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第6章 雪原は鮮血に染まる
第30話 白銀の魔獣
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窓から外を覗くと、いつの間にか馬車の周囲を黒い影が取り囲んでいた。
ギラギラと赤い瞳を光らせ、涎を垂らしながら低い唸り声を上げる、狼型の魔獣。その数は十数頭。
明らかにただの遭遇ではない。待ち伏せされていた?
「みんな、戦闘準備!」
リョウが叫び剣を抜く音と同時に、私も白銀の杖を強く握りしめた。
ヴィレッタが私の背後で祈りの言葉を唱え、神聖な光が彼女の手元に集まる。
「ローゼ、無理はなさらないでくださいませ。私が全力で援護します!」
「ありがとう、ヴィレッタ! みんな、行こう!」
私は杖を構えて炎の魔法を練り上げる。
雪原に最初の火柱が上がり、魔獣たちが一斉に吠えかかってきた。
飛びかかってくる黒い影。
その瞬間、私の心の奥底で、夢の中のアニスの叫びが、再び響いた気がした。
「……私が、守る!」
その言葉は私の意志となり、杖から放たれる炎に更なる力を与えた。
「数が多すぎるっす! それに、この嫌な感じ……ただの魔獣じゃないっすよ! 近くに、もっとヤバいのがいる気配がするっす!」
フィーリアが魔導弾を連射し、魔獣を蹴散らしながら叫ぶ。
彼女の言葉通り、魔獣たちの動きは統率が取れており、背後に強力な指揮官がいることを感じさせた。
激しい戦闘の最中、狼たちの群れが割れ、その奥からひときわ巨大な影が姿を現した。
雪のように白い毛皮に燃えるような赤い瞳、そして全身から放たれる圧倒的な威圧感。
見るからにただの魔獣ではない。古代の伝承に語られる、伝説の魔獣だ。
「あれは……七英雄物語に出てきた、白豹将軍バアフィンに仕えていたという白銀の魔獣……シルバータイラント!」
私が叫ぶのと、その巨体が猛然と突進してくるのは同時だった。体長は10メートルを優に超え、その動きは巨体からは想像もつかないほど俊敏だ。
鋭い爪が振り下ろされ、凍てついた大地が容易く引き裂かれる!
「くっ……! みんな、集中して! あのデカいのを先に叩く!」
私の指示と共に仲間たちが一斉に動く。
私の灼熱の炎、ヴィレッタの聖なる光の矢、ベレニスの鋭い風の刃、フィーリアの魔導弾、レオノールの二対の剣、リョウの漆黒の剣閃、そしてクリスの長剣が、白銀の魔獣へと叩き込まれる!
シルバータイラントは猛り狂い、凄まじい咆哮と共に氷のブレスを吐き出す。
私たちは咄嗟に散開し、あるいは防御魔法でそれを受け止める。
リョウが前衛で斬りかかり、レオノールが側面から撹乱し、ベレニスとクリスが高い位置から攻撃を加え、私とヴィレッタ、フィーリアが後方から魔法と魔導具で援護する。
激しい攻防が続く。シルバータイラントの爪と牙は強力で、一撃でも食らえば致命傷になりかねない。
リョウの鎧が爪で引き裂かれ、ベレニスが氷の破片で傷つく。それでも、私たちは誰1人怯まなかった。
「今! 全力で叩き込む!」
私が叫び、残る魔力を振り絞って最大級の炎槍を放つ!
それと同時に仲間たちの攻撃も一点に集中した。
ヴィレッタの聖なる光が魔獣の動きを鈍らせ、リョウの渾身の一撃が硬い毛皮を貫き、クリスが傷口をさらに深くえぐり、ベレニスとレオノールの追撃が止めを刺した!
「グルオオオオオオオッ…………」
断末魔の咆哮を残し、白銀の巨体はゆっくりと雪原に崩れ落ちて動かなくなった。
周囲を取り囲んでいた狼型の魔獣たちも、主を失ったことで混乱したのか散り散りに逃げていった。
「はあっ……はあっ……!」
激しい戦闘の末の静寂。
焦げ付いたような臭いと血の匂いが、冷たい風に乗って漂ってくる。
私は杖を地面に突いて、荒い息を整えながら膝をついた。
仲間たちも、それぞれ消耗しきった様子で互いの無事を確認し合っていた。
シルバータイラントが倒れた場所には、キラリと光る赤い宝石のようなものが落ちていた。
「なにこれ? ……魔石? 結構綺麗だけど、お金になるのかしら?」
ベレニスが拾い上げようとする。
「待つっす、ベレニスさん。こういうのは大抵、何かの仕掛けの鍵になっているのがお約束っすよ」
フィーリアが冷静に制し、その赤い魔石を慎重に回収した。
「……結局、墓らしいものは、ここには見当たらないな」
リョウが周囲を見渡しながら呟いた。
「そうね……千年以上も前のことだもの。風雪に埋もれてしまったのかも……」
私は荒涼とした雪原を眺めながら答えた。
戦闘は終わった。
でも私の胸の中には、アニスの記憶の断片と、先ほど見た黒髪の少女の幻影、そしてこの戦いがこれから始まるであろう、もっと大きな何かの序章に過ぎないという、重苦しい予感がまだ強く残っていた。
ギラギラと赤い瞳を光らせ、涎を垂らしながら低い唸り声を上げる、狼型の魔獣。その数は十数頭。
明らかにただの遭遇ではない。待ち伏せされていた?
「みんな、戦闘準備!」
リョウが叫び剣を抜く音と同時に、私も白銀の杖を強く握りしめた。
ヴィレッタが私の背後で祈りの言葉を唱え、神聖な光が彼女の手元に集まる。
「ローゼ、無理はなさらないでくださいませ。私が全力で援護します!」
「ありがとう、ヴィレッタ! みんな、行こう!」
私は杖を構えて炎の魔法を練り上げる。
雪原に最初の火柱が上がり、魔獣たちが一斉に吠えかかってきた。
飛びかかってくる黒い影。
その瞬間、私の心の奥底で、夢の中のアニスの叫びが、再び響いた気がした。
「……私が、守る!」
その言葉は私の意志となり、杖から放たれる炎に更なる力を与えた。
「数が多すぎるっす! それに、この嫌な感じ……ただの魔獣じゃないっすよ! 近くに、もっとヤバいのがいる気配がするっす!」
フィーリアが魔導弾を連射し、魔獣を蹴散らしながら叫ぶ。
彼女の言葉通り、魔獣たちの動きは統率が取れており、背後に強力な指揮官がいることを感じさせた。
激しい戦闘の最中、狼たちの群れが割れ、その奥からひときわ巨大な影が姿を現した。
雪のように白い毛皮に燃えるような赤い瞳、そして全身から放たれる圧倒的な威圧感。
見るからにただの魔獣ではない。古代の伝承に語られる、伝説の魔獣だ。
「あれは……七英雄物語に出てきた、白豹将軍バアフィンに仕えていたという白銀の魔獣……シルバータイラント!」
私が叫ぶのと、その巨体が猛然と突進してくるのは同時だった。体長は10メートルを優に超え、その動きは巨体からは想像もつかないほど俊敏だ。
鋭い爪が振り下ろされ、凍てついた大地が容易く引き裂かれる!
「くっ……! みんな、集中して! あのデカいのを先に叩く!」
私の指示と共に仲間たちが一斉に動く。
私の灼熱の炎、ヴィレッタの聖なる光の矢、ベレニスの鋭い風の刃、フィーリアの魔導弾、レオノールの二対の剣、リョウの漆黒の剣閃、そしてクリスの長剣が、白銀の魔獣へと叩き込まれる!
シルバータイラントは猛り狂い、凄まじい咆哮と共に氷のブレスを吐き出す。
私たちは咄嗟に散開し、あるいは防御魔法でそれを受け止める。
リョウが前衛で斬りかかり、レオノールが側面から撹乱し、ベレニスとクリスが高い位置から攻撃を加え、私とヴィレッタ、フィーリアが後方から魔法と魔導具で援護する。
激しい攻防が続く。シルバータイラントの爪と牙は強力で、一撃でも食らえば致命傷になりかねない。
リョウの鎧が爪で引き裂かれ、ベレニスが氷の破片で傷つく。それでも、私たちは誰1人怯まなかった。
「今! 全力で叩き込む!」
私が叫び、残る魔力を振り絞って最大級の炎槍を放つ!
それと同時に仲間たちの攻撃も一点に集中した。
ヴィレッタの聖なる光が魔獣の動きを鈍らせ、リョウの渾身の一撃が硬い毛皮を貫き、クリスが傷口をさらに深くえぐり、ベレニスとレオノールの追撃が止めを刺した!
「グルオオオオオオオッ…………」
断末魔の咆哮を残し、白銀の巨体はゆっくりと雪原に崩れ落ちて動かなくなった。
周囲を取り囲んでいた狼型の魔獣たちも、主を失ったことで混乱したのか散り散りに逃げていった。
「はあっ……はあっ……!」
激しい戦闘の末の静寂。
焦げ付いたような臭いと血の匂いが、冷たい風に乗って漂ってくる。
私は杖を地面に突いて、荒い息を整えながら膝をついた。
仲間たちも、それぞれ消耗しきった様子で互いの無事を確認し合っていた。
シルバータイラントが倒れた場所には、キラリと光る赤い宝石のようなものが落ちていた。
「なにこれ? ……魔石? 結構綺麗だけど、お金になるのかしら?」
ベレニスが拾い上げようとする。
「待つっす、ベレニスさん。こういうのは大抵、何かの仕掛けの鍵になっているのがお約束っすよ」
フィーリアが冷静に制し、その赤い魔石を慎重に回収した。
「……結局、墓らしいものは、ここには見当たらないな」
リョウが周囲を見渡しながら呟いた。
「そうね……千年以上も前のことだもの。風雪に埋もれてしまったのかも……」
私は荒涼とした雪原を眺めながら答えた。
戦闘は終わった。
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