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27.婚約者は自分の気持ちにようやく気付きました
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「捨てた…って」
セシルの肩が小さく震え、声が強くなる。
「あれは…! 俺にとってそんな簡単に捨てられる物じゃないっ…!」
敬語が崩れるのも構わず、セシルは続けた。
「伯爵様にとってはどうでもよかったんですか⁉︎俺との思い出も一緒に捨てるくらいに!」
オーディスは言葉を失った。
「…そんなつもりは」
「もう、いいです!」
セシルは踵を返し、その場を去った。
オーディスはただ立ち尽くすしかなかった。
その後、セシルは庭園の片隅に腰を下ろしたまま、何時間も動かなかった。
いつの間にか風は冷たくなり、空には星が静かに瞬いている。
(なんで、あんなに怒っちゃったんだろう…)
冷静になって、セシルは考える。
あれはただのハンカチだ。
それなのに、胸が締めつけられるような気持ちがした。
(捨てられたのがハンカチだけじゃなかった気がしたんだ)
一緒に過ごした時間。
毎晩の会話。
大切にされていると思っていた気持ち。
(あっ、そうか…)
そこではっきりと気付く。
(俺、伯爵様のこと、好きなんだ)
だから、あんなに怒った。
だから、あんなに悲しかった。
その時、足音がした。
「…ここにいたのか」
オーディスだった。
珍しく表情が崩れている。
「…すまなかった」
そう言って、オーディスは一枚の布を差し出した。
それはあのハンカチだった。
セシルの肩が小さく震え、声が強くなる。
「あれは…! 俺にとってそんな簡単に捨てられる物じゃないっ…!」
敬語が崩れるのも構わず、セシルは続けた。
「伯爵様にとってはどうでもよかったんですか⁉︎俺との思い出も一緒に捨てるくらいに!」
オーディスは言葉を失った。
「…そんなつもりは」
「もう、いいです!」
セシルは踵を返し、その場を去った。
オーディスはただ立ち尽くすしかなかった。
その後、セシルは庭園の片隅に腰を下ろしたまま、何時間も動かなかった。
いつの間にか風は冷たくなり、空には星が静かに瞬いている。
(なんで、あんなに怒っちゃったんだろう…)
冷静になって、セシルは考える。
あれはただのハンカチだ。
それなのに、胸が締めつけられるような気持ちがした。
(捨てられたのがハンカチだけじゃなかった気がしたんだ)
一緒に過ごした時間。
毎晩の会話。
大切にされていると思っていた気持ち。
(あっ、そうか…)
そこではっきりと気付く。
(俺、伯爵様のこと、好きなんだ)
だから、あんなに怒った。
だから、あんなに悲しかった。
その時、足音がした。
「…ここにいたのか」
オーディスだった。
珍しく表情が崩れている。
「…すまなかった」
そう言って、オーディスは一枚の布を差し出した。
それはあのハンカチだった。
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