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番外編 前公爵夫妻 2
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ある日先ぶれもなしに、公爵邸に前公爵夫妻がやって来た。
「王都に出てくる許可をした覚えはありませんが?」
公爵が久しぶりに屋敷に現れた両親に辛辣な言葉を投げつける。
「何を言う! それが遠路はるばるやって来た親に言う言葉か!」
入り口でもめる公爵と祖父母をみたフェリクスは笑顔で祖父母に近寄った。
「おじい様、おばあ様! お会いしたかったです!」
嬉しそうに祖母に抱き着く。
「まあまあ! 私も会いたかったわ! 大きくなって・・・本当にあなた達に会えないなんて我が息子ながらなんて冷たい」
ナリスも柔らかい笑顔を浮かべるとさあどうぞと祖父母を応接室へと案内する。
「ほら、見ろ。貴様と違って孫たちは本当に優しい子に育ったわ」
前公爵夫妻は久々に戻った王都の屋敷で、我が物顔でふんぞり返る。
そしてナリスとフェリクスには優しい声で話しかけ、ナリスの王女との婚約を聞き、祝いたい一心でやってきたのだという。親切な貴族がわざわざ手紙を寄こしてくれたらしい。
「おじい様・・・ありがとうございます! 嬉しいです、このまましばらくいて下さるのでしょう?」
ナリスがそう言ったが、
「二人を泊める部屋などない」
公爵がすかさず止めた。
「父上! おじいさまたちは私の祝いに来てくださったのですよ⁉」
「そもそもお前の婚約を知らせてはいない。どこで聞きつけたのか図々しいことだ」
「父上はひどすぎます! おじいさまたちは私たちの親代わりなのです! 私は父上よりもおじいさまたちに祝って欲しい位です!」
ナリスのひどい言葉に公爵は顔をこわばらせる。
その言葉に気を良くした前公爵夫妻は、
「ナリス、王女殿下に会わせてもらえるか? これからは親族になるのだから」
「もちろんです」
即答するナリスに公爵は
「しばらく下がっていなさい。私は二人と話がある」
「お二人を追い返すなどしないでくださいよ。ヴァランティーヌ王女に会っていただくのですから」
ナリスはきつい目で父親を見てからフェリクスを連れて部屋を出て行った。
ナリスが自室に向かおうとしたとき、使用人から何か耳打ちされた。
それを聞いた二人は驚いて隣の部屋に急いだ。
「お前も分かっただろう、私たちの言うことが正しかったと」
「どういうことですか?」
「ナリスが王族と結婚するほどの人間に育ったのは私たちのおかげだ。あの女に任せていればこうはならなかっただろう」
前公爵はふんぞり返る。
「よく言いますね、あの子たちから母親を奪ったくせに。あなた達のせいであの子たちは母親の愛情を知らない」
「あんな女の愛情など不要だ。ナリスを見ろ、私たちのおかげであんな優しい立派な子に育ったではないか」
「あの子たちが素直に育ったのは家庭教師やうちの使用人たちのおかげだ。断じてあなたたちのおかげではない!」
「あの子たちは私たちを慕っている、見ただろう? 親代わりなのだからな」
「あなた達は幼いあの子たちを洗脳しただけだ。あなた達の嘘のせいで母親に捨てられたと思い、どれだけ傷ついたと思っている。あの子たちに関わることは私が許さない」
「お前は子供たちから全く信用されていないというのに?」
そう言って笑う前公爵を公爵は睨みつける。
「して、あの女はどうした? まだいじましく生きているのか?」
「彼女はお前たちのせいで愛する子供たちに会えないまま死んでいった! お前たちが殺したんだ! 最後に一瞬正気を取り戻した彼女は・・・自分の死を伝えないでと言い残した。あの子たちの心をこれ以上傷つけないでと!」
「大体お前があんな高位貴族とはいえ、妾腹の女と結婚などするからだ。あんな女は公爵家にふさわしくなかった。いなくてもナリスはこれほど立派に育ったのだ。これから王女が降嫁するのだろう?病弱だとか深窓の姫だとか言われ世間を知らないそうじゃないか。我々がしっかり躾けてやらねばならん」
「そうしてまた追い詰めて、殺す気か! もう二度とお前たちに子供たちから大事なものを奪わせない。あの子たちは私が守る。二度と王都の地は踏ませない」
「はは、あの子たちは私たちを親だと慕っている。お前よりもな。王女を妻に迎えたナリスに家督を継がせればお前などこの屋敷から追い出してやる。自分の親の言うこと聞かぬお前などどうでもよいわ。お前も自分の子に幽閉されるがいい」
そう言って前公爵が高笑いした時、ドアが勢いよく開いた。
「王都に出てくる許可をした覚えはありませんが?」
公爵が久しぶりに屋敷に現れた両親に辛辣な言葉を投げつける。
「何を言う! それが遠路はるばるやって来た親に言う言葉か!」
入り口でもめる公爵と祖父母をみたフェリクスは笑顔で祖父母に近寄った。
「おじい様、おばあ様! お会いしたかったです!」
嬉しそうに祖母に抱き着く。
「まあまあ! 私も会いたかったわ! 大きくなって・・・本当にあなた達に会えないなんて我が息子ながらなんて冷たい」
ナリスも柔らかい笑顔を浮かべるとさあどうぞと祖父母を応接室へと案内する。
「ほら、見ろ。貴様と違って孫たちは本当に優しい子に育ったわ」
前公爵夫妻は久々に戻った王都の屋敷で、我が物顔でふんぞり返る。
そしてナリスとフェリクスには優しい声で話しかけ、ナリスの王女との婚約を聞き、祝いたい一心でやってきたのだという。親切な貴族がわざわざ手紙を寄こしてくれたらしい。
「おじい様・・・ありがとうございます! 嬉しいです、このまましばらくいて下さるのでしょう?」
ナリスがそう言ったが、
「二人を泊める部屋などない」
公爵がすかさず止めた。
「父上! おじいさまたちは私の祝いに来てくださったのですよ⁉」
「そもそもお前の婚約を知らせてはいない。どこで聞きつけたのか図々しいことだ」
「父上はひどすぎます! おじいさまたちは私たちの親代わりなのです! 私は父上よりもおじいさまたちに祝って欲しい位です!」
ナリスのひどい言葉に公爵は顔をこわばらせる。
その言葉に気を良くした前公爵夫妻は、
「ナリス、王女殿下に会わせてもらえるか? これからは親族になるのだから」
「もちろんです」
即答するナリスに公爵は
「しばらく下がっていなさい。私は二人と話がある」
「お二人を追い返すなどしないでくださいよ。ヴァランティーヌ王女に会っていただくのですから」
ナリスはきつい目で父親を見てからフェリクスを連れて部屋を出て行った。
ナリスが自室に向かおうとしたとき、使用人から何か耳打ちされた。
それを聞いた二人は驚いて隣の部屋に急いだ。
「お前も分かっただろう、私たちの言うことが正しかったと」
「どういうことですか?」
「ナリスが王族と結婚するほどの人間に育ったのは私たちのおかげだ。あの女に任せていればこうはならなかっただろう」
前公爵はふんぞり返る。
「よく言いますね、あの子たちから母親を奪ったくせに。あなた達のせいであの子たちは母親の愛情を知らない」
「あんな女の愛情など不要だ。ナリスを見ろ、私たちのおかげであんな優しい立派な子に育ったではないか」
「あの子たちが素直に育ったのは家庭教師やうちの使用人たちのおかげだ。断じてあなたたちのおかげではない!」
「あの子たちは私たちを慕っている、見ただろう? 親代わりなのだからな」
「あなた達は幼いあの子たちを洗脳しただけだ。あなた達の嘘のせいで母親に捨てられたと思い、どれだけ傷ついたと思っている。あの子たちに関わることは私が許さない」
「お前は子供たちから全く信用されていないというのに?」
そう言って笑う前公爵を公爵は睨みつける。
「して、あの女はどうした? まだいじましく生きているのか?」
「彼女はお前たちのせいで愛する子供たちに会えないまま死んでいった! お前たちが殺したんだ! 最後に一瞬正気を取り戻した彼女は・・・自分の死を伝えないでと言い残した。あの子たちの心をこれ以上傷つけないでと!」
「大体お前があんな高位貴族とはいえ、妾腹の女と結婚などするからだ。あんな女は公爵家にふさわしくなかった。いなくてもナリスはこれほど立派に育ったのだ。これから王女が降嫁するのだろう?病弱だとか深窓の姫だとか言われ世間を知らないそうじゃないか。我々がしっかり躾けてやらねばならん」
「そうしてまた追い詰めて、殺す気か! もう二度とお前たちに子供たちから大事なものを奪わせない。あの子たちは私が守る。二度と王都の地は踏ませない」
「はは、あの子たちは私たちを親だと慕っている。お前よりもな。王女を妻に迎えたナリスに家督を継がせればお前などこの屋敷から追い出してやる。自分の親の言うこと聞かぬお前などどうでもよいわ。お前も自分の子に幽閉されるがいい」
そう言って前公爵が高笑いした時、ドアが勢いよく開いた。
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