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第8章 波乱と因縁の建国祭
第507話 我が家名に誓う
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メストが氷の避難場所を作った直後、メスト達のもとを離れたリュシアン達は、傀儡になった騎士達と観客席にいる貴族達と宮廷魔法師達を見やる。
すると、観客席から多種多様な魔法が飛んできた。
「おっと、熱烈歓迎ありがとう! 《範囲干渉》!」
ニヤリと笑ったリュシアンは、素早く大剣を地面に突き刺すと、ロスペル達を守るように無効化魔法の結界を張り、飛んでくる無数の魔法を無効化する。
「助かりました、兄さん」
「良いってことよ!」
ニカッと笑うリュシアンはもう一度、周囲を見回す。
「それにしてもこいつら、全員ノルベルトの傀儡なんだよな?」
「はい、そうですね」
「ったく! あいつ、どれだけ魔力があるんだよ」
(人一人を傀儡にするのに大変だっていうのに、これだけ大人数を自分の駒にするとか……あの野郎、どれだけ化物じみた魔力を持っているんだよ!)
「一応、元宰相家ですからね。我が家ほどじゃなくても、それなりに膨大な魔力を有していてもおかしくないでしょう」
「それもそうだな」
「加えて、改竄魔法は自分と相手の魔力を使う魔法。普通に魔法を使うより随分と楽でしょう」
(あとは、改竄魔法の鍛錬次第なのだけど……見た限り長い間、使ってきたとみえる)
「その熱意と根性を別のところに使えれば、違った未来があったはずなのに」
(敵ながら、『非常に勿体ない』と思う)
ノルベルトの魔法師としての実力を目の当たりにし、ロスペルが内心残念がっていると、無数に飛んできた魔法が突然止んだ。
そして、男の声がコロッセオに響く。
「まさか、この私を意図も簡単に吹き飛ばす魔法師がいただけでなく、あの忌々しい魔法を使う奴があの女以外にもいたとはな!」
そう言って男は大剣を持つと、リュシアンに向かって砂塵をまき散らしながら一直線に突進した。
「ハッ、その女が生きている時点で俺たちが生きていることを大方予想しているかと思ったが……どうやら、思った以上に頭がイカレて予想出来なかったようだな! ノルベルト・インベック!」
大剣を地面から抜いたリュシアンは、楽しそうな笑みを浮かべながら大剣に透明な魔力を纏わせると、猪の如く強烈な男の突進を真正面から受け止める。
「兄さん!」
「大丈夫だ。こいつの剣、改竄魔法の使い過ぎのせいか、随分と軽い」
「貴様――――!!! 私の尊き剣を愚弄をするか!」
顔を真っ赤にして剣に力を込めるノルベルトに対し、笑みを崩さないリュシアンは攻撃を受け流すとノルベルトの体を蹴り飛ばす。
「うがっ!」
呻きを上げながら吹っ飛んだノルベルトに、リュシアンは少しだけ呆れた目を向ける。
すると、ロスペルが心配そうに声をかけてきた。
「兄さん、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ」
弟から心配されて、満更でもないリュシアンは小さく笑みを零すと、ノルベルトが吹き飛んだ方を見つめる。
「それよりも、奴の意識が完全に俺に向いた。だから、今のうちにお前達4人でこいつらを無力化してこい」
「分かった」
いつになく真剣な表情のリュシアンの言葉にロスペルが頷いた時、ノロノロと立ち上がったノルベルトが駒達に命令する。
「お前達! そこにいる大柄な銀髪男は俺がやる! お前達はそれ以外の奴らを殺せ――!!」
「「「「「「うおぉ――――――!!」」」」
怨念が籠ったノルベルトの合図で、今までただのでくの坊だった騎士達や宮廷魔法師達、貴族達が雄叫びを上げながら一斉にリュシアン達に向かって攻撃をしかける。
「おぉ! 思った以上に上手くいったな! 良かったな、ロスペル!」
「兄さん、そんなこと言ってないでさっさとノルベルトの相手をしてきてください」
「はいはい。って、すぐに来ると思うが」
互いに笑みを零したリュシアンとロスペルは、得物を構えている3人とアイコンタクトを交わす。
そして、互いに背中合わせになると、そっと笑みを潜める。
「ロスペル、死ぬなよ」
「リュシアン兄さんこそ、死なないで」
(俺たちにはまだ)
(『家族と再会する』という約束があるのだから)
氷の避難場所で眠っている妹を思い出し、大剣と杖を握り締めた2人の兄は、決意を現すように己の名前を口にする。
「サザランス公爵家次期当主、リュシアン・サザランス!」
「ペトロート王国宮廷魔法師団副団長、ロスペル・サザランス」
「「『王国の盾』を賜りし我が家名に誓い、国を害する者達からこの国を守る!!」」
忘れ去られた公爵家次期当主と魔法師団副団長の気迫のある名乗りは、ノルベルトとノルベルトの駒達を一瞬だけ怯ませる。
それを見たリュシアンとロスペルは気合いを入れる。
「よっしゃ来い! ノルベルト!」
「皆さん、行きますよ!」
「「「はい!!!」」」
そうして、アリーナに表れし5人の男女は、大切なものを取り戻すために矛を向ける。
すると、観客席から多種多様な魔法が飛んできた。
「おっと、熱烈歓迎ありがとう! 《範囲干渉》!」
ニヤリと笑ったリュシアンは、素早く大剣を地面に突き刺すと、ロスペル達を守るように無効化魔法の結界を張り、飛んでくる無数の魔法を無効化する。
「助かりました、兄さん」
「良いってことよ!」
ニカッと笑うリュシアンはもう一度、周囲を見回す。
「それにしてもこいつら、全員ノルベルトの傀儡なんだよな?」
「はい、そうですね」
「ったく! あいつ、どれだけ魔力があるんだよ」
(人一人を傀儡にするのに大変だっていうのに、これだけ大人数を自分の駒にするとか……あの野郎、どれだけ化物じみた魔力を持っているんだよ!)
「一応、元宰相家ですからね。我が家ほどじゃなくても、それなりに膨大な魔力を有していてもおかしくないでしょう」
「それもそうだな」
「加えて、改竄魔法は自分と相手の魔力を使う魔法。普通に魔法を使うより随分と楽でしょう」
(あとは、改竄魔法の鍛錬次第なのだけど……見た限り長い間、使ってきたとみえる)
「その熱意と根性を別のところに使えれば、違った未来があったはずなのに」
(敵ながら、『非常に勿体ない』と思う)
ノルベルトの魔法師としての実力を目の当たりにし、ロスペルが内心残念がっていると、無数に飛んできた魔法が突然止んだ。
そして、男の声がコロッセオに響く。
「まさか、この私を意図も簡単に吹き飛ばす魔法師がいただけでなく、あの忌々しい魔法を使う奴があの女以外にもいたとはな!」
そう言って男は大剣を持つと、リュシアンに向かって砂塵をまき散らしながら一直線に突進した。
「ハッ、その女が生きている時点で俺たちが生きていることを大方予想しているかと思ったが……どうやら、思った以上に頭がイカレて予想出来なかったようだな! ノルベルト・インベック!」
大剣を地面から抜いたリュシアンは、楽しそうな笑みを浮かべながら大剣に透明な魔力を纏わせると、猪の如く強烈な男の突進を真正面から受け止める。
「兄さん!」
「大丈夫だ。こいつの剣、改竄魔法の使い過ぎのせいか、随分と軽い」
「貴様――――!!! 私の尊き剣を愚弄をするか!」
顔を真っ赤にして剣に力を込めるノルベルトに対し、笑みを崩さないリュシアンは攻撃を受け流すとノルベルトの体を蹴り飛ばす。
「うがっ!」
呻きを上げながら吹っ飛んだノルベルトに、リュシアンは少しだけ呆れた目を向ける。
すると、ロスペルが心配そうに声をかけてきた。
「兄さん、大丈夫?」
「あぁ、大丈夫だ」
弟から心配されて、満更でもないリュシアンは小さく笑みを零すと、ノルベルトが吹き飛んだ方を見つめる。
「それよりも、奴の意識が完全に俺に向いた。だから、今のうちにお前達4人でこいつらを無力化してこい」
「分かった」
いつになく真剣な表情のリュシアンの言葉にロスペルが頷いた時、ノロノロと立ち上がったノルベルトが駒達に命令する。
「お前達! そこにいる大柄な銀髪男は俺がやる! お前達はそれ以外の奴らを殺せ――!!」
「「「「「「うおぉ――――――!!」」」」
怨念が籠ったノルベルトの合図で、今までただのでくの坊だった騎士達や宮廷魔法師達、貴族達が雄叫びを上げながら一斉にリュシアン達に向かって攻撃をしかける。
「おぉ! 思った以上に上手くいったな! 良かったな、ロスペル!」
「兄さん、そんなこと言ってないでさっさとノルベルトの相手をしてきてください」
「はいはい。って、すぐに来ると思うが」
互いに笑みを零したリュシアンとロスペルは、得物を構えている3人とアイコンタクトを交わす。
そして、互いに背中合わせになると、そっと笑みを潜める。
「ロスペル、死ぬなよ」
「リュシアン兄さんこそ、死なないで」
(俺たちにはまだ)
(『家族と再会する』という約束があるのだから)
氷の避難場所で眠っている妹を思い出し、大剣と杖を握り締めた2人の兄は、決意を現すように己の名前を口にする。
「サザランス公爵家次期当主、リュシアン・サザランス!」
「ペトロート王国宮廷魔法師団副団長、ロスペル・サザランス」
「「『王国の盾』を賜りし我が家名に誓い、国を害する者達からこの国を守る!!」」
忘れ去られた公爵家次期当主と魔法師団副団長の気迫のある名乗りは、ノルベルトとノルベルトの駒達を一瞬だけ怯ませる。
それを見たリュシアンとロスペルは気合いを入れる。
「よっしゃ来い! ノルベルト!」
「皆さん、行きますよ!」
「「「はい!!!」」」
そうして、アリーナに表れし5人の男女は、大切なものを取り戻すために矛を向ける。
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