あなたのおかげで吹っ切れました〜私のお金目当てならお望み通りに。ただし利子付きです

じじ

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力強く答えたベスを見ながらアリアナは笑って言った。

「手に入ると思っていたお金も恋人も、そして今持っている地位まで失うなんて、かわいそうすぎるかしら」
「いえ、これくらいのことは当然でしょう」

さらりとベスは答える。二人で楽しく話していると、ドアをノックする音がした。

「失礼します、お嬢様。ハンゼ公爵の使いの者よりお手紙をお預かりしたのですが」

そう言って執事のデイモンドはアリアナに手紙を渡した。

「ありがとう、デイモンド」
「いいえ。それでは失礼します。私がいるとお嬢様もゆっくりご覧になれないでしょうから」

それだけ言い残して、にこにこしながら去っていったデイモンド見つめ、ベスはため息をついた。

「私もつい先ほどまではあちら側で、お嬢様の幸せを純粋に願える立場でしたのに。本当に腹立たしいですね、あの男。」
「あなたの分の利子もつけていいわよ」

笑いながらアリアナが告げると真剣な顔でベスが首を横にふった。

「私のことは気になさらないでください。それより手紙の内容、差し支えなかければ、教えていただけませんか」
「ええ。あらあら…明日わざわざ来てくださるみたいよ、クレメント様。お昼に伺います、ですって」
「まあ!それはそれは。ご主人様と奥様にお伝えして参ります」
「ええ、よろしくね」
「はい。では失礼いたします」

足早に去っていくベスを見て、アリアナはぼそっと呟いた。

「さてと、ユージンは明日は1日不在のはずだし、父様と母様も用事があったはずよね。ちょうどいいわ、二人きりでお会いしましょうねクレメント様」


翌日。デイモンドがクレメントの到着を告げに来た。

「やあ、アリアナ嬢。急にすまないね」
「いえ、お会いできて嬉しいですわ。昨日のお手紙の件でしょうか」
「もちろん、それもあるのだけれど一番は君の顔を見たくなってね。今日も本当に美しいね。」
「あら、ありがとうございます」
「君の顔を見ながら過ごせる毎日がもうすぐ訪れるなんて待ち遠しいよ」
「まあ。私もです」

息を吐くように出てくる嘘の言葉に、アリアナはいっそ大笑いしてしまいそうだった。部屋の隅では、ベスが苦虫を噛み潰したような顔をしている。

「ところでクレメント様。大切な話ですのでら前置きはそれくらいにして本題に入りませんか。」

アリアナが水を向けるとクレメントはわが意を得たり、とばかりに話し始めた。

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