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第十九話
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「ケイリー……シャーリーが……」
「ああ、シャーリー綺麗にしているね。もうお迎えが来たからね」
ケイリー様? 姉を送りに来たのかしら。お迎えってフレッドが来たの?
……いや、違う。そもそも旅行に出てた2人はわたくしの婚姻は知らない筈。普通の家なら旅行中の姉にもすぐ知らせるんだろうけど、うちに限ってはそんな事する訳ないわ。
ケイリー様のお顔も、なんだか悪どく見える。
「ケイリー様? お迎えとはどういうことですの?」
見知らぬおじさんがズカズカと寄ってきた。
「おお! 何と美しい! この間夜会でお会いして、なんとしても結婚したくてね! さ、これが結納金だ! さあ、参ろうか」
「どなたですか? わたくし既に結婚しておりますわ」
「シャーリー、何を言ってるの?! この子は独身ですわ!」
「昨日婚姻したの! お父様もお母様もご存知よ! 今からお迎えが来るのよ! 放っておいてちょうだい! お姉様なんて、大嫌いよ!!!」
「なっ……話が違うではないか!?」
ケイリー様が、笑顔で姉とわたくしに話しかける。ケイリー様の笑顔が、不気味過ぎるわ。
「アイリーン、シャーリーの婚姻はもう決定事項なのかい?」
「し、知らないわ……」
姉が怯えた様子で答えるけど、興奮したわたくしは大声で否定する。
「決定事項よ! だいたい、いきなり本人にも親にも話を通さず結納金だけ持って来るなんてロクな男じゃないわ! ケイリー様の仕込みですの?! さすが愛人が5人もいらっしゃる方は突飛な事を考えます事!」
「何を言っているんだい? 愛人は確かにいるが事情があるんだよ。5人なんて、そんな事ある訳ないじゃないか。アイリーンはもちろん僕を信じてくれるよね? ねぇ、アイリーン、シャーリーは結婚しているの?」
「わたくしは、ケイリーを信じるわ。シャーリーは、わたくしに嫉妬して結婚したなんて言ってるに過ぎないわ」
「そうか、シャーリーは仕方ない子だね。問題ありませんよ。お連れして下さい。アイリーン、少し向こうで話があるんだ。行こうか」
「え、ええ……。シャーリー、幸せにね」
「お姉様! 待って!」
嘘でしょ?! こんな知らないおじさんと2人にしないで! 使用人も誰もいないし、とにかく逃げないと!
だけど、姉はそのままケイリー様と行ってしまった。
「ふふっ……さあ、参りましょうか」
参ってたまるか! とにかく逃げるわ。もうすぐフレッドが来るはずだもの!
必死で逃げようとしたら、大きな影が見えた。フレッド?!
「おお! もうそいつは私のものだ。薬でも嗅がせて連れて行け」
違った。まずい……なに……こ……れ……。
「ああ、シャーリー綺麗にしているね。もうお迎えが来たからね」
ケイリー様? 姉を送りに来たのかしら。お迎えってフレッドが来たの?
……いや、違う。そもそも旅行に出てた2人はわたくしの婚姻は知らない筈。普通の家なら旅行中の姉にもすぐ知らせるんだろうけど、うちに限ってはそんな事する訳ないわ。
ケイリー様のお顔も、なんだか悪どく見える。
「ケイリー様? お迎えとはどういうことですの?」
見知らぬおじさんがズカズカと寄ってきた。
「おお! 何と美しい! この間夜会でお会いして、なんとしても結婚したくてね! さ、これが結納金だ! さあ、参ろうか」
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ケイリー様が、笑顔で姉とわたくしに話しかける。ケイリー様の笑顔が、不気味過ぎるわ。
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「し、知らないわ……」
姉が怯えた様子で答えるけど、興奮したわたくしは大声で否定する。
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「何を言っているんだい? 愛人は確かにいるが事情があるんだよ。5人なんて、そんな事ある訳ないじゃないか。アイリーンはもちろん僕を信じてくれるよね? ねぇ、アイリーン、シャーリーは結婚しているの?」
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「そうか、シャーリーは仕方ない子だね。問題ありませんよ。お連れして下さい。アイリーン、少し向こうで話があるんだ。行こうか」
「え、ええ……。シャーリー、幸せにね」
「お姉様! 待って!」
嘘でしょ?! こんな知らないおじさんと2人にしないで! 使用人も誰もいないし、とにかく逃げないと!
だけど、姉はそのままケイリー様と行ってしまった。
「ふふっ……さあ、参りましょうか」
参ってたまるか! とにかく逃げるわ。もうすぐフレッドが来るはずだもの!
必死で逃げようとしたら、大きな影が見えた。フレッド?!
「おお! もうそいつは私のものだ。薬でも嗅がせて連れて行け」
違った。まずい……なに……こ……れ……。
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