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第二話
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キャサリンとの結婚式は僕が十八になった時すぐに取り行った。キャサリンのウェディングドレスにはかなりお金がかかったが、それだけにかなり良い出来となった。身長が高く、スタイルの良いから本当によく似合っていた。父上と母上も喜んでいたし、これでよかった。アンナならこんなうまくいかなかっただろうな。
結婚式の次の日の舞踏会では様々な人に挨拶をして、キャサリンも笑顔を作り続け、かなり疲弊していた。僕も笑顔が引きつって筋肉が強張ってきたとき、白髪の青年が声をかけてきた。翡翠のピアスを付け、キャサリンと同じ青色の瞳をした青年だった。服は刺繍が入った上等な物で、どこからどう見ても僕より偉い人間だ。
「エリック・フィリップ・アシュフォード侯爵、キャサリン・ローズ・アシュフォード夫人。ご結婚おめでとうございます。今宵は舞踏会へのご招待感謝いたします。私、ジェームズ・エドワード・ウィンチェスターと申します」
「よくいらっしゃってくださいました。歓迎いたします」
握手をしながら、ウィンチェスターという苗字に聞き覚えがあり、疲労が重なった脳で記憶の戸棚を探しまくった。ジェームズと言うこの人と会うのは初めてだが、どこかで聞いたことがある苗字だ。
「あ、騎士団の団長していらっしゃるんですよね?私知っているわ。この人元皇子よ。エリック」
食い気味にキャサリンが言った。思わず僕は顔を上げてもう一度ジェームズの顔を見た。そうだ。ウィンチェスターは隣国の公爵の名前。隣国の最強の第一騎士団をまとめる騎士団長。
「はい。一応」
「様々な勇敢なお話お聞きしましたわ。魔族の四天王の一人を倒しているですよね」
「仲間の力があったからです」
今まで全く口を開かなかったキャサリンがこんなに話すとは。それもとても嬉しそうに。なぜ僕以外にそんな恍惚とした表情をするんだ。
「それではお二人のこれからの未来に幸せがありますように」
最後にジェームズはキャサリンの手の甲にキスをして、一礼して立ち去った。人込みに消えていくその瞬間、アンナの姿が見えた気がした。茶色の髪をハーフアップにして、緑のドレスを着たアンナが。
なぜ、あいつが。冷やかしか?
舞踏会でアンナを見てから、ずいぶんとアンナには嫌気がさしていた。のろまで、ぼうっとして人の話を聞いているのかもわからない。食事をするときは、僕が話しかけなければずっと黙ったまま。人を楽しませようという心意気が全く感じられない。
その上アンナの父親の爵位は男爵。金を持っているわけでもない。宮廷魔法使いだから、多少の権力はあれど、他には何もない。目立った功績も聞かない。母親の方も同じ。
顔立ちは中の下。茶色の髪に茶色の瞳。小柄な癖して、精神だけは図太い。良いところが何一つ思い浮かばない。
「誰の事考えているの?」
青色の澄んだ瞳でキャサリンは僕の事を見つめた。キャサリンの肌はシルクの様に真っ白でやわらかで、丁寧に手入れされた金色の髪は彼女をより一層、美しくさせる。
「アンナとやっと分かれることができて、心底嬉しくて」
「あの子ちょっと子供っぽいわよね。何も一人で考えられない子供。あんな子と婚約させられていたエリックが可哀そう。これからはずっと私が隣にいてあげるわ」
そうだ。これから僕の薔薇色の人生が本当に始まるんだ。美しく、物事が分かっている良妻と、侯爵と騎士団長としての地位。子供は一人目が男で、次が女。
逆にここから落ちていくことの方が考えられない。どうやったって成功するしかない。
「あの子どうしてるかしらね。あんなんで結婚相手が見つかるのかしら」
「できるわけないだろう。親のコネもない。適当な爵位の低い、領土を持たない男と結婚するんじゃないか」
「きっとあなたと婚約したことであの子、人生の運をすべて使い果たしちゃったのね」
唇を閉じたままで、くすくすとキャサリンは笑った。
「ねえ、お姫様抱っこして」
「ああ」
ベッドに座っているキャサリンの事を抱き上げようと肩を寄せ、太ももを持ち上げようとした。あれ、なんでだ。全然持ち上がらない。いつもなら力をそんなに入れずとも軽々と持ち上げられるというのに。キャサリンはこんなに重かったか?まるで腕に力が入らない。
「ねえ、どうしたの?」
「今日は、具合が悪いみたいだ」
「疲れたんじゃない?毎日訓練訓練だったから」
僕も一時の出来事だと思った。それなのに、これからどんどんと筋力が悪化していく。
結婚式の次の日の舞踏会では様々な人に挨拶をして、キャサリンも笑顔を作り続け、かなり疲弊していた。僕も笑顔が引きつって筋肉が強張ってきたとき、白髪の青年が声をかけてきた。翡翠のピアスを付け、キャサリンと同じ青色の瞳をした青年だった。服は刺繍が入った上等な物で、どこからどう見ても僕より偉い人間だ。
「エリック・フィリップ・アシュフォード侯爵、キャサリン・ローズ・アシュフォード夫人。ご結婚おめでとうございます。今宵は舞踏会へのご招待感謝いたします。私、ジェームズ・エドワード・ウィンチェスターと申します」
「よくいらっしゃってくださいました。歓迎いたします」
握手をしながら、ウィンチェスターという苗字に聞き覚えがあり、疲労が重なった脳で記憶の戸棚を探しまくった。ジェームズと言うこの人と会うのは初めてだが、どこかで聞いたことがある苗字だ。
「あ、騎士団の団長していらっしゃるんですよね?私知っているわ。この人元皇子よ。エリック」
食い気味にキャサリンが言った。思わず僕は顔を上げてもう一度ジェームズの顔を見た。そうだ。ウィンチェスターは隣国の公爵の名前。隣国の最強の第一騎士団をまとめる騎士団長。
「はい。一応」
「様々な勇敢なお話お聞きしましたわ。魔族の四天王の一人を倒しているですよね」
「仲間の力があったからです」
今まで全く口を開かなかったキャサリンがこんなに話すとは。それもとても嬉しそうに。なぜ僕以外にそんな恍惚とした表情をするんだ。
「それではお二人のこれからの未来に幸せがありますように」
最後にジェームズはキャサリンの手の甲にキスをして、一礼して立ち去った。人込みに消えていくその瞬間、アンナの姿が見えた気がした。茶色の髪をハーフアップにして、緑のドレスを着たアンナが。
なぜ、あいつが。冷やかしか?
舞踏会でアンナを見てから、ずいぶんとアンナには嫌気がさしていた。のろまで、ぼうっとして人の話を聞いているのかもわからない。食事をするときは、僕が話しかけなければずっと黙ったまま。人を楽しませようという心意気が全く感じられない。
その上アンナの父親の爵位は男爵。金を持っているわけでもない。宮廷魔法使いだから、多少の権力はあれど、他には何もない。目立った功績も聞かない。母親の方も同じ。
顔立ちは中の下。茶色の髪に茶色の瞳。小柄な癖して、精神だけは図太い。良いところが何一つ思い浮かばない。
「誰の事考えているの?」
青色の澄んだ瞳でキャサリンは僕の事を見つめた。キャサリンの肌はシルクの様に真っ白でやわらかで、丁寧に手入れされた金色の髪は彼女をより一層、美しくさせる。
「アンナとやっと分かれることができて、心底嬉しくて」
「あの子ちょっと子供っぽいわよね。何も一人で考えられない子供。あんな子と婚約させられていたエリックが可哀そう。これからはずっと私が隣にいてあげるわ」
そうだ。これから僕の薔薇色の人生が本当に始まるんだ。美しく、物事が分かっている良妻と、侯爵と騎士団長としての地位。子供は一人目が男で、次が女。
逆にここから落ちていくことの方が考えられない。どうやったって成功するしかない。
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「ああ」
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「ねえ、どうしたの?」
「今日は、具合が悪いみたいだ」
「疲れたんじゃない?毎日訓練訓練だったから」
僕も一時の出来事だと思った。それなのに、これからどんどんと筋力が悪化していく。
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