うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

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第四章 孫を追いかけタターニャの町で御座います。

4-6 倒れたワイバーンさんで御座います。

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「探偵さんよぅ。引き返した方が、ええんじゃなかろうか?」

 レッドワイバーンさんとやらの話を聞いて、じぃじが怖気付おじけづいたらようで御座います。ですが、後戻りする訳にはいきません。雷人から遠去かるなんて、とんでもない話で御座います。

「いいえ! 戻りません! 今日中にタターニャの町に行くのです!」

 探偵さんは、じぃじに強くは言えないでしょうと、私が代わって申し上げました。

「……そうですね。戻ったところで、いずれはこの道を通らねばなりません。それに迂回すれば危険がないとは言い切れませんし」

 そうで御座います。旅に危険は付きものです。そんな危険も顧みないで、孫を探す事は出来ません。

「……あっ! 何かいるにゃー! 何か倒れているにゃー!」

 レオンさんと並んで、先頭を歩いていたパンさんが、何かを見つけたようです。きっとさっきの男性が言っていた、レッドワイバーンなのでしょう。……その時です。隣りでヨチヨチと歩いていたおチビちゃんが、翼を広げたじゃありませんか。

 あら? パタパタと翼を動かしていますが、まだ上手くは飛べないのですね。でもそんな姿も可愛いらしいんです。あっ! ようやく、おチビちゃんの体が宙に上がりました。そして道の先へと飛んでいったではありませんか。……かなりの低空飛行ですが。

「あ、おチビちゃん、お待ちくださいませ」

 そう言って、おチビちゃんの後を追おうとしましたら、探偵さんに止められてしまいました。

「あの赤ちゃんドラゴンは、本当にレッドワイバーンの子供かもしれません。親を察知したのかも……。様子を見ながら、ゆっくり行きましょう」

 おチビちゃんが翼を下ろした所に、何かが倒れているではありませんか。……探偵さんの言葉を守って、ゆっくり近づいていきます。

「これは……」

 大変で御座います。おチビちゃんより、随分と大きいですが、ワイバーンさんが道端に倒れているじゃありませんか。……おチビちゃんと同じ、茶色と緑色のお体です。えっ?! あら?!

「レッドワイバーンではないですね。血で体が赤く染まっています。きっとさっきの男性は、この血を見て、レッドワイバーンだと言ったのでしょう」

 道端のワイバーンさんを、見つめるおチビちゃんの顔が、何故か心配をしている顔に見えます。……もしかして、本当にママさんなのでしょうか?

「まあ、大変。翼の付け根に矢が刺さっているじゃありませんか!」

 ワイバーンさんに近付き、ようくお体を見させていただきました。幸いな事に矢は1本で、そう深くは刺さっていないようで御座います。

「この程度なら私でも処置が出来ますわ」

 上級救命講習の認定を受けておいて、正解で御座います。こんな所で役に立てそうです。……ガーゼ、消毒液、包帯なんかはアイテムボックスに御座います。

「探偵さん、お湯を沸かして、タオルも用意出来ますか? 血で汚れたお体を拭かないとなりませんので」

「あ、はい。分かりました。お湯にタオルですね」

 探偵さんにお願いして、ワイバーンさんの処置を行って参ります。

「ばぁばや、大丈夫なのか?」

 じぃじが心配そうに声を掛けてきてくださいましたが、こんな時は私の大好きなドラマの決め台詞で御座います。

「ええ。私、失敗しないので!」

 一度言ってみたかった台詞を、こんな所で言えるなんて、思ってもみませんでした。……そーっと、矢を抜いてみましたが、まだ血は流れ出てまいります。こう言う時は、ガーゼで強く圧迫してと。

「レオンさん、すみませんが、血を止めるために、このガーゼを強く押さえていてください」

 殿方の力の方が強いので、ここはレオンさんのお力もお借りします。

「じぃじとパンさんは、お湯でタオルを絞ってください」

 ワイバーンさんの血で汚れたお体を拭いていきます。大きなお体ですが、皆さんのお力をお借りすれば、あっと言う間です。キレイに血は拭き取れました。これでもうレッドワイバーンなんて、言わせません。

 レオンさんのお力で、もう出血も治ったようです。後は消毒をして、軟膏なんこうを塗って、包帯で巻いて……。

「もうこれで安心です。翼の付け根だったので、しばらくは飛べないかもしれませんが……」

 あら? ワイバーンさんの処置に気を取られて、おチビちゃんを忘れていましたが、いつの間にか、ワイバーンさんのお腹の前で、寝ているじゃありませんか。やっぱり、おチビちゃんのママさんだったので御座いますね。安心致しました。
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