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最終章 木こりと騎士は……
第516話 二人で一緒に!!
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「う、ううっ……」
生死の境にいたフリージアは、メストの呼びかけに応じるように静かに目を開ける。
「フリージア!」
フリージアの美しい淡い緑色の瞳を見て、メストは嬉しさのあまり彼女をそっと抱き寄せる。
「メスト、さま?」
「そうだ、俺だ! メストだ! フリージア!」
「っ!」
(メスト様が私の名前を……本当の私の名前を呼んでくれた)
全てを奪われた日から願っていた。
『いつか、愛しい人が自分の本当の名前を呼んでくれること』を。
けれど、街中で彼とダリアが仲睦まじくいる姿を見かける度に、その願いは絶対に叶わないと絶望する。
そしていつしか、その願いに目を逸らした。
でも、再会して彼と交流する機会が増えるにつれて、蓋をしていた願いが日に日に大きくなっていった。
目を背けることが出来なくなるくらいに。
その儚くも切ない願いは今、遂に叶った。
「本当に、メスト様、なのですか?」
(実は、同じ顔をした別人なのでは……?)
あまりにも唐突すぎて不安が過ぎるフリージアに、そっと離れたメストが甘く微笑んだ。
「あぁ、お前の婚約者のメスト・ヴィルマンだ」
「っ!!」
(本当に、本当に思い出してくれたのね!)
全てが奪われる前に向けられていたメストの甘く優しい笑みに、ようやく実感が沸いたフリージアは思わず顔を歪める。
すると、メストがフリージアを再び抱き寄せた。
「生きていてくれて、本当に良かった」
「メスト様……!」
泣くのを堪えている声で囁かれ、歓喜に打ち震えたフリージアがそっと抱き返した。
そして刹那の時間、お互いの無事を確かめた後、メストから離れたフリージアが問い質す。
「それにしても、どうして、ここにメスト様がいらっしゃるのですか? それに私の名前も……」
(メスト様は今頃、王族の皆様の護衛をされているはず。それに、私と別れた時は、メスト様は私のことを忘れていた。それなのに、なぜ?)
すると、甘く微笑んだメストの表情が途端に険しいものに変わる。
「すまん。それは後で説明する。だからとりあえず……」
「っ!」
その時、何かを感じ取ったフリージアが、険しい顔をすると氷の向こう側に目を向ける。
「フリージア?」
「メスト様、今すぐここから私を出してもらえませんか?」
「えっ、だがフリージアは満身創痍で……」
「良いから早く!!」
(このままだとカトレア達が!!)
氷の向こう側で、親友達が悪意のある魔力に晒されていると察知したフリージアは、鬼気迫る表情でメストに詰め寄る。
そんな彼女の気迫に押されたメストは、彼女を抱き寄せたまま氷のドームに手を伸ばして消し去る。
その瞬間、ダリアが放った魔法で、カトレア達が炎の竜巻に閉じ込められた。
「あれは、インベック伯爵令嬢! どうして……!」
(彼女は倒れていたんじゃなかったのか!?)
驚きのあまり声を上げるメストをよそに、フリージアは近くに落ちていた銀色のレイピアを拾い上げる。
(お願い、もう一度だけ力を貸して!)
全てが奪われ、エドガスが亡くなったあの日から、ノルベルトによって折られた今日までフリージアと一緒に銀色のレイピア。
そんな満身創痍な相棒に、フリージアは祈るように地面に突き刺した。
すると、レイピアを持つフリージアの傷だらけの手をゴツゴツした大きな手が包み込んだ。
「メスト様」
「すまん、フリージア。俺はまた、お前1人を戦わせるところだった」
悔しそうに顔を歪めるメストは、フリージアの手を包み込んでいる手にそっと力を込めると、真剣な眼差しでフリージアを見つめる。
「フリージア、今のお前には俺がいる。だからお前は、シトリン達を助けることだけに集中しろ。それ以外のことは、俺に任せておけ」
(ボロボロになっても、大切な人達を守るためなら、決して逃げないのが俺が好きになったフリージアだ。ならば、俺は俺のやり方で彼女と彼女が守りたいものを守る!)
「っ!……はい!」
メストの言葉に背中を押され、力強く頷いたフリージアは、メストに体を支えられつつ、レイピアを通して地面に透明な魔力を流す。
(お願い、間に合って!!)
「《範囲干渉》!!」
その瞬間、カトレア達を囲んでいた炎の竜巻が、瞬く間に打ち消された。
生死の境にいたフリージアは、メストの呼びかけに応じるように静かに目を開ける。
「フリージア!」
フリージアの美しい淡い緑色の瞳を見て、メストは嬉しさのあまり彼女をそっと抱き寄せる。
「メスト、さま?」
「そうだ、俺だ! メストだ! フリージア!」
「っ!」
(メスト様が私の名前を……本当の私の名前を呼んでくれた)
全てを奪われた日から願っていた。
『いつか、愛しい人が自分の本当の名前を呼んでくれること』を。
けれど、街中で彼とダリアが仲睦まじくいる姿を見かける度に、その願いは絶対に叶わないと絶望する。
そしていつしか、その願いに目を逸らした。
でも、再会して彼と交流する機会が増えるにつれて、蓋をしていた願いが日に日に大きくなっていった。
目を背けることが出来なくなるくらいに。
その儚くも切ない願いは今、遂に叶った。
「本当に、メスト様、なのですか?」
(実は、同じ顔をした別人なのでは……?)
あまりにも唐突すぎて不安が過ぎるフリージアに、そっと離れたメストが甘く微笑んだ。
「あぁ、お前の婚約者のメスト・ヴィルマンだ」
「っ!!」
(本当に、本当に思い出してくれたのね!)
全てが奪われる前に向けられていたメストの甘く優しい笑みに、ようやく実感が沸いたフリージアは思わず顔を歪める。
すると、メストがフリージアを再び抱き寄せた。
「生きていてくれて、本当に良かった」
「メスト様……!」
泣くのを堪えている声で囁かれ、歓喜に打ち震えたフリージアがそっと抱き返した。
そして刹那の時間、お互いの無事を確かめた後、メストから離れたフリージアが問い質す。
「それにしても、どうして、ここにメスト様がいらっしゃるのですか? それに私の名前も……」
(メスト様は今頃、王族の皆様の護衛をされているはず。それに、私と別れた時は、メスト様は私のことを忘れていた。それなのに、なぜ?)
すると、甘く微笑んだメストの表情が途端に険しいものに変わる。
「すまん。それは後で説明する。だからとりあえず……」
「っ!」
その時、何かを感じ取ったフリージアが、険しい顔をすると氷の向こう側に目を向ける。
「フリージア?」
「メスト様、今すぐここから私を出してもらえませんか?」
「えっ、だがフリージアは満身創痍で……」
「良いから早く!!」
(このままだとカトレア達が!!)
氷の向こう側で、親友達が悪意のある魔力に晒されていると察知したフリージアは、鬼気迫る表情でメストに詰め寄る。
そんな彼女の気迫に押されたメストは、彼女を抱き寄せたまま氷のドームに手を伸ばして消し去る。
その瞬間、ダリアが放った魔法で、カトレア達が炎の竜巻に閉じ込められた。
「あれは、インベック伯爵令嬢! どうして……!」
(彼女は倒れていたんじゃなかったのか!?)
驚きのあまり声を上げるメストをよそに、フリージアは近くに落ちていた銀色のレイピアを拾い上げる。
(お願い、もう一度だけ力を貸して!)
全てが奪われ、エドガスが亡くなったあの日から、ノルベルトによって折られた今日までフリージアと一緒に銀色のレイピア。
そんな満身創痍な相棒に、フリージアは祈るように地面に突き刺した。
すると、レイピアを持つフリージアの傷だらけの手をゴツゴツした大きな手が包み込んだ。
「メスト様」
「すまん、フリージア。俺はまた、お前1人を戦わせるところだった」
悔しそうに顔を歪めるメストは、フリージアの手を包み込んでいる手にそっと力を込めると、真剣な眼差しでフリージアを見つめる。
「フリージア、今のお前には俺がいる。だからお前は、シトリン達を助けることだけに集中しろ。それ以外のことは、俺に任せておけ」
(ボロボロになっても、大切な人達を守るためなら、決して逃げないのが俺が好きになったフリージアだ。ならば、俺は俺のやり方で彼女と彼女が守りたいものを守る!)
「っ!……はい!」
メストの言葉に背中を押され、力強く頷いたフリージアは、メストに体を支えられつつ、レイピアを通して地面に透明な魔力を流す。
(お願い、間に合って!!)
「《範囲干渉》!!」
その瞬間、カトレア達を囲んでいた炎の竜巻が、瞬く間に打ち消された。
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