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第四章 孫を追いかけタターニャの町で御座います。
4-8 手土産はマカロンで御座います。
「探偵さんよぅ。わしの目には町の姿が見えておるんじゃが」
「私の目にも見えていますよ。……タターニャに着いたんです」
ようやく見えてきた町の姿に、何だか心が弾んでまいりました。あ、そうそう。町に入るのですから、準備しておかないといけませんね。
「……探偵さん。どうぞこちらを」
「光江さん、準備がよろしいですね」
探偵さんに白いハンカチ包みを、お渡し致します。オレンジピール入りのクッキーで御座います。……すると、あら? パンさんが、ハンカチ包みに鼻を近付けているじゃありませんか。ワンちゃんは鼻が効く事は知っておりましたが、ニャンちゃんも鼻が効くのでしょうか。
「何か甘い匂いがするにゃー」
そう言えば、パンさんとレオンさんには、クッキーを振る舞っておりませんでした。……私とした事が、失態で御座います。失礼致しました。
「パンさんはどうぞこちらを。……こちらはレオンさんどうぞ」
「食べていいにゃ? 嬉しいにゃー」
「私にもですか? 有り難く頂戴致します」
旅を共にしておりますので、随分と慣れましたが、同じ人猫さんでも、パンさんとレオンさんは本当に真反対の性格で御座います。
「……光江さんのクッキーのおかげで、話が早かったです」
お役に立てて何よりで御座います。……さて、足を踏み入れたタターニャの町は、どのような装いの町で、御座いましょい。……あら。何て可愛らしい町なんでしょう。タターニャの町の家並みは、全て白壁で御座います。白色に統一された壁に、赤色の窓枠。それに屋根瓦は緑色で統一されております。
「探偵さんよぅ。また町の中心の広場を目指すのかのぅ?」
「ええ。私は町役場に寄らないといけないので」
雷人を探して、このタターニャは、二つ目の町で御座います。じぃじもすっかり勝手が分かっているようです。……そんなじぃじと背中を追って、タターニャの通りを歩きます。……あら、何だかこの町は、レオンさんやパンさんのような、人猫さんが大勢いらっしゃいます。
「……この町は人猫さんが、大勢いらっしゃるんですね」
「ええ。この町の領主は代々、人猫ミックスなんです。昔から多くの人猫ミックスが暮らしています。レオンとパンもこの町の出身なんですよ」
「まあ、レオンさんとパンさんの故郷だったんですね。……それなら、お二人は今日ご実家に帰られるのでしょうか?」
「そうですね。レオン達にはまだ話してませんが、そのつもりです」
お二人に手土産を持って行っていただかないといけませんね。さて、何がよろしいでしょうか? しばらく考え込みましたが、すぐに思い付きました。手焼きのマカロンが二箱御座います。フランボワーズとピスタチオ味なんです。……あら、フランボワーズが赤、ピスタチオが緑。この町の家並みにぴったりで御座います。
では、手焼きのマカロン、召喚。で、御座います。
「レオンさん、パンさん。今日お家に帰られる時に、お土産としてお持ちになってください」
「えっ! 食べ物にゃー? これも甘い匂いがするにゃー!」
手に取るなり、箱を開けて鼻を近付けるパンさん。反対にレオンさんの、お顔は申し訳なさそうです。
「私の家族にですか?」
「レオン、それとパンも。今日は家に帰って来い。また明日の朝、広場で落ち合おう。……光江さんのお菓子は美味しいから、遠慮せずに家族に持って帰ってやれよ。……ですよね? 光江さん」
「ええ。遠慮はいりません」
「帰るにゃー! また明日にゃー!」
マカロンを口に含みながら、パンさんはもう走り出しております。
「レオンさんも、どうぞ行かれてください」
「あ、はい。ありがとうございます。それではまた明日。今日は失礼致します」
丁寧なご挨拶をいただき、レオンさんとも一晩のお別れで御座います。
「はい。それではまた明日」
パンさんとレオンさんを見送った後、少し歩いて広場に到着致しました。広場を囲む家並みも、同じ白壁で、本当にこのタターニャは、可愛い町で御座います。
「では、町役場に行って来ますので、しばらくこの広場でお待ちください」
「はい。分かりました」
探偵さんに、お返事もせずに、じぃじは広場の隅のベンチに走って行きました。……この町の広場には市が立っておりませんので、私もベンチで一休みで御座います。
「私の目にも見えていますよ。……タターニャに着いたんです」
ようやく見えてきた町の姿に、何だか心が弾んでまいりました。あ、そうそう。町に入るのですから、準備しておかないといけませんね。
「……探偵さん。どうぞこちらを」
「光江さん、準備がよろしいですね」
探偵さんに白いハンカチ包みを、お渡し致します。オレンジピール入りのクッキーで御座います。……すると、あら? パンさんが、ハンカチ包みに鼻を近付けているじゃありませんか。ワンちゃんは鼻が効く事は知っておりましたが、ニャンちゃんも鼻が効くのでしょうか。
「何か甘い匂いがするにゃー」
そう言えば、パンさんとレオンさんには、クッキーを振る舞っておりませんでした。……私とした事が、失態で御座います。失礼致しました。
「パンさんはどうぞこちらを。……こちらはレオンさんどうぞ」
「食べていいにゃ? 嬉しいにゃー」
「私にもですか? 有り難く頂戴致します」
旅を共にしておりますので、随分と慣れましたが、同じ人猫さんでも、パンさんとレオンさんは本当に真反対の性格で御座います。
「……光江さんのクッキーのおかげで、話が早かったです」
お役に立てて何よりで御座います。……さて、足を踏み入れたタターニャの町は、どのような装いの町で、御座いましょい。……あら。何て可愛らしい町なんでしょう。タターニャの町の家並みは、全て白壁で御座います。白色に統一された壁に、赤色の窓枠。それに屋根瓦は緑色で統一されております。
「探偵さんよぅ。また町の中心の広場を目指すのかのぅ?」
「ええ。私は町役場に寄らないといけないので」
雷人を探して、このタターニャは、二つ目の町で御座います。じぃじもすっかり勝手が分かっているようです。……そんなじぃじと背中を追って、タターニャの通りを歩きます。……あら、何だかこの町は、レオンさんやパンさんのような、人猫さんが大勢いらっしゃいます。
「……この町は人猫さんが、大勢いらっしゃるんですね」
「ええ。この町の領主は代々、人猫ミックスなんです。昔から多くの人猫ミックスが暮らしています。レオンとパンもこの町の出身なんですよ」
「まあ、レオンさんとパンさんの故郷だったんですね。……それなら、お二人は今日ご実家に帰られるのでしょうか?」
「そうですね。レオン達にはまだ話してませんが、そのつもりです」
お二人に手土産を持って行っていただかないといけませんね。さて、何がよろしいでしょうか? しばらく考え込みましたが、すぐに思い付きました。手焼きのマカロンが二箱御座います。フランボワーズとピスタチオ味なんです。……あら、フランボワーズが赤、ピスタチオが緑。この町の家並みにぴったりで御座います。
では、手焼きのマカロン、召喚。で、御座います。
「レオンさん、パンさん。今日お家に帰られる時に、お土産としてお持ちになってください」
「えっ! 食べ物にゃー? これも甘い匂いがするにゃー!」
手に取るなり、箱を開けて鼻を近付けるパンさん。反対にレオンさんの、お顔は申し訳なさそうです。
「私の家族にですか?」
「レオン、それとパンも。今日は家に帰って来い。また明日の朝、広場で落ち合おう。……光江さんのお菓子は美味しいから、遠慮せずに家族に持って帰ってやれよ。……ですよね? 光江さん」
「ええ。遠慮はいりません」
「帰るにゃー! また明日にゃー!」
マカロンを口に含みながら、パンさんはもう走り出しております。
「レオンさんも、どうぞ行かれてください」
「あ、はい。ありがとうございます。それではまた明日。今日は失礼致します」
丁寧なご挨拶をいただき、レオンさんとも一晩のお別れで御座います。
「はい。それではまた明日」
パンさんとレオンさんを見送った後、少し歩いて広場に到着致しました。広場を囲む家並みも、同じ白壁で、本当にこのタターニャは、可愛い町で御座います。
「では、町役場に行って来ますので、しばらくこの広場でお待ちください」
「はい。分かりました」
探偵さんに、お返事もせずに、じぃじは広場の隅のベンチに走って行きました。……この町の広場には市が立っておりませんので、私もベンチで一休みで御座います。
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