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第5章 止まっていた運命が動き出す
第312話 いい加減に……
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「キャッ!!」
カミルが放った短刀が魔道具に突き刺さり、驚いた拍子にダリアが手の中にあった魔道具を落とす。
そして、地面に落ちた魔道具が透明な魔力を纏った短刀ごと粉々に砕け散った。
「あんた、一体何してくれるのよ!」
使いたかった魔道具を壊されて怒りを露にするダリア。
そんな彼女に、険しい顔をしたカミルが冷たく言い放つ。
「あなたこそ、一体何をやっているの? その魔道具、確か周囲にいる人々の魔力を吸い取り、そのまま自分のものにする闇魔法が付与された魔道具よね?」
「……あんた、どうしてそんなこと知っているのよ?」
カミルの言葉に、頭が冷えたダリアが静かに問い質すと、無表情に戻したカミルが小さく拳を握り、そのままラピスの前に立つ。
「そんなことはどうでもいいわ。とにかく、王族が管理を任されている魔道具をどうしてあなたが持っているのよ?」
ペトロート王国では、闇魔法が付与された魔道具は全て国のトップである王族が管理している。
そのため、闇魔法が付与された魔道具を外に持ち出す際は、必ず王族の許可が必要となる。
ちなみに、勝手に持ち出した時点で不敬罪として重い罰が課せられ、その上で壊した場合は更なる罰が課せられる。
しかし、持ち出した者に魔道具を使わせないよう、持ち出した者以外の人間がやむを得ず魔道具を壊した場合は、持ち出した者は罪に問われるが、壊した者は罪には問われない。
つまり、魔道具を勝手に持ち出したダリアは罪に問われるが、ダリアに魔道具を使わせないように短刀で魔道具を壊したカミルは罪に問われないことになる。
(いくら宰相家令嬢だからといって、王族が管理している魔道具をそう簡単に借りられるわけがないわ。何せあれは、いくつもの厳しい審査を通ってようやく借りられる物なのだから)
すると、ダリアが不機嫌そうな顔で答えた。
「フン! それはもちろん、王族から貰ったのよ」
「はっ?」
(『貰った』?『借りた』じゃなくて?)
唖然とするカミルに、ダリアは腰に手を置いて胸を張った。
「そもそも私は、宰相家令嬢なの! だから、この国の魔道具は全部私が使ってもいいの!」
「……あなた、自分が何を言っているのか分かっているの?」
「分かっているわよ」
「だったら、それが国王陛下に対する無礼だということも分かっているわよね?」
いつもの中性的なアルト声ではなく、女性らしいソプラノ声で問い質したカミルは、必死で怒りを抑える。
(宰相は国の政を纏める立場であり、その宰相がいる家に生まれた令嬢は、貴族令嬢のお手本となる振る舞いをしないといけない。間違ってもそんな身勝手なことをして良い地位じゃないわ!)
ダリアに冷たい目を向けつつレイピアを強く握るカミルに対し、更に眉を顰めたダリアがカミルに侮蔑の目を向ける。
「はぁ? あんたこそ、下民のくせに何を言っているの? 私は王族の次に……いや、王族より偉い立場にいるのよ! そんな私がたかだか国王に対して無礼を働いたからって何になるのよ!」
「あんた、いい加減に……」
怒りを抑えきれなくなったカミルが、足元に魔力を纏わせ時、人混みの中から出てきた大柄な男性が耳のつんざくような大声で叫んだ。
「お前たち、一体何をやっているんだ!!」
カミルが放った短刀が魔道具に突き刺さり、驚いた拍子にダリアが手の中にあった魔道具を落とす。
そして、地面に落ちた魔道具が透明な魔力を纏った短刀ごと粉々に砕け散った。
「あんた、一体何してくれるのよ!」
使いたかった魔道具を壊されて怒りを露にするダリア。
そんな彼女に、険しい顔をしたカミルが冷たく言い放つ。
「あなたこそ、一体何をやっているの? その魔道具、確か周囲にいる人々の魔力を吸い取り、そのまま自分のものにする闇魔法が付与された魔道具よね?」
「……あんた、どうしてそんなこと知っているのよ?」
カミルの言葉に、頭が冷えたダリアが静かに問い質すと、無表情に戻したカミルが小さく拳を握り、そのままラピスの前に立つ。
「そんなことはどうでもいいわ。とにかく、王族が管理を任されている魔道具をどうしてあなたが持っているのよ?」
ペトロート王国では、闇魔法が付与された魔道具は全て国のトップである王族が管理している。
そのため、闇魔法が付与された魔道具を外に持ち出す際は、必ず王族の許可が必要となる。
ちなみに、勝手に持ち出した時点で不敬罪として重い罰が課せられ、その上で壊した場合は更なる罰が課せられる。
しかし、持ち出した者に魔道具を使わせないよう、持ち出した者以外の人間がやむを得ず魔道具を壊した場合は、持ち出した者は罪に問われるが、壊した者は罪には問われない。
つまり、魔道具を勝手に持ち出したダリアは罪に問われるが、ダリアに魔道具を使わせないように短刀で魔道具を壊したカミルは罪に問われないことになる。
(いくら宰相家令嬢だからといって、王族が管理している魔道具をそう簡単に借りられるわけがないわ。何せあれは、いくつもの厳しい審査を通ってようやく借りられる物なのだから)
すると、ダリアが不機嫌そうな顔で答えた。
「フン! それはもちろん、王族から貰ったのよ」
「はっ?」
(『貰った』?『借りた』じゃなくて?)
唖然とするカミルに、ダリアは腰に手を置いて胸を張った。
「そもそも私は、宰相家令嬢なの! だから、この国の魔道具は全部私が使ってもいいの!」
「……あなた、自分が何を言っているのか分かっているの?」
「分かっているわよ」
「だったら、それが国王陛下に対する無礼だということも分かっているわよね?」
いつもの中性的なアルト声ではなく、女性らしいソプラノ声で問い質したカミルは、必死で怒りを抑える。
(宰相は国の政を纏める立場であり、その宰相がいる家に生まれた令嬢は、貴族令嬢のお手本となる振る舞いをしないといけない。間違ってもそんな身勝手なことをして良い地位じゃないわ!)
ダリアに冷たい目を向けつつレイピアを強く握るカミルに対し、更に眉を顰めたダリアがカミルに侮蔑の目を向ける。
「はぁ? あんたこそ、下民のくせに何を言っているの? 私は王族の次に……いや、王族より偉い立場にいるのよ! そんな私がたかだか国王に対して無礼を働いたからって何になるのよ!」
「あんた、いい加減に……」
怒りを抑えきれなくなったカミルが、足元に魔力を纏わせ時、人混みの中から出てきた大柄な男性が耳のつんざくような大声で叫んだ。
「お前たち、一体何をやっているんだ!!」
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