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最終章 木こりと騎士は……
第517話 一時撤退
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「はぁ、はぁ、はぁ……」
「「「フリージア!!!」」」
「「「フリージア嬢!!!」」」
メストに支えられながら、折れたレイピアを地面に突き刺し、ダリアの魔法を打ち消したフリージアに驚くカトレア達。
そんな彼女達を見て、フリージアは安堵の笑みを浮かべる。
(メスト様に抱き締められた時、ダリアの殺気と魔力を感じて、嫌な予感がしたからメスト様に声をかけたけど……良かった)
「本当に、良かった」
「フリージア!」
友人達と2人の兄が無事でいる姿に、一安心してレイピアから手を離したフリージアの体が後ろに倒れる。
それを見たメストは、慌てて彼女の華奢な体を抱き留める。
「ありがとうございます、メスト様」
「全く、お前は相変わらず無茶をする」
「えへへへっ、幻滅しました?」
(貴族令嬢として規格外だった私が、色々あって平民になって宰相に刃を向けている姿に)
メストが記憶を取り戻した今、フリージアは貴族令嬢ではなく平民なった自分が、宰相閣下に対して刃を向けている姿に幻滅したのではないかと内心不安だった。
だから、フリージアは茶目っ気たっぷりな感じでメストに聞いた。
後ろ向きな本心を隠し、万が一『幻滅した』という返事を聞いても、傷ついた心を精一杯誤魔化せるように。
そんな彼女の抱えている気持ちに気づいたのだろう、一瞬目を見張ったメストは優しく微笑むと安心させるように彼女の頭を撫でる。
「そんなわけあるか。俺が好きになったのは、貴族令嬢としてお転婆だが、お人好しで心優しいお前なのだから」
「っ!」
(メ、メスト様! 公衆の面前でなんていうこというのですか!)
メストから甘い言葉で否定され、顔を真っ赤にしたフリージアは恥ずかしそうに顔を俯かせる。
そんなフリージアをメストが満足げに見つめていると、ラピス達と共に炎の竜巻から解放されたカトレアが呆れたようにメストに声をかける。
「あの~、お熱いところすみませんが、フリージアが目を覚めしたのなら、さっさとこの場から離れますよ」
(そうじゃないと、師匠とサザランス夫妻に後で怒られそうなので)
「分かった。では、フリージア。俺と一緒に安全な場所に……」
「嫌です」
メストの言葉を遮ったフリージアは、決意を秘めた淡い緑の瞳をメストに向ける。
「私は『王国の盾』を賜ったサザランス公爵家の一員です。ならば、ここで国のために最後まで戦うことが私の務めです」
(そのために私がいるのだから)
得物が折れても尚、公爵家の使命を全うしようとするフリージアを見て、思わず苦笑したメストはフリージアをお姫様抱っこして立ち上がった。
「メ、メスト様!?」
「そう言うと思っていた。だが、今は自分を大切にしろ。リュシアンを見てみろ」
「っ!?」
言われるがままリュシアンの方を見ると、ラピスに支えられながら情けなく笑っているリュシアンがいた。
(兄妹の中でも1番強いリュシアン兄様が……)
「納得したか?」
「……はい」
落ち込んだように顔を伏せるフリージアに、メストは少しだけ顔を歪める。
(本当は叶えてやりたいが……すまない)
メストの脳裏に過ぎる、ノルベルトに倒されるフリージアの背中。
(あんな思いをするのは、もう二度とごめんだ)
抱き寄せているメストの手が僅かに震えていることに気づいたフリージアは、驚いたように大きく目を見開くと、彼の気持ちに寄り添うように静かに体を預けた。
すると、苦々しい顔で様子を伺っていたノルベルトが傀儡になったルベルとグレアとダリアに指示を出そうとする。
「チッ、邪魔しやがって。おい、こいつらを纏めて屠れ……」
「そうはさせない」
「っ!」
その時、アリーナ出入口から片手剣を持った男が殺気を放ちながら現れた。
「「「フリージア!!!」」」
「「「フリージア嬢!!!」」」
メストに支えられながら、折れたレイピアを地面に突き刺し、ダリアの魔法を打ち消したフリージアに驚くカトレア達。
そんな彼女達を見て、フリージアは安堵の笑みを浮かべる。
(メスト様に抱き締められた時、ダリアの殺気と魔力を感じて、嫌な予感がしたからメスト様に声をかけたけど……良かった)
「本当に、良かった」
「フリージア!」
友人達と2人の兄が無事でいる姿に、一安心してレイピアから手を離したフリージアの体が後ろに倒れる。
それを見たメストは、慌てて彼女の華奢な体を抱き留める。
「ありがとうございます、メスト様」
「全く、お前は相変わらず無茶をする」
「えへへへっ、幻滅しました?」
(貴族令嬢として規格外だった私が、色々あって平民になって宰相に刃を向けている姿に)
メストが記憶を取り戻した今、フリージアは貴族令嬢ではなく平民なった自分が、宰相閣下に対して刃を向けている姿に幻滅したのではないかと内心不安だった。
だから、フリージアは茶目っ気たっぷりな感じでメストに聞いた。
後ろ向きな本心を隠し、万が一『幻滅した』という返事を聞いても、傷ついた心を精一杯誤魔化せるように。
そんな彼女の抱えている気持ちに気づいたのだろう、一瞬目を見張ったメストは優しく微笑むと安心させるように彼女の頭を撫でる。
「そんなわけあるか。俺が好きになったのは、貴族令嬢としてお転婆だが、お人好しで心優しいお前なのだから」
「っ!」
(メ、メスト様! 公衆の面前でなんていうこというのですか!)
メストから甘い言葉で否定され、顔を真っ赤にしたフリージアは恥ずかしそうに顔を俯かせる。
そんなフリージアをメストが満足げに見つめていると、ラピス達と共に炎の竜巻から解放されたカトレアが呆れたようにメストに声をかける。
「あの~、お熱いところすみませんが、フリージアが目を覚めしたのなら、さっさとこの場から離れますよ」
(そうじゃないと、師匠とサザランス夫妻に後で怒られそうなので)
「分かった。では、フリージア。俺と一緒に安全な場所に……」
「嫌です」
メストの言葉を遮ったフリージアは、決意を秘めた淡い緑の瞳をメストに向ける。
「私は『王国の盾』を賜ったサザランス公爵家の一員です。ならば、ここで国のために最後まで戦うことが私の務めです」
(そのために私がいるのだから)
得物が折れても尚、公爵家の使命を全うしようとするフリージアを見て、思わず苦笑したメストはフリージアをお姫様抱っこして立ち上がった。
「メ、メスト様!?」
「そう言うと思っていた。だが、今は自分を大切にしろ。リュシアンを見てみろ」
「っ!?」
言われるがままリュシアンの方を見ると、ラピスに支えられながら情けなく笑っているリュシアンがいた。
(兄妹の中でも1番強いリュシアン兄様が……)
「納得したか?」
「……はい」
落ち込んだように顔を伏せるフリージアに、メストは少しだけ顔を歪める。
(本当は叶えてやりたいが……すまない)
メストの脳裏に過ぎる、ノルベルトに倒されるフリージアの背中。
(あんな思いをするのは、もう二度とごめんだ)
抱き寄せているメストの手が僅かに震えていることに気づいたフリージアは、驚いたように大きく目を見開くと、彼の気持ちに寄り添うように静かに体を預けた。
すると、苦々しい顔で様子を伺っていたノルベルトが傀儡になったルベルとグレアとダリアに指示を出そうとする。
「チッ、邪魔しやがって。おい、こいつらを纏めて屠れ……」
「そうはさせない」
「っ!」
その時、アリーナ出入口から片手剣を持った男が殺気を放ちながら現れた。
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