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第7章 絶望の鐘
第28話 ディンレル王国滅亡 奮戦! クレマンティーヌ
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クレマンティーヌは1人残された荒野で、4体の魔族と対峙する。
「ふふ、面白い表情をするじゃないか。魔界でも名うての魔族が、私の弟子たちを取り逃がす。相当な屈辱だろうねえ」
クレマンティーヌは左手の指を軽く弾く。
パチン、という乾いた音と共に、後方にいた黒肌金髪の少女ガンニバルの喉元から、鮮血が噴き出した!
「ぐっ……⁉」
ガンニバルは驚愕の表情を浮かべるが、傷は瞬く間に再生する。
「……人間風情が、小賢しい真似を!」
ガンニバルが憎悪に満ちた声で呟く。
「じゃあ、次は私が相手するね。いっくよおおおおお!」
緑の巨人ゴドリッチが巨大な棍棒を振り上げ、地響きを立てながらクレマンティーヌへと迫る。
同時にガンニバルが無数の闇の刃を生成し、ヒューリーが鋭い爪を閃かせて左右から襲いかかる。
クレマンティーヌは迫り来る攻撃に対し、最小限の動きで対応。
ゴドリッチの棍棒を、足元に瞬間的に生成した氷の滑り台で受け流し、ガンニバルの闇の刃を光の粒子で編んだ盾で弾き、ヒューリーの爪撃を風の魔法で軌道を逸らす。
だが隙を突かれ、イフリートが放った超高熱の火球がクレマンティーヌの左肩を掠めた!
「ぐっ……!」
肉の焼ける臭いと激痛。それでもクレマンティーヌは顔色一つ変えず、即座に神聖魔法で傷口を癒し始める。
同時に、右手には氷の槍を、左手には雷の鞭を生成して反撃に転じた。
「なっ⁉ 回復魔法だと⁉」
イフリートが驚愕の声を上げる。
「こいつ、本当に人間⁉」
ゴドリッチも棍棒を振り回しながら叫ぶ。
クレマンティーヌの戦い方は、人の常軌を逸していた。
あらゆる属性の魔法を淀みなく使いこなし、時には相反する属性を同時に操り、更には神聖魔法による治癒まで行う。
それはもはや魔女という枠を超えた、あり得ない存在。
「休ませると思うなよ!」
イフリートが再び炎を連射し、ゴドリッチが大地を揺るがす踏みつけ攻撃を繰り出し、ガンニバルが闇の触手を伸ばし、ヒューリーが氷のブレスを吐き出す。
クレマンティーヌはそれら全てを捌きながら、的確に反撃する。
だが相手は4体。しかも魔王アリスとの盟約によるものか、または魔界の門が開いた影響か、彼らは傷を負っても瞬時に再生してしまう。
(不死身……というわけではないだろうが、再生能力が異常に高い。これではいくら叩いてもきりがないねえ……)
それでもクレマンティーヌは退くわけにはいかない。
ここで自分が時間を稼がなければ、アニスたちは確実に追いつかれ、殺されるだろう。
アメリア王妃との約束と、師としての責任が彼女を突き動かす。
「おのれ、しぶとい人間め!」
イフリートが吼える。
「慌てるな、イフリート。着実にこちらの勝利は近づいている」
ガンニバルが冷静に、瞳は愉悦に歪ませながら仲間を制す。
「魔界の門が開き、我らを統べる魔王様が降臨されたのだ。我々は魔王様より力を賜り、この盟約がある限り多少の傷はすぐに癒える。対するこいつは、どれほど強力であろうとしょせんは有限の魔力しか持たぬ人間の魔女。我らと同じ魔法を使えるからといって、我らと同等だと思うなよ。人の身でありながら、分不相応な力を持つ、愚かで醜い存在よ。もはや魔力が尽きるのも時間の問題だ」
ガンニバルの言葉に、クレマンティーヌは眉をひそめた。
「……人の身? 我らと同じ魔法? それはどういう意味だい? 詳しく聞かせてもらおうか」
「ふん、死にゆく人間に教えてやる義理もないが……まあいいだろう」
ガンニバルは嘲るように語り始めた。
「貴様たち人間が使う『魔法』なる力の源流を辿れば、我ら魔族が遥か昔にこの地に撒いた『種』に行き着くのだ。長い年月をかけ、人間の中に魔力の素養を持つ者……すなわち『魔女』を増やし、力を増幅させ、最終的にこの地に我ら全てを呼び出すための強大な『触媒』にし、魔界の門を開くための『鍵』とするために、な! ふふふ、あははは! どうだね? 自分たちが、我ら魔族の計画のための道具に過ぎなかったと知った気分は! 今のその絶望に歪んだ顔! 実に良いねえ!」
「ガンニバル、余計なことを喋りすぎだよ」
ゴドリッチが呆れたように言うが、ガンニバルは意に介さない。
刹那、ガンニバルの背後に回り込んでいたクレマンティーヌが、無詠唱で放った光の槍がガンニバルの心臓を貫いた!
「ぐっ……⁉」
「……なるほどねえ。つまり、私たち魔女は魔族の血、もしくはその因子を受け継いでいる可能性がある、ということかね?」
クレマンティーヌは自らの傷口から滴る血を拭いもせずに、冷徹な瞳でガンニバルを睨みつけた。
再生しようとするガンニバルだったが、光の槍は神聖な力を帯びており、再生を阻害しているようだ。
他の3体の魔族が、一斉にクレマンティーヌに襲いかかる!
「遥か昔! あの忌々しい女神フェロニアが、私たちの大地とこの穢れた大地を分断しさえしなければ! それまでは自由に行き来して、人間どもを好きなだけ狩り、殺し、弄んで楽しんでいたというのに! あの女のせいで我らは長きに渡り、この愉悦を奪われてきたのだ!」
ガンニバルは苦悶の表情を浮かべながらも、歪んだ笑みを浮かべる。
イフリートが怒りに燃えながら炎を放つ。
「全くだ。人間はな、燃え盛る炎の中で、絶望し、仲間同士で醜く殺し合う姿こそが最も美しいのだ。俺が言う、勝ったほうは生き残れると信じ込み、必死に足掻く表情を見るのが、たまらなく好きでな」
「私はねえ、この棍棒で、骨も肉も関係なく、ぐっちゃぐちゃに叩き潰すのが好きなんだ。だって、その時に響き渡る音と断末魔の叫び声が、どんな楽器の音色よりも美しいんだもん」
ゴドリッチが棍棒を振り回しながら言う。
「グオオオオオ……オレハ……アバレラレレバ……ソレデイイ……」
ヒューリーが獣のような咆哮を上げる。
4体の魔族の、あまりにも身勝手で残虐極まりない言葉。
それはクレマンティーヌの中に眠っていた、抑えきれないほどの激しい怒りの炎を燃え上がらせた。
「……そうかい。わかったよ。貴様たちの歪んだ愉悦も、今日で終わりさね」
クレマンティーヌの全身から、これまでとは比較にならないほどの凄まじい魔力が奔出する。
命の全てを燃やすかのように。
「少しばかり『実験』させてもらおうか。貴様たちの『不死』とやらが、どこまで通用するのかをね!」
クレマンティーヌの瞳が、冷たく絶対的な自信を持って輝く。
彼女はもはや、弟子を逃がすための時間稼ぎをする師ではない。
この地に仇なす邪悪を、根源から断ち切るためだけの存在として力を奮っていく。
4体の上位魔族を相手に、クレマンティーヌの死闘が続く。
首を刎ね、胴体を薙ぎ、炎で燃やし、氷漬けにして粉砕する。
「クソ女がああああああああ」
「早く死んでよ! 死んでよおおおおおお」
「人間風情がああああああ」
「グオ……オオオア……オオ」
4体の上位魔族から、余裕が消えた。
その様子を遠く離れたリュンカーラの廃墟から、魔王アリスが千里眼を通して覗き見ている。
彼女の唇には予測を超えた展開に対する、愉悦の笑みが浮かんでいた。
「ふふ、面白い表情をするじゃないか。魔界でも名うての魔族が、私の弟子たちを取り逃がす。相当な屈辱だろうねえ」
クレマンティーヌは左手の指を軽く弾く。
パチン、という乾いた音と共に、後方にいた黒肌金髪の少女ガンニバルの喉元から、鮮血が噴き出した!
「ぐっ……⁉」
ガンニバルは驚愕の表情を浮かべるが、傷は瞬く間に再生する。
「……人間風情が、小賢しい真似を!」
ガンニバルが憎悪に満ちた声で呟く。
「じゃあ、次は私が相手するね。いっくよおおおおお!」
緑の巨人ゴドリッチが巨大な棍棒を振り上げ、地響きを立てながらクレマンティーヌへと迫る。
同時にガンニバルが無数の闇の刃を生成し、ヒューリーが鋭い爪を閃かせて左右から襲いかかる。
クレマンティーヌは迫り来る攻撃に対し、最小限の動きで対応。
ゴドリッチの棍棒を、足元に瞬間的に生成した氷の滑り台で受け流し、ガンニバルの闇の刃を光の粒子で編んだ盾で弾き、ヒューリーの爪撃を風の魔法で軌道を逸らす。
だが隙を突かれ、イフリートが放った超高熱の火球がクレマンティーヌの左肩を掠めた!
「ぐっ……!」
肉の焼ける臭いと激痛。それでもクレマンティーヌは顔色一つ変えず、即座に神聖魔法で傷口を癒し始める。
同時に、右手には氷の槍を、左手には雷の鞭を生成して反撃に転じた。
「なっ⁉ 回復魔法だと⁉」
イフリートが驚愕の声を上げる。
「こいつ、本当に人間⁉」
ゴドリッチも棍棒を振り回しながら叫ぶ。
クレマンティーヌの戦い方は、人の常軌を逸していた。
あらゆる属性の魔法を淀みなく使いこなし、時には相反する属性を同時に操り、更には神聖魔法による治癒まで行う。
それはもはや魔女という枠を超えた、あり得ない存在。
「休ませると思うなよ!」
イフリートが再び炎を連射し、ゴドリッチが大地を揺るがす踏みつけ攻撃を繰り出し、ガンニバルが闇の触手を伸ばし、ヒューリーが氷のブレスを吐き出す。
クレマンティーヌはそれら全てを捌きながら、的確に反撃する。
だが相手は4体。しかも魔王アリスとの盟約によるものか、または魔界の門が開いた影響か、彼らは傷を負っても瞬時に再生してしまう。
(不死身……というわけではないだろうが、再生能力が異常に高い。これではいくら叩いてもきりがないねえ……)
それでもクレマンティーヌは退くわけにはいかない。
ここで自分が時間を稼がなければ、アニスたちは確実に追いつかれ、殺されるだろう。
アメリア王妃との約束と、師としての責任が彼女を突き動かす。
「おのれ、しぶとい人間め!」
イフリートが吼える。
「慌てるな、イフリート。着実にこちらの勝利は近づいている」
ガンニバルが冷静に、瞳は愉悦に歪ませながら仲間を制す。
「魔界の門が開き、我らを統べる魔王様が降臨されたのだ。我々は魔王様より力を賜り、この盟約がある限り多少の傷はすぐに癒える。対するこいつは、どれほど強力であろうとしょせんは有限の魔力しか持たぬ人間の魔女。我らと同じ魔法を使えるからといって、我らと同等だと思うなよ。人の身でありながら、分不相応な力を持つ、愚かで醜い存在よ。もはや魔力が尽きるのも時間の問題だ」
ガンニバルの言葉に、クレマンティーヌは眉をひそめた。
「……人の身? 我らと同じ魔法? それはどういう意味だい? 詳しく聞かせてもらおうか」
「ふん、死にゆく人間に教えてやる義理もないが……まあいいだろう」
ガンニバルは嘲るように語り始めた。
「貴様たち人間が使う『魔法』なる力の源流を辿れば、我ら魔族が遥か昔にこの地に撒いた『種』に行き着くのだ。長い年月をかけ、人間の中に魔力の素養を持つ者……すなわち『魔女』を増やし、力を増幅させ、最終的にこの地に我ら全てを呼び出すための強大な『触媒』にし、魔界の門を開くための『鍵』とするために、な! ふふふ、あははは! どうだね? 自分たちが、我ら魔族の計画のための道具に過ぎなかったと知った気分は! 今のその絶望に歪んだ顔! 実に良いねえ!」
「ガンニバル、余計なことを喋りすぎだよ」
ゴドリッチが呆れたように言うが、ガンニバルは意に介さない。
刹那、ガンニバルの背後に回り込んでいたクレマンティーヌが、無詠唱で放った光の槍がガンニバルの心臓を貫いた!
「ぐっ……⁉」
「……なるほどねえ。つまり、私たち魔女は魔族の血、もしくはその因子を受け継いでいる可能性がある、ということかね?」
クレマンティーヌは自らの傷口から滴る血を拭いもせずに、冷徹な瞳でガンニバルを睨みつけた。
再生しようとするガンニバルだったが、光の槍は神聖な力を帯びており、再生を阻害しているようだ。
他の3体の魔族が、一斉にクレマンティーヌに襲いかかる!
「遥か昔! あの忌々しい女神フェロニアが、私たちの大地とこの穢れた大地を分断しさえしなければ! それまでは自由に行き来して、人間どもを好きなだけ狩り、殺し、弄んで楽しんでいたというのに! あの女のせいで我らは長きに渡り、この愉悦を奪われてきたのだ!」
ガンニバルは苦悶の表情を浮かべながらも、歪んだ笑みを浮かべる。
イフリートが怒りに燃えながら炎を放つ。
「全くだ。人間はな、燃え盛る炎の中で、絶望し、仲間同士で醜く殺し合う姿こそが最も美しいのだ。俺が言う、勝ったほうは生き残れると信じ込み、必死に足掻く表情を見るのが、たまらなく好きでな」
「私はねえ、この棍棒で、骨も肉も関係なく、ぐっちゃぐちゃに叩き潰すのが好きなんだ。だって、その時に響き渡る音と断末魔の叫び声が、どんな楽器の音色よりも美しいんだもん」
ゴドリッチが棍棒を振り回しながら言う。
「グオオオオオ……オレハ……アバレラレレバ……ソレデイイ……」
ヒューリーが獣のような咆哮を上げる。
4体の魔族の、あまりにも身勝手で残虐極まりない言葉。
それはクレマンティーヌの中に眠っていた、抑えきれないほどの激しい怒りの炎を燃え上がらせた。
「……そうかい。わかったよ。貴様たちの歪んだ愉悦も、今日で終わりさね」
クレマンティーヌの全身から、これまでとは比較にならないほどの凄まじい魔力が奔出する。
命の全てを燃やすかのように。
「少しばかり『実験』させてもらおうか。貴様たちの『不死』とやらが、どこまで通用するのかをね!」
クレマンティーヌの瞳が、冷たく絶対的な自信を持って輝く。
彼女はもはや、弟子を逃がすための時間稼ぎをする師ではない。
この地に仇なす邪悪を、根源から断ち切るためだけの存在として力を奮っていく。
4体の上位魔族を相手に、クレマンティーヌの死闘が続く。
首を刎ね、胴体を薙ぎ、炎で燃やし、氷漬けにして粉砕する。
「クソ女がああああああああ」
「早く死んでよ! 死んでよおおおおおお」
「人間風情がああああああ」
「グオ……オオオア……オオ」
4体の上位魔族から、余裕が消えた。
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