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最終章 木こりと騎士は……
第550話 もう1つの道
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「クソッ! どうして、どうして俺が! こんな目に遭わないといけないんだ!」
フリージアに予備の魔法陣を壊され、万策尽きて呆然とするノルベルト。
そんな彼に剣を向けていたディロイスは、背後にいる国王に指示を仰ぐ。
「陛下、この者を拘束してもよろしいでしょうか?」
「許可しよう」
「えっ?」
(ここで、本当に終わってしまうのか)
魔力が尽きて立つ気力すらないノルベルトの体を、ディロイスは懐から取り出した拘束魔法が付与された小箱型の魔道具で拘束する。
「クッ!」
(こんなところで、こんなところで終わりたくないのに!)
体の自由を奪われて顔を歪めたノルベルトは、冷たい目でこちらを見ているレクシャを睨みつける。
「俺が、悪魔に奪われたものを取り返して何が悪い! 自分の魔法で国を乗っ取って何が悪い! 俺が……改竄魔法でこの世界を手中に治めて何が悪い!!」
「ノルベルト貴様! いい加減にしろ!!」
声を荒げたディロイスがノルベルトの喉元に切っ先に突きつける。
だが、怒りに飲まれて視野が狭くなったノルベルトは、ディロイスの言葉を無視し、レクシャに向かって今まで積もりに積もった恨みをぶちまける。
「俺は、お前ら悪魔のせいで全てを奪われた! 俺が本来、享受すべきもの全てだ! 加えて、改竄魔法を使えるせいで、貴族達から虐げられた! それもこれも全て、お前ら悪魔が先代から全て奪ったせいだ! 俺の地位も名誉も全て落とされたのは全部お前らのせいだ!! それを黙って受け入れられるはずがない! 俺はノルベルト・インベック! 先代とは違う! 完璧に改竄魔法だた!! それを知らしめて、それを使って全てを取り戻して、一体に何が悪いっていうんだ! お前らだって自分がそうなったら俺と同じとをするくせに! 俺だけを悪者にするんじゃねぇよ!!!」
(俺はただ、奪われたものを取り戻しただけ! 改竄魔法のせいで落とされた名誉を回復させるため、改竄魔法を使っただけ! それのどこが悪いっていうんだ!!)
聞くに堪えないノルベルトの支離滅裂な言い訳。
だが、そこには彼が今まで『改竄魔法』という闇魔法のせいで翻弄された彼の人生が全て詰まっていた。
すると、黙って聞いていたレクシャがノルベルトの前にしゃがみ込んだ。
「公爵様、拘束されているとはいえ、ノルベルトの前に現れるなど危険です! 早くお下がり……」
「大丈夫だ」
(魔力も万策も尽きて、拘束されているなら大丈夫だ)
ディロイスを優しく制したレクシャは、ノルベルトに視線を戻す。
「な、なんだよ」
「ならばどうして、改竄魔法を使わないという道を選ばなかった?」
「は?」
困惑しているノルベルトに、瑠璃色の瞳に憐れみと悲しみを宿したレクシャが静かに語りかける。
「私と違い、貴様は改竄魔法ともう1つ土属性の魔法が使えたはずだ。ならば、改竄魔法ではなく、土属性の魔法を極めることだって出来たはずだ」
「そ、それは! 貴族達に俺が改竄魔法を使えると知れ渡って虐げられたから……!」
「だとしても、それは貴様がお父上に頼み、陛下の御前で次期当主として、『王国の影』として改竄魔法を使わないことを誓えば、貴族達を虐げようなんて思わない。それは、貴様だって知っていたはずだ」
(次期当主として、真面目に勉強をしていれば)
国王の前で特定の魔法を使わないと誓うということは生涯、その魔法を使わないという意味だった。
当然、『使わない』と誓った魔法を使えば、国王に……国に背いたとして即処刑される。
だが、『生涯、その魔法を使わない』と宣誓した後、宣誓した者に対し、悪意のある言葉を使って罵った場合、それが例え噂だとしても国王を侮辱した罪として、噂を流した者は即処刑される。
国王の前で特定の魔法を使わないと誓うのは、それくらい重いことなのだ。
ちなみに、前インベック伯爵は爵位をノルベルトに譲る際、国王の前で改竄魔法を使わない宣誓をするように説得しようとしていた。
例え、時すでに遅かったとしても、前伯爵は息子に改竄魔法を使わせない道に進ませようとしていたのだ。
「貴様が改竄魔法に費やした熱意を、土属性の魔法を極めることに向ければ、上級魔法を習得して宮廷魔法師として働く未来だってあったはずだ」
「それでも俺は、インベック家の……宰相家としての名誉を復活させるために……!」
パチン!
「っ! 貴様!!」
レクシャから頬を叩かれ、顔を歪めたノルベルトはレクシャに食ってかかろうとする。
だか、その前にレクシャから胸倉を掴まれた。
「いい加減現実を見ろ! ノルベルト・インベック!」
「っ!」
「インベック家は約300年前、国を揺るがす事件を起こし、そのせいで降爵と共に宰相家としての地位を失った! それは揺るがない事実だ! そして、約300年前に犯した罪を償おうと、何代にも渡って『王国の影』として、この国のために尽くしてきた!! その甲斐あって、今はインベック伯爵家のことを誰も悪く言わなくなった! それは、貴様だって先代から聞いているだろうが!」
「だが、俺がインベック伯爵家に生まれ、改竄魔法が使えるせいで俺自身の名誉が……!!」
「その名誉を守るための術を先代伯爵から教わっていたはずだ! 改竄魔法に囚われなくても、自分らしく生きる術を! それなのに貴様は、『改竄魔法』という闇魔法に囚われたせいで全て無にし、挙句の果てに貴様にとって大切な者たちを傷つけて……!」
「は? 何、言って……」
「パパ!」
その時、遠くから娘の声が聞こえた。
フリージアに予備の魔法陣を壊され、万策尽きて呆然とするノルベルト。
そんな彼に剣を向けていたディロイスは、背後にいる国王に指示を仰ぐ。
「陛下、この者を拘束してもよろしいでしょうか?」
「許可しよう」
「えっ?」
(ここで、本当に終わってしまうのか)
魔力が尽きて立つ気力すらないノルベルトの体を、ディロイスは懐から取り出した拘束魔法が付与された小箱型の魔道具で拘束する。
「クッ!」
(こんなところで、こんなところで終わりたくないのに!)
体の自由を奪われて顔を歪めたノルベルトは、冷たい目でこちらを見ているレクシャを睨みつける。
「俺が、悪魔に奪われたものを取り返して何が悪い! 自分の魔法で国を乗っ取って何が悪い! 俺が……改竄魔法でこの世界を手中に治めて何が悪い!!」
「ノルベルト貴様! いい加減にしろ!!」
声を荒げたディロイスがノルベルトの喉元に切っ先に突きつける。
だが、怒りに飲まれて視野が狭くなったノルベルトは、ディロイスの言葉を無視し、レクシャに向かって今まで積もりに積もった恨みをぶちまける。
「俺は、お前ら悪魔のせいで全てを奪われた! 俺が本来、享受すべきもの全てだ! 加えて、改竄魔法を使えるせいで、貴族達から虐げられた! それもこれも全て、お前ら悪魔が先代から全て奪ったせいだ! 俺の地位も名誉も全て落とされたのは全部お前らのせいだ!! それを黙って受け入れられるはずがない! 俺はノルベルト・インベック! 先代とは違う! 完璧に改竄魔法だた!! それを知らしめて、それを使って全てを取り戻して、一体に何が悪いっていうんだ! お前らだって自分がそうなったら俺と同じとをするくせに! 俺だけを悪者にするんじゃねぇよ!!!」
(俺はただ、奪われたものを取り戻しただけ! 改竄魔法のせいで落とされた名誉を回復させるため、改竄魔法を使っただけ! それのどこが悪いっていうんだ!!)
聞くに堪えないノルベルトの支離滅裂な言い訳。
だが、そこには彼が今まで『改竄魔法』という闇魔法のせいで翻弄された彼の人生が全て詰まっていた。
すると、黙って聞いていたレクシャがノルベルトの前にしゃがみ込んだ。
「公爵様、拘束されているとはいえ、ノルベルトの前に現れるなど危険です! 早くお下がり……」
「大丈夫だ」
(魔力も万策も尽きて、拘束されているなら大丈夫だ)
ディロイスを優しく制したレクシャは、ノルベルトに視線を戻す。
「な、なんだよ」
「ならばどうして、改竄魔法を使わないという道を選ばなかった?」
「は?」
困惑しているノルベルトに、瑠璃色の瞳に憐れみと悲しみを宿したレクシャが静かに語りかける。
「私と違い、貴様は改竄魔法ともう1つ土属性の魔法が使えたはずだ。ならば、改竄魔法ではなく、土属性の魔法を極めることだって出来たはずだ」
「そ、それは! 貴族達に俺が改竄魔法を使えると知れ渡って虐げられたから……!」
「だとしても、それは貴様がお父上に頼み、陛下の御前で次期当主として、『王国の影』として改竄魔法を使わないことを誓えば、貴族達を虐げようなんて思わない。それは、貴様だって知っていたはずだ」
(次期当主として、真面目に勉強をしていれば)
国王の前で特定の魔法を使わないと誓うということは生涯、その魔法を使わないという意味だった。
当然、『使わない』と誓った魔法を使えば、国王に……国に背いたとして即処刑される。
だが、『生涯、その魔法を使わない』と宣誓した後、宣誓した者に対し、悪意のある言葉を使って罵った場合、それが例え噂だとしても国王を侮辱した罪として、噂を流した者は即処刑される。
国王の前で特定の魔法を使わないと誓うのは、それくらい重いことなのだ。
ちなみに、前インベック伯爵は爵位をノルベルトに譲る際、国王の前で改竄魔法を使わない宣誓をするように説得しようとしていた。
例え、時すでに遅かったとしても、前伯爵は息子に改竄魔法を使わせない道に進ませようとしていたのだ。
「貴様が改竄魔法に費やした熱意を、土属性の魔法を極めることに向ければ、上級魔法を習得して宮廷魔法師として働く未来だってあったはずだ」
「それでも俺は、インベック家の……宰相家としての名誉を復活させるために……!」
パチン!
「っ! 貴様!!」
レクシャから頬を叩かれ、顔を歪めたノルベルトはレクシャに食ってかかろうとする。
だか、その前にレクシャから胸倉を掴まれた。
「いい加減現実を見ろ! ノルベルト・インベック!」
「っ!」
「インベック家は約300年前、国を揺るがす事件を起こし、そのせいで降爵と共に宰相家としての地位を失った! それは揺るがない事実だ! そして、約300年前に犯した罪を償おうと、何代にも渡って『王国の影』として、この国のために尽くしてきた!! その甲斐あって、今はインベック伯爵家のことを誰も悪く言わなくなった! それは、貴様だって先代から聞いているだろうが!」
「だが、俺がインベック伯爵家に生まれ、改竄魔法が使えるせいで俺自身の名誉が……!!」
「その名誉を守るための術を先代伯爵から教わっていたはずだ! 改竄魔法に囚われなくても、自分らしく生きる術を! それなのに貴様は、『改竄魔法』という闇魔法に囚われたせいで全て無にし、挙句の果てに貴様にとって大切な者たちを傷つけて……!」
「は? 何、言って……」
「パパ!」
その時、遠くから娘の声が聞こえた。
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