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28_皇太弟の行方_後編
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「・・・・叔父上を助けなければ」
「さりとて、殿下を危険な場所へ向かわせることはできません」
浩成様は強く食い下がった。
「・・・・殿下、こんな時こそ、冷静になるべきです。やはり西京に引き返し、兵を連れてきましょう。森の捜索には、時間がかかります。人手が必要です」
浩成様は空を見上げた。
「・・・・それに、今から捜索するとなると、日暮れまでに街に戻れません。日暮れ後の捜索は、危険すぎます。それに、昨日戻らなかったということは、独秀殿下は、もう――――」
浩成様は、途中で口ごもる。俊煕殿下に睨まれたからだ。
「・・・・まだ何もわからぬうちに、めったなことは言ってはならない」
「・・・・申し訳ありません」
生死がわからないうちに、もう死んでいると決めつけるのは不吉なことだ。浩成様もよくないことだと気づいたのか、俯いて、黙ってしまった。
私は仲弓さんと顔を見合わせた。仲弓さんも同じ考えだったのか、頷いてくれる。
獣が相手ならば、私達が培ってきた知識が役に立つかもしれない。
「俊煕殿下、私達が代わりに、捜索に向かいます」
私達の前に出て、膝をついた。
「私達は学はありませんが、狩猟を生業とする身ゆえ、獣に対応する知識は持っています。だから、ここは私達にお任せください。殿下は西京に戻り、人集めをお願いします」
殿下はすぐに、首を横に振った。
「あなた達だけを、危険な場所に向かわせるわけにはいきません」
「殿下」
浩成様が、殿下の腕を引く。
「・・・・彼らは、厳しい土地で暮らしている者達です。今は彼らの気持ちに甘えましょう。我々は、西京で人を集め――――」
「駄目だ」
殿下の声が、より厳しくなる。
西京の通りで、ごろつきに囲まれた時ですら、俊煕殿下の声は静かだった。殿下の大きな声を聞いたのは、この時がはじめてかもしれない。
「二人だけを行かせるわけにはいかない。俺も行く。皇宮への報告は、他の者に任せよう」
「殿下――――」
「もう決めたことだ。これ以上は、何も言うな、浩成」
浩成様が食い下がろうとしたけれど、有無を言わせぬ口調で言いきられて、口をつぐむしかなかったようだ。
俊煕殿下がそう決めたのなら、私達にはもう何も言えない。侍衛の方々も戸惑っている様子だったけれど、彼らも殿下の決定には逆らえないだろう。
「湛左、そなたが俺の代わりに皇宮に戻り、父上にこのことを報告してから、兵を貸してくれるよう、頼んでくれ」
「承りました」
湛左と呼ばれた侍衛は、一秒でも時間が惜しいとばかりに、素早く拱手をすると、馬に飛び乗った。
「では、参りましょう」
「・・・・はい」
森に向かっていく俊煕殿下の後ろ姿を見て、不安を覚えたものの、私達には止められなかった。
「さりとて、殿下を危険な場所へ向かわせることはできません」
浩成様は強く食い下がった。
「・・・・殿下、こんな時こそ、冷静になるべきです。やはり西京に引き返し、兵を連れてきましょう。森の捜索には、時間がかかります。人手が必要です」
浩成様は空を見上げた。
「・・・・それに、今から捜索するとなると、日暮れまでに街に戻れません。日暮れ後の捜索は、危険すぎます。それに、昨日戻らなかったということは、独秀殿下は、もう――――」
浩成様は、途中で口ごもる。俊煕殿下に睨まれたからだ。
「・・・・まだ何もわからぬうちに、めったなことは言ってはならない」
「・・・・申し訳ありません」
生死がわからないうちに、もう死んでいると決めつけるのは不吉なことだ。浩成様もよくないことだと気づいたのか、俯いて、黙ってしまった。
私は仲弓さんと顔を見合わせた。仲弓さんも同じ考えだったのか、頷いてくれる。
獣が相手ならば、私達が培ってきた知識が役に立つかもしれない。
「俊煕殿下、私達が代わりに、捜索に向かいます」
私達の前に出て、膝をついた。
「私達は学はありませんが、狩猟を生業とする身ゆえ、獣に対応する知識は持っています。だから、ここは私達にお任せください。殿下は西京に戻り、人集めをお願いします」
殿下はすぐに、首を横に振った。
「あなた達だけを、危険な場所に向かわせるわけにはいきません」
「殿下」
浩成様が、殿下の腕を引く。
「・・・・彼らは、厳しい土地で暮らしている者達です。今は彼らの気持ちに甘えましょう。我々は、西京で人を集め――――」
「駄目だ」
殿下の声が、より厳しくなる。
西京の通りで、ごろつきに囲まれた時ですら、俊煕殿下の声は静かだった。殿下の大きな声を聞いたのは、この時がはじめてかもしれない。
「二人だけを行かせるわけにはいかない。俺も行く。皇宮への報告は、他の者に任せよう」
「殿下――――」
「もう決めたことだ。これ以上は、何も言うな、浩成」
浩成様が食い下がろうとしたけれど、有無を言わせぬ口調で言いきられて、口をつぐむしかなかったようだ。
俊煕殿下がそう決めたのなら、私達にはもう何も言えない。侍衛の方々も戸惑っている様子だったけれど、彼らも殿下の決定には逆らえないだろう。
「湛左、そなたが俺の代わりに皇宮に戻り、父上にこのことを報告してから、兵を貸してくれるよう、頼んでくれ」
「承りました」
湛左と呼ばれた侍衛は、一秒でも時間が惜しいとばかりに、素早く拱手をすると、馬に飛び乗った。
「では、参りましょう」
「・・・・はい」
森に向かっていく俊煕殿下の後ろ姿を見て、不安を覚えたものの、私達には止められなかった。
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