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第6章 待ち望んだ再会と星降る夜の語らい
第382話 ルベルの処遇
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「それで結局、団長はあのクソ……失礼、宰相閣下とゴミ……失礼、その場にいた貴族達を魔法で黙らせてその場を後にしたということでしょうか?」
「お前、ちょいちょい本音が漏れているが……まぁ、そんなところだ」
ルベルから謁見の間での出来事を一通り聞いたカトレアは、深く溜息をつくと額に手を置いた。
「団長、無茶苦茶なことをするのはフェビル団長だけにしてくださいよ」
「仕方ないだろ、あの場にいた全員が俺の話を全く聞いてくれなかったんだから。これでも土属性の上級魔法は使わなかったぞ」
「……そもそも、上級魔法自体、対魔物用に使う魔法で対人用に使う魔法ではありません」
酷く疲れた顔でテーブルに突っ伏した上司に、呆れたように溜息をついたカトレアは、背を正すと小さく笑みを零す。
「ですが、私のために宰相閣下や貴族達と渡り合っていただき、本当にありがとうございました」
(私は本当に良い上司に恵まれたわ。そこに、私の師匠でありもう1人の上司もいれば言うこと無しなのだけど)
今の宮廷魔法師団の副団長の席に、本物の『天才魔法師』であるロスペルではなく、ノルベルトの息子であり第一王女の婚約者であるリアンが座っている事実を思い出し、カトレアは寂しそうに瞼を伏せる。
そんな彼女の寂しげな顔を見て、ルベルは内心首を傾げつつ、テーブルからそっと顔を上げたルベルが得意げな笑みを浮かべて両手を組んだ。
「まぁ、お前は俺の大事な部下だ。上司として当然のことをした。それだけの話だ」
「団長……」
尊敬する上司の頼りになる言葉を聞いて、安堵の笑みを浮かべるカトレア。
しかし、何かが脳裏を過り、すぐさま不安そうな顔をした。
「とはいえ、あの宰相閣下が今回のことで『宮廷魔法師団を私物化する』というしょうもない野望を諦めるのでしょうか?」
「『しょうもない』ってお前なぁ……」
「事実ではありませんか」
(あの無駄にプライドの高いノルベルトのことよ。近いうちにまた団長を呼び出すかもしれないわ)
不安げな顔で問い質すカトレアに、小さく溜息をついたルベルは膝の上で行儀悪く頬杖を突いてそっぽを向く。
「さぁな、だが近いうちに再び呼び出すかもしれない」
「でしたら……!」
「だが、それは今ではない」
「えっ?」
意外な返事にカトレアが目を見開くと、そっぽを向いていたルベルがカトレアに視線を戻す。
「よく考えてみろ。今は建国祭の準備でどこもかしこも忙しい。特に、建国祭全体を取り仕切る立場である宰相閣下なら尚更。だから、建国祭が終わるまでは呼び出しなんてしねぇだろう」
「では、建国祭が終われば団長は……」
『辞めるかもしれない』という不安を抱えながら恐る恐る聞いたカトレアに、ルベルが寂しそうな笑みを浮かべて小さく頷く。
「まぁ、そうなるかもしれないな」
「そう、ですか……」
(でも、そんなことはさせない。絶対に)
宮廷魔法師団団長として潔い返事をしたルベルを見て、カトレアは静かに俯いて小さく拳を握る。
すると、何かを思い出したルベルが頬杖を止める。
「そう言えばあいつ、変な魔法を使っていたな」
「変な魔法?」
ゆっくりと顔を上げたカトレアに、顎に手を置いたルベルが不思議そうに首を傾げる。
「あぁ、本人曰く『これは神から与えられた特別な魔法だ』みたいなことを言っていたが……あれはどう見ても闇魔法だった」
「っ!」
(それって、もしかしなくても改竄魔法よね!!)
ノルベルトの『変な魔法』の正体にすぐさま気づいたカトレアは、動揺を隠そうと紅茶に口を付けて一息つけ、僅かに震える手で静かにティーカップを置くと背をした。
「……団長、その魔法について少し伺ってもよろしいでしょうか?」
「あぁ、良いぞ」
「宰相閣下は闇魔法を使われたというのは本当でしょうか?」
「あぁ、俺も初めて見る闇魔法だから、一体何の魔法かは分からなかったが……恐らく、精神系の魔法だろう。ノルベルトがふざけた詠唱をした瞬間、そこにいた腰巾着共が突然、奴の操り人形になったからな」
「っ!」
(やっぱり……あの男、謁見の間で改竄魔法を使うなんて最低ね!)
ペトロート王国では、謁見の間で魔法を使ったり、剣を向けたりすることは、国王に対して反逆の意志があると捉えられる。
そのため、暗黙の了解で魔法の使用や騎士以外の者が帯剣することを禁じている。
「……玉座に座るだけじゃ飽き足らず、忌々しい魔法を使うなんて……本当、正気の沙汰じゃないわね」
「カトレア、どうかしたか?」
「いえ、何でも」
澄ました顔でティーカップに口を付けたカトレアは、胸の内で怒りの炎で燃やしていた。
「お前、ちょいちょい本音が漏れているが……まぁ、そんなところだ」
ルベルから謁見の間での出来事を一通り聞いたカトレアは、深く溜息をつくと額に手を置いた。
「団長、無茶苦茶なことをするのはフェビル団長だけにしてくださいよ」
「仕方ないだろ、あの場にいた全員が俺の話を全く聞いてくれなかったんだから。これでも土属性の上級魔法は使わなかったぞ」
「……そもそも、上級魔法自体、対魔物用に使う魔法で対人用に使う魔法ではありません」
酷く疲れた顔でテーブルに突っ伏した上司に、呆れたように溜息をついたカトレアは、背を正すと小さく笑みを零す。
「ですが、私のために宰相閣下や貴族達と渡り合っていただき、本当にありがとうございました」
(私は本当に良い上司に恵まれたわ。そこに、私の師匠でありもう1人の上司もいれば言うこと無しなのだけど)
今の宮廷魔法師団の副団長の席に、本物の『天才魔法師』であるロスペルではなく、ノルベルトの息子であり第一王女の婚約者であるリアンが座っている事実を思い出し、カトレアは寂しそうに瞼を伏せる。
そんな彼女の寂しげな顔を見て、ルベルは内心首を傾げつつ、テーブルからそっと顔を上げたルベルが得意げな笑みを浮かべて両手を組んだ。
「まぁ、お前は俺の大事な部下だ。上司として当然のことをした。それだけの話だ」
「団長……」
尊敬する上司の頼りになる言葉を聞いて、安堵の笑みを浮かべるカトレア。
しかし、何かが脳裏を過り、すぐさま不安そうな顔をした。
「とはいえ、あの宰相閣下が今回のことで『宮廷魔法師団を私物化する』というしょうもない野望を諦めるのでしょうか?」
「『しょうもない』ってお前なぁ……」
「事実ではありませんか」
(あの無駄にプライドの高いノルベルトのことよ。近いうちにまた団長を呼び出すかもしれないわ)
不安げな顔で問い質すカトレアに、小さく溜息をついたルベルは膝の上で行儀悪く頬杖を突いてそっぽを向く。
「さぁな、だが近いうちに再び呼び出すかもしれない」
「でしたら……!」
「だが、それは今ではない」
「えっ?」
意外な返事にカトレアが目を見開くと、そっぽを向いていたルベルがカトレアに視線を戻す。
「よく考えてみろ。今は建国祭の準備でどこもかしこも忙しい。特に、建国祭全体を取り仕切る立場である宰相閣下なら尚更。だから、建国祭が終わるまでは呼び出しなんてしねぇだろう」
「では、建国祭が終われば団長は……」
『辞めるかもしれない』という不安を抱えながら恐る恐る聞いたカトレアに、ルベルが寂しそうな笑みを浮かべて小さく頷く。
「まぁ、そうなるかもしれないな」
「そう、ですか……」
(でも、そんなことはさせない。絶対に)
宮廷魔法師団団長として潔い返事をしたルベルを見て、カトレアは静かに俯いて小さく拳を握る。
すると、何かを思い出したルベルが頬杖を止める。
「そう言えばあいつ、変な魔法を使っていたな」
「変な魔法?」
ゆっくりと顔を上げたカトレアに、顎に手を置いたルベルが不思議そうに首を傾げる。
「あぁ、本人曰く『これは神から与えられた特別な魔法だ』みたいなことを言っていたが……あれはどう見ても闇魔法だった」
「っ!」
(それって、もしかしなくても改竄魔法よね!!)
ノルベルトの『変な魔法』の正体にすぐさま気づいたカトレアは、動揺を隠そうと紅茶に口を付けて一息つけ、僅かに震える手で静かにティーカップを置くと背をした。
「……団長、その魔法について少し伺ってもよろしいでしょうか?」
「あぁ、良いぞ」
「宰相閣下は闇魔法を使われたというのは本当でしょうか?」
「あぁ、俺も初めて見る闇魔法だから、一体何の魔法かは分からなかったが……恐らく、精神系の魔法だろう。ノルベルトがふざけた詠唱をした瞬間、そこにいた腰巾着共が突然、奴の操り人形になったからな」
「っ!」
(やっぱり……あの男、謁見の間で改竄魔法を使うなんて最低ね!)
ペトロート王国では、謁見の間で魔法を使ったり、剣を向けたりすることは、国王に対して反逆の意志があると捉えられる。
そのため、暗黙の了解で魔法の使用や騎士以外の者が帯剣することを禁じている。
「……玉座に座るだけじゃ飽き足らず、忌々しい魔法を使うなんて……本当、正気の沙汰じゃないわね」
「カトレア、どうかしたか?」
「いえ、何でも」
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