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しおりを挟むそうして始まった学園生活。
本格的に騎士団に入りたい子息には騎士学校があるが。そちらは平民も入れるし、最短で騎士になることも。
しかし、さすが騎士の国。
この王立学園も、男子には基本的にそうした授業科目があり。希望すれば女子にも。
剣盾、騎馬などは騎士学校には負けるが領地経営や歴史や地学、他国の言語やマナーなどの科目を重点的に。しっかりと学んでから騎士学校に編入される方も多い。
……ので。
眼鏡枠だった宰相子息は、眼鏡枠のインテリなままに、なんか大剣を構えているし。貴方、外見からは細身剣とかの方が似合うのに。
対峙するのは、不思議枠のはずの魔術師の少年。両手に辞書みたいなぶっとい魔術書を構えている。え、盾? もしや武器?
「今日こそその生意気な魔術防壁、突破してみせます」
「ふふふ……防壁は、本人も鍛えると、厚くなる……力こそパワー……これもまた、真理……」
ちなみに、どちらも良い筋肉。
まぁ、頭脳労働役や同じく魔術師が、身体を鍛えちゃいけないことはない。
そしてその対決のその審判は、細マッチョ枠であった――現実は超絶マッチョの騎士団長の息子。
なんで?
ロージーは入学して数日で。
ゲームとの違いに。
確かにゲームは騎士を目指すというルートもあったが、もうすでに皆、出来上がってる。
主に身体が。
「め、目眩が……」
対決の見物の賑わいにやられてふらりとしてしまった。
「おっと、大丈夫か?」
抱きとめてくれた――今度は抱きとめられた!
しかも波打つ赤毛が燃える炎のような見事な美形に!
しかも細マッチョ!
しっかりとした腕は――比較的に細い。この学園の中では、比較的に。
もしや隠しキャラ? 隠しキャラですか? 私の知らない追加コンテンツキャラ!?
やっと!!?? やった!!!
ロージーが思わず歓喜で身体を震わせる。
「医務室にお連れしましょう?」
それを具合が悪いからだと思ったのか、燃えるような赤毛の美形はロージーを柔らかく抱き上げた。
……柔らかく?
「……おっぱい」
雄っぱいではないと、悲しいかな初日にぶつかって存じ上げていて。
「おっぱい? ああ、よく間違われます。お気にならさず」
「い、いえ。私こそごめんなさい……」
ロージーが自分を男性と勘違いしたと、あっさりと彼女は察して、そして許してくださって。
男物が動きやすくて好きなもので、と……彼女は自分も勘違いされる格好なのが悪いと、逆に。
「君も新入生かな?」
「は、はい」
「大丈夫だ。初日に医務室は確認している」
だから彼女は間違いなく、ロージーを医務室に連れて行ってくれた。
抱き上げたまま。
そんな彼女を見て、キャーキャーと黄色い悲鳴があがるのはむしろ学園では当たり前であったのか。
「あ、あの、お名前を……お礼を……」
そしてすっかり、ロージーもぽーっとなっていた。
もうゲームの攻略対象たちはどうだっていい。薔薇は薔薇でも、あの男装の薔薇な作品がいい。そう、革命だ!
「いや気になさらず」
しかし名乗らないのは同じ新入生として悪いと思ったのだろう。
「クラレンス辺境伯家のリューゼットと申します」
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