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第4章 記憶と思惑のフィアンツ帝国
第200話 ワケアリ文官の謎(後編)
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「ああっ!!」
「どっ、どうした!?」
何かを思い出して再び大声を上げたカトレアに、隣にいたラピスが僅かに肩を震わせた。
すると、2人の周りにいた騎士達と馬車にいた研究者達が揃って不審な目を向けて来た。
「おい、ラピス。何かあったか?」
「いえ、何もありません!」
「そうか、それならいいが」
前を歩いていた騎士が、安堵したように溜息をつくと何事もなかったかのように視線を前に戻した。
そんな彼らに申し訳なさそうに頭を下げたラピスは、そのままカトレアに耳打ちした。
「おい、突然大声出すなよ。他の人が驚くだろ?」
「ごっ、ごめん! でっ、でも! 剣で1つ思い出したことがあったのよ!」
「何だよ?」
(というか、急に耳打ちしてくるなんて反則よ!)
不機嫌顔のラピスからの耳打ちに、僅かに頬を染めたカトレアは、彼から少しだけ顔を離すと辺りを見回した。
そして、息を整えると小声でラピスに話かけた。
「実は彼、透明な魔力を剣に纏わせていたわ」
「透明な魔力!?」
(それって、まさか……!?)
「おいおい、ラピス。恋人といちゃつくのは構わないが、任務の真っ最中であることを忘れるなよ~」
「すっ、すみません……」
前を歩いていた騎士のからかい交じりの注意を受けたラピスは、頬を染めた平謝りするとカトレアの方に視線を戻して小声で返した。
「なぁ、その魔力って、もしかして魔法を打ち消していなかったか?」
「えっ!? あっ、あぁ、そうね……丁度、彼の後ろにいたからよく見えなかったけど、魔力を纏わせた剣を横に振った瞬間、前から飛んできた火球があっという間に消えたのよ」
カトレアの証言に、ラピスは僅かに眉を顰めた。
(やっぱりそうなのか。だとしたら、マクシェル殿はメスト隊長と懇意にしている平民……カミル君と何か関係があるのかもしれない)
『隊長。カミルって、どこかの貴族の出なのですか?』
『いいや、本人曰く、孤児院で育って天涯孤独の平民だって言っていた』
「カミル君は、本当に天涯孤独の平民なのか?」
「ラピス、どうかしたの?」
ラピスの呟きに、小首を傾げるカトレア。
そんな彼女に気づいたラピスは、小さく笑みを浮かべると首を横に振った。
「いや、何でもない。それよりも、そろそろ帝都に着くな」
「えぇ、そうね。確か、帝都に着いたら、私たちはルベル団長が用意したホテルに行って、そこで一泊するのよね?」
「そうだな。そして翌日、王城内にある魔法研究所に足を運ぶ算段だ」
(この森を抜けて、少し歩けば帝都に着く。正直、帝都がどんなところか分からないが、王国からの使者として無礼な振る舞いにならないよう気を付けないと。それと……)
馬車の中で、楽しそうに研究者達とマクシェルを、ラピスは疑うような目で見つめた。
(ペトロート王国下級文官マクシェル。普段は、辺境にある王国直轄領で下級文官として主に雑用を任されている。元は、帝国で有名な貴族の出で、皇帝陛下の命令で王国に来ている御仁……)
「なぁ、カトレア」
「何かしら?」
「お前から見て、マクシェル殿はどう映る?」
ラピスの視線の先に気づいたカトレアは、そのままマクシェルの方を見ると僅かに眉を顰めた。
「そうね。普通の下級文官なら特に何も思わないけど、皇帝陛下と国王陛下が信頼を置き、王国と帝国の魔道具技術の問題点をスラスラ言えたり、魔物を一瞬で屠ったり、魔力を自由自在に操ったり……とてもじゃないけど、ワケアリ下級文官としか思えないわね」
「そうだよな」
(本当、あなたは一体……)
「お~い、そろそろ帝都が見えてくるぞ~」
「あっ、はい!」
(とりあえず、今は帝国での任務を完遂させよう。そして、王都に戻ったら団長にこのことを報告しなければ)
そっと息を吐いたラピスは、何かを思い出して隣にいる婚約者に目を細めた。
「それと、カトレア」
「何かしら?」
「昨日の夜に1人で森に行った件、王都に戻ったら婚約者としてじっくり話し合うから覚悟しとけよ」
「うっ!……はい」
申し訳なさそうに肩を落としたカトレアに、ラピスは呆れたように溜息をつくと視線を前に向けた。
「どっ、どうした!?」
何かを思い出して再び大声を上げたカトレアに、隣にいたラピスが僅かに肩を震わせた。
すると、2人の周りにいた騎士達と馬車にいた研究者達が揃って不審な目を向けて来た。
「おい、ラピス。何かあったか?」
「いえ、何もありません!」
「そうか、それならいいが」
前を歩いていた騎士が、安堵したように溜息をつくと何事もなかったかのように視線を前に戻した。
そんな彼らに申し訳なさそうに頭を下げたラピスは、そのままカトレアに耳打ちした。
「おい、突然大声出すなよ。他の人が驚くだろ?」
「ごっ、ごめん! でっ、でも! 剣で1つ思い出したことがあったのよ!」
「何だよ?」
(というか、急に耳打ちしてくるなんて反則よ!)
不機嫌顔のラピスからの耳打ちに、僅かに頬を染めたカトレアは、彼から少しだけ顔を離すと辺りを見回した。
そして、息を整えると小声でラピスに話かけた。
「実は彼、透明な魔力を剣に纏わせていたわ」
「透明な魔力!?」
(それって、まさか……!?)
「おいおい、ラピス。恋人といちゃつくのは構わないが、任務の真っ最中であることを忘れるなよ~」
「すっ、すみません……」
前を歩いていた騎士のからかい交じりの注意を受けたラピスは、頬を染めた平謝りするとカトレアの方に視線を戻して小声で返した。
「なぁ、その魔力って、もしかして魔法を打ち消していなかったか?」
「えっ!? あっ、あぁ、そうね……丁度、彼の後ろにいたからよく見えなかったけど、魔力を纏わせた剣を横に振った瞬間、前から飛んできた火球があっという間に消えたのよ」
カトレアの証言に、ラピスは僅かに眉を顰めた。
(やっぱりそうなのか。だとしたら、マクシェル殿はメスト隊長と懇意にしている平民……カミル君と何か関係があるのかもしれない)
『隊長。カミルって、どこかの貴族の出なのですか?』
『いいや、本人曰く、孤児院で育って天涯孤独の平民だって言っていた』
「カミル君は、本当に天涯孤独の平民なのか?」
「ラピス、どうかしたの?」
ラピスの呟きに、小首を傾げるカトレア。
そんな彼女に気づいたラピスは、小さく笑みを浮かべると首を横に振った。
「いや、何でもない。それよりも、そろそろ帝都に着くな」
「えぇ、そうね。確か、帝都に着いたら、私たちはルベル団長が用意したホテルに行って、そこで一泊するのよね?」
「そうだな。そして翌日、王城内にある魔法研究所に足を運ぶ算段だ」
(この森を抜けて、少し歩けば帝都に着く。正直、帝都がどんなところか分からないが、王国からの使者として無礼な振る舞いにならないよう気を付けないと。それと……)
馬車の中で、楽しそうに研究者達とマクシェルを、ラピスは疑うような目で見つめた。
(ペトロート王国下級文官マクシェル。普段は、辺境にある王国直轄領で下級文官として主に雑用を任されている。元は、帝国で有名な貴族の出で、皇帝陛下の命令で王国に来ている御仁……)
「なぁ、カトレア」
「何かしら?」
「お前から見て、マクシェル殿はどう映る?」
ラピスの視線の先に気づいたカトレアは、そのままマクシェルの方を見ると僅かに眉を顰めた。
「そうね。普通の下級文官なら特に何も思わないけど、皇帝陛下と国王陛下が信頼を置き、王国と帝国の魔道具技術の問題点をスラスラ言えたり、魔物を一瞬で屠ったり、魔力を自由自在に操ったり……とてもじゃないけど、ワケアリ下級文官としか思えないわね」
「そうだよな」
(本当、あなたは一体……)
「お~い、そろそろ帝都が見えてくるぞ~」
「あっ、はい!」
(とりあえず、今は帝国での任務を完遂させよう。そして、王都に戻ったら団長にこのことを報告しなければ)
そっと息を吐いたラピスは、何かを思い出して隣にいる婚約者に目を細めた。
「それと、カトレア」
「何かしら?」
「昨日の夜に1人で森に行った件、王都に戻ったら婚約者としてじっくり話し合うから覚悟しとけよ」
「うっ!……はい」
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