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第5章 止まっていた運命が動き出す
第313話 騎士団長の登場
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「お前達、一体何をやっている!!」
「「「っ!」」」
周囲一帯を威圧すようなその声は、ラピスや倒れているメストにとって聞き馴染みがあり、カミルにとっては懐かしい声だった。
(この声、もしかして……)
大きく目を見開いたカミルが眉を顰めるダリアから声の聞こえた方に視線を向ける。
その時、ラピスが大声で声の主の名を呼んだ。
「フェビル団長!!」と。
「その声、もしかしてラピスか?」
「はい!!」
『ラピス』という名前に僅かに眉を潜ませたダリアだったが、双剣を持っている彼がラピスだとは結びつかないようで、バカにしたように鼻で笑った。
(もしかしてあの令嬢、あれがラピスだと気づいていないのか?)
ラピスに向かって侮蔑の目を向けるダリアに、フェビルは不思議に思いつつ、部下を従えて群衆の中から出て、そのまま驚いた顔で敬礼をしているラピスに駆け寄る。
そして、倒れている黄金の騎士達や宮廷魔法師達に目を向けて顔を顰めた。
「ラピス、ここにダリア嬢がいるからして何となく察しがつくが一応説明してくれ」
「ハッ! そちらにいるかの令嬢が、魅了魔法で騎士達や宮廷魔法師達が操り、平民達に危害を加えようとしていたので、そちらにいる平民と共に操り人形達を無力化していたのです」
「そちらにいる平民……っ?!」
首を傾げたまま後ろを振り向いたフェビルは、後ろでレイピアを構えている人物に思わず言葉を失う。
(木こりの恰好に銀色のレイピア。そして、ペリドットのような淡い緑色の瞳の瞳……間違いない)
「本当に、あなた様だったのですね」
メストやシトリンの話を聞いてから、木こりの正体が『忘れ去られた貴族令嬢』であるかもしれないと予想していたフェビルは、初めて見る木こりの姿に言葉では言い表せない悔しさがこみ上げた。
(色々と聞きたいことがあるが……一先ず、この状況をどうにかしなければ)
冷たい目でこちらを見ているカミルから視線を逸らしたフェビルは、そのままラピスに視線を戻すと彼が着ている鎧について問い質す。
「それで、どうしてお前はその恰好をしている?」
「それが、相手が相手でしたので……」
気まずそうに視線を動かすラピスに、フェビルはゆっくりと視線を移すと、そこには不機嫌そうこちらを見るダリアがいた。
(なるほど。やはり、あの淫乱令嬢の悪戯を止めていたというわけか)
「フン! いきなり何なのあんた達! この私を邪魔するなんていい度胸じゃない!」
騎士団長が来ていることに気付かないダリアを見て、違和感を覚えたフェビルがラピスに囁く。
「おい、あれは演技か? それとも本気で言っているのか?」
「あれは演技ではありません。恐らく、改竄魔法の影響で忘れているのかと」
「うっ! そんな状態でまだ宰相家令嬢を名乗っているとは……」
「団長。気持ちは分かりますが、先に事を収めましょう。そこにいるもう1人の令嬢もそれを望んでいます」
「……分かっている」
(本物の宰相家令嬢がそれを望んでいるのなら)
レイピアを構えながら無表情でこちらを見ているカミルを一瞥し、気まずそうに目を伏せたフェビルは、大きく息を吐くとダリアに向かって恭しくお辞儀をした。
「お初にお目にかかります、ダリア・インベック公爵令嬢」
「はぁ? 誰よ、あんた。あんたみたいな暑苦しい男、知らないわ」
横柄な態度で堂々と慇懃無礼なことを口にするダリアに、僅かに眉を動かしたフェビルは更に深く頭を下げる。
「私、ペトロート王国騎士団団長、フェビル・シュタールと申します。今回、あなた様のお父上であらせられる宰相閣下から『愛娘が王都で騒ぎを起こしている』と聞きつけ、こちらに参った次第で……」
「まぁ! あなた、お父様の使者だったのね! ごめんなさい、てっきりそこにいる愚民のお仲間さんかと思ったわ!」
「…………」
(全く言葉が通じていない。これも改竄魔法の影響なのか……でもまぁ、これで事が収まるのなら構わない)
嬉しそうな笑みで的外れなことを言うダリアに対し、殺気を放っているラピスに無言で止めるように合図したフェビルは、作り笑いを浮かべながらゆっくりと頭を上げる。
「はい。ですので、あなた様にはこれから王城の方に来ていただいて……」
「つまり、お父様のところに行けばいいのね! 分かったわ! 丁度、暇つぶしにも飽きてきた頃だし、今すぐ行ってあげる♪」
「……ありがとうございます」
倒れている騎士や宮廷魔法師、メイド達に一切目もくれず、ご機嫌になったダリアはスキップしながらその場を後にした。
「「「っ!」」」
周囲一帯を威圧すようなその声は、ラピスや倒れているメストにとって聞き馴染みがあり、カミルにとっては懐かしい声だった。
(この声、もしかして……)
大きく目を見開いたカミルが眉を顰めるダリアから声の聞こえた方に視線を向ける。
その時、ラピスが大声で声の主の名を呼んだ。
「フェビル団長!!」と。
「その声、もしかしてラピスか?」
「はい!!」
『ラピス』という名前に僅かに眉を潜ませたダリアだったが、双剣を持っている彼がラピスだとは結びつかないようで、バカにしたように鼻で笑った。
(もしかしてあの令嬢、あれがラピスだと気づいていないのか?)
ラピスに向かって侮蔑の目を向けるダリアに、フェビルは不思議に思いつつ、部下を従えて群衆の中から出て、そのまま驚いた顔で敬礼をしているラピスに駆け寄る。
そして、倒れている黄金の騎士達や宮廷魔法師達に目を向けて顔を顰めた。
「ラピス、ここにダリア嬢がいるからして何となく察しがつくが一応説明してくれ」
「ハッ! そちらにいるかの令嬢が、魅了魔法で騎士達や宮廷魔法師達が操り、平民達に危害を加えようとしていたので、そちらにいる平民と共に操り人形達を無力化していたのです」
「そちらにいる平民……っ?!」
首を傾げたまま後ろを振り向いたフェビルは、後ろでレイピアを構えている人物に思わず言葉を失う。
(木こりの恰好に銀色のレイピア。そして、ペリドットのような淡い緑色の瞳の瞳……間違いない)
「本当に、あなた様だったのですね」
メストやシトリンの話を聞いてから、木こりの正体が『忘れ去られた貴族令嬢』であるかもしれないと予想していたフェビルは、初めて見る木こりの姿に言葉では言い表せない悔しさがこみ上げた。
(色々と聞きたいことがあるが……一先ず、この状況をどうにかしなければ)
冷たい目でこちらを見ているカミルから視線を逸らしたフェビルは、そのままラピスに視線を戻すと彼が着ている鎧について問い質す。
「それで、どうしてお前はその恰好をしている?」
「それが、相手が相手でしたので……」
気まずそうに視線を動かすラピスに、フェビルはゆっくりと視線を移すと、そこには不機嫌そうこちらを見るダリアがいた。
(なるほど。やはり、あの淫乱令嬢の悪戯を止めていたというわけか)
「フン! いきなり何なのあんた達! この私を邪魔するなんていい度胸じゃない!」
騎士団長が来ていることに気付かないダリアを見て、違和感を覚えたフェビルがラピスに囁く。
「おい、あれは演技か? それとも本気で言っているのか?」
「あれは演技ではありません。恐らく、改竄魔法の影響で忘れているのかと」
「うっ! そんな状態でまだ宰相家令嬢を名乗っているとは……」
「団長。気持ちは分かりますが、先に事を収めましょう。そこにいるもう1人の令嬢もそれを望んでいます」
「……分かっている」
(本物の宰相家令嬢がそれを望んでいるのなら)
レイピアを構えながら無表情でこちらを見ているカミルを一瞥し、気まずそうに目を伏せたフェビルは、大きく息を吐くとダリアに向かって恭しくお辞儀をした。
「お初にお目にかかります、ダリア・インベック公爵令嬢」
「はぁ? 誰よ、あんた。あんたみたいな暑苦しい男、知らないわ」
横柄な態度で堂々と慇懃無礼なことを口にするダリアに、僅かに眉を動かしたフェビルは更に深く頭を下げる。
「私、ペトロート王国騎士団団長、フェビル・シュタールと申します。今回、あなた様のお父上であらせられる宰相閣下から『愛娘が王都で騒ぎを起こしている』と聞きつけ、こちらに参った次第で……」
「まぁ! あなた、お父様の使者だったのね! ごめんなさい、てっきりそこにいる愚民のお仲間さんかと思ったわ!」
「…………」
(全く言葉が通じていない。これも改竄魔法の影響なのか……でもまぁ、これで事が収まるのなら構わない)
嬉しそうな笑みで的外れなことを言うダリアに対し、殺気を放っているラピスに無言で止めるように合図したフェビルは、作り笑いを浮かべながらゆっくりと頭を上げる。
「はい。ですので、あなた様にはこれから王城の方に来ていただいて……」
「つまり、お父様のところに行けばいいのね! 分かったわ! 丁度、暇つぶしにも飽きてきた頃だし、今すぐ行ってあげる♪」
「……ありがとうございます」
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