に行ってみたい。何か手がかりがあるかもしれない」
「わかった。俺に反対する理由はない。ローゼがそう決めたのなら、どこへでも付き合う。無論、全力で力になる」
さすがリョウ。こういう時は話が早い。
「ガーデリア……ディル……チャービル……マツバ……ううむ……」
ん? ガーデリア地方への出発についてダリム宰相に許可をもらおうとしたら、何やら難しい顔で考え込んでいるぞ?
「……その名前……儂も聞き覚えがあるような……そうだ! アニスが昔、似たような名前の友人たちの話を……!」
ダリム宰相が、何かを思い出したように目を見開いた。
「思い出したわ! 儂は若い頃、我が最愛の妻ドラルゴや、魔女アニスと共に、そやつらの墓参りをしたことがあるわい!」
はあっ⁉ 墓参り⁉ しかも、あの伝説の七英雄、魔女アニスと⁉
「ど、どういうことですか⁉ もっと詳しく思い出してください! 今すぐ!」
私はダリム宰相の立派なローブの襟首を掴んで、思わずぶんぶんと揺さぶっていた。
「うっぷ……揺らすでない! 絞めるでない! 魔力まで込めるでない! これだから魔女は……グフッ……!」
あっ、しまった。また無意識に魔力を込めすぎちゃった。
でも、相手は伝説の赤竜なんだから、これくらい平気でしょ? ね?
「……ガーデリア地方はな、遥か昔、ディンレル王国という国の第二都市があった場所じゃ。魔王軍はまず王都リュンカーラを滅ぼし、次にそのガーデリアを狙った。我が妻ドラルゴが、まだアニスたちの仲間になる前の話じゃな。アニスが七英雄として旅立つ決意をする前、そのガーデリアの地にて、彼女を守って散ったという7人の友人がいたそうじゃ。戦いが終わった後、再びその地を訪れた際、アニスと、ザックスめが、小さな墓標を立てて、静かに祈りを捧げておったのを覚えとる。その時に聞いた友人の名が……たしか、ローレル、アロマティカス、タイム、フェンネル、チャービル、マツバ、そして……ディルだった」
ようやく落ち着きを取り戻したダリム宰相が語った内容は、あまりにも衝撃的で、私は言葉を失った。
「矛盾点が多すぎます。千年前の伝承の魔女と、七英雄アニスの友人が同一人物? それに、その名前を持つ者が今も存在している? ……さすがに、それは別人だと考えるのが自然ではないでしょうか?」
リョウが冷静に指摘する。それは当然の疑問だ。死者は甦らない。それはこの世界の理のはずだ。
「……その墓の場所も、詳しく教えてください」
「千年以上も前のことじゃ。墓標など、とうに風化して残ってはおるまい。一応、場所は教えるが、過度な期待はするでないぞ?」
「承知しています。それでも、行ってみる価値はあります」
「ガッハッハ! よかろう! だが、あと数日で新年じゃ。まずは王都の祭りを楽しんで、英気を養ってから出立するがいいわ! 若人よ、時には休息も必要じゃぞ!」
私の決意に、ダリム宰相はいつものように豪快に笑う。
……なんか、やっぱりちょっとムカつくけど、まあ、今回は大目に見てあげよう。
千年前の魔女たち。七英雄アニス。そして、魔女ディル。
点と点が繋がりそうで、まだ繋がらない。
ガーデリア地方には、一体どんな真実が眠っているのだろうか。
その貴重な魔導書の数々を拝見しに……じゃなかった。
師匠である魔女ディルがしでかした無礼への謝罪に、私はリョウと共に訪れていた。
(ヴィレッタはテレサさんの手伝いで王宮だし、ベレニスたちはまだぐっすり寝ているだろうな。フィーリアは双子の魔女の件で王宮に残ると言っていたし、クリスも一緒。シャルロッテとルリアのことも心配だが……今はまず、ディルの件をはっきりさせないと)
そんなことを考えながら通された書斎で、私は愕然としてしまった。
本来なら壁一面を埋め尽くしているはずの書棚の一部が、ぽっかりと空になっている。
「……魔導書が、かなり盗まれた、ということですか?」
隣に立つリョウも絶句する中、私は力なく椅子に座り込み、しょぼくれてメソメソと涙ぐんでいる白髪白髭に白眉の老人、ガードン子爵に声をかけた。
「やられたわい……儂に化けたのは、どうやらついでじゃったようじゃのう。長年かけて集めた貴重な本がごっそりと……踏んだり蹴ったりとは、まさにこのことじゃ……うう……」
すり切れた紋章入りのローブを身につけたガードン子爵は、古びた肖像画から抜け出てきたかのような儚げな印象で、その落胆ぶりは見ていて本当に申し訳なくなる。
おにょれあのクソババア! 私がいつか読もうと思っていた貴重な魔導書まで奪い取るとは、絶対に許すまじ!
……じゃなくて! 一体、何を考えているんだ、あの師匠は!
「魔女ディルの行方については手配しておりますが、姿を変えられるとなると特定は困難でしょう。恐らく、もうファインダ国内にはいない可能性もあります。ローゼ様、貴女の師である魔女ディルとは、どのような御方で、何を目的に動いていると推測されますか?」
書斎には盗難届を受けて近衛隊長のアレックス・シオーレンさんら多くの兵士が訪れ、現場の調査を行っていた。
そのアレックスさんが、困惑した表情で私に尋ねてくる。
「ガードンよ、何を盗まれたかの目録は、後で儂にも提出せい」
いつの間にかダリムのクソジジイ宰相までいる。
この人、私のことをローゼマリーと気軽に呼ぶが、兵士の方々もいるんだから、少しは配慮してほしいぞ。
ああもう! 今日は久しぶりにリョウと2人きりで、ガードン子爵の書庫で読書三昧できるかもって、ちょっとだけ期待していたのに!
「えっと、ディルは……私を10年間、魔女として鍛え上げてくれた師匠です。その点には感謝しています。……ただ、性格は……その、魔力は底なしですけど、すごく意地悪で、寝ている私を魔獣の群れに放り込んで放置したり、私の魔法の失敗を見て大笑いしたりするような……まあ、最悪なババアでした。でも、今の私があるのは、間違いなくディルのおかげだとも思っています」
喋りながら、当時の記憶が蘇ってきて、やっぱりムカムカしてきたぞ。
よし、やっぱり私の人生の目標リストに『魔女ディルをギャフンと言わせる』も追加しておこう。
「目的については……正直、全くわかりません。ただ、知識欲は旺盛で、書物は好きでした。よくどこからか古い書物を持ち帰ってきては、読み耽っていました。私もそれをこっそり読ませてもらったりして」
スノッサの森での修行時代を思い出す。魔法の訓練と読書漬けの日々。
単調に思えたが、今思えばあれはあれで充実していたのかもしれない。
「……ふむ。単純に、魔導書の収集が趣味という可能性もございますか。となりますと、金銭目的ではないため追跡はより困難ですね。闇市場などに流れることも期待できません」
アレックスさんが腕を組んで唸る。
「魔女なんて、そういう気まぐれなもんじゃわい。ガードンもアレックスも、過ぎた事をいつまでも気にするでない。それより、魔女ディルが他に狙いそうな書物のある場所……例えば王宮書庫や大神殿の古文書庫などを警戒した方がよかろうて。まあ、今までファインダでこのような大規模な魔導書盗難が起きた記録はない。念のために関係各所へ通達は出すが、過度な期待はするでないぞ」
アレックスさんが落ち込んでいると、それを気にも留めない様子でダリム宰相の豪快な声が書斎に響き渡った。
魔女なんてって、完全に魔女差別だぞ、この竜ジジイ!
後でこっそり、その立派な髭をちょっとだけ燃やしてやろうか?
「ふむう……そういえば、盗まれたのは魔導書だけではなかった。儂が『大発見じゃ』と色めき立った、あの千年近く前の古い伝承書も一冊、無くなっておりましたわい。あれ自体には特に魔術的な価値はないはずなのじゃが……あの魔女どもにとっては、そこに記された名前にこそ、何か特別な意味があったということか。……くそっ、まんまと奪われてしもうたわ……」
「伝承書、ですか? どのような内容だったのですか?」
白髭を撫でながら、ため息混じりで呟くガードン子爵へ、私は興味を抱いて尋ねた。
魔導書ならともかく、ただの古い伝承をディルが持ち去る理由がわからない。
「ガーデリア地方の伝承ですじゃ。かつて深刻な干ばつに苦しむその地方に、3人の美しい魔女が現れ恵みの雨を降らせ、大地を救った……という、まあ、よくある救世主譚ですな」
気候変動を操る魔法か。たしかに膨大な魔力が必要だが、理論上は不可能じゃない。
古い伝承には、そういった魔女の話は各地に残っている。特に驚くような内容ではない。
千年近く前なら、ディルという名前の魔女が他にもいたのかもしれない。
でも……引っかかる。
「その3人の魔女の名前……ディル以外の名前も覚えていらっしゃいますか?」
「ふむう……金髪ウェーブヘアのディル、赤髪巻き毛のチャービル、黒髪ショートボブヘアのマツバ……じゃった。容姿まで細かく書かれておりましたわ」
チャービル、マツバ。
邪教『真実の眼』を統括する六賢魔の名前。
そして、ディルが双子の魔女リリとロロに、わざわざ伝言を頼んだ相手も『マツバ』。
これを単なる偶然と片付けるには、あまりにも不自然すぎる。
「千年前というと……魔王が活動していた時代、ということですか?」
リョウが核心に触れる質問をすると、ガードン子爵は白眉に隠れた目を遠い過去に向けるように答えた。
「いや、魔王が封印されてから、およそ100年後の時代の話ですなあ。大陸がようやく復興の兆しを見せ始めた頃じゃ」
……ガーデリア地方。今はファインダ王国の北部、広大な平原地帯だ。
「リョウ、そのガーデリア地方に行ってみたい。何か手がかりがあるかもしれない」
「わかった。俺に反対する理由はない。ローゼがそう決めたのなら、どこへでも付き合う。無論、全力で力になる」
さすがリョウ。こういう時は話が早い。
「ガーデリア……ディル……チャービル……マツバ……ううむ……」
ん? ガーデリア地方への出発についてダリム宰相に許可をもらおうとしたら、何やら難しい顔で考え込んでいるぞ?
「……その名前……儂も聞き覚えがあるような……そうだ! アニスが昔、似たような名前の友人たちの話を……!」
ダリム宰相が、何かを思い出したように目を見開いた。
「思い出したわ! 儂は若い頃、我が最愛の妻ドラルゴや、魔女アニスと共に、そやつらの墓参りをしたことがあるわい!」
はあっ⁉ 墓参り⁉ しかも、あの伝説の七英雄、魔女アニスと⁉
「ど、どういうことですか⁉ もっと詳しく思い出してください! 今すぐ!」
私はダリム宰相の立派なローブの襟首を掴んで、思わずぶんぶんと揺さぶっていた。
「うっぷ……揺らすでない! 絞めるでない! 魔力まで込めるでない! これだから魔女は……グフッ……!」
あっ、しまった。また無意識に魔力を込めすぎちゃった。
でも、相手は伝説の赤竜なんだから、これくらい平気でしょ? ね?
「……ガーデリア地方はな、遥か昔、ディンレル王国という国の第二都市があった場所じゃ。魔王軍はまず王都リュンカーラを滅ぼし、次にそのガーデリアを狙った。我が妻ドラルゴが、まだアニスたちの仲間になる前の話じゃな。アニスが七英雄として旅立つ決意をする前、そのガーデリアの地にて、彼女を守って散ったという7人の友人がいたそうじゃ。戦いが終わった後、再びその地を訪れた際、アニスと、ザックスめが、小さな墓標を立てて、静かに祈りを捧げておったのを覚えとる。その時に聞いた友人の名が……たしか、ローレル、アロマティカス、タイム、フェンネル、チャービル、マツバ、そして……ディルだった」
ようやく落ち着きを取り戻したダリム宰相が語った内容は、あまりにも衝撃的で、私は言葉を失った。
「矛盾点が多すぎます。千年前の伝承の魔女と、七英雄アニスの友人が同一人物? それに、その名前を持つ者が今も存在している? ……さすがに、それは別人だと考えるのが自然ではないでしょうか?」
リョウが冷静に指摘する。それは当然の疑問だ。死者は甦らない。それはこの世界の理のはずだ。
「……その墓の場所も、詳しく教えてください」
「千年以上も前のことじゃ。墓標など、とうに風化して残ってはおるまい。一応、場所は教えるが、過度な期待はするでないぞ?」
「承知しています。それでも、行ってみる価値はあります」
「ガッハッハ! よかろう! だが、あと数日で新年じゃ。まずは王都の祭りを楽しんで、英気を養ってから出立するがいいわ! 若人よ、時には休息も必要じゃぞ!」
私の決意に、ダリム宰相はいつものように豪快に笑う。
……なんか、やっぱりちょっとムカつくけど、まあ、今回は大目に見てあげよう。
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