うちの孫知りませんか?! 召喚された孫を追いかけ異世界転移。ばぁばとじぃじと探偵さんのスローライフ。

かの

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第四章 孫を追いかけタターニャの町で御座います。

4-7 おチビちゃんとのお別れで御座います。

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「探偵さんよぅ。やっぱりこいつがレッドワイバーンなのか? 凶暴な奴なら悪い奴なんじゃろ? ここでわしが成敗して、わしも冒険者になりたいんじゃが」

 せっかく私が手当てをしたのに、じぃじがとんでもない事を言い出しました。こんな瀕死のドラゴンさんを成敗して、何が冒険者でしょうか。

「じぃじは恥ずかしくないので御座いますか? こんなにも傷付いたドラゴンさんを成敗だなんて。……じぃじはまずゴブリンさん退治です。ゴブリンさんが突然現れても、お腹が痛くならないよう、普段からお気を付けください!」

 探偵さんの出る幕は御座いません。私がピシッと申し上げましたので、じぃじはそれ以上、何も言えないようで御座います。

「……親が見つかったようですね。お互いに安心しきっていると言う事は、やっぱり親子だったんでしょう」

 探偵さんの目も、何故か安心の色を見せていらっしゃいます。そりゃそうで御座いますね。タターニャまでの道のりを、大変心配していらっしゃったのですから。

「そうですね。私もおチビちゃんの、ママさんが見つかって安心で御座います」

 お腹におチビちゃんを抱いて、ママさんの表情も、ホッとしているように見えます。……あっ、そうそう。ママさんにも、お団子を食べていただきましょう。龍神様には米粉のお団子と、お酒をお供えしなければなりません。

「……ママさん。こちら召し上がってくださいね。それとママさんも少しお休みになった方がいいです。これはお供えのお酒ですが、寝酒にどうぞ」

 ママさんの口元に、お団子とお酒をお供え致しましたら、大きな舌で器用に、お酒を召し上がっているじゃありませんか。そしてお団子も器用に口に運んでいらっしゃいます。……あ、おチビちゃんが目を覚ました時のために、ミルクも置いておきましょう。それとお団子は全部置いていきましょう。

「……探偵さん、お待たせ致しました。ママさんも、何か食べられれば安心で御座います。なのでこれで出発致しましょう」

「あ、はい。分かりました。でも、よろしいんですか? その赤ん坊とは別れる事になりますが」

 探偵さんの優しいお心遣いに甘えてななりません。おチビちゃんはママさんと過ごすのが一番です。そりゃあ、寂しいのは寂しいです。ですが私には雷人がおります。

「はい、参りましょう」

 きっと私が踏み出さないと、皆さん動く事は出来ないのでしょう。いつもはレオンさんが先頭を歩いていらっしゃいますが、誰よりも先にタターニャへの一歩を踏み出します。

「ところでさっきのドラゴンさんは、レッドワイバーンではなかったでしょう? ただ血で赤く見えただけだと思うのですが……」

「そうですね。私も詳しくは分かりませんが、フォレストタイプのワイバーンだと思います」

「フォレストタイプ? ですか?」

「ええ。普段は森で生活している、穏やかなワイバーンです。あまり攻撃的な性格ではないので、密猟されやすいんです。……なので、迷彩柄って言うか、見つけられにくいように、緑色と茶色の体をしていると聞いた事があります」

 探偵さんの説明に納得いきました。きっとママさんも密猟者に矢を放たれ、傷を負ったのかもしれません。傷を負い、大事な卵の元に戻れなくなった。そのうちに赤ちゃんが孵化してしまって。……想像に過ぎませんが、きっとそんなところでしょう。

「でも光江さんが止めてくださって、良かったです」

「何がでしょうか?」

「もしも、あそこで康夫さんが、あのワイバーンを成敗していたら、康夫さんが密猟者として捕まっていたかもしれません」

「まあ」

 それは大変な事になるところでした。確かゴブリンさんは害獣だったはず。害獣でもないワイバーンさんを成敗だなんて、じぃじはまだこの世界の事を、よく分かっていないようで御座います。ですが何より、じぃじが密猟者にならなかった事は、何よりで御座います。

 タターニャの町も、目前で御座いますので、今は雷人の事だけを、考えていたいもので御座います。
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