17 / 57
第十七話
しおりを挟む
次の日には、大量のドレスが届けられた。どれも素敵なデザインで、色は全てフレッドの髪と瞳の色の金と青。
アクセサリーも大量にきたわ。
どれも上質で母もびっくりしていた。欲しそうにしていたけどあげる訳ないでしょ!
姉はまだ帰って来ないし、明日にはフレッドが迎えに来てくれる。ドレスも宝石も嬉しいけれど、フレッドと一緒に居られる事の方が嬉しいわ。
今日はエリザベスが遊びに来てくれているの。だから、両親も文句は言ってこない。
2人で明日何を着るか決めるのよ。
「フレッド様は思ったより束縛するお方なのかしら……このドレスと宝石、全部フレッド様の色じゃない」
「嬉しいわ!」
「シャーリー……貴方もフレッド様にベタ惚れね」
「だってあんな素敵な方だなんて思わなかったわ! ありがとうエリザベス!」
「喜んで頂けて良かったわ。ドレスも心配してたけど素敵なものを着てきたわね。問題ありそうなら、フレッド様に会う前に着替えの用意はしていたのよ」
「ドレスは、ギリギリまで部屋で粘ったの。取られてなかったドレスをリメイクして着たわ。気遣ってくれてありがとう」
「気にしないで! シャーリーの為だもの。2人の結婚は正式に承認されて契約内容も登録されたから、明日には公表されるわよ」
「嬉しいわ!」
「シャーリー、さっきから嬉しいって言うの何回目?」
エリザベスは、若干呆れた顔をしているわね。いけない、浮かれすぎてしまったわ。結婚が決まって浮かれる姉が鬱陶しかったもの。わたくしも姉みたいになってはいけないわ。
「ごめんなさい。浮かれすぎていましたわ」
「良いのよ! こんなに嬉しそうなシャーリーを見たのは初めてだもの」
「だって本当に嬉しいんだもの! 家を出れるなら大抵の事は我慢しようと思ってたけど、あんな理想の殿方とあっさり結婚出来るなんて思わなかったわ」
「辺境は、環境が王都と違って慣れるまでは大変かもしれないけど大丈夫?」
「毎日フレッドに会えるなら岩穴に住んでも構わないわ!」
「情熱的ねぇ。シャーリーがフレッド様を気に入るとは思ってたけど、積極的でびっくりしたわ」
「だって、待ってても恋は来ないって先生も仰ってたもの」
「確かにそうね。フレッド様もシャーリーを気に入ってるみたいだし、明日が楽しみね」
「ええ、嬉しいわ。もともと華やかな暮らしに執着はないし、街でバイトしてた時の方が幸せだったもの。フレッドはかっこいいし、結婚の契約内容からしてもわたくしを大事にしてくれると思えるから、不安はないわ。明日が待ち遠しいの!」
「幸せそうね。ホントに良かったわ。辺境に行っても遊びに来てね。フレッド様なら許してくれるわ」
「ええ、ゆっくりお茶会しましょうね!」
今までは、姉や両親の目を盗んでエリザベスと会っていたが、私はもうこの家の者じゃない。明日フレッドと会えるのが待ち遠しいわ。
アクセサリーも大量にきたわ。
どれも上質で母もびっくりしていた。欲しそうにしていたけどあげる訳ないでしょ!
姉はまだ帰って来ないし、明日にはフレッドが迎えに来てくれる。ドレスも宝石も嬉しいけれど、フレッドと一緒に居られる事の方が嬉しいわ。
今日はエリザベスが遊びに来てくれているの。だから、両親も文句は言ってこない。
2人で明日何を着るか決めるのよ。
「フレッド様は思ったより束縛するお方なのかしら……このドレスと宝石、全部フレッド様の色じゃない」
「嬉しいわ!」
「シャーリー……貴方もフレッド様にベタ惚れね」
「だってあんな素敵な方だなんて思わなかったわ! ありがとうエリザベス!」
「喜んで頂けて良かったわ。ドレスも心配してたけど素敵なものを着てきたわね。問題ありそうなら、フレッド様に会う前に着替えの用意はしていたのよ」
「ドレスは、ギリギリまで部屋で粘ったの。取られてなかったドレスをリメイクして着たわ。気遣ってくれてありがとう」
「気にしないで! シャーリーの為だもの。2人の結婚は正式に承認されて契約内容も登録されたから、明日には公表されるわよ」
「嬉しいわ!」
「シャーリー、さっきから嬉しいって言うの何回目?」
エリザベスは、若干呆れた顔をしているわね。いけない、浮かれすぎてしまったわ。結婚が決まって浮かれる姉が鬱陶しかったもの。わたくしも姉みたいになってはいけないわ。
「ごめんなさい。浮かれすぎていましたわ」
「良いのよ! こんなに嬉しそうなシャーリーを見たのは初めてだもの」
「だって本当に嬉しいんだもの! 家を出れるなら大抵の事は我慢しようと思ってたけど、あんな理想の殿方とあっさり結婚出来るなんて思わなかったわ」
「辺境は、環境が王都と違って慣れるまでは大変かもしれないけど大丈夫?」
「毎日フレッドに会えるなら岩穴に住んでも構わないわ!」
「情熱的ねぇ。シャーリーがフレッド様を気に入るとは思ってたけど、積極的でびっくりしたわ」
「だって、待ってても恋は来ないって先生も仰ってたもの」
「確かにそうね。フレッド様もシャーリーを気に入ってるみたいだし、明日が楽しみね」
「ええ、嬉しいわ。もともと華やかな暮らしに執着はないし、街でバイトしてた時の方が幸せだったもの。フレッドはかっこいいし、結婚の契約内容からしてもわたくしを大事にしてくれると思えるから、不安はないわ。明日が待ち遠しいの!」
「幸せそうね。ホントに良かったわ。辺境に行っても遊びに来てね。フレッド様なら許してくれるわ」
「ええ、ゆっくりお茶会しましょうね!」
今までは、姉や両親の目を盗んでエリザベスと会っていたが、私はもうこの家の者じゃない。明日フレッドと会えるのが待ち遠しいわ。
99
あなたにおすすめの小説
婚約破棄された翌日、兄が王太子を廃嫡させました
由香
ファンタジー
婚約破棄の場で「悪役令嬢」と断罪された伯爵令嬢エミリア。
彼女は何も言わずにその場を去った。
――それが、王太子の終わりだった。
翌日、王国を揺るがす不正が次々と暴かれる。
裏で糸を引いていたのは、エミリアの兄。
王国最強の権力者であり、妹至上主義の男だった。
「妹を泣かせた代償は、すべて払ってもらう」
ざまぁは、静かに、そして確実に進んでいく。
真実の愛がどうなろうと関係ありません。
希猫 ゆうみ
恋愛
伯爵令息サディアスはメイドのリディと恋に落ちた。
婚約者であった伯爵令嬢フェルネは無残にも婚約を解消されてしまう。
「僕はリディと真実の愛を貫く。誰にも邪魔はさせない!」
サディアスの両親エヴァンズ伯爵夫妻は激怒し、息子を勘当、追放する。
それもそのはずで、フェルネは王家の血を引く名門貴族パートランド伯爵家の一人娘だった。
サディアスからの一方的な婚約解消は決して許されない裏切りだったのだ。
一ヶ月後、愛を信じないフェルネに新たな求婚者が現れる。
若きバラクロフ侯爵レジナルド。
「あら、あなたも真実の愛を実らせようって仰いますの?」
フェルネの曾祖母シャーリンとレジナルドの祖父アルフォンス卿には悲恋の歴史がある。
「子孫の我々が結婚しようと関係ない。聡明な妻が欲しいだけだ」
互いに塩対応だったはずが、気づくとクーデレ夫婦になっていたフェルネとレジナルド。
その頃、真実の愛を貫いたはずのサディアスは……
(予定より長くなってしまった為、完結に伴い短編→長編に変更しました)
新しい人生を貴方と
緑谷めい
恋愛
私は公爵家令嬢ジェンマ・アマート。17歳。
突然、マリウス王太子殿下との婚約が白紙になった。あちらから婚約解消の申し入れをされたのだ。理由は王太子殿下にリリアという想い人ができたこと。
2ヵ月後、父は私に縁談を持って来た。お相手は有能なイケメン財務大臣コルトー侯爵。ただし、私より13歳年上で婚姻歴があり8歳の息子もいるという。
* 主人公は寛容です。王太子殿下に仕返しを考えたりはしません。
姉の婚約者であるはずの第一王子に「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」と言われました。
ふまさ
恋愛
「お前はとても優秀だそうだから、婚約者にしてやってもいい」
ある日の休日。家族に疎まれ、蔑まれながら育ったマイラに、第一王子であり、姉の婚約者であるはずのヘイデンがそう告げた。その隣で、姉のパメラが偉そうにふんぞりかえる。
「ぞんぶんに感謝してよ、マイラ。あたしがヘイデン殿下に口添えしたんだから!」
一方的に条件を押し付けられ、望まぬまま、第一王子の婚約者となったマイラは、それでもつかの間の安らぎを手に入れ、歓喜する。
だって。
──これ以上の幸せがあるなんて、知らなかったから。
[完結中編]蔑ろにされた王妃様〜25歳の王妃は王と決別し、幸せになる〜
コマメコノカ@女性向け・児童文学・絵本
恋愛
王妃として国のトップに君臨している元侯爵令嬢であるユーミア王妃(25)は夫で王であるバルコニー王(25)が、愛人のミセス(21)に入り浸り、王としての仕事を放置し遊んでいることに辟易していた。
そして、ある日ユーミアは、彼と決別することを決意する。
「帰ったら、結婚しよう」と言った幼馴染みの勇者は、私ではなく王女と結婚するようです
しーしび
恋愛
「結婚しよう」
アリーチェにそう約束したアリーチェの幼馴染みで勇者のルッツ。
しかし、彼は旅の途中、激しい戦闘の中でアリーチェの記憶を失ってしまう。
それでも、アリーチェはルッツに会いたくて魔王討伐を果たした彼の帰還を祝う席に忍び込むも、そこでは彼と王女の婚約が発表されていた・・・
【完結】さようなら、婚約者様。私を騙していたあなたの顔など二度と見たくありません
ゆうき
恋愛
婚約者とその家族に虐げられる日々を送っていたアイリーンは、赤ん坊の頃に森に捨てられていたところを、貧乏なのに拾って育ててくれた家族のために、つらい毎日を耐える日々を送っていた。
そんなアイリーンには、密かな夢があった。それは、世界的に有名な魔法学園に入学して勉強をし、宮廷魔術師になり、両親を楽させてあげたいというものだった。
婚約を結ぶ際に、両親を支援する約束をしていたアイリーンだったが、夢自体は諦めきれずに過ごしていたある日、別の女性と恋に落ちていた婚約者は、アイリーンなど体のいい使用人程度にしか思っておらず、支援も行っていないことを知る。
どういうことか問い詰めると、お前とは婚約破棄をすると言われてしまったアイリーンは、ついに我慢の限界に達し、婚約者に別れを告げてから婚約者の家を飛び出した。
実家に帰ってきたアイリーンは、唯一の知人で特別な男性であるエルヴィンから、とあることを提案される。
それは、特待生として魔法学園の編入試験を受けてみないかというものだった。
これは一人の少女が、夢を掴むために奮闘し、時には婚約者達の妨害に立ち向かいながら、幸せを手に入れる物語。
☆すでに最終話まで執筆、予約投稿済みの作品となっております☆
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる