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26.婚約者は国宝級イケメンに怒ります
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セシルは相変わらず敬語のままだったが、その声には以前のような緊張感がなくなっていた。
代わりに声のトーンが柔らかく自然になり、オーディスに心を開いているのは明らかであった。
(この時間、好きだな…)
セシルははっきりとは意識していない。
だが、オーディスと一緒に過ごす夜が自然と楽しみになっていた。
そんなある日のことだった。
オーディスは庭園でセシルが使っているハンカチが落ちているのを目にした。
以前、自分が贈ったものだとすぐに分かった。
しかし、角の一部がほつれ、穴も空いている。
それを見たオーディスはすぐさま執事のカイゼリンを呼ぶ。
「このハンカチは処分しておけ」
「かしこまりました」
深く考えたわけではなかった。
セシルに傷んだ物を使わせるわけにはいかない、それだけだった。
その夜のセシルは顔色を失っていた。
「あの、伯爵様…」
「どうした?」
「俺…、ハンカチをなくしてしまって…!」
その目は赤く、明らかに泣いた後であった。
「屋敷中、探したんですけど…、どこにもなくて…、ごめんなさい…」
セシルの声は震えている。
これ以上不安にさせたくない。
そんな思いからオーディスは躊躇いなく言った。
「捨てた」
「…えっ?」
空気が凍った。
そしてみるみるうちに、セシルの顔が怒りに染まる。
代わりに声のトーンが柔らかく自然になり、オーディスに心を開いているのは明らかであった。
(この時間、好きだな…)
セシルははっきりとは意識していない。
だが、オーディスと一緒に過ごす夜が自然と楽しみになっていた。
そんなある日のことだった。
オーディスは庭園でセシルが使っているハンカチが落ちているのを目にした。
以前、自分が贈ったものだとすぐに分かった。
しかし、角の一部がほつれ、穴も空いている。
それを見たオーディスはすぐさま執事のカイゼリンを呼ぶ。
「このハンカチは処分しておけ」
「かしこまりました」
深く考えたわけではなかった。
セシルに傷んだ物を使わせるわけにはいかない、それだけだった。
その夜のセシルは顔色を失っていた。
「あの、伯爵様…」
「どうした?」
「俺…、ハンカチをなくしてしまって…!」
その目は赤く、明らかに泣いた後であった。
「屋敷中、探したんですけど…、どこにもなくて…、ごめんなさい…」
セシルの声は震えている。
これ以上不安にさせたくない。
そんな思いからオーディスは躊躇いなく言った。
「捨てた」
「…えっ?」
空気が凍った。
そしてみるみるうちに、セシルの顔が怒りに染まる。
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