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第8章 波乱と因縁の建国祭
第508話 騎士達の誓い
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ロスペルの合図を受け、ロスペルとカトレア、リュシアンに背を向けたシトリンとラピスは、騎士達の注意を引きつけようと、襲い掛かってくる騎士の一団に向かって駆けていく。
「ラピス!」
「はい!」
シトリンと横並びで走っていたラピスは、足を止めると黄色の剣を上に掲げ、黄色の魔法陣を展開する。
「《ライトニング》!」
「「「「うがががっ!!!」」」」
ラピスの放った無数の雷が傀儡騎士達に直撃する。
だが、運良く雷から騎士達が得物を構えて襲いかかる。
(やはり、この程度では倒れないか)
黄金の鎧を身に纏う騎士達の頑丈さに、ラピスが思わず苦笑を漏らす。
その時、『待っていました』とばかりにシトリンがラピスの前に立ち、襲いかかってきた騎士達に剣を向ける。
「ハアッ!!」
「うわっ!」
「ぐはっ!」
記憶を取り戻し、サザランス公爵家でリュシアンと一緒に鍛錬していた頃の動きを思い出したシトリンは、鮮やかな回避技と隙の無い剣裁きで傀儡騎士達を次々と無力化していく。
(全く、こんなに多いと少し疲れるね)
すると、ラピスの雷を受けて倒れていた騎士達がゆっくりと起き上がってきた。
(やはりか!)
リアンとの戦いを思い出したラピスは、僅かに苦い顔をすると、少しだけ疲れが見えているシトリンに声をかける。
「副隊長!」
「オッケー!」
ラピスに呼ばれて素早く後ろに下がったシトリンは、緑色の魔法陣を展開すると、起き上がってきた傀儡騎士達がいる方に向かって一発お見舞いする。
「《ウインドアロー》!」
魔法陣から放たれた無数の矢は、騎士達の意識を刈り取るには十分な威力だった。
そして、シトリンがうち漏らした騎士達は、ラピスの双剣の餌食となる。
「おりゃあ!!」
「うがっ!」
「あがっ!」
帝国でカトレアの味方になると誓ったあの日からずっと、双剣で戦っているラピスは、手足のように双剣を操り、騎士達の意識を瞬く間に刈り取っていく。
(ラピス、見ないうちに更に剣のきれが良くなってる)
騎士でも珍しい2属性使いのラピスが、騎士としてどれだけ努力していたのは、シトリンは彼の上司として、そして幼馴染として知っていた。
「こうなったら、僕も負けちゃいられないね」
ラピスの急成長ぶりに触発され、笑みを零したシトリンは気合を入れると襲いかかってくる騎士達を無力化していく。
そうして、連携プレーをとりながらアリーナで暴れ回った結果、彼らに襲いかかってくる騎士は誰一人としていなくなった。
「ふぅ、とりあえず、僕らの仕事は一先ず終わりって感じかな?」
「そう、ですね」
(とはいえ、またいつ起き上がってくるか分かないが)
渋い顔をしたラピスが、倒れている騎士達を睨みつけながら静かに剣を下ろす。
すると、ラピスの双剣に視線を移したシトリンが笑みを零す。
「副隊長?」
「いや、久しぶりに双剣を使っているラピスを見たけど、やっぱりカッコイイね」
「あ、ありがとうございます」
(なんだか、久しぶりに褒められてくすぐったいな)
憧れの上司に突然褒められ、少しだけ照れくさくなったラピスは静かに双剣に目を落とす。
「俺は、帝国で記憶を取り戻した時、この剣で友を救い、婚約者を守ろうと誓いました」
帝国で記憶を取り戻し後、王国に戻ったラピスは、万全の状態でカトレアを守り、フリージアを助けようと、カトレアがロスペルに修行をつけてもらっている傍で、厳しい自己鍛錬をこなしていた。
そんな彼の真剣な横顔に、笑みを深めたシトリンは観客席が静かになっているのを見て、大きく息を吐くと気合を入れ直す。
「それなら、僕も友と大切な人のために頑張らないとね!」
そう言って、シトリンは馬車で目が覚めた時に見た、友の絶望と憤怒が入り混じった顔を思い返す。
(あいつのあんな顔、初めて見たから尚更頑張らないといけないね)
その後、レクシャの話やメストの覚悟を聞いたシトリンは、『何としても友のために頑張らなければ』と誓った。
『もし、自分がメストと同じ立場だったら、メストと同じことをするに違いない』と思ったから。
その時、アリーナに轟音が鳴り響き渡り、鎧を纏ったリュシアンが2人がいる方に吹っ飛んできた。
「リュシアン!」
「リュシアン様!」
驚いた2人は慌ててリュシアンに駆け寄る。
そこには、ボロボロのリュシアンが、壁を背にして力なく笑っていた。
「ハハッ、あの野郎、『一騎打ちでは勝てない』と分かった瞬間、切り札使うとか卑怯すぎるだろ」
「っ!」
「切り札?」
(騎士達も宮廷魔法師達も貴族達も無力化されている状況で、どんな切り札を使ったの?)
『切り札』という言葉にラピスが言葉を失い、シトリンが小首を傾げたその時、遠くから巨大な火の玉が飛んできた。
「っ! あぶな……」
「《ウインドウォール》!」
「ハアッ!」
「「っ!!」」
いち早く気づいた、リュシアンが片手を地面につけて無効化魔法を展開しようとした。
だが、リュシアンよりも先に気づいたロスペルが、上空から魔法を放ち、リュシアン達を守るように風の壁を作ると火の玉を相殺した。
それと同時に、国王陛下の護衛をしていたフェビルが、強化魔法を使ってリュシアン達の前に現れると、いつになく険しい形相で砂埃に向かって大剣を構えた。
まるで、強敵を待ち構えるかのように。
「ラピス!」
「はい!」
シトリンと横並びで走っていたラピスは、足を止めると黄色の剣を上に掲げ、黄色の魔法陣を展開する。
「《ライトニング》!」
「「「「うがががっ!!!」」」」
ラピスの放った無数の雷が傀儡騎士達に直撃する。
だが、運良く雷から騎士達が得物を構えて襲いかかる。
(やはり、この程度では倒れないか)
黄金の鎧を身に纏う騎士達の頑丈さに、ラピスが思わず苦笑を漏らす。
その時、『待っていました』とばかりにシトリンがラピスの前に立ち、襲いかかってきた騎士達に剣を向ける。
「ハアッ!!」
「うわっ!」
「ぐはっ!」
記憶を取り戻し、サザランス公爵家でリュシアンと一緒に鍛錬していた頃の動きを思い出したシトリンは、鮮やかな回避技と隙の無い剣裁きで傀儡騎士達を次々と無力化していく。
(全く、こんなに多いと少し疲れるね)
すると、ラピスの雷を受けて倒れていた騎士達がゆっくりと起き上がってきた。
(やはりか!)
リアンとの戦いを思い出したラピスは、僅かに苦い顔をすると、少しだけ疲れが見えているシトリンに声をかける。
「副隊長!」
「オッケー!」
ラピスに呼ばれて素早く後ろに下がったシトリンは、緑色の魔法陣を展開すると、起き上がってきた傀儡騎士達がいる方に向かって一発お見舞いする。
「《ウインドアロー》!」
魔法陣から放たれた無数の矢は、騎士達の意識を刈り取るには十分な威力だった。
そして、シトリンがうち漏らした騎士達は、ラピスの双剣の餌食となる。
「おりゃあ!!」
「うがっ!」
「あがっ!」
帝国でカトレアの味方になると誓ったあの日からずっと、双剣で戦っているラピスは、手足のように双剣を操り、騎士達の意識を瞬く間に刈り取っていく。
(ラピス、見ないうちに更に剣のきれが良くなってる)
騎士でも珍しい2属性使いのラピスが、騎士としてどれだけ努力していたのは、シトリンは彼の上司として、そして幼馴染として知っていた。
「こうなったら、僕も負けちゃいられないね」
ラピスの急成長ぶりに触発され、笑みを零したシトリンは気合を入れると襲いかかってくる騎士達を無力化していく。
そうして、連携プレーをとりながらアリーナで暴れ回った結果、彼らに襲いかかってくる騎士は誰一人としていなくなった。
「ふぅ、とりあえず、僕らの仕事は一先ず終わりって感じかな?」
「そう、ですね」
(とはいえ、またいつ起き上がってくるか分かないが)
渋い顔をしたラピスが、倒れている騎士達を睨みつけながら静かに剣を下ろす。
すると、ラピスの双剣に視線を移したシトリンが笑みを零す。
「副隊長?」
「いや、久しぶりに双剣を使っているラピスを見たけど、やっぱりカッコイイね」
「あ、ありがとうございます」
(なんだか、久しぶりに褒められてくすぐったいな)
憧れの上司に突然褒められ、少しだけ照れくさくなったラピスは静かに双剣に目を落とす。
「俺は、帝国で記憶を取り戻した時、この剣で友を救い、婚約者を守ろうと誓いました」
帝国で記憶を取り戻し後、王国に戻ったラピスは、万全の状態でカトレアを守り、フリージアを助けようと、カトレアがロスペルに修行をつけてもらっている傍で、厳しい自己鍛錬をこなしていた。
そんな彼の真剣な横顔に、笑みを深めたシトリンは観客席が静かになっているのを見て、大きく息を吐くと気合を入れ直す。
「それなら、僕も友と大切な人のために頑張らないとね!」
そう言って、シトリンは馬車で目が覚めた時に見た、友の絶望と憤怒が入り混じった顔を思い返す。
(あいつのあんな顔、初めて見たから尚更頑張らないといけないね)
その後、レクシャの話やメストの覚悟を聞いたシトリンは、『何としても友のために頑張らなければ』と誓った。
『もし、自分がメストと同じ立場だったら、メストと同じことをするに違いない』と思ったから。
その時、アリーナに轟音が鳴り響き渡り、鎧を纏ったリュシアンが2人がいる方に吹っ飛んできた。
「リュシアン!」
「リュシアン様!」
驚いた2人は慌ててリュシアンに駆け寄る。
そこには、ボロボロのリュシアンが、壁を背にして力なく笑っていた。
「ハハッ、あの野郎、『一騎打ちでは勝てない』と分かった瞬間、切り札使うとか卑怯すぎるだろ」
「っ!」
「切り札?」
(騎士達も宮廷魔法師達も貴族達も無力化されている状況で、どんな切り札を使ったの?)
『切り札』という言葉にラピスが言葉を失い、シトリンが小首を傾げたその時、遠くから巨大な火の玉が飛んできた。
「っ! あぶな……」
「《ウインドウォール》!」
「ハアッ!」
「「っ!!」」
いち早く気づいた、リュシアンが片手を地面につけて無効化魔法を展開しようとした。
だが、リュシアンよりも先に気づいたロスペルが、上空から魔法を放ち、リュシアン達を守るように風の壁を作ると火の玉を相殺した。
それと同時に、国王陛下の護衛をしていたフェビルが、強化魔法を使ってリュシアン達の前に現れると、いつになく険しい形相で砂埃に向かって大剣を構えた。
まるで、強敵を待ち構えるかのように。
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