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「見ていたのか?」
「……大体は」
「どこからだ?」
「ベネディクト先輩がキャメロンに『離れろ』って言ったところからです」
「それじゃあ魅了魔法の話は聞いたのか」
「はい」
魅了魔法……「ざまぁ」モノで「ざまぁ」される女性キャラクターが用いりがちな魔法である。この世界にもそんな夢のある――と言うと語弊があるか――魔法が存在しているのだなあとレンは他人事のように考える。
だがベネディクトは感心しているレンの様子をどう捉えたのか、「ふう」と小さくため息をついて先ほどの出来事をより詳細に話し始める。
「カラックに呼び止められてその目を見たらなぜだか彼女に対して欲情を覚えた」
「よっ……」
「しかしすぐに目をそらしたので大事には至らなかったのだろう。そう強い魅了魔法でもなかったようだ。そうでなければ違和に気づけなかったかもしれない」
「魅了魔法にも色々と種類? があるんですね」
「好印象を抱かれるようにしたりする程度の魅了魔法ならば合法だが、問答無用で感情を塗り替えるような類いのものはさすがに禁じられている」
「でしょうね。怖すぎますもん」
レンはキャメロンが仮に異世界転生者であっても、オタクカルチャーのさらに狭い「ざまぁ」モノのお約束事には精通していないようだと判じる。なぜなら魅了魔法を使うなど「『ざまぁ』してください」と言わんばかりの愚行であったからだ。レンの中では「魅了魔法を使う=『ざまぁ』される」くらいの等式まで出来ていた。
……そもそも「キャメロンが異世界転生者かもしれない」という推測や前提がおかしいのだが、暴走運転を続けるレンの頭はそれに気づかない。フィクションに基づく知識のままに「ざまぁ」がどうのと言っている時点で、レンの頭は完全にデキ上がっている。しかしレンとしては石橋を叩いて渡っているつもりなのだった。
「でも相手に好印象を抱かれる魔法なんて使えるとしたら……禁じられていたとしても、誘惑はすごそうですね」
「そうか? まあ、たしかに魅了魔法も実力のうち。使えるものはなんでも使うという思想の持ち主であれば、躊躇ったりはしないだろうな」
「怖いですね……」
「そう案ずるな。……僕は君のハーレムの成員なんだ。君以外の人間になびくはずもないだろう」
「……え?」
レンは思った。「え? そっち?」と。
「案ずるな」と言われた時点では、次に出てくる言葉は「きちんと取り締まられている」とか「法で罰せられる仕組みだ」とかそういうものだと思っていたのだ。だが、違った。ベネディクトの言葉はどこか熱烈で――そのブルーアイズもどこか熱っぽく潤んでいるように見えた。潤んでいるのは魅了魔法を受けた影響だろう。でもそれならこの言葉は?
そしてそう強くはなかったと言われた魅了魔法を受けても、鋼の意思でそれを振り切れるベネディクトの精神力の強さに改めてレンは舌を巻く。冷静に身体の変化を分析できるのもすごいし、誘惑を振り切れる意思の強さもそうだ。そしてどうやらその意思の強さは、レンの――ニセの――ハーレムの成員であるという意識がそうさせたらしい。
レンはそんなベネディクトに感心したが、ひとこと、言っておかねばならないことがあった。
「いや……『ニセの』ですからね?」
レンが付け加えても、ベネディクトはなにも言わなかった。それどころか意味深に微笑むだけだ。レンは「ワー美人の微笑みは絵になるナー」などとどうでもいいことを考えて、ベネディクトがなぜなにも言わないのか、その理由を考えないようにした。
レンもさすがに「もしかして、もしかして」と気づき始めていた。けれどもそれはしょせん「もしかして」の域を出ないものであり、もし予測が外れていれば非常に恥ずかしい思いをすることになるだろう。それをよくわかっているので、小心なレンは考えないようにしているのである。
それに「もしかして」の域を出ても、待っているの地獄だとレンは思っていた。レンの勉学を除く自己評価は地の底を這っているので、「もしかして」の域を無事脱せても、待っているのは疑心暗鬼と相手が未成年者という地獄なのだ。レンはそれもよくわかっていた。だからこそ「もしかして」を脱したくなくて、見てみぬフリをするわけなのである。
中庭に面した廊下では微笑むベネディクトと、引きつった笑みを浮かべるレンが並ぶ。周囲は「恋人同士がイチャついてるよ」くらいにしか思っていなかっただろうが、実際のところその「恋人同士」の部分は偽りであり、微妙な駆け引きが発生していることなど、だれひとりとしてわからなかった。
「……レン?」
「あれ? アレックス? ――って顔が赤いけどどうしたの?!」
そんな微笑み合うふたりに近づいてきたのは、ほかでもないアレックスであった。次の授業が被っていたので、待ち合わせをして一緒に行こうと約束していたことをレンは思い出してあわてた。しかし振り返ればアレックスは顔を紅潮させている。さすがにおかしいと思い、問い質した、というわけである。
「なんかキャメロンと目を合わせたらヘンな気持ちになったから……あわてて逃げてきた」
「……魅了魔法だな」
「ええっ!?」
先ほどベネディクトに魅了魔法を仕掛けた疑いが濃厚なキャメロンは、その毒手をアレックスにも伸ばしたらしい。しかし先ほどの出来事からほとんど間を置いていない。さながら通り魔か辻斬りのようであるなと、レンはおどろきを通り越して妙な感心を覚える。
「カラックはどうした?」
「逃げてきたからわかんねえっす」
「捕まえればよかったものを」
「無茶言わないでくださいよ! なんかすっげえ不愉快な気持ちが湧いてきて……その、ぶん殴りそうになったから逃げてきたんすよ!」
「欲情したんじゃなくて?」
レンの言葉を受けたアレックスは、先ほどの彼女のように「よっ……」と二の句が告げない状態になる。どうやら欲情したことは事実らしいが、どうもレンには知られたくなかったようだ。
「丁度いい。被害者同士、共に職員室へ行こうじゃないか」
「ってことはなに? センパイもキャメロンの被害に遭ったってこと?」
「そうみたい……」
「しかしその前に医務室へ行くか? ……それともトイレか?」
「――そっ、そーいうことレンの前で言うなよなー!」
レンもそういうことに関してはネンネではないので、ベネディクトが下ネタを言っていることはわかった。まあベネディクトの場合はアレックスの身を案じた純粋な問いであり、下世話なネタを言ったという認識が欠如している可能性もあったが。とは言えレンもアレックスの下半身へは目をやれなかった。無理矢理アレックスたちの顔を見ることで、どうにか意識を散らそうと頑張る。
「医務室行ってきたら? 次の授業に間に合わなさそうだから、先生には私から言っておくよ」
「おー……、よろしく。ったくあの女……ホント、トラブルメーカーすぎる……」
「それは同意する」
並んで医務室へと向かうアレックスとベネディクトを見送ったレンは、ここにはいないキャメロンへと思いを馳せる。本当に、通り魔のような犯行であった。なぜそのような真似をするのかレンにはわからない。もっと正攻法でせめたほうが勝率は高くなるんじゃないかとレンは思っているからだ。なにせ、あの美貌だし。
キャメロンの意図がイマイチつかめず、レンは不気味な思いを抱く。しかしレンは意外なところで意図せずその答えを手にすることになるのだった。
「……大体は」
「どこからだ?」
「ベネディクト先輩がキャメロンに『離れろ』って言ったところからです」
「それじゃあ魅了魔法の話は聞いたのか」
「はい」
魅了魔法……「ざまぁ」モノで「ざまぁ」される女性キャラクターが用いりがちな魔法である。この世界にもそんな夢のある――と言うと語弊があるか――魔法が存在しているのだなあとレンは他人事のように考える。
だがベネディクトは感心しているレンの様子をどう捉えたのか、「ふう」と小さくため息をついて先ほどの出来事をより詳細に話し始める。
「カラックに呼び止められてその目を見たらなぜだか彼女に対して欲情を覚えた」
「よっ……」
「しかしすぐに目をそらしたので大事には至らなかったのだろう。そう強い魅了魔法でもなかったようだ。そうでなければ違和に気づけなかったかもしれない」
「魅了魔法にも色々と種類? があるんですね」
「好印象を抱かれるようにしたりする程度の魅了魔法ならば合法だが、問答無用で感情を塗り替えるような類いのものはさすがに禁じられている」
「でしょうね。怖すぎますもん」
レンはキャメロンが仮に異世界転生者であっても、オタクカルチャーのさらに狭い「ざまぁ」モノのお約束事には精通していないようだと判じる。なぜなら魅了魔法を使うなど「『ざまぁ』してください」と言わんばかりの愚行であったからだ。レンの中では「魅了魔法を使う=『ざまぁ』される」くらいの等式まで出来ていた。
……そもそも「キャメロンが異世界転生者かもしれない」という推測や前提がおかしいのだが、暴走運転を続けるレンの頭はそれに気づかない。フィクションに基づく知識のままに「ざまぁ」がどうのと言っている時点で、レンの頭は完全にデキ上がっている。しかしレンとしては石橋を叩いて渡っているつもりなのだった。
「でも相手に好印象を抱かれる魔法なんて使えるとしたら……禁じられていたとしても、誘惑はすごそうですね」
「そうか? まあ、たしかに魅了魔法も実力のうち。使えるものはなんでも使うという思想の持ち主であれば、躊躇ったりはしないだろうな」
「怖いですね……」
「そう案ずるな。……僕は君のハーレムの成員なんだ。君以外の人間になびくはずもないだろう」
「……え?」
レンは思った。「え? そっち?」と。
「案ずるな」と言われた時点では、次に出てくる言葉は「きちんと取り締まられている」とか「法で罰せられる仕組みだ」とかそういうものだと思っていたのだ。だが、違った。ベネディクトの言葉はどこか熱烈で――そのブルーアイズもどこか熱っぽく潤んでいるように見えた。潤んでいるのは魅了魔法を受けた影響だろう。でもそれならこの言葉は?
そしてそう強くはなかったと言われた魅了魔法を受けても、鋼の意思でそれを振り切れるベネディクトの精神力の強さに改めてレンは舌を巻く。冷静に身体の変化を分析できるのもすごいし、誘惑を振り切れる意思の強さもそうだ。そしてどうやらその意思の強さは、レンの――ニセの――ハーレムの成員であるという意識がそうさせたらしい。
レンはそんなベネディクトに感心したが、ひとこと、言っておかねばならないことがあった。
「いや……『ニセの』ですからね?」
レンが付け加えても、ベネディクトはなにも言わなかった。それどころか意味深に微笑むだけだ。レンは「ワー美人の微笑みは絵になるナー」などとどうでもいいことを考えて、ベネディクトがなぜなにも言わないのか、その理由を考えないようにした。
レンもさすがに「もしかして、もしかして」と気づき始めていた。けれどもそれはしょせん「もしかして」の域を出ないものであり、もし予測が外れていれば非常に恥ずかしい思いをすることになるだろう。それをよくわかっているので、小心なレンは考えないようにしているのである。
それに「もしかして」の域を出ても、待っているの地獄だとレンは思っていた。レンの勉学を除く自己評価は地の底を這っているので、「もしかして」の域を無事脱せても、待っているのは疑心暗鬼と相手が未成年者という地獄なのだ。レンはそれもよくわかっていた。だからこそ「もしかして」を脱したくなくて、見てみぬフリをするわけなのである。
中庭に面した廊下では微笑むベネディクトと、引きつった笑みを浮かべるレンが並ぶ。周囲は「恋人同士がイチャついてるよ」くらいにしか思っていなかっただろうが、実際のところその「恋人同士」の部分は偽りであり、微妙な駆け引きが発生していることなど、だれひとりとしてわからなかった。
「……レン?」
「あれ? アレックス? ――って顔が赤いけどどうしたの?!」
そんな微笑み合うふたりに近づいてきたのは、ほかでもないアレックスであった。次の授業が被っていたので、待ち合わせをして一緒に行こうと約束していたことをレンは思い出してあわてた。しかし振り返ればアレックスは顔を紅潮させている。さすがにおかしいと思い、問い質した、というわけである。
「なんかキャメロンと目を合わせたらヘンな気持ちになったから……あわてて逃げてきた」
「……魅了魔法だな」
「ええっ!?」
先ほどベネディクトに魅了魔法を仕掛けた疑いが濃厚なキャメロンは、その毒手をアレックスにも伸ばしたらしい。しかし先ほどの出来事からほとんど間を置いていない。さながら通り魔か辻斬りのようであるなと、レンはおどろきを通り越して妙な感心を覚える。
「カラックはどうした?」
「逃げてきたからわかんねえっす」
「捕まえればよかったものを」
「無茶言わないでくださいよ! なんかすっげえ不愉快な気持ちが湧いてきて……その、ぶん殴りそうになったから逃げてきたんすよ!」
「欲情したんじゃなくて?」
レンの言葉を受けたアレックスは、先ほどの彼女のように「よっ……」と二の句が告げない状態になる。どうやら欲情したことは事実らしいが、どうもレンには知られたくなかったようだ。
「丁度いい。被害者同士、共に職員室へ行こうじゃないか」
「ってことはなに? センパイもキャメロンの被害に遭ったってこと?」
「そうみたい……」
「しかしその前に医務室へ行くか? ……それともトイレか?」
「――そっ、そーいうことレンの前で言うなよなー!」
レンもそういうことに関してはネンネではないので、ベネディクトが下ネタを言っていることはわかった。まあベネディクトの場合はアレックスの身を案じた純粋な問いであり、下世話なネタを言ったという認識が欠如している可能性もあったが。とは言えレンもアレックスの下半身へは目をやれなかった。無理矢理アレックスたちの顔を見ることで、どうにか意識を散らそうと頑張る。
「医務室行ってきたら? 次の授業に間に合わなさそうだから、先生には私から言っておくよ」
「おー……、よろしく。ったくあの女……ホント、トラブルメーカーすぎる……」
「それは同意する」
並んで医務室へと向かうアレックスとベネディクトを見送ったレンは、ここにはいないキャメロンへと思いを馳せる。本当に、通り魔のような犯行であった。なぜそのような真似をするのかレンにはわからない。もっと正攻法でせめたほうが勝率は高くなるんじゃないかとレンは思っているからだ。なにせ、あの美貌だし。
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