暗殺者の少女、四大精霊に懐かれる。〜異世界に渡ったので、流浪の旅人になります〜

赤海 梓

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第2章 海を目指して

第30話 薬草採取

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「猫探し、ゴブリン討伐、薬草採取……。Eランクが受けられる依頼はこんなものか」

 モースたちがギルドに来ることを願う間、私たちはギルドの掲示板を見ていた。

「ルミツならもっと強いヤツだって倒せるのに、ランク制度ってめんどくさいね」

「まぁ仕方ないでしょ、主様も始めたてはEランクになって当然なんですから」

 受けられる依頼は自分のランク+1つ上までだ。ランクよりも1つ高い依頼は報酬が多くランクが上がりやすいが、その分危険も比較的大きくなる。
 私の実力ならばここに貼ってある中でも1番ランクの高い、Bランクの依頼も簡単そうだ。

「まぁ地道にコツコツと……か。」

 こればっかりは仕方ない。とりあえず私は手頃な依頼を見つける。

 薬草採取、知識の無いわたしにとっては好都合な依頼かもしれない。ゴブリンや猫探しは私ならお手の物ではあるが、それでは成長は無い。

「薬草採取をお願いします」

 私はギルドの人に依頼を受ける報告をする。

「こちらの依頼ですね。薬草採取てすか……。初心者さんは皆ゴブリン討伐から始めようという方が多いのですが、珍しいですね?」

「まぁ最初は知識からかなって」

「素晴らしい心がけです。そう、最初の依頼こそ薬草採取をするべきなのですよ。派手さは無いものの、いざという時の助けになる。それが薬草採取で得られる知識です。このギルドのBランク冒険者もそのくらい考えて欲しいものですよ、ホント」

「あはは……」

 その瞬間、ギルドの扉が開く。
 そしてモースとウンディーネが入ってきた。

「良かった、やはりここに居たか」

「予想通りここに来たね」

「も~、スルスルって消えちゃうんだから~」

「あはは、ごめんごめん」

 そして私は依頼の紙を2人に見せる。

「そしてさ、お金稼ぎのために薬草採取に行こうと思ってるんだけど、どうかな?」

「ふむ、良いのではないか? このままでは私たちはずっと一文無しだ」

「早めにお金は稼いどきたいわよね~」

「よし決まり! それじゃあ今から薬草採取に行こーう!」

 こうして私たちはお金を稼ぐため、薬草採取へと向かうことに決めた。



 ◇◇◇

 約30分後、私たちら北の森に来た。

「依頼書には確か、北の森にちらほらと生えているって聞いたんだけど……。どんな見た目なのか知らないからなぁ……」

「僕も知らないです」

「私もだ」

 ハルゾラ草という薬草の採取。見た目は僅かに青っぽい白色の花で、草丈15センチ程度の小さな植物だ。
 すり潰して傷口に塗れば絆創膏の代わりになるし、蜜を集めて調合すれば効能の高いポーションにもなる。

「私薬草なら詳しいよー!」

「シルフ! それホント!?」

「うん! 私の基礎魔法の師は薬神様だからね」

「……神様なの!?」

「うん、そーだよ。薬神・大己貴命おおなむちのみこと様、それから少彦名命すくなひこなのみこと様。どちらも高貴な神の存在で、魔法の基礎を私に教えてくれたんだー!」

「なんか、すごいね……」

 そういえばモースも鍛治の神ヘパイストスに教わったって言ってたっけ……。
 改めてだけど、この世界に神っているんだなぁ。

「だから薬学の知識も徹底的に詰め込まれたってわけ。ハルゾラ草は基本的に陽だまりに生えてるから~」

 そう言って草むらをかき分けるシルフ。ちらほら上を見て、どうやら常に陽向の場所を絞っているようだ。

「ほら、あったよルミツ!」

 特定の場所を絞りきった後、そこを念入りに探したシルフが1輪のハルゾラ草を見つける。

「白い花で大きさも丁度いい……。うん、これがハルゾラ草だ!」

 そして私はギルドの受付で貰った革袋にハルゾラ草を入れる。

「こんな感じで探してたら多分沢山見つかるよー!」

「へぇ、凄い」

「素晴らしい観察眼だな、シルフ」

「へへーん! さ、パパっと集めて早くお祭りに行こー!」

「うん!」

 こうして私たちはハルゾラ草を探すのであった。



 ◇◇◇

「……魔物か」

 皆で分担するため、私たちは森のあちこちに散っている。従って私は今1人だ。
 その中で、近づいてくる魔物の気配に気がついた。

「ブルル……」

 赤い眼を光らせる人型の猪。先ほど依頼書で見た、オークという魔物だろう。
 その後ろには何十頭もの黒眼のオークが群れを成してこちらを向いていた。

「……戦闘開始、ってわけね」

 私に襲いかかるオーク。

 何頭ものオークが私に槍やら棍棒やらで攻撃してくる。

 私はそれを全て避け、一頭ずつ確実に殴り、蹴り飛ばしていく。

「ブルァッ!」

「ピギャァ!」

「さっき先頭にいた赤い眼のオーク、奴がリーダーか」

 他の黒眼オークに指示を出しているようだ。かなり知能の高い個体だ。
 私は他のオークを無視して、赤眼オークの元へ向かう。

「ブルルッ!」

 比較的大きな個体が私の前に立ちずさんだ。

 私は振り下ろされる棍棒を刀で弾き、隙のできた脇腹に蹴りを入れ込む。

「ブギィィッ!!」

「ブガッ!! ブルルル……!!」

 大きな個体を倒した瞬間、赤眼のオークは狼狽え、こちらを睨んだ。

「そんなに見つめられても困るよ」

「ブギャァアア!!」

「ごめんだけど」


 蝶華心得『かん龍飛りゅうひ


 私はオークの眉間に刀を突き刺す。
 そのまま力なくオークは倒れる。

「早くご飯食べたいから、君を相手にしてらんないんだよね」
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